鬼畜王文台 蘇りし虎は曹魏を食らう 10 第十章二節 |
徐晃 奥義一覧
・知勇兼備
堅実な策と堅実な戦、将と軍師の面を併せ持つ徐公明は、独断で兵を率いて行動できる。
・才色兼備
天譴付きの仲居と化した彼女は、割烹着を着た癒しの力で負傷兵をたちどころに回復させる。
・破留馬阿怒 鬼斬
天譴謹製のハルバードを手にした彼女は、並み居る敵を右に左に粉砕する。
テーマ曲
恋姫無双 花鳥風月 我ら曹魏のために
張合 奥義一覧
・金子投擲
周囲に金銭をばら撒き、それに目がくらんだ敵兵を背後から一撃で始末する。
・十手二刀流 風月
天譴より賜った、二本の四尺十手『風』・『月』を用い、単身敵陣に向かって突撃する。
・小太刀二刀流 風月
十手の柄を取り外し、内部の刀身を露にした風月の真なる姿。
その攻撃力は、外す前と比較にならぬほど強烈。
テーマ曲
勇美華蝶 恋戦突破 疾走乙女 我ら曹魏のために
現在の孫呉の勢力範囲:
http://koihimemusou.x0.com/image/all.gif
上記の三国地図より、
呉直轄領: 揚州 広州 夷州
呉属領(旧魏領): 涼州・泰州・擁州・北荊州を除く全域
旧劉備軍領: 徐州
蜀直轄領: 益州 南荊州
蜀属領: 涼州 泰州 雍州 北荊州
南蛮領: 交州
*南荊州は呉との領有権をめぐって係争中
劉表について:
当方作のSSでは、アニメ恋姫の男劉備をモデルにしております。
http://koihimemusou.x0.com/f_anime.html#s23
第十章
-2-
圧巻。 壮観。
それ以外の言葉が見つからなかった。
孫呉、曹魏、劉備軍、全軍。
さらに義勇兵や商人団、ほかにも黄巾党に組せず呉に忠誠を誓った
魯粛・韓当率いる海賊、江賊、馬賊、山賊の義賊たち。
その数、実に百二十万。 建業全域を一面に兵たちが覆いつくしていた。
俺たちと共に付いていく民たちをあわせれば、百五十万は下るまい。
建業に住まう、約半数の民たちだ。 その中には、あの歌姫三人も含まれている。
全行軍に関わる日数は、優に三ヶ月を超えるだろう。
これより、孫文台における観閲式が始まる。
その後、一路洛陽に向けて進発となる。
建業から洛陽へ、都の遷都。
兵、将、商人、民、義賊。
身分を問わず、皆一様に静粛に、かつ厳しい顔つきになっていた。
これより向かうは、戦場。
生きて戻ってこれる保証など、どこにもない場所である。
孫堅と共に城壁の中央に立つ五名の将は、
真ん中にいる孫堅に向かって右側に曹操、左側に俺。
曹操の右側に劉備、俺の左側に孫策。
天譴、奸雄、大徳、小覇王の四名を従え、武烈皇帝が城壁の上に姿を現す。
その、瞬間。
『!!!!!!!!!』
声にならない、雄叫び。
音にならない、拍手。
聞き取ることの出来ない、銅鑼、太鼓、鉦。
遠くのほうに並んでいて、直接姿を見ることの出来ない兵たちにも、
孫堅が壇上に立ったということを雰囲気で察し、
彼らもまた前方に位置する兵たちと同様に鬨の声をあげていた。
そして、町中の家という家、店という店、人という人も、兵たちと同様に孫家の旗を振って
彼らを称えていた。
文台様は彼らをあえて怒鳴りつけようとはせず、
騒ぎが自然に収まるのをひたすら黙って待ち続けていた。
騒ぎが収まるまでの間、俺は、先日新しく仲間に加わった菖蒲と悠のことについて考えていた。
先日新しく俺の部隊に加入した彼女ら二人。
実は彼女たちは、曹魏の間でも凪たち三人より階級が低かった。
国境警備の隊長といえども、せいぜい良くてギリギリ尉官、
下手すれば曹操・孫策配下の親衛隊の兵卒と同じくらいの身分でしかなかった。
要は、彼女たちは自分のオリジナルの武器を所有していなかった。
戦のときはそこらに転がっている武器を使いまわし続けていたのである。
だが、俺の配下として大抜擢されるに当たって、
この子達にもみんなと同じくオリジナルの武器を支給してやる必要があった。
俺が真桜に製作を依頼したのはハルバードと二刀流式の十手。
ハルバードは斬る・突く・叩く・引っ掛けるの四通りの戦い方が出来る非常に高性能な斧。
十手もまた、斬る・突く・叩く・引っ掛けるの四通りの攻撃が出来る。
ところが真桜がいざ製作に入ろうとした矢先、すさまじい地響きと轟音が建業にこだました。
真桜が溶鉱炉を爆発させたのだ。 俺の体感震度では、4くらいはあったかもしれない。
その後の顛末がどうなったかは、推して知るべし。 哀れ、文台様から大目玉を食らった真桜であった。
結局、この城に設置されていた炉では高温に耐えられなかったので、
洛陽にあるという大型の溶鉱炉を使いたいという真桜の工兵の申し出もあり、
俺たち孫呉は建業を離れ、北の洛陽に移ることになったのである。
喧騒が、次第に収まっていく。
やがて兵たちが静まったときを見計らい、文台様が口を開いた。
煌蓮「諸君!! ついにこの日がやってきた!!
本日は我ら孫呉のために、官民問わずこれほど数多の者たちに集ってもらい、
我は大いに感激しておる!!!」
兵、将、賊、平民。
全ての者たちが、一斉に口をつぐんだ。
煌蓮「これより我らが向かうは、元魏の首都であった、北方の都、洛陽!!
我らはそこに集い、前衛基地を作り、兵站を確保し、
そして来(きた)るべき戦に向けて、敵地・長安へと赴く!!
我はこの戦いにおいて、かつて我らがその胸に描いた悲願を達成すべく、
これより蜀との決戦に臨むものである!!」
煌蓮「聞け! 孫呉の勇者たちよ!!
聞け! 曹魏の精兵たちよ!!
聞け! 劉備軍の戦士たちよ!!
我はかつて一度この世を去り、そして再びこの地上に舞い戻ってきた身であるということは
諸君らも良く知っているであろうと思う!
我は黄泉の地で、孫羌様より呉に天下を、大陸に平和をという願いを託された!
孫羌様もお前たちの先祖も、今日、この日をいかほどに待ちわびておられたであろうと思う!!」
煌蓮「聞け! 勇敢なる同盟軍の兵士たちよ!!
我はこの戦いにおいて、孫呉の悲願をかなえるべく、奮戦努力する次第である!!
お前たちも我と同じく、各員奮戦努力せよ!!
そして、聞け! 我らを称えし民草たちよ!!
我らがおらぬそれまでの間、お前たちには、この建業の留守を頼みたい!
我らと共に付いていく民たちには、我らに対する支援を頼みたい!
我らは必ず、勝ってこの地に帰ってこよう!!
我らは必ず、この手で平和と安寧を掴んで見せよう!!」
煌蓮「知れ! 孫呉の民たちよ!!
天に太陽は二つなく、地に帝はただ一人!!
ならば、我と劉表、どちらは太陽でどちらが月であるか、
どちらが皇帝にふさわしいかを、この戦いで示そうではないか!!
これより我は、孫呉の大号令を発する!!
新たに我らの敵となった彼奴らを滅ぼし、敵将劉表を討ち取るべく、蜀漢に対し、宣戦を布告する!!
総員、鬨の声を挙げよーーーーーーーーー!!!」
同盟軍兵士「オオオオオオオォォォォォォーーーーーー!!!!!!!!」
煌蓮「先鋒! 周泰・許緒隊、進発!!!」
華琳・雪蓮「周泰・許緒隊、進発!」
文台様の号令と、華琳と雪蓮の復唱が城壁にこだまする。
それと同時に、けたたましい鉦の音がバーン、バーン、バーンと周囲に三度こだました。
季衣「それじゃ兄ちゃん、ボクたち行ってくるね!」
明命「一刀様、お先に失礼するのです!」
一刀「あぁ、俺たちも後でついていくから先発は頼んだぞ!!」
明命「はいっ!!」
季衣「まかせて兄ちゃん!!」
明命と季衣が、自分たちに割り当てられた兵たちを連れて城門の方向に向かって進撃していった。
やがてそれらが見えなくなりかけたころ、次の煌蓮さんの号令がかかった。
煌蓮「よし次! 夏侯惇、張飛隊、進発!!」
華琳・雪蓮「夏侯惇、張飛隊、進発!」
再び鉦がけたたましく三度鳴る。
春蘭「それでは華琳様、この夏侯元譲、行ってまいります!!」
鈴々「お兄ちゃん、行ってくるのだ!」
華琳「行ってらっしゃい。 春蘭、くれぐれも、私の命令を無視して鈴々と一緒に突出したりしないこと。
いいわね?」
春蘭「は、はい、華琳様…」
煌蓮「次! 公孫賛、張遼隊、進発!!」
華琳・雪蓮「公孫賛、張遼隊、進発!」
白蓮「それじゃ行ってくるよ北郷。 あたし達は騎馬隊だから、
多分洛陽に着くまで顔は合わさないだろうからそのつもりでいてくれ」
霞「よっしゃ、ほならウチも行くで、お先にな、一刀」
一刀「あぁ、気をつけてな、二人とも」
煌蓮「夏侯淵・典韋隊、進発!!」
華琳・雪蓮「夏侯淵・典韋隊、進発!」
秋蘭「それでは華琳様、孫策殿、お先に失礼いたします」
雪蓮「ん、いってらっしゃーい」
華琳「私たちも後から行くわ、それまで先発隊の指揮はあなたに任せるわね、秋蘭」
秋蘭「御意! お任せを」
煌蓮「楽進・李典・于禁隊、進発!!」
華琳・雪蓮「楽進・李典・于禁隊、進発!」
真桜「よっしゃ、ウチらの番や!!」
凪「それでは隊長、お先に失礼します」
沙和「たーいちょー、がんばってーなのー」
一刀「あぁ。お前らも気をつけてな」
真桜「あいよー おおきにー」
煌蓮「後は軍師連中だね… あぁその前にあいつらか。 貂蝉・卑弥呼・華佗隊、進発!!」
華琳・雪蓮「貂蝉・卑弥呼・華佗隊、進発!」
華佗「それじゃ北郷さん、俺たちは先に失礼させてもらうよ」
貂蝉「ぐぅぅうぉおおしゅじんすぅあむあぁぁぁぁぁああ」
卑弥呼「こりゃ貂蝉よ、貴様、声が少々大きすぎるぞ。 周りの者たちが驚いておるではないか」
貂蝉「あらん、そうだったわねん」
どうでも良いから早く行ってくれ。 文字通り目の毒耳の毒だ。
煌蓮「荀ケ・郭嘉隊、進発!!」
華琳・雪蓮「荀ケ・郭嘉隊、進発!」
桂花「華琳様!! そんな孕ませ無責任男などと一緒にいるより、私の隊にご参列ください!!」
一刀「いきなりご挨拶だな、大体君に配属の決定権なんてないだろうに」
桂花「しゃべらないで、この万年発情男! 話しかけられるだけで妊娠してしまうじゃないの!!」
煌蓮「ほぉ〜…お前たち、ちょっと耳貸しな」
ボソボソボソボソ……
一刀「……へぇ。」
雪蓮「良いこと思いつくじゃない、母様」
華琳「えぇ、名案だと思います、文台様」
桃香「わわわわ…いったそー…」
桂花「な、何よ!? 何をヒソヒソと話してるのよ!?」
華琳「桂花、洛陽に着いたら教えてあげる。 それまで先に行ってなさい、これは命令よ」
桂花「か、華琳様ぁ…」
稟「桂花、時間がありません。 早く進発しましょう。
後続の徐晃殿と張合殿が、痺れを切らして待っております」
桂花「ううぅ……」
残念だったな桂花。
君には華琳ではなく、あの 文 台 様 から百叩きの刑が待っているのだ。
俺は罰を食らったことはないけれど、食らった連中からすれば、
あれは痛いなんて次元ものじゃないんだとか、がはははははは。
煌蓮「徐晃・張合隊、進発!!」
華琳・雪蓮「徐晃・張合隊、進発!」
悠「やれやれ、やっとあたしらの番か… そんじゃ親方、行ってくるよ、あとでちゃんと付いてきなよ」
菖蒲「それでは文台様、主上、我らはこれにて失礼いたします」
一刀「あぁ、気をつけてな、途中、何か変な連中が潜んでいたら、真っ先に俺か文台様に知らせてくれ」
悠「応っ!」
菖蒲「承知いたしました!」
煌蓮「陸遜・程c隊、進発!!」
華琳・雪蓮「陸遜・程c隊、進発!」
風「それではお兄さーん、いちきまーす」
穏「一刀さぁ〜ん、洛陽に着いたらまたおべんきょしましょうねぇ〜」
一刀「…勘弁してくれ」
いやホント勘弁して欲しい。
なんてったって俺は桃香と愛紗と蓮華の三人を従えて行軍しなければならないんだから。
この子達、最近では、華琳の脇に春蘭と秋蘭がいるように、
文台様の脇に冥琳と秋蘭がいるように、
桃香の脇に愛紗と鈴々がいるように、
当然ともいうべき態度で、かわるがわるべったりと三日サイクルで張り付いてしまった。
時々蓮華の代わりに霞が混じってたり、魏の三馬鹿がやってきたり、
愛紗の代わりに孫一家が四人そろって特攻してきたり、
春蘭と秋蘭を従えて華琳が押しかけてきたりするのはご愛嬌というべきなんだろうか。
煌蓮「次! 諸葛亮・鳳統隊、進発!!」
華琳・雪蓮「諸葛亮・鳳統隊、進発!」
朱里「はわわぁ! ご、ご、ご主人様、出番が来ちゃいました!!」
雛里「あわわ…」
一刀「慌てないでいいよ、慌てないで。 急いては事を仕損じるからね 落ち着いて、ゆっくり深呼吸」
二人「すー、はー、すー、はー」
一刀「落ち着いた?」
朱里「は、はい、がんばりましゅ!! ……はううううぅぅ……」
煌蓮「かーっかっかっかっか!! 相変わらず良い子達じゃないか」
雛里「あうぅ…」
煌蓮「よし、次! 次は民間人と義勇兵、それと義賊集団だ! 周瑜・黄蓋隊、進発!!
先導と護衛を頼むぞ!!!」
華琳・雪蓮「民間人・義勇兵・義賊集団、および周瑜・黄蓋隊、進発!!」
祭「やれやれ、やっとわしらの番か… 待ちくたびれたぞ」
冥琳「仕方ありますまい、百万をはるかに超える大軍勢など、
孫呉どころか始皇帝以来、かつてない規模でしょうからな。
それに我らと共に洛陽に付いていく民も多い。
彼ら大多数の民草たちが我らに同行していると耳にすれば、
さすがの蜀の連中も手出しは出来ないでしょう。
ですが、それでも彼らに対する護衛は必要なのですよ、祭殿」
祭「むぅ…それではいつまでたっても殿(しんがり)が進発できぬではないか」
冥琳「魯粛と韓当のことなら問題ないでしょう。 あやつらはああ見えてなかなかに有能です。
それに最後尾には亞莎や思春もついておりますゆえ。 では行ってくるぞ、北郷」
煌蓮「さて、残りはあたしらだけだね」
現時点で残っている将たちは、俺、文台様、華琳と雪蓮、
桃香と愛紗、蓮華とシャオ、思春と亞莎の十人だけだ。
皆が全て出て行ったこの時点で、すでに二刻は経過しているだろう。
煌蓮「こっからは全員で固まって行軍するよ。
曹操・孫策親衛隊は、あたしの前を行軍。
坊主直属の北郷隊と、あたし直属の禁軍十万はその後ろ。
孫権・孫尚香隊は、坊主の部隊の後ろを、
劉備・関羽隊はあたしの部隊の後ろを行軍。
最後尾の殿は亞莎と思春に任せるよ。
お前たち、いいね!!」
思春「了解です!」
蓮華・愛紗「御意!!」
煌蓮「よし、城門の番兵たちよ!! 門を閉じ、建業への道を断ち切れーーーー!!!」
ガガガガガガガガガガガガガ………ガゴオォォン!!!
孫 呉 大 行 軍
〜建業から洛陽へ〜
賈駆「ついに呉が動いたみたいね…」
趙雲「いかがいたそうか? 軍師長殿」
賈駆「今は泳がせておきましょう…民衆も同行しているみたいだし、下手に手出しは出来ないわ。
恐らく、東の函谷関で両軍がぶつかることになるでしょう。
劉表様と、それからねねと張勲にもそう知らせてきて頂戴」
趙雲「承った」
趙雲「(劉表殿…か。 どうもあ奴からは、なにやら胡散臭い臭いがするのだよな。
たとえばこう、何となくではあるが、妖(あやかし)や物の怪の類のような……)」
第十章二節終了
説明 | ||
注意・免責事項については、[01 第六章IF]の注意書きをお読みください。 上記内容にすべて同意された方のみ、 本作品をご覧になられることをお勧めいたします。 |
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いいねぇ〜〜〜(零壱式軽対選手誘導弾) まさに総力戦?(ブックマン) 続きが気になります!!(キラ・リョウ) 詠と星とわまた奇妙なコンビw袁家もいる劉表軍でどこまで堅さん相手に出来るやら 見物ですw(村主7) |
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