新たなる外史の道 12
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虎牢関は陥落した。

 

いよいよ、洛陽が我等の前に飛び込んでくる。

 

俺は洛陽を馬からその眼に見た時、栄枯盛衰、盛者必衰の言葉が頭に浮かんだ。

 

滅び行く者と、新たに栄える者・・・何時それが自分の身に訪れるか、この中で自分を含め、知る者はいない・・・

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「洛陽から煙が・・・」

 

星の言葉により俺は、思考の海から現実へと引き戻される。

 

「愛紗、我等は復興支援当たる。どれだけ手持ちを割ける?」

 

「・・・3〜4割位でしょうか・・・」

 

「解った、物資の4割割く。配備を急がせろ直ぐにだ」

 

「御意」

 

「稟、風、愛紗の作用の手伝いを頼む。被害統計と被害地域は愛紗が出してくれる。それに従い、洛陽の住人を一箇所に集め、飯盒部隊を全て回転させ食事の配給、怪我や病気は軍医を全て回転させて対応、軍の仮設天幕を使え、斥候部隊を使い行方不明者の捜索も忘れるな、衛生兵を使い、伝染病等に対応も行え」

 

「御意」

「了解です〜」

 

「星、華雄、俺と共に、董卓捜索だ、一個中隊を即時選抜し捜索する。俺の部隊を含め、計3個中隊で捜索する。捜索開始は洛陽に入ったら直ぐ行う。それまでに編成を各自済ませろ」

 

「「御意」」

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俺達は洛陽に入りすぐさま行動を開始した。

 

袁紹と袁術が醜い争いをしているが、そんな事気にしてもいられない。

 

各自それぞれの与えられた任務に向かう。

 

俺達は董卓を探す途中劉備と会う。

 

「あ、北郷さ〜ん!!」

 

「ん、劉備か、どうした、こんな所で?」

 

「私達は董卓さんを探している所なんです」

 

「俺達もだ」

 

「そうなんですか? でも何の為に・・・?」

 

劉備がそう神妙な顔して聞いてきた。どうやら此方を探るみたいだ。

 

「別にドウコウするつもりはない。俺達の戦友が董卓を助けた、そう言ったから助けるだけだ」

 

そう言うと華雄がすまなさそうに、俺を見る。

 

「華雄さん!?」

 

劉備の言葉に劉備の将兵が身構える。

 

「騒ぐな!」

 

俺はウザそうに怒鳴る。

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なんか知らんが、劉備の兵が泡吹いて倒れた。過去愛紗と張飛はエモノを持ちながら震えているが臨戦態勢はとっている。何でだ?

 

「主・・・・・・その殺気を引っ込めては下さらぬか、我が軍の兵達も怯えています」

 

星が冷や汗をタラタラ流しながら注意してきた。

・・・イカンな・・・戦場の空気に中てられすぎた・・・

劉備なんか泣きそうだよ・・・膝も笑ってるし、歯もカチカチ鳴らしてる・・・

・・・大した者だ・・・真っ先に倒れそうな娘が何とか耐え忍んでいる。

俺の兵達は愛紗の訓練の賜物だ。耐えれて当然だ。

 

俺は殺気霧散させ、何時もの状態に戻る。

 

「・・・すまんとりあえず・・・兵達を正気に戻そう・・・」

 

とりあえず兵士達を叩き起こし、董卓の捜索を開始した。

 

暫く捜索していると、民家から人の気配が2人ほど感じた。それも明らかに怯える気配・・・

 

俺はゆっくりと部屋の戸を開ける。まだ気付いていない。

 

女の子が2人、寄り添いあうようにして身を隠していた。

 

俺はパトリオットとCQCナイフを静かにしまい、出来るだけ優しく声をかける。

 

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「董卓ちゃん、だね・・・」

 

俺の声に2人は慌てて、振り返る。

 

「あ、あんた!?!? 何者!? 月に何する気!?!?」

詠、賈?が俺に怒鳴りながら問いかけてきた。

「詠ちゃん・・・もういいよ・・・もうここまでで・・・」

月、董卓はそう泣きながら呟いた。

「でも!! 月!! 貴女だけは、貴女だけは・・・」

「・・・詠ちゃん・・・」

 

「あ〜悪いが君達・・・何か勘違いしていないか・・・」

 

「勘違い?」

賈?は首を捻りながら問う。

 

「ああ、俺達は君達を狼の群れから助けに来た」

 

俺がそう言うと賈?は胡散臭そうに怒鳴る。

 

「信じられないは!! 私達がどんな目に合わされたか!! アンタ達に解るわけ・・・」

 

俺は彼女をみつめてこう言った。

 

「俺のことは信じなくていい・・・だが、君達の無事を信じて君達を助ける為、俺達に、助けを乞うた者がいる。華雄だ・・・」

 

「何であいつが!? あいつのせいで!! 私達は!!??」

 

ちょうどその時、華雄が入ってきた。

 

「久しぶりだな・・・賈?、そして・・・お久しぶりでございます・・・董卓様・・・」

 

華雄は片膝と片手をつき、臣下の礼を取った。

 

「華雄!? アナタ!?」

賈?は驚きと、怒りで華雄を見つめた。

「華雄さん・・・」

董卓は悲しそうに呟いた。

 

「華雄!! あなたのせいでどれだけ月が心配したか考えた事がある!? アンタの猪で私達が負けたのよ!! それを理解しているの!?」

 

賈?は怒りの限りを華雄にぶつけた。

 

「もうよせ・・・華雄を責めても今の状況が好転しはしない・・・」

 

見かねた俺が賈?を止める。

 

「アンタは黙ってて!!」

 

「そうもいかない、彼女は俺の大事な戦友だ」

 

「ふざけないで!! あいつのせいで負けたのよ!!」

 

俺はその言葉にキレた。

 

「ふざけるな!! 貴様は安全な所にいてその言い草か!? 貴様は1度でも戦場に出て

軍師として戦ったか!? 戦場に出ず、状況が変わればグチグチ文句をたれるな!!

華雄はその身に罵声を浴び続けたんだぞ!! 貴様は何をしていた!?」

 

「私は・・・月を補佐していた!!」

 

「じゃあその董卓は何をしていた? 将兵達が命を賭けて戦ってる間、董卓は何をしていた。お前は何をしていた。考えた事があるか? 命を賭けて戦う将兵の事を・・・考えた事があるか? 戦場で倒される兵士達の思いを・・・お前達は考えた事がほんの少しでもあるのか!!!! 賈?!! どうせ貴様は董卓の事しか考えてなかっただろ!! 華雄はな、董卓とお前を心配し、戦っていたんだ!! お前はその事も気付かなかった!! お前それでよく軍師が務まるな!! 軍師失格だ!! 恥を知れ!!」

 

俺は気が付くと叫んでいた・・・

 

我なら恥ずかしい・・・

 

ふと見ると、賈?は悔しそうに唇をかみ締め、俯き、董卓は俯き泣いていた。

 

「・・・かっ・・・る・・・」

 

「何」

 

「解ってるわよ!! 自分が軍師として取り返しの付かない失態をした事ぐらい!! 

そして、華雄に八つ当たりした事ぐらい・・・解ってるわよ・・・」

 

泣き出す賈?、その時、董卓は俺の前に歩み寄る。

 

「全て・・・私の・・・責任なんです・・・」

 

俺はいぶかしむ。

 

「どう言う事だ? 詳しく話せ・・・」

 

「私が・・・倒れた為、詠ちゃんが私の仕事もやってくれたんです・・・だから・・・戦場へは出れなかったんです・・・

だから・・・詠ちゃんをせめないでください・・・」

 

泣きながら俺にそう言う董卓・・・

 

「もう何も言わん・・・劉備! 隠れてないで出てきたらどうだ!!」

 

劉備は俺の呼びかけにヒョッコリ扉から顔をだす。

 

「やっぱりばれちゃってましたか・・・」

 

「当然だ・・・後は任せる・・・華雄・・・お前はどうする・・・」

 

華雄は考えながら言う。

 

「貴方と共に行きます・・・」

 

俺は扉まで歩きながら呟く。

 

「・・・好きにしろ・・・」

 

俺は歩き出した・・・

 

なんか・・・疲れたな・・・徹夜明けにフライドチキンのバーレル無理やり食わされたみたいだ・・・

 

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俺達は、洛陽の復興に尽力している時だった・・・

 

「俺と愛紗に客?」

 

兵士の言葉に俺達はウンザリしていた・・・これで何度目だ・・・諸侯の奴ら・・・

 

「諸侯の連中なら追い返せと・・・」

 

俺がそう言おうとした時、兵士が思い出したかが如くこういう。

 

「こういえば解ると仰いました・・・確か・・・『エース』と『クイーン』でした・・・」

 

俺達はその単語に聞き覚えがあった。

 

まさか!?!?!? いや・・・そんなはずが・・・

 

「・・・会おう・・・」

 

そう言い、俺達は謁見者に会う。

 

そこには長身、痩せ型だがその体からはひ弱さは感じられない・・・

顔立ちはカナリ整っている・・・メガネを掛けている・・・

髪は後にポニーテイルにしてある・・・

スーツを着用しているが、ネクタイを緩め、Yシャツの第一ボタンを開けていた。

 

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「久しぶりやな・・・かずピー、愛紗ちゃん・・・いや『ACE』と『QUEEN』とでも呼べばええんか?」

 

 

 

「・・・久しぶりだな・・・及川 佑・・・いや・・・『JACK』・・・」

 

 

 

 

 

 

説明
恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。
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コメント
張大兄と知り合いなのか・・・w(nietzsche)
こんなに先の読めない小説は初めてだ!!(明夏羽)
及川がまさかのwwww(りばーす)
・・・え?ええっっ!!!なんで!?及川が重要そうなキャラで出てきたのは初めてみます(kayui)
まさかの展開?(ブックマン)
な?! 及川だと・・・・(キラ・リョウ)
先が読めん(st205gt4)
及川・・・だと・・・・・・?(カロン)
・・・ぇ?wwwwwwwww(rikuto)
敵か味方か気になりますね、それにJACKは少し狙ったのかな?(サイト)
誤字 3P戦友が董卓を助けた→助けたい 5P信じられないは→信じられないわ 6P俺達は→俺達が では?(ユウ)
・・・は?及川?ちょっと待て、なぜ!?まずい混乱してきた・・・(ユウ)
まさかの及川登場!!!! 展開が読めない、だと!!!??(猫螺舞)
・・・・・・あいつまでMGSで活躍してたのか?ナンパ系ってスナイパーなこと多いよね。スナイパーなのかな?(投影)
…………はい?えらい予想外の展開ですwww(sayji)
及川登場!? しかもJACKって。。。 展開が読めなくて面白い♪(相駿)
おいおいおい(ロンギヌス)
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