ココロとメロンソーダ |
短編 ココロとメロンソーダ
「メロンソーダ〜♪メロンソーダ〜♪」
なんともやる気の出ない拍子抜けの歌が聞こえる。
ここは小さな公園。そこには女の子が一人幸せそうにコンビニの袋を持って歩
いていました。
「メロンソーダ〜♪メロンソーダ〜♪」
その女の子はとても笑顔でなんともいえない歌を歌っていた。
ビニール袋をぶんぶん振り回し陽気に歌う女の子の姿には微笑ましいという文
字がぴったりであった。その女の子の名前はココロ。
「メロンソーダ〜♪メロン…あっ!!」
ココロは途中で何かを見つけたようだ。
「お〜い、むーちゃん!!」
ココロはにこにこと手を振った。
しかし、お目当ての人物はココロを見るとそそくさと走ってその場を後にしよ
うとする。
「むーちゃん!!待ってよ〜」
ココロはビニール袋をぶんぶん振り回しながらむーちゃんと呼ばれた女の子を
追います。
「むーちゃん!!」
むーちゃんはそれでも止まりません。
ココロは走ります。全速力で走ります。むーちゃんを追うばかりでビニール袋
が激しく揺られているのも知らず走ります。
「あっ…ドテッ!!」
その妙な音にむーちゃんは後ろを振り向きます。
「う〜、メロンソーダ」
そこにはこけたココロとカラカラと転がるスチール缶がポツンといた。
さすがにあわてたむーちゃんはすぐさまココロの下へ走っていった
「ココロ、大丈夫?」
普段とは違う優しい言葉にココロは転がったスチール缶を一つ手に取りむーち
ゃんに手渡した。
「……その様子なら大丈夫そうね」
むーちゃんは「はぁ」とため息をつき渡されたスチール缶をブシュッと開ける
のであった。
「あ、ココロのメロンソーダ〜!!」
ココロが叫んだときにはメロンソーダはむーちゃんの顔面を目指し吹き出して
いた。
「………。」
むーちゃんは怒りとも思えない顔をしながら手でスチール缶を強く握りしめる
。
「むーちゃんひどいよぉ。ココロのメロンソーダとっちゃうなんて」
とココロは顔をプンプンとさせて言った。
「………。」
むーちゃんの顔はいまだにかろうじて笑顔だった。
「もう、ココロの分。後、4本しかないよぉ」
ココロはそう言いつつ転がっている残りのメロンソーダを取りブシュッと開け
る。
案の定、むーちゃんの時みたく吹き出すことはなかったがすごい勢いで炭酸が
抜けていく。
「ごきゅごきゅ…ぷは」
ココロが幸せそうにメロンソーダを飲んでいる片隅ではむーちゃんが残りのメ
ロンソーダをいそいそと飲んでいた。
「やっぱり、これが一番だね〜」
ココロは今日も幸せな笑顔を見せるのであった。
「あ、ココロのメロンソーダがないよぉ」
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TINAMIで始めてココロを知りましたが頑張って書いてみました。まだまだ、ココロについて深く知らないところもありますが是非、支援よろしくお願いします | ||
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