英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク 改訂版 |
サントクロワの森をしばらく進み続けていたケビン達にある声が聞こえてきた。
〜サントクロワの森〜
「や、やめろ………それ以上近寄るなああっ!」
「人の声……?」
「この声は………」
「ああ………間違いないやろ。」
叫び声を聞いたナタリアは不思議そうな表情をし、声に聞き覚えがあるヨシュアは驚き、ケビンは頷いた。そして声がした方向を見るとそこには木の板に張り付けられ、鼠型の獣人に囲まれたギルバートがいた!
「ほ、ほんの出来心だったんです!二度としませんから!ど、どうか命ばかりはお助けをっ!」
命乞いをしたギルバートだったが、獣人達は理解していないのか、徐々にギルバートに近づいた。
「はあ………なんか妙に縁があるなぁ。」
その時ケビンが溜息を吐いた後、仲間達と共に武器を構えて駆け付けた。
「おおおっ!?こ、これぞまさに女神達の導き!神父様!ヨシュア様!どうかどうかお助けください!」
「………仕方ありませんね。」
「見捨てるんも寝覚め悪いし、いっちょ助けたるか!」
ギルバートの嘆願を聞いたヨシュアは溜息を吐き、ケビンは苦笑しながら仲間達と共に戦闘を仕掛けた!
「チュウ!!」
ケビン達の存在に気づいた獣人達はそれぞれケビン達に攻撃を仕掛ける為にケビン達に向かったが
「そぉれっ!クイックドロウ!!」
「砕けましてよ、ストローククエイカー!!」
「チュッ!?」
オリビエとナタリアが放った広範囲の遠距離攻撃をその身に受けて怯んで足を止めた。
「おぉぉぉぉ………!!」
そこにヨシュアが魔眼で獣人達の動きを封じ込め
「や〜っ!ダークマター!!」
クローゼがアーツで獣人達を一か所に固めて更に動きを封じ込めた。
「二の型―――疾風!!」
「もう、しまいにしよか……滅!!」
そしてアネラスとケビンが広範囲を攻撃するクラフトを放って止めを刺した!その後戦闘を終えたケビン達によってはりつけにされていたギルバートは助けられた。
「はあはあはあ…………ひ、酷い目にあった………」
「はあ………兄さんも結社の人間やろ?なんで毎回毎回、あんな目に遭ってんねん。」
地面に膝をついて安堵の溜息を吐いているギルバートをケビンは呆れた表情で溜息を吐いた後真剣な表情で指摘した。
「し、失敬な………これには涙なくしては語れない波乱万丈にして震天動地の物語があってだね………」
「というよりも………率直な疑問なんですが。どうして僕たちよりも先にこの場所に来ているんですか?」
「そういや、オレたちよりも先に転位陣に入ったってことか?」
ヨシュアの疑問を聞き、ギルバートが自分達より先にサントクロウの森に着ていた事に気づいたケビンは目を丸くした。
「フッ、城で君達と別れた後、僕は市街で甲冑兵に囲まれたんだ。そして獅子奮迅の働きで迫りくる甲冑兵をなぎ倒すうちに何か渦のようなものに巻き込まれてね。ふと気付いたら、絶景を望む建物の前に移動していたのさ。おお、なんという奇跡!女神はこのギルバート・スタインを物語の主人公に選んだに違いない!」
(ケビンさん、それって…………)
(ああ、戦闘中にたまに発生する”渦”に巻き込まれたんやな………しかしそれで偶然”第四星層”に飛ばされるとは…………)
(あはは………運がいいのやら悪いのやら………)
ギルバートの説明を聞いたヨシュアとケビンは仲間達と共に脱力した後、呆れた様子で会話をし、アネラスは苦笑していた。
「フッ、感動のあまり声も出ないといったところか。フフ………無理もないだろう。」
「ま、別の意味で感動すら覚えるけどな………それでどうして宿舎から離れてこんな場所に?やっぱ探索でもしてたんか?」
「ギクッ………」
自慢げに語っていたギルバートだったがケビンの疑問を聞くと表情をひきつらせ
「そういえば………さっ『もう2度としません』とか『ほんの出来心』とか言ってましたけどあれは何だったんですか?」
「は、はは………ナンノコトダイ?」
さらにヨシュアの疑問を聞くと片言で答えた。するとギルバートのお腹の音が鳴った。
「ち、違うんだ!これはその………ただ気が抜けただけで………」
お腹の音が鳴った後、自分を黙って見つめるケビン達にギルバートは言い訳をしたが
「………ひょっとして………空腹のあまり、さっきの獣人どもから食料でも盗もうとしたんか?」
「ギクギクッ………」
ケビンの推測を聞くと図星をつかれた表情をし、反論もしなかった。
「えっと、その………恥じることはないと思います。やはり食というのは大事ですよね。」
「そ、その………ビスケットでも食べる?おやつに持ってたんだけど………」
「ギルバート………その、よかったら僕たちの”拠点”に来ますか?」
「そ、そうですわね。単身でこんな所まで迷い込んで生き残っていたのですから、貴方は十分頑張りましたわ。」
「そやな………あそこやったら水とか食料も確保できるし。」
するとそれを見たクローゼやアネラス、ヨシュアとナタリアはギルバートを哀れみ、それぞれ苦笑しながら慰めの言葉を送ったりギルバートの為の提案をし、ヨシュアの提案にケビンは頷いた。
「え、ええい!哀れみの目で僕を見るな!あいにくだが食料ならさっきの奴らから盗んだばかりだ!それも1ヶ月くらいは余裕で暮らせるほどの量をね!それにこのギルバート・スタイン、安全地帯等確保しなくても結社のプログラムの野営術等を習得しているから必要ない!」
ケビン達に哀れまれたギルバートは叫んだ後、ケビン達を迂回してケビン達の背後へと走り抜け
「フッ、この食料はぜんぶ僕一人のものだ!貴様等などに一かけらたりとも分けてやるものか!フハハ、それではさらばだ!」
途中で立ち止まってケビン達を見つめて捨て台詞を吐いた後走り去った。
「はあ………話を聞かない兄さんやな。そもそも、こんな場所に1ヶ月もおるつもりなんか?」
「まあ、今は放っておきましょう。そのうち音を上げて、頼ってきそうな気がしますし………」
「ふふ………そうかもしれませんね。」
「はは、その時はせいぜい生暖かく迎えてやるとしようか。」
その後ケビン達は探索を再開し、終点に到着した。終点に到着すると妖しげな光陣が現れ、そこから虚ろな目をしたシェラザードと鳥型の獣人達が現れた!
〜終点〜
「シェラさん!」
「…………………」
ヨシュアはシェラザードの名を呼んだが、シェラザードは何も答えず虚ろな目でヨシュアを見つめていた。
「おお………シェラ君か!」
「シェラ先輩………!」
「シェラザードさん………!」
「……改めて思いましたが、仲間の姿をして私達を惑わして戦うとは卑劣な魔物ですわね。」
オリビエ達がそれぞれ心配そうにシェラザードを見つめて声を上げている中、ナタリアは厳しい表情でシェラザードを睨んでいた。
「今度は姐さんかいな………やっぱギルドの訓練場だけあって遊撃士で統一しとるみたいやな。」
「………何とか倒して封印石を回収しましょう。そうすれば本物のシェラさんを解放できるはずです。」
「ああ………!」
そしてケビン達はシェラザード達との戦闘を開始した!
「まだまだこれからだよっ!はぁい!!」
戦闘開始早々アネラスはクラフト――風花陣を使って、攻撃力を上昇させた。
「「「「……………」」」」
「おぉぉぉ!!」
一方鳥型の獣人達は一斉に襲い掛かろうとしたがヨシュアの魔眼によって足を止められると共に動きを封じ込められた。
「輝ける蒼よ、エンブレスブルー!!」
そこにナタリアが放った凍結効果を持つ矢が獣人達の頭上から降り注いで獣人達の全身を凍結させ
「ハッ!ホワイトゲヘナ!!」
「や〜っ!エアリアル!!」
「ほれっ!ストーンインパクト!!」
「二の型―――疾風!!」
オーブメントの駆動を終えたオリビエとクローゼ、ケビンが次々とアーツを放って追撃し、止めにアネラスが電光石火の速さで斬撃を叩き込んで獣人達を滅した。
「………………」
するとその時アーツの駆動を終えたシェラザードがアーツ―――エアリアルを放ってケビン達にダメージを与えた。
「…………」
続けてシェラザードはクラフト―――シルフェンウィップをケビン達に放つ為に鞭を構えてケビン達に突撃したが
「そらっ!」
「フッ!」
「蒼波刃!!」
「おぉぉぉ……!」
ケビンとオリビエ、アネラスが遠距離攻撃で牽制し、ヨシュアが魔眼でシェラザードの動きを封じ込めた。
「や〜っ!ラ・ティアラ!!」
「優しき癒しの風よ、ヒールウィンド!!」
そしてオーブメントの駆動や譜術の詠唱を終えたクローゼとナタリアがそれぞれ回復系のアーツや譜術で自分や仲間達の傷を回復した。
「ジーク、お願い!」
「ピュイ!!」
「!?」
アーツを放ち終えたクローゼはクラフト―――ケンプファーでシェラザードを怯ませた。
「そこやっ!はぁっ!そらっ!これでもくらえやっ!!」
「斬り裂け……!業嵐撃!!」
「双針乱舞!!」
そこにケビンとアネラス、ヨシュアがそれぞれ威力が高いクラフトを次々と叩き込んでシェラザードへのダメージを重ね
「受けなさい!私から逃げられると思って?降り注げ閃光!」
「この曲は君たちに捧げるレクイエムさっ!ふっ、これは避けられまい!」
ケビン達の攻撃が終わるとナタリアは上空へと一本の光の矢を放ち、オリビエはリュートに仕込まれてある仕込み銃で怒涛の銃撃をシェラザードに叩き込んだ。
「アストラル・レイン!!」
「そぉれ、おまけだっ!!」
そしてナタリアが放った光の矢が上空で無数の光の矢に分かれてシェラザードの頭上から降り注いだその時オリビエはリュートから砲弾を放ってシェラザードに叩き込んだ。するとシェラザードはなんとグリモアに変身した!
「朧!!」
それを見たヨシュアがクラフトを放って止めを刺すとグリモアがいた場所に封印石が現れ、仲間達と共に武器を収めたケビンは封印石を回収した。
「よし………!」
「これで………シェラさんを解放できますね。」
「フッ………久々の逢瀬というわけだね。」
「ふふっ、楽しみだな。先輩がいてくれたら百人力、間違いなしだし。」
その後ケビン達は封印石の中にいる人物を解放する為に一端庭園に戻った――――
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第137話 | ||
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コメント | ||
master_doragon様 いや、それ完全に止めを刺しますよね?(ガタガタブルブル)(sorano) そういえば今はナタリアいるじゃないか♪可哀想なギルバートにナタリアの料理をアタエヨウジャナイカ♪(master_doragon) |
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