外史を渡りし『戦場の舞踏姫』 序幕 |
第一話 「外史への旅立ち」
【正史side】
東京浅草。とある一軒家の庭先に一人の少女が立っている。
歳は16,7.少し長く茶色がかった髪を風に靡(なび)かせながら何かを待っている様子だった。
「いよいよか」少女の後ろから声が掛かる。
後ろには30代後半に見える優しい目つきをした男性が立っていた。
「うん。多分もうすぐ」
「そうか・・・もう一度聞くぞ、早紀。本当にいいのか?」
男性は少女に真剣な眼差しと共に名を呼んだ。
「うん、小さい時から分かっていた事だから、もう決めた事だから・・・だから行って来るね、父さん」
「お前が決めたなら、父さんはそれでいい」男性は優しく微笑み、早紀の頭を撫でる。
「ちょっと、父さん!くすぐったいよ」
「いいじゃないか、俺も寂しいからな」
早紀は初めはジタバタしていたが次第に大人しくなった。
「早紀、お前は俺を恨んでないか?」
「何で?」早紀は不思議そうに父親の顔を見る。
「お前に、そんな『力』があるのは俺があの世界に『未練』があるからだ。その『力』のせいでお前がどんな扱いを受けてきたか・・・・俺は・・・」
早紀の父親は泣きながら早紀の顔を見た。
「大丈夫だよ、父さん。私は父さんを憎んでなんか無い。確かに、色んな目には逢ってきたけど父さんが居たから平気だったし」早紀は笑いながら父親を抱きしめた。
「それに父さんは『外史』の事を忘れちゃダメだよ。父さんの愛する人がいるんでしょう」
早紀は小さい時、父から聞いた話を思い出す。父は高校生の時、違う世界に飛ばされた事。
そこが『外史』と呼ばれる『三国志』のパラレルワールドであり、武将が女性である事。そして、その世界に愛する人々を残してきてしまい今も愛している事、など他の人なら絶対に信じない話だったが早紀も早紀の母親も何の疑いも持たずにこの話を信じた。
母に関しては父がどんなに断っても『あなたに愛されるのならば、例えそれでも・・・』と言って聞かなかったそう・・・その後、私が5歳の時に母は病気で亡くなった。
「それに、私は見てみたいの。父さんが居た世界を、例えそれが誰かに決められた事でも、決めるのは私の『意思』だから」
「そうか、ありがとう」父は笑顔でそう言った。
親子が笑い合っていると不意に吹いていた風が止んだ。
「ごめん、父さん。もう行くね」
早紀は悲しそうな顔をしながら父親から離れ、月明かりの下を歩いって行った。
空に浮かぶ月が欠け始めると早紀の体が少しづつ透け始めた。
「早紀、俺は待ってるぞ。だから無事に戻ってきなさい」
父親は今にも泣きそうな顔を必死に笑らいかけ早紀に言った。
「ありがとう・・・北郷早紀、行ってきます。」早紀も泣きながら、父親に向かって笑いかけた。
月明かりの下、再び風が吹き始めると、そこに早紀の姿は無かった。
「頑張れよ、早紀」早紀の父親、北郷一刀の声だけが風に流れて行った。 再見!
<あとがき>
この話は、皆様の書かれている魏ENDのその後が大体、外史に戻ってくるのでじゃあ、戻れなかったどうなったかなって感じで思いつきました。かなり長くなる予定です。
それでは、今回は北郷家の紹介をします。と、言っても3人だけですが・・・・
北郷 早紀(ほんごう さき) 真名は『零』
この物語の主人公、一刀と華琳の娘。フランチェスカ学園 2年生
生まれつき、人の罪を目で見ることが出来る。また、人より身体能力は高い。
小さい時に酷い苛めにあい『友人』と呼べる人間が居ない。
しかしそれさえ除けば、10人が10人共振り返る美少女
父親、一刀が大好きでいつも一緒に居る(所謂、ファザコン)胸はCくらい
父親に似て、誰にでも優しい。(極度のお人好し)
外史では二つの武器を使う。赤みがかった黒刀『神陀多<かんだた>』
白銀の偃月刀『皇月<こうげつ>』
二つ名は『戦場の舞踏姫』(強さは恋と同等)
性格は、明るく活発。容姿が尋常でない美人なので男女問わず惚れられる。
父親譲りのハーレム属性と鈍感さはピカ一。
実は、人ではなく『外史』に舞い降りた『北郷一刀』の想いの集合体。
その為、真名がある。(一刀も琳も知らない)
北郷 一刀(ほんごう かずと)
言わずと知れた我らが主人公にして、早紀の父親。真の魏END後、どうにかして外史に戻ろうとして挫折し、正史の世界に留まっている。しかし、未だに外史の皆を愛してる。この思いが事件のきっかけになる。
娘、早紀を可愛がっている。(ようは、子煩悩又は、親バカ)
剣の腕は日本一だったりする。
北郷 琳(ほんごう りん)
一刀が正史で出会った女性で早紀の母親。容姿は完全に外史の『華琳』(ただし、胸はD程度はある)
性格はおしとやかで、一刀に一目惚れして結婚を申し込む。
髪は腰に掛かるほど長く茶色がかっている。
外史の存在を疑わず、信じている。病気により早紀が5歳の時、他界(享年23)長刀(なぎなた)の腕は日本一。
本来、正史には存在しないイレギャラー的存在。
と、こんな感じです。他に追加する事があれば、後ろの方に書いていきますのでよろしくお願いします。
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始めまして、シュレディンガーの猫と申します。 始めての投稿のなので、誤字脱字があれば教えてください。 |
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コメント | ||
すげぇ、さすがTinamiだぜ(ジョン五郎) 斬新な設定ですね。更新待ってます。(ブックマン) こりゃおもしろそうだ!!(峠崎丈二) 続きが楽しみです!!(キラ・リョウ) 超期待!!(トウガ・S・ローゼン) おぉ!!(イタチ) |
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