恋姫無双異聞録〜外史に降り立つ鬼〜 07 |
―――Side 華琳―――
華琳「・・・幽州は落ちた、か」
秋蘭が持ってきた情報は「袁紹軍が幽州に侵攻し、劉備たちは民を連れて蜀に向かっている」というものだった
桂花「それで、劉備たちはどうしますか?」
兵の報告では、数刻前に公孫賛らしき将が北郷を背負い蜀に単騎で向かっていったらしい おそらく、傷を負ったか「魔化魍」関係のことで先に蜀に向かうことにしたんでしょうね
華琳「放っておきなさい 今、目を向けるのは袁紹軍よ」
本来なら、勝手に領土を通ったことで追撃をするのだろうけど・・・無意味ね 蜀を暁鬼が治めていなければ、蜀を拠点にまた天下を目指すかもしれないので出来るだけ戦力を削っておきたいのだけれど、暁鬼の治世はすばらしいらしい だから、乗っ取ることはできない さらに、暁鬼は魔化魍が関わらなければ、積極的に動こうとはしていない おそらくこちらから仕掛けなければ、攻撃はしてこない なら、必要以上に関わることではないわね
華琳「わざわざ「鬼」を怒らせることはないわ」
秋蘭「そのほうが賢明かと」
どっちにしろ、北郷や劉備が掲げていた天下統一の夢はもう叶わない さすがの劉備たちも、蜀を乗っ取るという愚行は犯さないでしょう
鉛色蛇「・・・」
―――Side 暁鬼―――
暁鬼「さて・・・少年、生きているか?」
一刀「・・・暁鬼、さん・・・?」
数刻前に公孫賛ちゃんが、北郷君を連れてきたんだがかなり危なかった 半人前だからというわけでなく「鬼」になるための修行をしていなかったせいで、体の中の気が根こそぎ無くなっていた もう少し到着が遅れていれば・・・まあ、最悪死んでいたかもね
白蓮「大丈夫なのか?」
暁鬼「ん?薬は飲ませたし、二・三日安静にしておけば大丈夫さ ところで、公孫賛ちゃん何があったか詳しく教えてもらいたいんだけど?」
白蓮「ああ分かった それと、私のことは「白蓮」でいいぞ」
暁鬼「了解した では、白蓮 玉座に全員集まっている・・・ついて来てくれ」
そして、玉座の間で白蓮から俺が浅葱鷲で知り得なかったことなどを聞いていると、鉛色蛇が帰って来た
真桜「なんや?鉛色蛇ってどっかに行っとったん?」
暁鬼「まあな・・・沙和 再生を頼む」
沙和「りょーかいなの」
そして、鉛色蛇が持ってきた情報とは魏がこちらに向かっている劉備たちの追撃をしないという内容だった
桔梗「お前・・・もしかして、他の国にもこいつらを忍ばせているんではないだろうな?」
暁鬼「・・・フッ」
桔梗「何とか言え!」
いや・・・まあ、呉に緑大猿を忍ばせては居ますよ?下手な隠密より役に立つんでな
暁鬼「それは置いておいて「おくな!」・・・霞、お前は焔耶の所に向かってくれ」
最近、桔梗のツッコミがきつくなったな〜
霞「別にええけど・・・なんでや?」
暁鬼「保険さ・・・焔耶がだめというわけでなく、劉備や関羽を止めるのに人はいたほうがいいからな」
連合での動向を見る限りどうもあの二人は、感情で動いているように思えた さっき浅葱鷲に「魏は追撃をしない」という文をくくりつけて焔耶のところに放ったけど、何かの拍子にそれを知られれば怒り狂うことも否定できないからな・・・特に関羽
白蓮「ああ〜」
おい、俺らが納得するならともかくお前が納得するな
霞「とにかく了解したわ ほな行ってくるわ」
さて、とりあえず桔梗たちに白蓮のことを任せて・・・そろそろ北郷君は起きたころかな?コダマが現れたようだし・・・せめて北郷君が鬼として一人前になってくれればいいんだけどな
―――Side 一刀―――
・・・ん?ここは・・・「蜀の城だ 目が覚めたようだな?少年」暁鬼さん
暁鬼「さて、なんで変身したのかな?」
お茶を出しながら暁鬼さんは軽い感じで、でも目は真剣にそう問いかけてきた
一刀「俺は・・・桃香たちを守りたかったから 暁鬼さんから見れば、まだまだ半人前 全然だめだということは分かっています・・・でも、それでも俺は!」
暁鬼「なるほど それが「君の戦う理由」かな?」
一刀「はい!だから、俺に魔化魍との戦い方を教えてください!」
俺が少し興奮気味にそう言うと、暁鬼さんはさっきまで違い体全体から威圧感を出して
暁鬼「『思いなき力は暴力 力なき思いは惰弱』・・・だ 少年・・・君は、例え何があっても劉備ちゃんたちを守りたいか?」
俺を射抜くような目でそう問いかけた
一刀「なにがあっても・・・」
暁鬼「そうだ 例えば、鬼になって劉備ちゃんたちから拒絶される覚悟はあるか?自分以外の全ての人間から罵詈雑言を浴びせられたり、守った人たちから恐れられる覚悟はあるか?それでも魔化魍から人々を守る覚悟はあるか?」
鬼になって桃香たちから拒絶される?暁鬼さんは「その覚悟がなければ、止めておいたほうがいい」と言っている・・・でも―――
一刀「やらせてください!桃香たちに拒絶されるより桃香たちが傷つくほうが嫌だ!」
そう叫ぶと、暁鬼さんは顔を緩ませて
暁鬼「合格だ、少年 明日から、鬼としての修行を始める・・・覚悟しておけよ?」
・・・へ?
暁鬼「ん?どうしたそんなに口を開けて・・・さっきの質問は、まあ冗談だ いや、全部というわけでもないが・・・劉備ちゃんたちは自分たちを守ってくれた君を拒絶するほど、だめな女の子なのかな?」
一刀「・・・いや、違うと思いますけど・・・」
暁鬼「フッ・・・そういうことだ それに、この蜀の人間は武将・町民問わず「鬼」に対して好意的だよ」
「なにしろ俺が、いろいろやったからな」と笑いながら、席を立った
暁鬼「とりあえず、今日はもう休め 明日からはスパルタだぞ?」
そういって、暁鬼さんは部屋から出て行った・・・なんか、兄さんみたいだな 俺は一人っ子だったけど・・・あんな兄さん欲しかったな〜
―――Side 暁鬼―――
北郷君はこれでOK さて、もうそろそろ劉備たちが来るかな?さて・・・どうなるかな?
朱里「この度は、我らの主北郷一刀を助けるだけでなく、我らも助けていただきありがとうございます」
俺の目の前では、諸葛亮ちゃんを筆頭に劉備ちゃん、関羽ちゃん、張飛ちゃん、鳳統ちゃんが居る 正直、堅苦しいのは柄ではないんだが・・・というかこの空気、「西」に居たときを思い出すから嫌なんだが はあ・・・慣れない
暁鬼「気にするな それより君たちはこれからどうするのかな?」
俺がそう聞くと全員が顔をゆがませた まあ、そうなることを分かっている上で言っていますから
朱里「暁鬼殿はどのようにお考えなのでしょうか?」
暁鬼「俺は、無理に自分が天下統一をしなくてもいいと考えている それぞれの諸侯がそれぞれのやり方で天下を治めようとしている 蜀にちょっかいを出さなければ好きなだけ戦争を起こしておいて構わん 正直言って潰しあうなら勝手に潰しあっていてほしい だが、魔化魍が絡めば話は別だ」
朱里「そうですか つまり、魔化魍が関わらなければ基本的に他国に干渉しないと」
暁鬼「そう言うことだ 納得できないかな?」
実際、劉備ちゃんと関羽ちゃんは納得していないようだった でも、諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃんは微笑みながら
雛里「いえ、それが暁鬼様のやり方でしょうし、私たちはもう天下を臨むことはできません」
朱里「なら、私たちはもうどうすることもできません」
暁鬼「そのことなんだが、こちらとしても君たちを遊ばせておく余裕はない だから、こちらの下についてもらいたいんだが?」
まあ、いきなり言われても戸惑うからしばらく時間を置いてもらおうかな
暁鬼「じゃあ、月・詠は劉備ちゃんたちを部屋まで連れて行ってくれ」
月「はい!」
詠「はいはい」
さて・・・政務でもするか
桔梗「結構溜まっているぞ?」
紫苑「最近、忙しかったですからね〜」
焔耶「・・・あの・・・暁鬼様・・・」
・・・焔耶が「様」付けするときは、なにか頼み事をするとき
暁鬼「なんだ?」
焔耶「えっと・・・「焔耶は、劉備に惚れたらしいで?」ちょっと!?霞さん!」
全員「「「「・・・そう」」」」
焔耶「え!?なんで、皆さん温かい目なんですか!?」
凪「応援しているぞ?」
真桜「張形いるか?」
沙和「負けちゃだめなの」
華雄「頑張れよ?」
暁鬼「焔耶・・・お前の好きにするといい」
これが、娘が好きな人を紹介したときの心境なのかな?
恋「・・・婚約?」
ねね「恋殿・・・それは、違うと思いますぞ?」
暁鬼「よし!今日は、焔耶の恋を祝して飲むか!」
桔梗「だな」
霞「お供するで〜♪」
紫苑「となれば、政務を早く終わらせましょう!」
暁鬼「よし!全員、行動開始!」
全員(焔耶・恋・ねね以外)「「「「御意!」」」」
焔耶「あうあうあう」
恋「・・・乙」
ねね「恋殿・・・どこで覚えたのですか?」
「舞台裏」
呂刀「お前、恋に何覚えさせているんだよ」
あはは〜^^;
暁鬼「・・・しめるか」
狂骨「異議なし!」
ちょっ・・・まっ・・・ぎゃー!
刑天「え〜・・・後ろのほうで私刑(リンチ)が行われていますが・・・とりあえず、次回お会いしましょう」
「おまけのページ」
〜暁鬼をどう思っているのか〜
桔梗→一緒に居ると落ち着く 暁鬼を支えるのは自分
紫苑→桔梗をよろしくお願いします でも私も・・・
凪→尊敬しています 私のような奴でも、愛してくれるのだろうか?
真桜→音撃武器や天のからくりを教えて 好きかも?
沙和→訓練方法(暁鬼方式)教えてくれてありがとうございます♪ 好きかも?
焔耶→もっとかまってください(出番的な意味で)
星→尊敬できる人 離れる気はありませんぞ?
月→助けてくれてありがとうございます 好き?(男として?兄として?)
詠→月を助けてくれて礼は言っておく 好き?(少し、いいかな〜?)
恋→ディスクアニマル可愛い 好き(兄的な意味で)
華雄→お前に追いついてみせる 好き(でも、今から名乗りを上げても・・・)
霞→強いし、酒もいけるから言うことなし 末席でもいいから愛して〜
ねね→恋殿に変なこと教えないでください 好き(兄的な意味で)
一刀→鬼としての修行をつけてください こんな兄が欲しかった
桃香→ご主人様を助けてくれたのは感謝しているけど、考え方が納得できない
愛紗→この人と私何が違うのか・・・
鈴々→すごい兄ちゃん 強そう
朱里・雛里→考え方は違うけど、民のことを考えている人 方針が決まれば、全力で力になります
白蓮→なんか、これからますます影が薄くなりそう・・・暁鬼がうちに来てくれれば目立てたのかな・・・?
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第7話です オマケページがあります |
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コメント | ||
みんなノリがいいですね。(ブックマン) キラ・リョウ様:愛紗は自分の自信が崩れかけているのでそれどころではないんですw(鴉丸) 韻様:焔耶をどうだすか・・・それが問題だ^^;(鴉丸) ヒトヤ様:いや、さすがに殺すのは^^;(鴉丸) 桃香だけがなんか納得できてないようだな。 (キラ・リョウ) 焔耶・・・・がんばれよ。。(韻) 反乱起こしたら恋姫だけど桃香と関羽は作中で殺してもかまいませんよ?(ヒトヤ) 投影様:謀反ですか・・・でも、朱里とかはもう諦めているから、起こっても桃香と愛紗のみぽいです(鴉丸) jackry様:スミマセンスミマセンジチョウシマスユルシテクダサイ orz(鴉丸) お〜い、恋、どこでそんな言葉を・・・あとなんだか劉備たちが謀反というかなんというか、そんなことを起こしそうでならないですね。(投影) |
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