異伝・恋姫 1章 移転
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異伝・恋姫 1章 移転

 

 

 

 

 

 

 

某日、ある場所でのこと

 

「・・・こちらジャック・スペード、目的地に到着」

 

深淵のような暗闇の中、人の小さな声と小さな明かりがともる

 

「了解・・・っくぷぷ、なんやかずピーそのジャック・スペードって」

 

「てめぇが言えっつったんだろ!!及川!!!」

 

時刻は午前2時、普通であれば、活動時間とは決して言えない時間帯である。

 

「じょーだんやじょーだん、んでかずピー、なんか変なとこあらへん?」

 

「ったく、・・・ふむ、別に変わったところは今のところは無いが・・・」

 

周りを見渡す限り、不自然な『力』は感じられない。

今、北郷一刀は悪友である及川と共にあるミッションを受けていた。

本来ならばこのミッション、一刀はやる気はかけらほども無かったのだが、及川が

 

「かずピーとミッション組むと簡単に解決してくれるんすごい助かるわぁ、ってゆーことで頼むわ」

 

などというふざけたことを言いながら受付に提出したことで受けざるを得なくなってしまったのである。

 

・・・コレが終わったら絶対に絞めてやる

そう思いながら一刀は暗闇の中建物の奥へと進んでいった。

 

 

 

 

 

このミッションは言うなれば「見回り」である。・・・といってもただの見回りではなく、

アーティファクトや呪いの品などの「そういう類」が保管されている建造物の見回りである。

こういった類のミッションは、本来ならば駆け出しの者が受け持つのだが、今回はそれらの対象の一つが「発動」しているらしい。

アーティファクトといっても千差万別で、発動してもただ髪の毛が伸びるなど割と軽度なものから、近寄るだけで生死にかかわるような大きなものまでいろいろある。

前者であれば再封印でいいのだが、後者であれば一刀のように「強者」が始末に当たることが多い。

 

コレを及川が察知しているとは思いたくも無いのだが・・・

 

そんなことを思いつつサポートとして、拠点で解析をしている及川に話しかける

 

「なぁ、そっちからは何か感じ取れないか?」

 

「あー、あかんわ。今かずピーがおる所はアーティファクトが大なり小なり魔力が発散しててもうてんわやんわなさかい、コッチからはどうにもならんねん」

 

・・・ん?ということは最初っからいらない子なのか?及川は

 

「あー!!なんかひどいこと考えたやろかずピー!!!」

 

・・・あいつは凄いのか凄くないのかいまいちわからんなぁ

 

「ったく、捜索に戻る「待ちや!かずピー!!その辺になんか扉みたいなやつ無いか!?」・・・何も無いぞ?」

 

「その辺や、その辺からめっちゃ大きな「流れ」が出てるはずや!!」

 

及川に言われ、自分の身体に魔力を取り込む

 

・・・なぜ気づかなかったのだろう

この一面を覆いつくすような魔力。だからか、「いきなり魔力が覆い尽くされる」なんてこと、本来は絶対にありえない。だから体が麻痺して何も感じられなかったのだろう。

 

身体から冷や汗が吹き出る。・・・どこだ?どこにある?

 

辺りを見しても一面に本が陳列されている本棚があるだけだ。・・・ん?本棚?

 

「こういう本棚は調べると隠し通路があったりしてな・・・バカか、ゲームじゃあるまいし」

 

自己嫌悪しながら本棚を調べていくと、端のほうに赤いボタンがあった。

・・・嫌な、凄く嫌な予感がする (ーー;

 

押してみると・・・予感どおり本棚が左右に割れ入口が出てきた。

 

 

 

・・・後で及川を絞めて全て忘れよう

 

 

 

 

 

 

 

「・・・(ブルッ)なんやろう、今凄い悪寒が走ったんやけど・・・?」

 

 

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隠し(?)通路を進んでいくと、少し開けた場所に出てきた。

念のためにいつでも抜刀できるように「己克」の柄に片手を添えながら辺りを見渡す。

 

「及川、少し開けた場所に出た。なんかそっちでわかることは無いか?」

 

「ちょいまちぃ、・・・そこは、部屋全体がアーティファクトらしいなぁ、かつて一人の科学者がそこで研究を行ってたらしい。しかもそれが人間、それも女を使った人体実験だったらしいわ。うらやましいなぁ、おい」

 

及川・・・一体お前はどこへ行こうと言うんだ・・・?

 

一刀が及川の将来について悟りを開いていると、ふと、部屋の隅に物体を見つけた。

 

一刀がそれを見、理解したとたん、口元が引くように歪んだ。

 

「なぁ、及川、ここの魔力って検知できるか?」

 

「あかんわ、そこは魔力が遮断されてるみたいで、全然わからん」

 

「じゃあ、質問を変える。ここの科学者ってなんか実験に成功したっていう話はあるか?」

 

「あー、それもわからん。そこの科学者を最後に見た奴がいないんねんて」

 

だろうなぁ、こんなのに会ったら基本は逃げるか、殺されるかだもんなぁ・・・

 

 

 

 

 

見上げた先には、赤い双眸が輝く、半獣半魔がこちらを睨み付けていたーーー

 

 

 

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よく見ると、ソレは大きな亀らしかった。らしいというのは、後ろ足で立っていて口から火を吹くのを亀と言っていいものか疑問に思ったからだ。

 

さらに、甲羅が硬い。まぁ、亀だから当たり前なのだが、得物が効かない。これが己克でなければすでに折れてるんじゃないか?とも思う。

 

「なぁ、及川。ある日部屋の中後ろ足で立って火を吹くでかい亀に会ったらどうする?」

 

「なんや?○ッパかいな。アレか?アクセサリーわざと落として二人でランデブーか?」

 

それは森のくまさんな。まぁ、俺もそれを意識して言ったんだが。

 

それにしても、凄い勢いで打つ手が見つからない。やっぱり強いな、○ッパ。・・・違うか

 

「ハァァァ!!」

 

ギンッという音でやはり甲羅に弾かれる。これで10合目だ。傷一つ付かんな。あの甲羅。

あいつもあいつで隙を狙って斬りつけているのに関わらず器用に甲羅で受け止めるからな。

 

・・・ふむ、とりあえず一つ思いついた。っていうか硬い奴相手に使う技あったなそういえば。

 

「・・・ったく、いつまでも調子こいてんじゃねぇぞ、爬虫類!!」

 

神速の突きを甲羅のつなぎ目に叩き込む。そのまま一気に地面に叩き落す!!!

 

「破砕!!」

 

叫ぶと同時に思いっきり己克を亀に突き立てる。これはこの丈夫な己克ならではの技だ。

 

この一撃によって亀は土に変化していった。

 

「亀は亀らしく地面を這ってろってんだ・・・」

 

 

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息をついた時、ふと大きな力を感じた。

 

思い出されるは先ほどの部屋を覆い尽くすほどの魔力。さっきまではこの亀のせいで全く感じられなかったが、この量はまずい!!

 

「逃げろやかずピー!いきなり魔力が感じられるようになったと思ったら暴走しとる!!はよその部屋から逃げぇ!!」

 

・・・ここで逃げた場合、最悪この一帯が吹き飛ぶ。しかも俺も助からない。なら・・・

 

「この部屋に結界を張る!!しかも最大級のな!!!及川、お前は出来るだけ離れてろ!!!」

 

「かずピー!?死ぬ気か!!!」

 

「んなわけねぇだろ!!俺も避難する!!お前は結界張れないんだから出来るだけ遠くに逃げろ!!俺も自分だけでいっぱいいっぱいだ!!!」

 

「かずピー!!・・・絶対やな!?嘘ついたら酷いぜ!?」

 

この発信の後、無線からは砂嵐の音が流れていった。恐らく及川がその場から避難するために一度電源を切ったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・生き残れる確率はどれくらいだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐らく暴走しているであろう銅鏡を見つめ考える。

 

「ははっ・・・きつい、な・・・」

 

とりあえずここの部屋にある膨大な魔力を拝借して出来うる限り強力な結界を張ってはみたものの、この結界の中にいる俺を守ることは、出来ない

 

結界を張る時に、自分が外に移動して張ることも考えたが、そこまで離れてしまうと、十分な魔力を得ることが出来ない。あくまでこの部屋に魔力が充満しているのだ。

 

 

 

 

・・・この結界ならば、爆発しても押さえ込むことは出来るだろう。

 

 

 

ははは・・・最後の最後に大きな借りを作っちまったな、及川。

 

 

すいません。また自分の命を軽視してしまいました。先生

 

 

 

 

 

・・・・最後まで孝行できなかったな、じいちゃん・・・・

 

 

 

 

 

充満するおびただしい光を受け次第に薄れていく意識

 

しかし、その薄れていく意識の中で、

 

 

「さて、どうなるかは君次第ってか?」

 

「『さぁ、物語を始めましょう』とな!」

 

 

とどこからか聞こえてくる声が鮮明に残った・・・

 

 

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あとがき

 

 

どうも、ほっち〜です。いきなりなのですが、アレですね、厨弐展開&恋姫の主要キャラクターが出ないとか、すでにオリジナルって言っても違和感無いですよね・・・しかし!あえて言います。恋姫です!!これから出てくるんです!!!・・・多分

 

いや、出したいんですけど、正直まだどのルートでやろうか考えているんですよ。正直ここまでは考えであったんですが、ここからは本当にノープランなんですよ・・・

 

できれば、最初はオリジナルルートで行きたいなと思ってるんですが、最終的には、技量的な問題で誰かのルートにしたいと思います。それと、どのルートでも主要キャラクターは死なせません。これは絶対です。なぜなら自分はコメディ至上主義なのです。コメディが主食なのです。だから死なせません。

 

だいぶ方向がそれてしまいましたが、次の話から、やっと恋姫無双っぽくなると思います。とりあえず外史入りさせていただきました。

 

次の話は出来るだけ早く書こうと思います。思うだけなので正直どうなるかは来週のレポートの量に依存します。

 

最後に文才のかけらもない私ですが、ここまでの駄文に付き合ってくれるとても心の温かい皆様に、抱えきれないくらいの感謝の意を

また、誤字・脱字報告、アドバイス等、随時募集していますので気軽に指摘してください。とても励みになりますので・・・

説明
えっと、今回は前回設定した北郷くんがいかにしてこの外史にやってくるかっていうものです。いつも通り誤字・脱字が多いのは多めに見てやってください。・・・っていうか序章なげぇ・・・^^;
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コメント
○ッパってクッ○ですかww思いつかなくて真剣に考え込んでしまったww(rikuto)
袁術ルートはどうですか。(ブックマン)
凪√って存在するのかな!?(サイト)
thule様>誤字報告ありがとうございます(ほっち〜)
誤字ー!出だしの作者コメントから間違い 『本郷』×→『北郷』○(thule)
まさかの董卓ルート(ロワイン)
蜀ルート希望(魚ぴ)
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恋姫 恋姫†無双 真・恋姫†無双 

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