魔神達の幻想入り 第14話
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俺は一旦部屋に戻り、チームのメンテナンスを行っていた。ただ行くだけではいけない、「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という言葉があるが、俺は今、それをやっているのだ。

彼女を見たとき、今まで戦ってきたライバルよりも強いということが分かっていた。対応力と対空を備えたチームでなければ苦戦しそうだということで、浮遊できるポケモンと遠距離系高威力を誇るポケモンで対抗する作戦でいくつもりだった。

そのためにはボックスからの転送を行わなければならないが、幸いにもこの世界からでも通信が可能であったので、チームメンバーを交代する。

今手元にある6つのモンスターボールには、ボーマンダ、サマヨール、ハッサム、エレキブル、ルカリオ、メタグロスが入っていて、その6つのボールをベルトにつける。準備は整い、俺は地下へ小走りで向かう。

 

地下の前まで来ると、やっぱりあのオーラが出ていた。彼女は大変危険ということはレミリアから聞いているが、レミリアが俺を止めずにしていたことには、何か一つの見物として期待しているのかと思われると、俺はその場から引くわけにもいかない。

これはバトルなんだ。彼女を大人しくさせるための・・・

俺は地下へ足を踏み入れるが、やっぱり暗い。むしろ一層増したような暗さだ。もう日は沈んでいることもそうだが、どうも窓がないことには確かなことだった。やはり吸血鬼は日光に弱いことだ。

そう言っている間に、鉄でできた扉が目の前から姿を見せる。そしてあのオーラもまた強く感じていた。間違いない、ここだ・・・。

ジュウゴロウ「・・・いくか、俺たちの新しい戦いに・・・」

俺は覚悟のうえでドアノブを握った。

鉄がこすれる音が響くと、先が何もないような闇となっていたが、次第にその部屋の様子が分かってきた。いたって普通な部屋だが、おくには赤い服と異名名羽を生やす少女がいるではないか。

そう、彼女がフランドール・スカーレットだ。

ジュウゴロウ「フランドール・スカーレットとは、お前か・・・?」

俺は部屋に入り、フランに話しかける。

フラン「・・・誰なの?」

ジュウゴロウ「俺はお前に呼ばれてきた挑戦者だ。名前はジュウゴロウ、お前の話はレミリアから聞いた」

フラン「・・・そうなんだ・・・なんだか嬉しい、遊んでくれる人がいたなんて・・・」

ジュウゴロウ「遊びか・・・フランが言うにはそうだろうな。言っとくけど俺は、どんな奴よりも強いぞ」

俺はボールを取り出し、勝負のルールを説明する

ジュウゴロウ「いたって簡単なことだ。俺の繰り出す6匹の妖獣を見事のしればお前の勝ち。逆に俺がお前をのしれば俺の勝ちだ。さぁ、俺と戦え!!お前の実力を見せてみろ!!」

ボールを右手で構え、左手でフランに指を刺して宣戦布告をする。フランはその期待にこたえるように笑う。

フラン「じゃあ、あそぼ・・・?」

フランの体は自然に宙へ舞い上がった。予想通り、浮遊できる相手だ。

ジュウゴロウ「メタグロス、まずはお前からだ」

最初に繰り出すのは鉄足ポケモン、メタグロス。攻守バランスと浮遊能力を持ち、4つの頭脳を持った強力ポケモンである。

対するフランは右手を構えて唱える。

フラン「禁忌「クランベリートラップ」」

俺とメタグロスの周りに光弾が出現する。何かと思った直後に弾が猛スピードで襲い掛かる。

俺は身を伏せて回避し、メタグロスは自ら被弾するが微動だにしない。

ジュウゴロウ「それで終わりか?バレットパンチ!!」

メタグロスの前足が弾丸のような速さでフランに狙った。この速さを見たことないフランは右手からのパンチで対抗、その結果はまさかの互角となって両者は後ろに下がる。

ジュウゴロウ(あの右手から壮大な攻撃力を生んでいるわけか。パレットパンチのスピードじゃなかったら確実に競り負けていたな・・・)

さすが破壊する程度の能力使い。ただでは済ませてくれなさそうだと確信する。

 

一方のレミリアは咲夜を連れて隠し通路を通り、別の場所から俺たちの様子を伺っていた。

レミリア「初撃のパンチでフランと相殺するとは、ジュウゴロウもやるわね」

咲夜「しかし、あの妖獣は妹様のグランベリートラップを被弾したのに無傷なんて有り得ないことを・・・」

レミリア「咲夜、それが面白いのよ。あの妖獣は見たところ防御が優れてるみたいだけど、それで鉄の体が彼女に通じるのかしらね・・・」

 

フラン「禁弾「スターボウブレイク」」

次ぎにフランが仕掛けるのは、光の矢だった。

ジュウゴロウ「(貫通弾か!?)緊急回避だ!!」

俺はメタグロスに飛び乗り、発射と同時にスライド移動で被弾から免れる。その威力は先程よりも強烈だ。まず防御したらそこでアウトである。ならば・・・!

ジュウゴロウ「パレットパンチで接近だ!!」

メタグロスから降りた俺は発射直後の隙を狙い、パレットパンチのスピードで接近しつつゼロ距離攻撃を仕掛ける。

ジュウゴロウ「雷パンチ!!」

電撃をためたパンチが繰り出される。その反応に早く気づくフランは素早く避ける。

ジュウゴロウ「パレットパンチで連打だ!!」

一瞬の油断を許さないほどのスピードで放たれるパンチ。フランはこのせいでガードせざるを得なくなるが、そんなことで守りきれるわけもなく壁に吹っ飛ばされた。

ジュウゴロウ「まだまだ行くぜ・・・!?」

その瞬間にメタグロスのバランスが崩れた。何が起きたのかというと、なんとフランが3人もいるのだ。

ジュウゴロウ(何!?分身!?)

フラン1「楽しい、もっと楽しませてよ!!」

フラン2「このまま壊れちゃ駄目だよ!!」

フラン3「もっともっと遊びましょ!!」

三人はそれぞれのカードを取り出す。

フラン1「禁忌「カゴメカゴメ」!!」

フラン2「禁弾「過去を刻む時計」!!」

フラン3「禁忌「恋の迷路」!!」

3人そろいながらも、信じられないほどの弾幕がメタグロスと俺に襲い掛かった。

ジュウゴロウ「ぐああああああぁぁぁぁぁっ!!」

その一撃で多数の弾が被弾。吹っ飛ばされる俺だが、メタグロスは耐え切れずにダウンした。

 

レミリア「フォーオブアカインドに翻弄されているようね」

咲夜「お嬢様、やはり彼ではまだ早かったのでは・・・」

レミリア「そうかもね・・・(ジュウゴロウ、これが貴方のやろうとしていたことよ・・・)」

レミリアは俺に罰を与えるような目で見晴らしていた。

 

ジュウゴロウ「くっ・・・こんなものでくたばるか!!エレキブル、雷で打ち落とせ!!」

次ぎに繰り出すのは雷電ポケモン、エレキブル。巨体名ゆえに身軽なフットワークと高圧電流を流す尻尾を持ったポケモンである。

ボールから出てきた瞬間に、エレキブルの角から電気の束がフランへ放射されるが、3人とも簡単に避ける。

フラン1「アハハ!!何処を狙ってるの!!」

ジュウゴロウ「それはどうかな?上を見てみろ」

三人は上を見ると天井にためられた電流が勢いよく落雷を起こした。その内右側にいたフランが攻撃を受けるが、またしても偽者であるために消えてしまう。

しかし俺は焦ることなんて無かった、

ジュウゴロウ「フラン!本物はすでに見切っている!俺の目に見破れないものなんてねぇぜ!!」

俺の眼に見えている二人フランの内、オーラが出ているフランが見えていた。つまりそれが本物であるのだ。

と、その時分身であるもう一人のフランは勝手に消滅してしまう。

フラン「スペルカードって言うのは、時間が経つと効果が切れるの。でも凄いね、私が本物だと分かったなんて初めてだよこんな人・・・禁忌「レーヴァテイン」」

どうやら本気で来るようだ。と思っていた俺だが、その直後に信じられない光景を目の当たりにした。

ジュウゴロウ(剣・・・!?)

デカい剣が出現し、エレキブルに振り下ろすと一撃で倒してしまった。

なんて威力だ!こんな隠し玉まで持ってたのか!

ジュウゴロウ「剣が相手なら、ハサミだ!ハッサム!!」

次ははさみポケモン、ハッサムで応戦する。スピードと両手の赤いハサミが自慢の超高速戦士だ。

目にも止まらぬ速さで接近したハッサムはまず、右横を捕らえる。

ジュウゴロウ「シザークロス!!」

もらった!と思った俺だが、フランが先に右手で弾き返した。そのまま剣でなぎ倒してしまう。

ジュウゴロウ(スピードが上がった!?バカな!!)

フラン「もう終わりなの・・・?」

フランは俺を徐々に追い詰めていく。あと3匹いるが、このままではマズい。

ジュウゴロウ「まだまだぁっ!!サマヨール、冷凍ビーム!!」

4匹目は手招きポケモン、サマヨール。出た瞬間に一つ目から青い光線が放たれる。触れると凍ってしまう冷凍ビームだ。

これならどうだと思っていた俺だが、振り下ろしてきた剣には光線が効かず、そのまま返り討ちにされる。

と、ここでフランが手にする剣が消滅した。効果が切れたのだ。

ジュウゴロウ(これが、彼女の力・・・。勝つチャンスは一回きりだ!!)

あっという間に2匹となってしまった俺のポケモン。反撃なるか・・・!?

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第14話でした。

パソコンのことは幻想卿からでも通信可能な設定にしました。これでチームチェンジをして、いろんなポケモンが何処で活躍するかを楽しませるようにしていくつもりですので、どうぞ期待してください。

そんな中でフランとは最初から激闘です!フランの強さに互角かと思いきや、フランが圧倒的リード!

追い詰められる彼だが、ここから彼の本当の力が発揮される!

衝撃と逆転が飛び出る次回を待てっ!!

説明
ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。
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