【BL注意】ひとおおかみとあそぼう
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「うおおーっ!!食べちゃいますよーっ!!がおーっ!!」

「……ふざけているのか」

怪訝な表情の険しい視線は、頭上で揺れる大きな耳と腰で振れるフサフサとした尻尾に注がれている。始めこそ犬歯を剥き出しにして威勢の良かった真吾も、庵の冷ややかな視線に段々と照れ臭そうな顔になって俯きながら無意識に左右してしまう尻尾を宥めるように撫で付けた。

「あのー、えっとですね、これには色々と深い理由がありまして」

どんな下らない理由かと腕組みをして待ってみれば、彼から飛び出してきたのはご多分に漏れず下らないものだった。

「人狼ゲームをみんなでやったんですけど、何か流れでこういう格好をすることになったので、はい」

「理由になっとらんぞ」

溜息を吐いた庵に真吾は苦笑しつつ尻尾を手慰みに弄んでいる。耳は所在無さげに伏せられているが、時折彼の視線と一緒に此方を気にするように動く。作り物だと思ったが、もしや生えているとでもいうのか。庵は彼の髪を撫でるようにして耳を確かめてみることにした。

「あっ」

すると伏せていた耳がぴんと張られて毛がぶわっと膨れる。その様子に「ほう」と口角を上げた庵は真吾の“狼耳”を指先で弄びながら頭をわしわしと撫で続け、真吾は訳もわからず庵の手から与えられる謎の感覚に小さく呻きつつ尻尾をぎゅっと握るしかできない。

心地好い、とも何ともつかない、お腹の辺りが切なくなる感覚。

「やっ、八神さん、その、あの」

「何だ」

「そろそろ、その、撫でるのは……」

このままでは彼の掌の思うがままに全てを委ねてしまいそうになる。顔が熱くなっているのは照れ臭いから、それだけではなさそうで、庵は伏し目がちになる真吾の顎に手を遣り面を上げさせた。

「何が狼だ、この有様では所詮犬じゃあないか」

「ううっ……」

馬鹿にされているような、もしかしたら可愛がられているような。どちらにしても居心地が悪くて真吾は庵から離れようと背を向けた。しかし今度は耳ではなく別の場所が彼の“獲物”になる。

「うひゃっ!!」

庵に背を向けた瞬間、彼の手に尻尾の付け根を触られて思わず身体が大きく跳ねる。

ひっ掴まれたと思えば、毛束を確かめるように手で鋤いてきたり、付け根を指先で執拗になぞってきたりするものだから、真吾は再び妙な感覚に背を反らせて声を漏らす。

いよいよ危険を感じたのか此方の手を払う真吾を後ろから捕まえて、庵は彼本来の耳をひと舐めしてから囁く。

「フン、矢張り犬だな」

「お、狼ですってば!」

身を捩っても解放してくれないことに早々に観念して、そのまま懐に納まり不貞腐れている姿には全く説得力がない。庵が暫く頭を撫でていてやると尻尾がくるくると振れ始めたのが可笑しくて、くつくつと肩を揺らしたら指先に彼の犬歯が甘く触れてきた。

「……ほんとに、食べちゃいますよ」

「面白い、やってみろ」

先端がぷつりと皮膚を破る感触がして、そこに滑る舌が這う。狼を躾てみるのも悪くはない、庵は彼の犬歯を爪先で弾いて「次は此方だ」と自らの唇を舌で舐めてみせた。

説明
G時空の庵真。
なんか急にケモ耳尻尾犬歯が生えたから…………そりゃお前…………
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