SIDE キャロ

夢を見ている。

それはやさしいゆめ…………他の人には当たり前かもしれないけど、わたしには特別なゆめ。

大好きなユーノさんを｢おとーさん｣よんで。

大好きなフェイトさんを｢おかーさん｣とよんで。

エリオくんもいて………。そして四人一緒に手をつないで歩いている………まるで家族のように　

それはわたしがどんなものより欲しいもので……。

けど現実にはそれはなくて………望んだら、今あるものまで壊れてしまいそうで言えなかった………だけどアルフさんはそんなことないっていっていた。

絶対にふたり……ユーノさんとフェイトさん……はわたしたちをきょぜつしないって。それだけは絶対だって

だけどわたしは……

でも……

いまはなぜか温かくて安心できる、このねむりで幸せなゆめをみよう。

キャロはゆめをみながらそんなことを思っていた。

SIDE エリオ

ぼくはときどき昔のゆめをみる。

ぼくがいてとうさんとかあさんがいて幸せそうに笑っている。

でも今日のゆめは違ったんです。

でてきたのはユーノさんとフェイトさんでぼくと、そしてキャロも一緒だった。

ゆめのなかのぼくはふたりのことを｢かあさん｣｢とおさん｣とよんでたのしそうにはしゃいでした。

眺めているぼくはそれを羨ましいと感じている。

よびたいと感じている。

ユーノさんのことを｢とうさん｣と

フェイトさんのことを｢かあさん｣と

きっとぼくのなかでいまのかあさんととうさんはあのふたりなんだ………

でもいまは何だかあったかくて気持ちよくて安心できるなんだか懐かしい感覚に身をゆだねた。

ふたりは眠る。

温かなぬくもりに包まれて目が覚めるまでの少しの間……………