魔神達の幻想入り 第10話 |
あの電話が鳴ってから15分、まだ僕は寝ていた。日差しが気持ちよいせいであるのだけど・・・
ペチンッ
サイ「うわっ!」
誰かに叩かれたような痛みが額に来た。目を覚ますと人形さんがムッと顔で僕を見ている。
アリス「やっと起きたわね、もう9時すぎよ」
サイ「も、もうそんな時間なの!?」
ポケギアの時間を確認すると、9時23分。殆どの人が活動している時間だった。
アリスちゃんが取っておいてくれた朝食をすぐにいただき、僕は出かける支度をする。僕は毎回寝坊しては、会長さんに怒られていることが多かった。最悪なら昼まで寝てしまうようなこともあるけどね・・・。
自分のポケモンや傷薬を確認して、外に出る。アリスちゃんと人形さんはこれから何処へ行くのかと聞いてきた。
勿論僕は、
サイ「昨日地図を見たから、それを頼りにして人里へ行くよ」
僕は昨日に見つけた森の地図を取り出して言う。
アリス「そう・・・けど気をつけてちょうだい、特に危険な妖怪が1人いるわ。ルーミアっていう人食い妖怪がいるんだけど、遭遇したら逃げ切れる確率はゼロよ」
なんとも恐ろしそうなことを聞いた僕は鳥肌を立てた。危険そうだけど、行くしかない!みんなに会うために!
アリス「命の補償はしないけど、代わりとしておくものがあるわ」
サイ「補償の代わり?」
アリスちゃんは隣にいる人形に頷くと、僕のほうに寄ってきた。
アリス「その上海人形は、サイについていきたいそうなの。大切にしてあげてくれるよね?」
サイ「・・・勿論だよ!」
人形さんも嬉しそうにしていた。そろそろ行かなきゃいけない、目指す先、人里へ。
サイ「アリスちゃん、1日世話になったよ。じゃあね」
僕は手を振りながら人形さんを連れて、彼女の家からあとにした。
一人旅をするのはいつ以来だろう。僕は修行のためにしてきたんだけど、こんな旅は生まれて初めてだ。
ついでとしてついていく理由を人形さんに質問した。
サイ「人形さん、どうして僕についていくことにしたの?」
上海人形「ヤサシクシテクレタ。ダカラウレシクテ、モットアソビタイ」
サイ「そっか・・・一つ気になってんだけど、名前ってつけられてないの?」
アリスちゃんはどうもたくさんの人形に名前をつけるようなことはしてなかった。つまり僕がいいたいのば、この人形さんに名前をつけようかと思っていたことである。
サイ「僕は名前をつけたほうが気分がいい感じになると思うんだ。名前付けるとしたらそうだなぁ・・・」
僕は人形さんを見て考えると、すぐに名前が浮かび上がった。
サイ「アリス・マーガトロイドの名前の2文字を借りて、『アド』なんでどうかな?」
上海人形「アド・・・」
人形さんは少し考え込んだ。いい名前にしたつもりなんだけど、どう返事が来るか待っていると、
上海人形「アド、イイナマエ」
サイ「よし!じゃあ今日から君は、アドだ。よろしくね」
よかった、アドもそれ以上の嬉しさが顔に表れている。僕とアドは深い森の仲を笑い合いながら歩いていった。
今朝ではいろいろとあったが、にとり殿も一緒に守矢神社へやってきた。
ベンケイ「ここにいるということか」
にとり「ここは本物の神様のいる神社なんだよ」
ベンケイ「ほぉ、この世界にもいるとは実に面白い世界だな」
我輩とにとり殿は鳥居をくぐって長い階段を登った先にあった神社の前まで来た。
にとり「早苗さーん!いますかー?」
にとり殿が叫ぶと、奥からまた別の女が出てくる。
にとり「あれ?神奈子さんじゃないですか。早苗さんは?」
神奈子「早苗なら外来人を連れて博麗神社に出かけたぞ?」
ベンケイ「! その外来人とは誰なのだ!?」
我輩はまさかと思って質問した。
神奈子「ちょっ、誰なんだよこいつは!?」
にとり「この人は外来人のベンケイさん。仲間と逸れたようなので私がレーダーで確認したところ、ここに2人外来人がいるって・・・」
神奈子「ってことは、バルトとエビスの仲間なのか」
ベンケイ「やはりか。その博麗神社とは何処にあるのか教えてくれぬか?」
魔神聞き込み中・・・
ベンケイ「にとり殿、我輩もすぐに向かうとしよう」
にとり「はい!」
神奈子「一応早苗に連絡しとくからな〜」
神奈子殿がそう言うと奥へ去っていく。我輩はボールを取り出し、空へ投げる。
ベンケイ「舞い上がれ!カイリュー!」
叫んだあとにボールが開き、その光から龍が出てくる。ドラゴンポケモン、カイリューである。
ベンケイ「にとり殿、神社の道のりを教えてくれぬかね?」
にとり「いいですよ、行きましょう!」
にとり殿はカイリューの背中に乗る我輩の後ろに乗り、カイリューは空高く飛び上がった。
博麗神社の真上には、リザードン、プテラの2匹に乗る2人と、独自で飛んでいる女2人があり、そのまま地上へ降りてくる。
その男2人は間違いなく、バルトとエビスだ。
エビス「会長はん、ご無事でなによりやで!怪我とかはありまへんでっか?」
ジュウゴロウ「少し疲れたことかな・・・しかお前らもよく生きてたな」
バルト「でも、サイさんとベンケイさんはまだ見てないんだけど・・・」
そうだ、まだあいつらは行方不明のままだった。安心できない。
早苗「えっと・・・あなたが会長なんですね?」
ジュウゴロウ「ああ、キバシ ジュウゴロウ。大魔神会長だが・・・誰だ?」
霊夢「私と同じ巫女よ。早苗って言うの」
簡単なご解説ありがとうございます。
諏訪子「あたしは洩矢 諏訪子、よろしく!」
バルト「会長さんには驚くと思いますけど、諏訪子ちゃんは神様らしいんだって」
・・・は?
ジュウゴロウ「こいつが神様?見るからにはただの子供だが・・・」
「あ、あの〜。私を忘れてませんか?」
後ろから声がしたので振り返ると、あの時怯えていた少女が俺に話しかけていた。
ジュウゴロウ「そういえば名前聞いてないような・・・」
「いや〜、やっと気づいてくれましたか。私、天狗の新聞記者、清く正しく射命丸 文と申します!」
え?天狗?そういえば頭に乗っかってるのはまさしく天狗帽ではないか。
さらに文はこんなことも、
文「取り込み中悪いですけど、取材としてインタビューはあとでできないでしょうか?」
ジュウゴロウ「構わない、じゃ」
再び神様のほうに顔を向けた。
ジュウゴロウ「神ってのなら、証拠くらい見せてくれるか?気になるタイプだからな」
諏訪子「それじゃあこの弾幕で証明するよ」
諏訪子は一度、遠くにあった岩を的にしてカードを取り出す。もし神なら威力がすごいかも・・・
諏訪子「土着神「ケロちゃん風雨に負けず」!」
予想は的中した。信じられないほどの弾の量で放たれ、岩は木っ端微塵だ。
ジュウゴロウ「認める。確かにお前は神だ」
バルト「というより今のはなんですか?」
ジュウゴロウ「話によるとスペルカードって言うらしい。この世界でしかなくて、言うなれば得意技ということだな」
しかし、こんな弾相手に仲間が相手したら勝てるのかが疑問である。
文「じゃあ話が済んだところで早速インタビューを・・・」
そう待ちかねていたように文はメモ帳とペンを用意していた。こいつ、スゲーやる気満々だ。
霊夢「因みに彼女、ガセネタの新聞ばっかり作ってるわよ」
文「ちよっ、霊夢さん酷いですよ!」
魔理沙「酷いって言われてもなぁ・・・」
なんか不安だ。でも別世界で有名になれるのならよしということで、インタビューを受け入れることにした。
第10話でした。
諏訪子は結構好きなキャラクターなのですが、実際には神様という事実はあんまり知っていません。知った直後にビックリでした。
実力も、EXボスで弾幕ランキングベスト10入りというわけでジュウゴロウも顔負けな強さにやってたりしてます。やっぱり神は強かった!って感じに(笑)
次回は霧の湖で腹黒い少年とバカの妖精の対決(?)で行きたいと思います。お楽しみに。
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ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。 | ||
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