魔神達の幻想入り 第12話
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サイ(あれがルーミアかぁ・・・)

ルーミアが思ってたよりも化け物というわけではない。普通にいるような少女だから疑うけど、背筋からきたあの感覚は確かに本物だった。

サイ(動きながら隠れるのはかえって危険だな。どうしようか・・・)

ルーミア「う〜ん・・・やっぱりどこかへ行っちゃったのかな〜?」

彼女はどうやら立ち去ろうとしている。よし、これならうまく逃げ切れる!と思ったその時、ルーミアの前に女の子が2人やってくる。鳥っぽい女の子と、頭に触覚みたいなのをつけている女の子だ。

サイ「! その子に近づいちゃ駄目だ!!」

このままだとあの2人がルーミアに食べられてしまうと思い、僕は2人に叫んだ。ルーミアが僕の声に気づく。

ルーミア「あ!木の陰に隠れてたのか〜」

それに続いて2人も僕を見て言う。

「もしかしてあれ、外来人じゃないの?」

「ルーミアに打ってつけかも・・・」

サイ「・・・え?」

僕はわけが分からないままだった。

サイ「君達、迷子じゃないの!?」

「私達は妖怪よ?」

「もしかして勘違い・・・してたりして」

しまった!この2人はルーミアの仲間だったのか!子供なら純粋だから素直に逃げたりするのに・・・!

僕は逃げようとしたが、方向を振り替えた先にはルーミアがいた。

ルーミア「貴方は食べていい人間?」

サイ「くっ・・・」

後ろにも2人が行く手を塞がれ、袋の鼠となってしまう。と、その時、ルーミアの頭上に弾が炸裂すると、彼女はヒャッと一瞬だけ怯んでしまう。

アドが僕を助けようとしているのだ。

サイ「アド!」

「フフッ、隙あり・・・」

僕は後ろから迫ってきた拳を弾き返すが、慌てていたせいで体勢はすぐに崩されて、あとから来た拳で吹っ飛ばされてしまう。

サイ「ぐああっ!!」

木にぶつかって意識が飛びそうになったその直後、ルーミアと戦闘中だったアドも僕の胸元へ飛んできたのですぐにキャッチする。人形1人じゃ火力不足なためにノシられたのである。ルーミアは僕の前に立った。

ルーミア「みすちー、リグル、そろそろ食べちゃってもいいよね?」

ルーミアは後ろの2人に言う。

みすちー「私は構わないわよ」

リグル「私も」

ルーミア「それじゃあ・・・」

ルーミアから黒い気が発せられ、血の眼と化して牙を向けた。

会長さん、皆さんごめんなさい。僕はここまでです・・・

 

ルーミア「イタダキマス・・・」

 

ガブッ・・・!

 

僕の服は、彼女の鋭利と化している歯によって噛み千切られてしまう・・・。

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ルーミア「・・・?噛み応えがない」

2人「へ?」

ルーミアがかんでいるのは、僕の服だけだった。

サイ「悪いけど僕は・・・君の食事にはされないよ」

僕とアドは彼女達の後ろに移動していて、別の服へと変わってた。Mと書かれた赤く怪しげな服は、僕が昔所属していた組織、マグマ団の団員服である。

みすちー「変わり身の術でも使ったって言うの!?」

サイ「その通り。お気に入りの服が犠牲になったけど、僕は君たちを許すわけにはいかないよ!優秀は君だ、ボスゴドラ!」

僕はボスゴドラを繰り出して、気迫を倍にして返す。

3人「!?」

サイ「日本晴れ!」

ボスゴドラの全身から光が集まって空に打ち上げられると、強い日光が辺りを照らし始める。すると次の瞬間、

ルーミア「! なんだか眠く・・・zzz」

みすちー・リグル「!?ルーミアの唯一の弱点、日光を知ってたの!?」

サイ(へ?そうなの?)

僕はこんな単純な弱点に目を丸くするが、相手は油断をした。今がチャンスだ!

サイ「行けっ!ソーラービーム!」

この指示をした直後にボスゴドラの口から巨大な熱光線が照射される。みすちーとリグルはルーミアを連れて素早く回避したおかげで免れるが。焼け焦げた跡が残るその威力に悶絶する。

みすちー「に、逃げるわよ!こんな相手と戦ったらやられちゃうわ!」

リグル「待ってよ!ルーミアを連れてるんだから置いてかないで!」

3人は太刀打ちできない相手だと思い知り、森の中へ消え去っていった。

勝った・・・。開放されたあとに来る快楽と疲れが僕の体に来て、今は動けない状態になる。

サイ「アド、今回はあの判断が偶然にも良かったけど、違ってたら僕達は生きてなかったと思う。だけど、この嬉しい感じは僕でも抑えきれないほどだよ」

抱きかかえていたアドを手放してそう言うと、アドは僕の横に浮いて笑う。すると新たな気配を感じたボスゴドラは、その方向へ睨む。

サイ「また妖怪!?」

僕は油断をしそうになっていた。でも・・・

「妖獣を連れた人間なんて初めてみたな。流離の旅人か?」

サイ「! あなたは?」

姿を見せたのは長く白い髪をした女の子だった。この子はなんだが悪い気配がしない。もしかしたら・・・?

「私は藤原 妹紅。森にさ迷った人間を安全に誘導をしている」

サイ「そうなんですか。僕は人里へ向かっていたんですけど、案内してくれるならよろしくお願いします」

良かった。心強い人に会えただけでなく、人里まで案内してくれるのだ。アドとボスゴドラは僕のあとをついていき、僕は藤原さんのあとをついていった。

 

人里は実に賑やかな場所だ。ようやくついたその時には夕方になっているのが分かる。

妹紅「そういえば名前を聞いてなかったな。なんて言うんだ?」

サイ「サイ、ポケモントレーナーだよ。この人形はアドで、こっちは相棒のボスゴドラ」

藤原さんはアドを見て首をかしげた。

妹紅「不思議な人形だな・・・お前のか?」

サイ「今はね。実はと言うと・・・」

 

魔人説明中・・・

 

妹紅「恩返しにか。まぁいいんじゃないか?人形使いも少し分かってくれてると思うしさ」

サイ「うん。でもいい人で助かりましたよ、藤原さん」

妹紅「妹紅でいいぜ。私もサイと呼ぶからさ」

サイ「ハハッ、よろしく、妹紅」

妹紅と僕が人ごみの中を進んでいくその先には、江戸時代の塾みたいな場所に着いた。

妹紅「ここは私の知り合いがいる家さ。普段は子供や妖精に教えをやってるんだよ」

サイ「つまりここは学校ですね」

今は終わっている様子なので、普通の自宅となっている知り合いの家へお邪魔させたいただきます。(但しボスゴドラはボールに戻しています)

妹紅「慧音、入るぜー」

悠々と扉を開ける妹紅。するとその声に聞こえていたのか、妹紅とは違って綺麗な白く長い髪をした女の人が面に出てくる。

「外来人か?」

即効で僕に質問してきた。鋭い・・・。

妹紅「サイって言うんだってよ」

サイ「ど、どうも・・・あの・・・」

「私は上白沢 慧音、慧音でいい。元はこの寺子屋の教師をしているのだけど、今は見ての通りだ。とりあえずあがってくれ」

慧音さん、妹紅につづいて僕とアドも寺子屋の中へ入っていきます。6人も入れそうな居間に着く。

慧音「座ってくれ。今お茶を入れる」

サイ「はい」

僕が座布団に座ると、アドも一休みするようにちゃぶ台の上にちょんっと座り込んだ。

妹紅「んで、お前は確か仲間を探しているんだといってたよな?」

妹紅は座禅を組みながら言う。

サイ「ここへ来れば何か手がかりがつかめれるかと思って来たんです。森には誰もいませんでしたから・・・」

軽い会話をしている間に慧音がお茶を持ってきてくれる。それも菓子付だった。

慧音「つまらぬものだが、よければ食ってくれ」

サイ「ありがとうございます」

妹紅「慧音、こいつは普通の人間には見えるが、実は妖獣を操れる妖獣使いなんだって」

慧音「妖獣か・・・・・・うむ、どんなものか見せてはくれないか?」

サイ「あの、それなら貴方の後ろに・・・」

意外にも興味がありそうな顔をしている慧音さんだけど、後ろを向いた瞬間に彼女はビックリのあまり、被っている青い帽子が上へ飛び上がる。

慧音さんの後ろにいたのはシャドーポケモン、ゲンガー。僕のチームの中で悪戯好きなポケモンだ。

慧音「な、何だ今のは!?まるで幽霊ではないか!!」

サイ「あれがポケモンなんです。ゲンガーって言うんですけど、初めて会う人にはああするクセがあって・・・」

妹紅「やめろーっ!来るなーっ!」

慧音さんと妹紅はゲンガーがあまりにも恐ろしかったのか、部屋をドタドタと逃げ回る。酷くなる前に何とかしようとした僕は、すかさずゲンガーをボールへ戻した。

慧音「・・・? 幽霊が消えた?」

サイ「ボールに戻しただけです。これでポケモンを収めて持ち運べれるんですよ」

僕はさっきの出来事を簡単に説明する。慧音さんの頭には角(?)見たいなのが逆立っており、ゼェゼェと息を切らしていた。

妹紅「し、しかし、恐ろしい奴を連れているなんて聞いてないぞ・・・」

サイ「ポケモンはそういう生き物です。可愛いポケモンがいれば、怖いポケモンが。小さいポケモンがいれば、デカいポケモンもいますから」

妹紅もゲンガーを見た瞬間に恐ろしさを感じていたのか、ゲンガーの入っているボールを見ては身を引いていた。

 

少女沈静中・・・

 

慧音「簡単にまとめれば、会の仲間と共にどういう理由でここへ来たかは分からないままに来てしまったわけだな?」

サイ「はい。この里で誰か見かけていれば幸いですが・・・」

慧音「残念だが、その外来人は見た覚えがない。この世界には多くの外来人が来るものだから探すのも大変だけに、殆どの外来人が妖怪に食われて死んでいくことがここ最近多くなっている」

サイ「そ、そんな・・・」

僕は不安を感じた。

会長さんはサバイバルが得意だとしても、それ以外のバルト、エビスさんにベンケイさんは生き残れることなんてできない。

妹紅「落ち着きなよサイ。気持ちは分かるが、夜になると妖怪の活動が活発になる。それにお前は、仲間を信じているんだろ?」

サイ「! ・・・そうですね。僕は皆さんを信じてるんですから、きっと無事です!」

慧音「・・・サイ、その服だとどうも怪しく見えるから、変えの服を買いについてきてくれないか?」

慧音さんはマグマ団スーツがどうも気に入らないのか、新しい服を買いに出かけることにする。やっぱりそうなるだろうとは予想していたが・・・

妹紅「まぁ待てよ慧音、この服はわりとカッコイイし、このままにしてやろうぜ?」

慧音「しかし外に出たら怪しまれるのは確実だぞ!」

サイ「あの・・・!」

僕は空気がヤバくなる前に2人に話す。

サイ「趣味で着ているって言ったら・・・どうですか・・・?」

慧音「拒否」

妹紅「賛成」

キリがなかった。僕は仕方なく新しい服を買うために、慧音さんと買い物に出かけることにしよう・・・。

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第12話でした。

迫力を増すために今回は2ページ使用でハラハラドキドキなシーンにしてみました。

あとプロフィールで忘れていたのですが、彼はマグマ団の幹部です。マジで彼はマグマ団の幹部です!(大事なことなので2回言いました。

さて、次回では慧音と一緒に新しい服を買いに行きますが、ここでまさかのアンケートをとりたいと思います!

これがないと話が進めませんので、コメントにそのアンケートの回答をお願いしたいと思います。

 

今回のお題:サイの新しい服の色 袖の長さ 服についている模様

 

この3つをまとめてお願いします!締め切りは土曜日まで!皆さんのコメント投稿がサイの運命を変えます!

どうかよろしくお願いします!(できないとこの話の続きが本当に書けません)

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ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。
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