魔神達の幻想入り 第3話 |
両者の構え方が違うが、威圧感は両者とも全くの同じで、どちらが先に仕掛けるか予想がつかない状況だった。俺は彼女の周りを時計回りでゆっくりと横へ歩き出す。
一方の美鈴は見慣れないような戦法を見て油断できないと思い、先手必勝を狙って動き出した。俺は止まってジャブで対抗。彼女が当てようとした左拳と俺のジャブがクロスカウンターとなってぶつかった結果、美鈴が先にヒットした。俺はその威力で後ろに押され、攻撃はスカとなる。
美鈴「たいした人じゃないですね、こんなの・・・!?」
その瞬間に美鈴は右パンチを食らっていた。後ろへ下がる。
美鈴「な、なんですか今のは!?体勢を崩したあとにパンチが来るなんて・・・」
ジュウゴロウ「コンビネーションだ」
俺は鼻血を垂らしながら言った。
ジュウゴロウ「左のジャブを終えた後から右のストレートを決めるまでには少しだけ隙が生まれる。そのために両腕、身体を連動させて素早いパンチを連続で放つテクニック、これがコンビネーションだ。武術はあるようだが、ボクシングは知らないようだな」
美鈴「・・・もう一度!」
馬鹿馬鹿しいと感じた美鈴はまた左のパンチで仕掛けてきた。流石に遅れが出たか、今度は完全に受けるのは間違い無しだった。
スルッ
美鈴(えっ!?)
その時何が起きたのだろうか。美鈴は確かに俺の顔に当てた。しかし美鈴の拳には急に手ごたえないままに終わっているのだ。その答えは、俺がパンチを食らう瞬間に首を回転させて受け流したのである。
俺はこの隙に右フックで反撃する。ヒットした。
ジュウゴロウ「どうした?その程度か?」
美鈴「くっ!それならば・・・」
何か奥の手でも使うのか、また後ろに下がるとカードを取り出す。あれは紫が使っていたカードと同じカードだ。
美鈴「光符「華光玉・・・」
ジュウゴロウ「トリック」
俺がその言葉を言った瞬間、美鈴は何故か鉢巻を手に持っていたのだ。
美鈴「!?スペルカードが・・・」
ジュウゴロウ「そういうカードなのか?これは」
美鈴が気づいたときには、すでに俺がカードを持っているのが分かった。そして摩り替えたその正体は、念力ポケモン、フーディンである。
美鈴「それを返しなさい!」
俺にそういいつけると、俺はふと彼女が手にする物を見た。あれは間違いなくポケモン図鑑だ。
ジュウゴロウ「それなら取引だ。その図鑑を返せ」
俺はカードを彼女に投げる。カードは彼女の足元に落ち、美鈴はカードを拾う。
美鈴「・・・やはり、これは貴方のですね?」
ジュウゴロウ「ポケモン図鑑はトレーナー必須の道具でね。交換条件だ」
その言葉に美鈴は大人しく図鑑を俺に渡してくれた。機能は無事が操作するが無傷のようだ。
ジュウゴロウ「それと二つくらい聞かせてもらうが、ここは幻想郷という世界か?」
美鈴「ええ、そうですけど・・・まさか、外来人では?」
外来人・・・なんだかアバウトな言い方だが、俺はそうだと答える。
ジュウゴロウ「じゃあ二つ目、俺の仲間は見た覚えは?」
仲間の気配のこの場にはいなかった。なら、誰かから有力な情報を聞こうとするのだが・・・
美鈴「それは見てません。この門に近寄った気配は誰も・・・」
ジュウゴロウ「寝てたクセにか?」
美鈴「ちょっ、それは・・・」
「また寝てたのですか?中国」
ジュウゴロウ「!」
俺と美鈴が話している所をいつからいたのか、白銀の髪色をしたメイドが姿を現す。その時彼女の後ろには、気絶から目を覚ましていたボーマンタが俺の後ろを捕らえているのを目撃して、彼女を敵と思いつつ襲い掛かろうとした。
ジュウゴロウ「ボーマンダ、ストップだ」
この言葉にボーマンダはすぐに攻撃をやめる。距離がまだあったために怪我なく済んだが、彼女は大量のナイフを素早くボーマンダに構えている。コンマ数秒の早さだ。
ジュウゴロウ「いい構えはしているが殺傷はよくないぞ。ナイフを下ろしてくれ」
「・・・貴方の仕える妖獣ですね?」
ジュウゴロウ「俺達はポケモンって呼んでいるが、別の名ではそうだ。ところで名前は?」
冷酷な瞳を見たとき、得体の知れないオーラが見えていた。もしこいつが敵だったら俺は完全にやられていたかもしれないが、どうせなので名前くらい聞いておくことにする。
「私はこの紅魔館のメイド長、十六夜 咲夜と申します。貴方は・・・ジュウゴロウ様ですね?」
ジュウゴロウ「何故分かる?エスパーかなにかか?」
咲夜は一枚のカードを取り出した。俺のトレーナーカードである。
ジュウゴロウ「探す手間が省けたぜ。そのカードは俺のモノだ、渡してくれるか?」
咲夜「勿論です。でもその前に・・・中国、どこへいくつもり?」
美鈴「ギクッ!」
美鈴に顔を向ける咲夜。その時の美鈴は忍び足で逃亡しようとしていたが、その逃亡時間は短いままにあっさりとバレてしまう。
その瞬間、美鈴の額にナイフがグサッと刺さり、俺の目には地獄が見えてしまった。
ジュウゴロウ(・・・サイなら確実に死んでるな。まぁ、いい薬にはなりそうだけど・・・)
咲夜「では、館の主にご案内いたします。どうぞこちらへ」
俺はボーマンダとフーディンをボールに戻し、館の中へと入っていくのであった。中はとても広い。いや、懐かしい感じだ・・・。
ジュウゴロウ「この中に入ると森の洋館の殺風景を思い出すな」
咲夜「?それはどういう館なのですか?」
ジュウゴロウ「ん?ああ・・・その洋館には、本物の幽霊が住むという呪われた館でな、当時の俺はそこで暮らしていたんだ。快適な環境だったし、幽霊とも仲良く遊んだよ。今では洋館から新しく島へ引っ越したが、あの幽霊は今頃元気にしてることか・・・」
咲夜「変わった人ですね」
彼女は笑った。進む先には一つの部屋、そのドアに咲夜はノックする。
咲夜「お嬢様、咲夜です」
「・・・入りなさい」
ドアの向こうで声がした。よほど上品な人なのだろうと感じ、俺は緊張を走らせてドアの先を見る。
ギィィィ・・・
ドアが開き、部屋へ入る俺と咲夜。そこへ入った瞬間、俺の顔に恐怖が飛び掛った。
ジュウゴロウ(な、なんだこの威圧感は・・・!?)
俺は額に汗をたらし、もう一度その正体を見る。見たところは少女だが、何かおかしい。背中にあるのは・・・蝙蝠の羽だ。
「そんなに驚かせちゃったかしら?」
ジュウゴロウ「!」
ヤバい、ペースが速すぎてついていけれない!
俺は覚悟を決めて言う。
ジュウゴロウ「俺の心に恐怖などは何処にもない。むしろ恐怖は俺の住処・・・」
「『なんだこの威圧感は・・・』ってさっき言ってたでしょ?」
ジュウゴロウ「!?」
こいつ、まさか心が読めるのか!?
俺の心に凄く締め付けられるような苦しみが走り、俺は床に座り込んでしまう。
「少し言い過ぎたわ。私は運命を操ることができるの、だからさっきの言葉も私が言わせるようにしただけよ」
ジュウゴロウ「運命・・・だと・・・?」
笑わせるな!!俺が運命に振り回されるわけがない!!
「疑うみたいね。じゃあ、私との勝負で勝てたら認めさせてあげるわ」
ジュウゴロウ「よし、バトルなら相手になってやる・・・!」
「違うわよ。麻雀」
・・・は?麻雀?
俺は目を丸くしたが、その時に俺は希望を光らせた。俺はギャンブル好きであり、博打で大量の金を稼いだ強運の持ち主、それも麻雀は大の得意分野だ。
ジュウゴロウ「上等だ。但しつまらんやり方したらあっという間にブチ抜くぜ・・・!?」
「運命に勝てたらの話だけどね。フフフ・・・」
根っからに自信満々な相手だ。この大一番は負けられない!!
俺達は麻雀の場へと移動を開始した。
真っ赤な部屋に来たその先に麻雀台があった。しかしここはどうもおかしい、まるで生贄の場ではないか。
だが引き返すことなどはできない、戦いの運命は必ず俺は受け入れる主義だからだ。
ジュウゴロウ「さっさと始めようぜ」
咲夜「勝負は東風戦、ドラは4枚。不正行為がある場合は即失格と認めさせていただきます」
牌を並べ、順番は相手側が親となってスタートすることになった。さぁ、戦闘準備完了だ。
ジュウゴロウ「ついでだ、そっちの名前を聞かせてもらおうか・・・」
「・・・レミリア・スーカレット。レミリアって読んでくれたらいいわ」
レミリア・・・いい名だな。だが今はそれど頃ではない。勝負に勝つ、それだけが俺のやることだ!!
最初にレミリアが牌を切る。次の俺の番・・・と、ここで俺は。
ジュウゴロウ「ツモ。軽くリードさせてもらう」
いきなりのツモで先制攻撃を仕掛けた俺。やはり彼女はハッタリを言ってると思い、怖いもん無しで次の局を始める。
だが俺はこのとき気づかなかった。
俺はすでに彼女の手によって踊らされていると・・・
レミリア(面白い人ね。大魔神、ジュウゴロウ・・・)
ここであとがきです。
どうもみなさん、ダークボールです。まず一言言わせていただければなのですが・・・
こんなことにしてすみません。ほんとにすみません。
ですが第2話でコメントしてくれた方、どうもありがとうございます。コメント者の力を得て自分はまた頑張ろうとしていきますのでどうか皆さん。よろしければコメントもお願いします。
さて、この物語についてなのですが、ポケモンの世界では自分が書いている小説の主人公の中で最も気に入っている主人公を幻想入りさせたらどうなのかとやってみたのがこの作品です。
とても面白いのでどうか皆さん、次回もお楽しみにしてください!
どっちかというとバトル系ですけど、ギャグだって満載ですよ!
さぁ、せっかくなので主人公の県のことも紹介しておきましょう!下がそのプロフィールとなります!
名前:ジュウゴロウ
本名:キバシ ジュウゴロウ
別名:魔神皇、技の鬼
年齢:19歳
性別:男
血液型:AB型
性格:多少気が荒いが仲間思い。戦いでは冷静な知性を持っている。
容姿:背中に筆書きで『鬼』と書かれた黒い半袖シャツと、灰色の長ズボン。短い黒髪だが前髪の先が赤い。目はキリッとしていて怖い顔をする。
好きな事:勝利、ギャンブル
嫌いな事:敗北、バカ親父、胸糞悪い奴
戦歴:バトルフロンティア完全制覇、ポケモン図鑑完全コンプリート、バトルタワー1500連勝達成、ホウエンバトルドーム170回優勝。
備考:勝率95%を誇る最強トレーナーであり、チーム『大魔神』のリーダー。難攻不落の敵も一網打尽にするほどの絶大な力を持つが、その強さの理由は生まれたときに秘密結社ロケット団のマッドサイエンティストである父親から頭脳を改造されてしまったことからである。つまり、彼はロケット団の最強幹部で、大量殺人の罪を背負うのだが、残っていた意思が自ら足をはらう運命となって自らロケット団を潰し、真の強さを求める戦いを歩みだした。
改造の影響により全ての身体能力が超人的なパワーを得ることになり、視力はオールA、聴力は半径900ヤードの音まで聞こえる(つまり地獄耳)。4メートルもいくジャンプ力や、10枚重ねの鉄壁も破壊するパンチ、キック力も兼ね備える。
というわけなんですが、あくまでも自分で考えました。最強設定の変わりに暗い過去を持っているというわけなんです。
これからの主人公の活躍に期待してください!
追伸:文章を編集しました。
説明 | ||
ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。 | ||
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