恋姫・十二の外史 第七話 父から娘へ
説明
4つ目の外史
此処は呉の国、天の御使いによってもたらされた平和によって此処の民たちは皆が笑顔だった。
「また蓮守(孫登・真名(レンシュ))は城を抜け出したの?」
城の主にして呉の王、孫権はまたかと言う顔で言った。
「申し訳ありません。少し眼を離したすき」
彼女に頭を下げるのは、乱世より彼女の家臣として・・そして最も信頼い出来る友、甘寧だ。
「仕方ないわ。あの子のあの性格は彼に似たのだからね」
政務の書類を片づけながら彼女は机の上に置いてあった一枚の絵を見た。
「まったくあの者は」
その絵を甘寧は呆れながら見た。
彼女の・・いや、彼女達の愛した者、天の御使いはもうこの世にはいない。彼は役目を終えて平和に暮らしていたが周瑜と同じ病気で十年前に若くしてこの世を去った。
彼と彼女達の間に生まれた子供たちは父親の顔を知らないが、母や民たちから聞いた父を心の底から尊敬していた。


孫権の娘、孫登も父を尊敬
してそんな父に近づこうと勉学に励んでいたのだが・・・どうやら父の血を一番強く引いているのか、時たま城を抜け出しては街にお忍びで出歩いている。しかし、今日の彼女はいつもとは違い、ある場所に向かっていた。
「確かこの先だよね」
人気のない森の中、彼女が向かっていた場所
「あ、あった!!」
そこにあったのはここでは珍しい桜のきだった。
「この木、お父様の世界の木なんだよね」
それは彼が最後に娘たちに伝えるように言った言葉だった。
『この木は終わりと始まりを意味するんだ。自分の意志を決意するとき、この木に行きなさい』
「私の意志・・・・父様や母様の様に呉を平和で豊かな国にして見せます」
その時、強い風が吹き抜けた。
「何だったの今の?・・・・・・・あれ?」
自分から見て桜の木の後ろからこの木を見つめる者がいた。
「やあ。こんにちは」
私に気づくと彼は微笑みながら挨拶をした。
彼の身なりはとても変わっていた。光を反射する衣をまとって背中にはマントを着け・・・そしてすべてを優しく包み込む笑顔をしていた。
しばらく私はその人と話をした。
家族の事、義姉妹たちの事、尊敬する父の事
彼はその話一つ一つを真剣に聞き、所々で笑みを見せ、頬を赤らめた。
「おじさんはどうして此処に来たの?」
「おじさんは酷いな・・・・これでも19なんだぜ?」
彼の年齢にも驚いたが、彼女は彼のもう一つの言葉に驚いた。
「少し心残りがあってな。前に此処である約束をしたんだ」
「約束?」
「この木が花咲く時、まだ見ぬ娘達に伝えたい・・・・生まれてきてくれてありがとうってね」
その時の彼の顔は何処か悲しそうだった。
私はためらいなく彼の背中に手を当てながらこう言った。
「お兄さんの娘さん達はきっと感謝してるよ」
「なんだよ急に」
「勘よ」
「はは、なる・・・ほど」
あれ?急に眠く
・・・やっぱり・・・彼女と・・・の子供だ
え?今なんて?
・・・・きっと・・・
それに何だろう、この人の背中・・・・大きくて、暖かい
・・ありがとう・・・蓮守
え?
彼の顔が瞼によって閉ざされた。
・・・・・父様



・・・・・夢
眼を覚ますともう日は沈みかけていた。
「・・・・!?」
視線を落とすと自分に何かかけられていることに気づいた。彼が着けていたマントだ。そのマントに書いてあったのは文字は彼女が知るたった一人のものだった。
「・・・十文字・・・父様」



「この外史もこれで終わりでいいな」
「ああ、彼女たちなら大丈夫だ」
「お前、結構親ばかになるな」
「心配しなくても・・・親ばかだ」




なんか終幕とか関係なくなってきてますね^^
とりあえずコメントお願いします。
誤字もあったらお願いします^^
あと、孫登の真名はなんとなくです^^
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コメント
暖かい話でしたね。(ブックマン)
とてもいい話でした!! でも一刀にとってはちょっと切ないな・・・(キラ・リョウ)
信頼い出来る友、甘寧だ。←信頼「い」はいらないですね。珍しい桜のきだった。←桜の「木」他は漢字なのにおかしいかなと・・・。(トウガ・S・ローゼン)
うっ、続きが気になる…城に帰った蓮守と蓮華たちの会話がぁ〜!!!!(鳴海)
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