焔の魔導師 第9話 |
第9話
なのはside
倒れていたフェレットを病院に預けた日の夜。
何か嫌な感じがしたから私は病院に向かったの。
そうしたら。
「ぐおおおぉぉぉぉ!」
「なにあれ・・。」
黒い獣のような何かが病院に暴れていたの。
なんで暴れているんだろう?
「はっ!それよりもあのフェレットを見つけなくちゃ!」
私は獣に見つからないようにフェレットを探したの。
「見つけた!」
私が見つけると、フェレットは弱っているようなの。
早く助けてあげないとっ!
「大丈夫!?」
「うぅ・・。」
「喋ったの!?」
「!? 危ない!!」
「ふぇ?」
後ろを見ると、獣が迫ってきたの。
「きゃああああああああ!!!!!」
私はとっさに躱したけど、私の前にあった木が倒されたの・・。
「君、僕に構わずに逃げて!あれの狙いは僕だ!!」
「!? そんなことできないの!困ってる人を目の前にして自分だけ逃げることなんてできないの!!」
そう言うとフェレットが持っているネックレスから光が出て来たの!
「これは!? 君僕の後に続けて言葉を言って!!」
「え?どうして。」
「いいからっ!!」
「う、うん!!」
私はとりあえずフェレットの言う通りにするの。
「我、使命を受けし者なり。」
「我、使命を受けし者なり。」
「契約のもと、その力を解き放て。」
「契約のもと、その力を解き放て。」
「風は空に、星は天に。」
「風は空に、星は天に。」
「そして不屈の魂はこの胸に。」
「そして不屈の魂はこの胸に。」
「この手に魔法を。レイジングハート、セットアップ!」
「セットアップ。」
「うわっ!?」
ネックレスについていた宝石が光ったの!!
「バリアジャケットを設定します。」
「え?え!?」
「落ち着いて!なにか服をイメージして!!」
服!?
いきなりそんなこと言われたって!
え〜とえ〜〜と・・。
すると、光が収まっていく。
光が収まると、学校の制服?のような服を着ていたの。
それに変な杖?も持ってるし。
「さぁ、それで魔法を発動させて!」
「そんな!?私魔法なんて使ったことないよ!!」
「でもデバイスは起動してるし。」
「ぐおおおおおおおおお!!」
私がフェレットと話している間に獣が迫ってきた。
「くぅっ!!」
私は反射的に杖を前にだした。
「プロテクション。」
「ぐううううう!!」
私の前に光の壁が現れて、獣から守ってくれたの。
「これってあなたがやってくれたの?」
「はい、あなたは私のマスターですから。」
「またくるよっ!」
また獣が突進してきた。
しかももうそんなに距離が無い。
間に合わない。
「きゃあああああ!!」
パチン。
ゴオオオォォォォ!
「ぐおおぉぉおおぉぉぉ!?」
「まったく、世話が焼けるね。」
「く、クロ君?」
私の目の前に青い服を着たクロ君が立っていたの。
クロストside
ふむ、なのさんは僕がいることに驚いているようだね。
まぁ、僕が魔導師だと知ってるのはギブソンさん達だけだけど。
「ぐぅおおおおおおおおお!!」
「? おかしいね、けっこう本気で焼いたと思ったんだけど?」
「ぐうううううう。」じゅうう
どうやらダメージがまったく無いわけではなさそうだ。
何かが焼ける音がするし・・。
「ね、ねえほんとにクロ君なの?」
「はい、いつでもどこでも清く正しいクロ君ですよ。」
「ぐおおおおおおおおっ!!!」
「き、来てるよクロ君!!」
「やれやれ、もう少し待てませんかね!」パチン!
ごおおおおおおおおおおおお!!
「ぐおおおおおおおおおおおおお!!」
獣が焔を受けて後ずさる。
これで少しは話ができるな。
「それで、そこのイタチ。」
「イタチ!?僕はイタチじゃないよ!!」
「なら生物(なまもの)。」
「もっと酷い!?」
「あれに何度も攻撃してるんだけど、何で倒せないの?」
「それはジュエルシードが関係しています。」
「ジュエルシード?」
「はい、ジュエルシードは魔力の結晶体で生物の願望を叶えてしまうんです。」
「? 行けないことなの?」
「なのは、願望はきれいな物とは限らないんだよ。」
「?」
「例えば、お金が欲しいとか誰かを殺して欲しいとか。」
「!?」
「そうならない為に、発動前に回収しようとしたんだけど。」
「発動してしまったと。」
「はい。」
そういうことなら仕方がないね。
ともかく今は。
「こいつをなんとかしないとね。」
「ぐうううう・・。」
「どうすればいいの?」
「核となっているジュエルシードを封印すれば。」
「僕は封印魔法とかできないぞ。」
「私だって。」
「僕が彼女に教えるから、あなたは時間稼ぎをお願いします。」
「わかった。」
「ダメだよ!危ないよクロ君!!」
「なのはさんに任せるより大丈夫だと思うけど?」
「うぅ・・、反論できないの。」
「じゃあ、頼むぞイタチ。」
僕は獣の前に出る。
「さて、早く帰りたいから動かないでね。」
「ぐおおおおおおおお!!!」
ま、そう簡単にはいかないか。
パチン。
ごおおおおおおおおおおおおおお!!!!
「ぐおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
さて、いつまで続くかな?
「しぶといね。」
「ぐるるるるるるるる。」
まだかなぁ。
「クロ君!!」
「やっと来ましたか。」
「行くよ、レイジングハート!」
「はい、マスター!」
なのはさんがレイジングハートを獣に向ける。
レイジングハートの先端が光る。
「リリカルマジカル、ジュエルシードシリアル21封印!!」
「ぐおおおおおおおお!!!」
獣の体から光が溢れ、大きな黒い形は無くなった。
獣がいた場所には、碧い宝石が浮いていた。
あれがジュエルシードか・・。
「えっと、これはどうすればいいの?」
「レイジングハートで触れて。」
「う、うん。」
レイジングハートの先でジュエルシードに触れると、吸い込まれていった。
「終わった、のかな。」
「うん、これでジュエルシードは封印されたよ。」
「・・ここは早く離れた方がいいね。」
「ほえ?」
なのはさんが変な声を出すと、パトカーの音が近づいている。
「は、早く帰らないと!」
「やれやれ。」
僕はなのはさんを送ることにした。
「でもよかったの、クロ君?」
「なにが?」
「だって家まで送ってもらって。」
「こんな時間に女の子を1人にする方が危ないよ。」
「あ、ありがとう・・。//////」
顔が赤い。
風邪でも引いたのかな?
「なのは。」
「あ、・・お兄ちゃん。」
家の前に、恭弥さんが立っていた。
「こんな時間にどこに行ってたんだ?」
「そ、それは・・。」
「フェレットのことが気になったので僕に着いてきてもらったんですよ。」
「へ・・?」
そう言った途端恭弥さんが僕を睨んでくる。
「お前がなのはを連れだしたのか!!」
「ち、違うよお兄ちゃん!私は自分で「そうですよ。」クロ君!?」
恭弥さんが僕の襟首を掴む。
「お前!!」
「止めなさい恭弥。」
「親父・・。」
士郎さんも出て来た。
「クロ君、君が本当になのはを連れだしたのかい?」
「はい。」
「そうなのかい、なのは?」
「ち、違うの!私が自分で行ったの!!」
「恭弥、なのはがこう言ってるのだからやめなさい。」
「・・・。」
「どうも。」
やっと恭弥さんに離してもらった。
「恭弥、なのはと先に家に入っていなさい。」
「お父さんは?」
「私はクロ君と話があるから。」
「わかった。」
「クロ君・・。」
「おやすみなさい、なのはさん。」
「うん、おやすみ。」
そう言ってなのはさんと恭弥さんは家の中に入って行った。
「さてクロ君、君は何故あんな嘘をついたのかな?」
「さて、何故でしょう?」
「私が聞いているんだけどね。」
「答える義務がありますか?」
僕も士郎さんも笑っているが、心の内は笑っていない。
お互いに相手の考えを読もうとしている。
「まぁ、いいや。なのはも無事に帰ってきたことだし。君も早めに帰りなよ。」
「ありがとうございます。」
そうして僕は帰った。
「ふぅ。」
「お疲れ様です、マスター。」
「うん、早く寝よう。」
僕がベッドに入ろうとすると。
「どこに行ってたのかしら。」
「ぎく・・・。」
扉の前にアリサがいた。
「アリサお嬢様、いつからそちらに。」
「クロが戻ってくるちょっと前かしら。それで?どこに行ってたの?」
アリサが近づいてくる。
「え、えっと・・。」
「話せないのかしら?」
「ううぅ・・・。」
「はぁ、わかったわ。話さなくていいわ。」
「ありがとうございます。」
「ただし!私のお願い1つ聞いてもらうわよ。」
「はい、なんなりと。」
そして、アリサのお願いと言うのが。
「あの、お嬢様?」
「その話し方やめて。誰もいないんだから。」
「・・・アリサ、一緒に寝るのがお願いなの?」
ちなみにアリサが着ているのは、薄い赤のネグリジェ。
赤と言う色がアリサにピッタリである。
「べ、別にいいじゃない!偶には!!」
「・・そうだね。」ぎゅ
「あ・・。/////」
僕はアリサを抱きしめる。
「偶にはいいかもね。」
「ふん・・、おやすみクロ。/////」
「おやすみ、アリサ。」
次の日の朝。
ミモザさんにからかわれたのは言うまでもない。
後書き
皆様、お久しぶりです!
教育実習も終わり、今後は頑張って更新していこうと思います。
突然なのですが、新しい小説のイメージが浮かんできてしまったので書いてもいいですか?
この小説の更新スピードが遅くなるかもしれませんが、それでも構わないという方は応援して頂けると嬉しいです。
ではまた会う日まで。
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お久しぶりです! | ||
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コメント | ||
次回も楽しみにしてます!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ(ユウギ) ohatiyoさん そうですね、ありがとうございます。(クロス) 行けない→ひらがなでいいでしょ(ohatiyo) |
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