夕暮れの色が染める且つての夢の色と野望の色(The Setting Sun Coloring The Ambitious Objects)
説明
「色彩運搬列車によって
運ばれてくるものの中には
往々にして
誰かが見るのをやめてしまった夢が
含まれていたりする事もある。

2両目に積載された地球儀は
且つての野心家が愛用していたようだが、
年月を経てなお色濃く残る野望の色や
刺さったままのダーツと共に、
近隣の色彩処理工場に
これから運ばれて行くようだ。

その前の1両目の貨車に目一杯
詰め込まれたレコードのこれまた
色褪せたジャケットに映る歌手達は
誰かの記憶の中で輝いていたのだろうか。
それとも自分自身の思い出の中に
輝きを見出していたのだろうか。

特に珍しい事でも無い事なのだが、
こうしたモノ達からは
失意のような色が抽出される事の方が多いのだが、
ごく稀にさっぱりしたかのような色が
抽出されたりする事もあるようだ。

今日もC.T.W.(Colour-Trash World)のあちこちの
色彩処理工場ではいつものように
あらゆるモノや記憶や感情、
そして言語や夢からの色彩の抽出が
日が暮れる今も尚続いている。
例え世界がモノや色を必要としなくなり、
誰かが夢を見る事を止めたのだとしても、
記憶や感情、言語、夢の中から
ほんの僅かに残る色彩を見出して
抽出を続けるのだろう。」

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ドイツ文化会館1階にあるカフェレストラン「mahlzeit」さん内にて
現在展示させて頂いている絵の内の1点で、
A4(210×297)サイズ程に完成後切り取った
水彩紙に水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもの。

この絵を描き始めたのは、丁度緊急事態宣言が続いていた
今年の6月頃だったのですが、
コロナ禍によって、
変わってしまった世の中に於いて
「自分は一体どのような絵を描いて行くべきなのか」ずっと
考えたり悩んでいた最中に描いていたものでした。

キャプション文の方も当初は
かなり長い上に説明的で蛇足めいた箇所も多かったのですが(汗)、
今回の掲載に当たって、
大部分を削って文章全体のトーンを少し変えるようには心掛けました。
それでも長い事に変わりは無いのかも知れませんが...。(滝汗)

この場に於ける2020年の投稿はこの絵が最後とさせて頂きます。
絵を見て下さった皆様、誠に有難うございました。
来年も何卒、宜しくお願い致します。
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C.T.R. アナログ ワールド Train 鉄道 機関車 工場 貨車 夕暮れ 

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