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丸裸になってしまえば全ての木が同じに見えてしまう。それはまるで緑の葉が消え失せ、代わりに檜皮色や蘇芳色の蛾たちがわんさと集まったようだ。
だから、木曽は秋が嫌いだ。
実りの季節だ何だと人は言うけれど、そこには終末感が漂っている。
桜が一足早い落ち葉をもたらしていた。
木曽は図書館の閲覧室で肩肘ついて外を見、溜息づいた。
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