氷の龍は世界最強 月下の会合 |
瀞霊廷にて。
隊首会では濡れ烏の長髪の男の娘が報告を述べているところだった。
「以上が、俺が調査したことです」
「ご苦労だった」
「ありがとうございます」
「それにしても、来訪者の中に隊長格の霊圧を持つ少年がいるとは・・・・・・」
「それだけ、霊力が秀でている証拠ですね」
「確かに少年の周りが周りだけに燻らせるのは不味いかと思われます」
と女性の隊長2人が燻らせるのは不味いと進言する。
なお、男の娘は
「それと、銀髪の少年は既に斬魄刀における始解における条件。対話を既にできている可能性があります」
「まだ、死神の力を持っていないのに?」
「それが分かった確証は?」
総隊長の金髪の青年は男の娘にそのわけを聞く。
「夜。彼らが寝ている時間帯に調査したことですが、銀髪の少年は寝ている時、霊圧が冷たかった。霊圧が冷たいということではありません。彼が放つ霊圧が冷たいのです」
「つまり、彼は一方的な対話をしている可能性があるというわけ?」
「おそらく、そうではないかと・・・しかも、その冷気は物理的な世界にまで干渉している。相部屋の少年が寒そうに凍えていました」
男の娘の報告で総隊長の金髪の青年は
「なるほど。彼の斬魄刀のそのものが強大な力を秘めているというわけか」
考え始める。
少し、考えた後、口にした内容は
「朝霧。お前は再び、現世に赴き、その少年を連れてこい」
「それは生きたまま? 死んでから?」
「どちらでも構わん。だが、死んでからの場合は最低限の証拠を残して、連れてこい」
「了解」
と命令を受けて、男の娘はその場から一瞬にして消えた。
残った隊長たちはというと――、
「さて、銀髪の少年がこれから、どう成長するか見物じゃないか」
「総隊長。嬉しそうですね」
「いつ、いかなる時も最強戦力を整えないといけない。それには、それ相応の実力者が必要だ。義だけでは世界は救えん」
総隊長の言葉に他の隊長たちも
「仰るとおりです」
同意する声が上がった。
「どうせ、戦争なんて始まった瞬間からどっちも悪だよね」
亜麻色の髪をした女の子がそう口にした。
今、俺は『ホルアド』という街にいる。
理由は明日、『オルクス大迷宮』に挑戦する予定になっている。
俺からしたら、ガキの遠足に思えてしょうがない。
俺の相部屋の相手は南雲だ。
このままだと、白崎あたりが来そうだ。
まあ、俺は、もうそろそろ寝るとしよう。
俺は読んでいた本を閉じて眠りにつこうとしたときだ。
すると、俺の眠りを邪魔するかのように扉をノックする音が響いた。
もう徹夜なんだが・・・。
まあ、相手はおそらく、白崎ぐらいだろう。
「南雲くん、起きてる? 白崎です。ちょっと、いいかな?」
ほら、やっぱりな。
まさかの白崎の訪問だ。
南雲はなんですと? と硬直している。
何故か、視線で俺に訴えてきた。
『ど、どうしよう、氷川くん!?』
『知らないよ。とりあえず、はっきりさせたらどうだ?』
と、ハジメは慌てて扉に向かう。
鍵を外して扉を開けると、そこには純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの香織が立っていた。
「なんでやねん」
「バカだろう・・・」
「えっ? 氷川くんも?」
ある意味、衝撃的な光景だな。
南雲の奴、思わず、関西弁で突っ込んだぞ。
よく聞こえていないのかキョトンとしている白崎だが、俺の声が聞こえて、覗くように俺を見る。
「俺は南雲の相部屋だったんだ。邪魔になりそうだから。俺は外で寝るとするよ」
「ちょ!? 氷川くん!?」
「白崎に用があるのは南雲だ。俺がいたら邪魔だからな」
俺はするりと扉を抜けて彼女の背中を押して強引に中に入れる。
横を通る際、南雲から助けを求められるも俺は無視した。
他人の恋路には興味ない。
俺がいると逆に邪魔になるし。気まずくなるだけだ。
部屋を出た俺は何処で寝ようかと考える。
「広間のベンチで寝るか」
そう言って踏み出したら、夜の静寂に足音とは別の音が聞こえてきた。
振り返れば、花瓶が置かれている棚に身を隠しているつもりなのか?
俺からみれば丸見えだ。
「何をしているんだ、お前」
「ヒィッ!?」
近づいて軽く威嚇してみれば、隠れていた奴こと檜山は腰を抜かし、尻餅をついて倒れる。
俺は冷徹な瞳で格下のように見る。
「何故、ここにいる? また、南雲を虐めようとしたのか? それとも、白崎に強姦未遂でも?」
「ちっ、ちがっ・・・・・・俺はっ」
「なにが違うんだ? そんな焦れば、バレバレとしか見えない。動揺もすれば、嘘と言い訳をしようとしているのが見える」
ハアと軽く息を吐いてから俺は足で檜山の腹を踏みつける。
「おごっ!?」
「これくらいにしてやる、さっさと失せろ」
俺はそう言って足を退けると、檜山は走り去っていく。
俺は中庭のベンチに腰を下ろして眠りにつこうとしたとき、ヒュン、ヒュンとなにかが素振りしている音が聞こえた。
目を開けて見てみれば、そこには真剣な表情で月下の中で、ただひたすら一心に剣を振り続ける雫だった。
俺はそれをジッと見ていた。
凜々とする横顔。
そこには誰かを魅了する美しさと同時に孤高の美しさというのも感じる。
俺は幼馴染みが二大女神と言われてもおかしくないと思った。
だが、こんな時間まで素振りをしていたのか精が出るな。
まあいい。寝かせてもらうとしよう。
俺は夜風にあたりながら眠りにつくことにした。
ヒュン、ヒュンと素振りをしている雫。
だけど、彼女は気持ちよさそうに寝息を耳にして周囲を振り回していると俺を発見する。
雫はベンチに座って気持ちよさそうに寝ている俺を見て
「もうこんなところで寝ていると風邪を引くわよ」
注意をする。
しかし、俺は気持ちよさそうに寝ているため、雫の注意が聞こえなかった。
雫は気持ちよさそうに寝ている俺を見て
「もう〜」
頬を膨らませる。
だけど、彼女は俺の寝顔を見て
「全く、いつも、冷たそうな天才少年も寝てしまうとこんなに可愛らしいものよね」
フフッと笑みを零す。
彼女は俺の隣に座り、俺の頭を膝に乗せた。
俗に言う膝枕だ。
俺は彼女の膝枕に気持ちよさそうに眠っていた。
雫は俺の寝顔を見て、又もや、フフッと笑みを零す。
(蒼汰には色々、助けられたわね。道場にいたときから、ずっと・・・・・・)
彼女は夜風に当てられて、身体が冷えたのか。
そのまま、眠りに入ってしまう。
だけど、雫が寝入ってしまったのは夜風だけではない。
俺が放っている冷気と思える霊圧に当てられて、眠りについてしまった。
永遠の眠りに――。
説明 | ||
氷雪系最強『氷輪丸』などのBLEACH要素をぶち込んでみた。 | ||
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