焔の魔導師 第4話
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第4話

 

クロストside

 

昨日は鮫島さんとアリサにお世話になった。

服もきれいに洗濯されていたし、食事もとても豪華な物だった。

だけどメイドさんが変だったことがあるんだ。

後片付けとかを手伝った時に笑っていたら、メイドさん達みんな顔を赤くしてたんだ。

どうしたのだろうか?

 

「(相変わらずの鈍感ですね。)」

 

前の世界から女子には人気だったクロ。

その笑顔の破壊力は凄まじい。

ええい!マスタング家のクロは化け物かっ!!by作者

 

「?」

〈どうしましたか?〉

〈いや、何かバカにされたような気がして。〉

 

ともかく、不自由はなかった。

そして今日、アリサのご両親が帰ってくると言う。

アリサが学校にいる間に帰ってきて僕に聞きたいことがあるらしい。

まぁ、予感はしてたけどね。

 

「クロスト君、着いてきていただけますか?」

「はい。」

 

鮫島さんに促されるまま部屋を出た。

 

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「失礼します。クロスト君をお連れしました。」

 

部屋の中に入ると、男の人と女性がいた。

ダンディーな人だな。女の人はアリサに似て綺麗だな〜。」

 

「うふふ、ありがとう。」

「へ?」

「途中から声に出ていたよ。」

「はうぅ・・。/////」

「はっはっは!これはアリサが気に入るはずだ。」

 

豪快な人だな。

 

「まぁ、座りたまえ。鮫島、茶を。」

「私は紅茶がいいわ。」

「かしこまりました。」

 

鮫島さんは慣れた手つきで仕事をしていく。

かっこいいなぁ。

 

「まず自己紹介をしようか。私は『ギブソン・バニングス』アリサの父親だ。」

「私は『ミモザ・バニングス』。見ての通りアリサの母親よ。」

「僕は『クロスト・マスタング』と言います。」

「さて、君に聞きたい。君は何者だい?」

「・・・。」

「鮫島に調べて貰ったよ。でも世界中の戸籍を探しても『クロスト・マスタング』と言う人間は存在しない。」

「はっきり言ってしまうと素性のわからない人をあまり家に置いておきたくないのよ。」

 

僕はどうするべきか迷った。

話してここを追い出されたら僕はどうすればいいのかと自分勝手な考えが浮かんできたからだ。

 

「話しにくいことかな?」

「いえ、ただ。今から話すことはあまり人に聞かれたくないことですので。」

「・・そう言うことか。だが心配しなくていい。ここにいる人間はみんな口が硬いからな。」

「ありがとうございます。」

 

話してしまおう。

たとえ、人殺しと罵られても。

 

「承知の通り、僕はこの世界の人間ではありません。」

「ふむ、この世界と言うのは?」

「それはこの地球の住民ではないと言うことです。」

「つまり君は異星人?」

「僕らは異世界人と呼んでいますが。」

「それで、なぜ君は地球に来たんだい?」

「・・両親が殺されたからです。」

「「!?」」

「なるほど、だから服に血が着いていたのですね。」

「はい。」

「何故、ご両親は殺されたのかしら。」

「その経緯を話すには、まず『魔法』と言う物を説明しないと。」

「魔法?」

「はい、もう話してもいいんじゃないかなロイ?」

「やっと私も話せますね。」

「「「!?」」」

 

やっぱり3人共ビックリしてるね。

 

「どこから声が!?」

「落ち着いてください。今の声はこれですよ。」

 

そう言って僕は、首にかけているペンダントを見せる。

 

「それが喋ったの?」

「そうですよ、ちなみに名前は『ロイ』です。」

「初めまして、インテリジェントデバイスのロイと申します。」

「インテリジェント、デバイス?」

「簡単に言ってしまえば、マスターが魔法を使用する時などに手助けをする物といったところでしょうか。」

「魔法使いが持っている杖みたいな物か。」

「まぁ、そういう解釈でよろしいかと。」

「とにかく、僕のいた世界では魔法がある世界なんですよ。」

「それと君の両親が殺されたことに関係が?」

「はい、僕のお父さんは魔法の研究をしていました。そして管理局がそこに目を付けたんです。」

「管理局?」

「正式名称を『時空管理局』。軍と司法を1つにしたような組織です。はっきり言って黒い噂が絶えません。」

「たしかに、それだけ大きな組織なら違法なことをしていても不思議ではないな。」

「そして管理局はお父さんの研究を自分の物にしようとしたんです。」

「そんなに凄いの?お父さんの研究って。」

「マスター、実演した方が解かりやすいかと。」

「そう?じゃあ、ロイセットアップ。」

 

手に錬成人の書かれた手袋が装着される。

 

「それも魔法かい?」

「はい、では。」パチン

 

指パッチンして人差し指に火を灯す。

 

「それが?」

「はい、『錬金術』です。」

「錬金術ってあれだろう?科学的に石ころを金にしようとした。」

「はい、魔法も魔力を使っているだけでとても科学的なんですよ。」

「でも便利よね、何もないところから火がでるなんて。」

「お父さんもそれを目指してこれを研究していたんです。」

「しかし、管理局はあろうことかこの技術を軍事利用しようとした。」

「なるほど、だから・・。」

「お父さんが殺された理由はもう1つあります。ロイあれを出して。」

「しかし「いいから。」・・わかりました。」

 

ペンダントから紅い物が入った瓶をだす。

 

「それは?」

「『賢者の石』と呼ばれる物です。」

「あの伝説の!?」

「はい。」

「それもお父さんが作ったのか?」

「そんなことあるはずないじゃないですかっ!!」

「・・何故そう言えるんだい?」

「それは・・。」

「私が説明します。『賢者の石』の材料は生きた人間なのです。」

「そんな!?」

「本当です。そしてマイスターはそんな非人道的なことはしません、絶対に。」

「それに、僕は見たんです。管理局の人がお父さんに渡しているのを。」

「まさか、管理局の人間が?」

「そう考えるのが自然ですね。」

「許せないわね、守ることが仕事のはずなのに人を殺すなんて。」

「それで君は両親を殺した人間を殺したのかい?」

「・・・はい。」

「それで、気分は晴れたかい?」

「いいえ、それどころか悪夢を見るようになって・・。」

「・・・。」

「やっぱり、僕もあそこで死んだ方が良かったんでしょうか?」

「マスター!?なんてことを!!」

「だって!管理局にとって僕は邪魔者だし、たとえ死んだことになっててももう帰る場所なんて。」

 

帰る場所が無い、気を休める場所が無い。

もう僕はいらない人間なんだ。

だったら死んでしまったほうが楽だ。

そう考えると涙が出てくる。

 

 

ぎゅっ。

 

「ふぇ?」

「大丈夫よ。」

 

いつの間にかミモザさんに抱きしめられていた。

 

「あなたはいらない子じゃない。居場所ならあるじゃない、ここに。」

「・・いいんですか?僕は、ここにいていいんですか?」

「いいに決まってるじゃない。それに・・。」

「?」

「あなたがここにいてくれると助かるわ。」

「!!」

「だから、お願い。もう自分のことをいらないなんて言っちゃダメよ。」

「うぅ、ぶぁい(はい)。」

「あらあら、泣いっちゃって。」

「泣いてないです。これは「これは?」ううぅ・・。」

「うふふ、かわいい。」

「//////////」

 

ミモザさんには一生掛かっても勝てない気がする。

 

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「すいません、服を汚してしまって。」

「いいのよ、クロ君の恥ずかしい顔も見れたことだし。」

「ううぅ・・。/////」

「(あぁ、やっぱりかわいいわ。アリサには勿体ないわね、いっそのこと・・。)はぁはぁ・・。」

「(ミモザが獣の目をしているよ。クロ君、アリサ頑張って。)はぁ・・。」

「(ミモザ様の悪い癖が。クロスト君は大丈夫だろうか)・・・。」

 

何故だろう、ミモザさんの目が怖い。

 

「ともかく、君の事情はわかった。後は君がどうしたいかだ。」

「僕の・・。」

「君は、ここにいたいかい?」

 

僕は・・。

 

「僕は、ここにいたいです。」

「ふっ、そうか。では君の立場だが、当分はお客として招待するよ。」

「当分、ですか。」

「働かざる者食うべからずとも言うでしょう?」

「ごもっともで。」

「まぁ、働くと言っても手伝いとかしてくれるだけでもいいんだ。」

「そうですか。」

「じゃあ、今日はこれでお開きにしようか。そろそろアリサも帰ってくることだろう。」

「はい。」

「あぁ、それと学校はどうする?」

 

学校、前の世界でも行っていたけど・・。

 

「考えさせてください。」

「うむ、行きたくなったら言いなさい。戸籍の用意とか面倒だからね。」

 

 

 

こうしてギブソンさん達との話は終わった。

 

夕食の時にアリサにも魔法のことを話したけど最初は信じて貰えなかった。

まぁ、実演したら目を丸くしていたけど。

あと当分この家にいるとわかったらとても喜んでいた。

そのことでミモザさんにからかわれていたけど。

 

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後書き

 

と言うわけで、クロは当分バニングス家にお世話になります。

それと前回のコメントで「ぶっちゃけ、錬金術いる?」っていうコメントがありました。

設定としてはクロにはレアスキルや魔力変換資質はありません。

クロは錬金術以外だとふつうの魔法しか使えません。

これを頭にいれて読んでいただけるとうれしいです。

でもコメントうれしかったりするよ。

次回は急展開!?クロが○○に!!

ご期待ください。

 

説明
主人公が狙われます。
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コメント
クロは錬金術以外だとふつうの魔法しか使えません←普通の管理局の魔導師もそうだけど?(猫の魔術師)
クロは執事になるのかな?(はらっぱ)
・・・・・・・・あれ?バリアジャケットは?(アサシン)
アリサの母親はショタコンか!?byアサシン(アサシン)
アリサがヒロインか、なのは達との敵対フラグ回避かな(ohatiyo)
タグ
魔法少女リリカルなのは 鋼の錬金術師 ハーレム? 

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