17
[全1ページ]

 丸裸になってしまえば全ての木が同じに見えてしまう。それはまるで緑の葉が消え失せ、代わりに檜皮色や蘇芳色の蛾たちがわんさと集まったようだ。

 だから、木曽は秋が嫌いだ。

 実りの季節だ何だと人は言うけれど、そこには終末感が漂っている。

 桜が一足早い落ち葉をもたらしていた。

 木曽は図書館の閲覧室で肩肘ついて外を見、溜息づいた。

説明
03/17
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
562 551 1
タグ
00/17

Esさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com