真・恋姫†無双 〜長江の華〜 第十三話 |
*注意* 本作は真・恋姫とありますが、なんだか最近これ本当に真・恋姫?と筆者自身が思うようになってきていますが
その辺はご理解、ご容赦・・・されずとも続けていくのでよろしくお願いいたします。
<登場人物紹介>
姓名 字 真名 簡単な説明
北郷一刀 錦帆賊北郷隊の隊長。前回、儚く散りそうになった天の御遣い。
甘寧 興覇 思春 錦帆賊の頭領。今回も出番ほぼなし。一刀くんとのからみが欲しい今日この頃。
丁奉 承淵 冬灯 錦帆賊の将。活躍の場がないのに今回も出番ほぼなしの予感?えっモブ?
魯粛 子敬 琴鳴 錦帆賊の客将。前回、一瞬降臨なされたが今回は?
呂蒙 子明 亞莎 錦帆賊北郷隊副隊長&軍師見習い。前回、見事に天の御遣いを沈めました。
<前回のてきとーなあらすじ>
働く隊長、一刀くんは、歌ってサボって部下に怒られ。
出会ったのは黒頭団のデカイ人。
結局名前を聞き忘れ、あのデカイの誰だっけと思いつつ、亞莎と一緒に待ちぼうけ。
そんな中、見詰め合う一刀くんと亞莎さま。
自分の勘違いぶりに逆切れした亞莎さまは、このド畜生ー!!と一刀くんを吹っ飛ばす。
長江に散った一刀くん。
これからどうしようと加害者・亞莎に相談したところ、まあどうにかなんじゃねと結果に落ち着いた。
はてさて、屋根裏にいた2人ってやっぱり・・・・・・
ではでは、お楽しみください♪
亞莎「ふぅ、どうにかごまかせましたね・・・・・・」
一刀を部屋に残し、そそくさと部屋を出た亞莎は、ホッと胸を撫で下ろした。
それにしても、自分が一刀を気絶させるほど吹っ飛ばす日が来るとは夢にも思わなかった。
亞莎「でも、師兄が悪いんだから・・・・・・・・・はぁ」
部屋の扉を見つめる亞莎から溜め息が一つ。
次に黒頭団の頭目たちと遭うことになっているのは3日後である。
頭目の一人―髪の長い方が、もう一度、会ってくれると約束してくれたのだ。
とても綺麗な髪だったなぁ・・・。
亞莎は、黒頭団の由来ともなった黒く美しい髪と共に、2人の頭目との邂逅を思い出すのであった。
・
・
・
―ザパンッ
長江にぷかぷかと浮いていた一刀くんを助けたのは、我に返った亞莎―ではなく頭目達を連れてきてくれた男だった。
その間、亞莎は、
亞莎「師兄!どうしてこんな姿に・・・・・・・・・わ、私?・・・・・・・・・・・・一体誰がっ!?」
と、いろんな意味で慌てふためいていた。
黒頭団の男「ったく、どうして落ちるのかねぇ。おい北郷、北郷さんよぉ」
ペチペチと頬叩くが一刀は反応しない。
というか息をしていなかった。
???「董襲、どうやら水を飲んでいるようです」
黒頭団の男―董襲にそう言ったのは、黒頭団の頭目の一人―長い髪の少女だった。
董襲「そうみたいっすね・・・こりゃあ水を吐き出させねぇと危ないですぜ・・・
おい、そこの片眼鏡の姉ちゃん。あんた北郷のところのもんだろ、人工呼吸を頼む」
亞莎「わ、わ、わ、わ、私がですか!?じ、じじ、人工呼吸と、い、言えば!!
あ、あ、あ、あの、あの、あのく、く、く、口と口での//////」
亞莎は、顔を真赤にしながら俯き、プルプルと震えだした。
と思ったら、顔を袖で隠してモジモジしたり、ちらちらと一刀の顔を見たりと、ある意味、錯乱状態に陥っていた。
そうしている間にも、刻一刻と確実に天への階段を昇り始める一刀であった。
そんな中、ずっと黙っていたもう一人の頭目が動いていた。
亞莎の奇行を見ていた他の者達は、その動きに気付くことはなかった。
一刀を見下ろす髪の短い少女。
そしてゆっくりと身体を近付け―
ギュムッという効果音が聞こえてきそうなほど自然に、全体重を乗せ、一刀を踏んだ。
その瞬間、
―カハッ、ゲポッ・・・・・・・・・
一刀は口から水を噴出し、息を吹き返した。
???「よし」
それを見て満足げにしていた少女だったが、
???「・・・・・・・・・あれ?」
一刀はピクリともしなくなった。
・
―ツンツン
???「ん、んん、なんですか?」
亞莎の止まらない奇行を見ていた少女は自分を突っつく少女に顔を向け、
???「あれ」
続いて少女の指差す方へと顔を向け、後悔するのであった。
・
少女はもう一人の少女が一刀を踏みつけて気絶させたことを、亞莎は来てもらったのに色々とすみませんと謝った。
こうして長い髪の頭目と亞莎の2人がお互いに謝り倒すという図が出来上がるのであった。
ちなみに短髪の頭目もぼそりと
???「・・・・・・すまないと思っている」
と謝っていた。
お互いに謝り合っている内に、時間が経ち、黒頭団の頭目2人は仕事があるということで去っていったのである。
後日、もう一度会う場を設けることを約束してから。
・
・
・
でも、あの2人が良い人達で本当に良かった。
普通ならもう二度と会わないと言われるか、即刻この街から出て行けと言われてもおかしくなかった。
そうなれば、もう二度と錦帆賊―思春様達の下へと帰れなかったのだから。
亞莎「それもこれもやっぱり、師兄のせいなんですからね!」
でも、私を見つめる真剣な師兄の顔・・・。
格好良かったな・・・・・・。
頬が自然と熱を帯びていくのが分かる。
扉の向こうにいるであろうの一刀の顔が頭から離れない。
ああ、師兄のお顔が輝いている・・・。
亞莎「/////////」
・・・・・・はっ、いけないいけない、私は錦帆賊の代表の一人としてここにいるんだから。
頭をブルブルっと振り、頭の中の一刀の顔(実物よりやや美形)を消す。
・・・消す。
・・・・・・消す。
亞莎「・・・・・・//////」
消えない。
何度頭を振っても、どうしても消えなかった。
というより振れば振るほど頭の中が一刀で溢れてしまっていた。
亞莎「/////////」
頭を振りすぎた亞莎はフラフラと自分の部屋へと帰って行くのであった。
頬を赤く染めながら。
???「今のは一体、何だったのでしょうか?」
???「・・・・・・先程同様、意味不明だ」
???「ふふふっ、でも私は嫌いじゃないです、ああいうの」
天井裏から亞莎の奇行を見ていた2人の少女。
2人―そう、黒頭団の頭目、黒い髪の少女達である。
そんな彼女達が何故、屋根裏にいるのか。
その狙いは唯一つ。
天の御遣いである北郷一刀の観察である。
監視しやすいようにこの宿に泊まらせた2人は早速、一刀の観察をしようと天井裏に忍び込んだという訳である。
しかし、なかなか一刀は目覚めず、気が付いたと思ったら、すぐにまた眠り始めるという始末。
仕方なく帰ろうとした時、亞莎の奇行を目撃したのだ。
???「期待はずれだ」
???「まだです。甘寧さんの目に間違いはないと思います。
それにまだあの方と直接話したわけではないのですから」
???「・・・・・・私を納得させられるとは思わない」
2人には一刀達がこの街に来た目的が分かっていた。
いや、分かっていたのではない。
知っていたのだ。
何故なら、自分達がここに来るように仕向けたのだから。
・
・
・
二月ほど前になるだろうか。
突然、錦帆賊の頭領である甘寧、そして丁奉が会談を申し入れてきた。
会談と言ってもいいのだろうかアレは。
内容は、黒頭団の名を捨て、降ってくれという信じがたいものであった。
当然、最初は話にもならないとそれを突っぱねた。
が、それでも食い下がる甘寧のとった行動に驚かされた。
あの甘寧が自分たちに頭を下げてきたのだ。
甘寧には嫌われていたのかもしれないが、自分達にとっては、ただの商売敵というだけであって嫌ってはいなかった。
むしろ、その生き方に憧れていたからこそ黒頭団が出来たと言ってもいい。
その甘寧が頭を下げたのである。
しかし、それでも錦帆賊に降るということは出来ないと断り続けた。
自分達には信じて付いて来てくれる部下達がいるからこそ、そんな話を受けることは出来るはずもなかった。
丁奉の言葉を聞くまでは―
冬灯「ったく、本当にお頭は言葉が足んねぇな。なぁ、お2人さんよ、別に俺らの下につけと言ってるわけじゃねぇんだ。
俺達と一緒にある人の下でやらないかっていう話なんだよ。錦帆賊、黒頭団、どちらが上でどちらが下とかじゃなく、
つまりは―そう、同じ旗の下、力を合わせる仲間になって貰いたい―と、お頭は言いたいんだぜ」
冬灯の言葉に、思春はゆっくりと頷いていた。
思春「・・・・・・『虎』が動く、その前に・・・・・・幾度となく衝突してきたお前らだからこそ
・・・・・・周幼平、蒋公奕、共に『天』の下で」
2人「「!?」」
『虎』
つまりは、江賊狩り。
そして、『天』
あの時、あの港で確認した男―天の御遣い。
遠目だったが、見たこともないその光り輝く衣に目を奪われていた。
そして同時に何故だか怖くなった。
だから、近付いてくる男から逃げるようにあの場を立ち去ったのだ。
髪の短い少女―蒋欽は髪の長い少女―周泰をジッと見つめ、
蒋欽「判断は任せる」
と言った。
その言葉に、周泰はコクリと頷き、答えを出すのであった。
周泰「・・・・・・貴女の考え、想い、そして迫っている脅威についても分かりました。
でも―それでも私達の答えは変わりません。『否』です」
その瞬間、思春と冬灯の顔が悲しみに満ちた。
が、
周泰「しかし、貴女ほどの人が下につこうとする天の御遣いに興味が湧いてきました」
そして私達は条件を一つ出した。
自分達この黒頭団の街で天の御遣いとじかに会うこと。
それから再び結果を決める、と。
・
・
・
そして今日、遂に天の御遣いこと北郷一刀と会うことになり、覚悟を決めて向かった結果がコレだ。
意気込んでいたせいか、その分落胆も大きかった。
周泰「まあ、次に会う三日後までじっくりと観察させてもらいます」
そうして、2つの影は屋根裏から姿を消したのである。
誰にも気付かれることなく。
その頃、錦帆賊の本拠地、楼船内部の船長室では、蝋燭の明かりに揺らめく影が3つあった。
冬灯「上手く行きゃーそろそろ街に着いて、あいつらと会ってる頃か・・・・・・兄ちゃん達大丈夫かよ」
椅子に座り、足を机の上に投げ出しながら冬灯はニヤニヤと言った。
思春「・・・・・・ふん、あいつのことなど心配する必要などない」
思春は、目を閉じ、椅子に座って足を組んでいた。
そんな2人に対し、かなりの量の書類と格闘している琴鳴は、
琴鳴「あらあら、そう言う割には近頃失敗が増えたと思うけど、ほらまたココも・・・一体何が貴女をそうさせるのかしらね」
と溜め息混じりに言った。
もちろん、微笑を絶やさずに。
思春「///だ、誰が北郷のことなど―」
即座に答えた思春はそこで言葉を止めた。
なぜなら、目の前の2人―冬灯、琴鳴の顔がそれぞれニヤついていたから。
冬灯「お頭ぁ〜誰も兄ちゃんのことだなんて言ってねぇよな、琴鳴姉ちゃん」
琴鳴「そうね冬灯ちゃん。そこで一刀ちゃんの名前が出てくるあたり、かなり気になっているようね」
思春「・・・・・・・・・・・・」
琴鳴「あらあら、だんまりね。うふふふ、黒頭団の子達はそんなに乱暴なことはしないでしょう」
思春「・・・・・・・・・黒頭団の―あの2人のことは信用している。たとえ商売敵だとしてもだ。
・・・・・・それよりも琴鳴、『虎』に動きは?」
その言葉に今までの軽い空気は消え失せ、皆が真剣な面持ちになっていた。
琴鳴「まだよ。・・・でもそんなに時間はないわ。潜ってもらってるウチの子の報告では、戦の準備を始めているそうよ」
冬灯「ウチの子って、まさか!?姉ちゃん、封を使ってるんじゃねぇだろうな!!」
琴鳴の言葉に思春が何かを言う前に、冬灯が声を荒げ、琴鳴に詰め寄った。
そして、座っている琴鳴の胸倉を掴んでいた。
琴鳴の言う『ウチの子』とは、以前、冬灯が錦帆賊に入った時、それを止めようとした琴鳴が錦帆賊と戦う為に使った私兵。
そしてその中でも、敵軍の内部に入り込み、情報を探るなんて真似が出来るのは、冬灯の知る限りただ一人しかいない。
思春「冬灯!?」
思春は冬灯のその行動に驚かされていた。
琴鳴を姉と慕う、冬灯にはありえない行動だったからである。
琴鳴「冬灯ちゃん・・・・・・私はもちろん止めたわ。でもあの子は、「自分が行く」と言って頑として聞き入れなかったの」
琴鳴の悲しそうな顔を見て、冬灯は、
冬灯「畜生・・・」
と吐き捨てるように言って部屋を後にした。
琴鳴「冬灯ちゃん・・・・・・」
思春「・・・・・・・・・」
残ったのは気まずい沈黙。
動くものは、揺れる蝋燭の明かりのみ。
それを破ったのは琴鳴だった。
琴鳴「思春・・・・・・冬灯には貴女に話していないことがあるの。錦帆賊に入った理由の一つでもあること・・・・・・。
あの子が自分で話すと思って放っておいたのだけど・・・・・・ちょうど良い機会だし話しておこうかしら。
私と、冬灯ちゃん。そして、もう一人の冬灯ちゃんのお話を・・・・・・」
そうして夜は更けていく、琴鳴の話す昔話と共に―。
<あとがき>
毎度この駄文を読んでくれている方々には変わらぬ感謝を
初めてっていう人には、最初から宜しくという思いを
隅々まで呼んで誤字脱字の指摘や感想などのコメントをくれている方々には変わらぬ妄想を
どうも本当にお久しぶりのMuUです。
まずは一言。
「更新が遅れたこと・・・・・・本当にすまないと思っている」
とりあえずジャンピング土下座をしている感じですが、言い訳をします。
仕事が忙しく帰宅後書く元気と時間がなかった&土日は『稲刈り』のため体力が0になったのです。
そしてなにより、応援メッセージの一つに『無理をしないで頑張ってください』という言葉を真摯に受け止めたのですw
今回の内容としては、
黒頭団の2人の頭目の名前がやっと出てきましたね。
デカイ男の名前もついでにちょろっと・・・・・・まあモブです。
周泰と蒋欽(オリキャラ)!
蒋欽についてはまた詳しく説明を入れます。
ぶっちゃけると予定ではあと1人で私の考えていたメンツが揃い、ようやく話が進んでいくわけなんですが
それにしても文官いねぇな・・・・・・。
っと、それにそろそろちゃんとした人物紹介をしなければいけませんね。
それでは次回『一刀くん放置で琴鳴の昔話からの思春メイン!?(仮)』でお会いしましょう^^
お楽しみにしてくれている人はお楽しみに〜♪
それ以外の人も楽しんでくれるよう頑張ります!
説明 | ||
お久しぶりの投稿です。 ちょっと忙しく鈍亀になっていました。 そして物語の展開もますますの鈍亀に・・・・・・ 今回、内容的にちょっと微妙な感じですが頑張って読んで下さいw どうぞお楽しみに〜♪ |
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