女として死んでいる 4
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夜の部

夜、私はビル街を巡り歩く。

このイーストサンにはビルがある。

技術の進歩が少々いびつではあるが、まあいいだろう。

とあるビルに突き当り、そのビルのエレベーターに乗る。

その12階でエレベーターを止める。

12階には肉料理屋がある。

そこで食べる事にする。

ちゃらーんとドアを開くと「いらっしゃいませー」と店員がすぐ出て来る。

少々高めだが、1人で来る分にはいいだろう。

「すみませーん。」

と店員を呼ぶ。

「肉を、1番高いやつで。」

「かしこまりましたー」

と店員が引っ込む。

「すみませーん。」と女の子が店内に入って来る。

この店の店員かな?と私は思う。

「カニワさんですよね? こんばんは、ツキノワと申します。」

正直に言えば、綺麗な女の子だと思った。

「ツキノワ? 私に用??」

「冒険者の仕事を手伝うように言われて来ました。」

「ヒノニワさんにです。」

私には姉が1人いる。

その姉がヒノニワである。

「そ、そう。」

「ちなみに、エンチャンターです。」

 

エンチャンターとは、エンチャントする職業である。

例えば、剣に火をエンチャントするとすると、剣を振るうと、火による攻撃が加わる。

つまり同レベルのエンチャンターがエンチャントすると、単純ダメージが2倍になる。

ゆえに、必須の職業であり、エンチャンターがいないパーティーは脳筋パーティーと呼ばれる程である。

 

「お待たせしましたー」

と店員が来る。

「私、この肉料理をお願いします。」

「は、はい。」

と店員が緊張する。

「聞きたい事があります。」

「何?」

「あなたに、男のナニはありますか?」

「え?」

「いや、だから。」

「それはないかな。」

さすがに男だと思われるのはまずいと思った。

「ですよね。あーあ、期待して損しちゃった。

・・・でも、期待してます。夜の方。」

「え、いや、そんな期待されても。」

「ねぇ。キスしてよ。」

「私、女だけど?」

「それでもいいから。」

「い、いやそれは・・・。」

「嫌なの?」

「そうじゃない・・・けど。」

「わかりました。家でやりましょう。」

「え、え?」

2人はエレベーターで地上に降りる。

カニワはツキノワに寄り添われながら、歩く。

「胸が当たっているんだけれども。」

「いいじゃない。」

「ま、まあ、いいけど。」

「帰ったら・・・楽しみですね。」

「いや、何もないから。」

「えーっ。」

「えーって言われても。」

「だってぇ。」

「何もないから。」

「もー、けちー。」

「はいはい。着いたよ。」

私の部屋に着く。

中に入るとヨッカガイが

「何ですか、その女。」

という反応をする。

「紹介するから、待ってくれ。」

と押しとどめる。

 

 

紹介

「こっちはツキノワと言う。

そっちはヨッカガイとヨウカ。

ちなみに私はカニワ・・・知っていたか。」

「よろしくお願いします。」

「よろしくお願いしますわ。」

「よろしく。」

とりあえず紹介も終わった事だし、就寝する事にする。

ツキノワには悪いが、ソファーで寝てもらう事にして・・・。

おやすみなさい。と床についた。

説明
女は健常者だった。
しかし、女として欠落していた。
何がかと言われると、はっきり言葉には出来ないが、何かが、欠落していた。
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