Undertale yellowのDalvの見た夢のはなし。#03 |
「Forlorn(ひとりぼっち)」
僕は、どうやらMam(ママ)似らしい。
赤ちゃんの頃に亡くなってしまった僕のMamもまた、ヴァンパイアで同じように電撃と雷撃の魔術を操るモンスターだった。
彼女の魔術の色は息子である僕と同じ「ピンク色」。
雷撃系は一種類で、電撃系は三種類だった。
そんな事を思い出しながら、僕は絶え間なく流れ出ていた涙をハンカチでふいて、Popsが死に際にくれたスノーフルに行ったとしても耐えられる暖かいお手製ローブをもうPopsの居ないベッドに置いた。
『……あと数年したら、お前は16になる。そうなれば、お前はもう子供ではなくなるだろう。けほっ……、わたしの作ったこれがあれば、きっと大丈夫だ。Dalv、君なら私の代わりにこの遺跡を任せられる。大丈夫だ……、か。…………。』
小さい頃に買って貰った、赤い風船を取ってきて、それをぼーっと見つめる。
『……さみしくてたまらないよ、Pops……。』
このまま、永遠にひとりきりなのか。
でも、あの人が望むのは自分の亡くなったあと、例え「孤独」でもそれを嫌わず、それに馴染む事だ。
『……わかってる。「孤独」を嫌ってはいけないんだ。むしろ、「孤独」を好きにならないといけない。「孤独」を愛さないといけないんだ。』
(……でも、さみしいのは本当は嫌だ……?)
どうしていいのかわからなくなって、そのままベッドの上に寝そべった。
『……どうしたら、良いのかな……、僕は…………。』
(……?そうだ??)
Dalvは、突然ベッドから飛び上がって、何処からか黒のマーカーを取り出した。
(さみしいなら、こうするしかない?)
赤い風船に、黒のマーカーで可愛らしい笑顔の表情を描いた。
『Popsは、いつも笑っていたんだ。だから、風船にその表情を描けば……、Popsの出来上がり??名前も、同じようにPopsにしよう?』
(これなら、もうさみしくなんかない。だって、Popsが居るんだから?)
それからは、オルガンの演奏も、食事も、全てPopsと一緒に過ごした。
遺跡の周りに居るFlier達モンスターと話す事もあったが、やっぱりPopsと一緒に居る時が1番だった。
何もしない時は、ワードローブ(衣装ダンス)に入れておく。
何故なら、Popsは暗い所と孤独を愛していたから。
でも、僕も同じように愛してくれていたけど。
『forlornは、君の為の曲なんだよ』
……Pops……。
(あの人と、同じように、そっくりに振る舞おう。あの人のように同じ話し方をしよう。あの人のように、強くあろう。あの人のように、孤独を愛することが出来るようになろう……)
『そうならないと、…………いけないんですよね?
大事な僕のPops……、お父さん。』
(終わり。)
【※追記↓】
Dalvくんて、ゲーム本編で風船を「Pops」と呼んでるんですよね……。
ググって調べたら、どうやら「父親(father)」のくだけた表現、との事。
もし勉強以外は凄く優しいお父さんだとしたら、Dalvくんがパパ(Pops)呼びしたままでも仕方がないような……。
まあ、Dalvくん自身が少し変わり者だったのかも知れませんしね(アダルトチルドレン、ってやつかな?)。
ヴァンパイアなのに、トウモロコシLove?な時点で変わり者だしね……、うん。
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