英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜 |
〜カレイジャス・ブリッジ〜
「ベ、ベルフェゴールさん……」
「まさかこのタイミングでノコノコと一人で現れるとはね……その様子だと出てくるタイミングを見計らっていたようね。」
ベルフェゴールの登場にその場にいる全員が血相を変えている中エマは不安そうな表情で、セリーヌは目を細めてベルフェゴールを睨んだ。
「ベルフェゴール……!――――――どうしてリィンを操ってシャロンを犯させたのよ!?」
「や〜ね、そんなにカリカリしちゃって♪その結果、本来だったらご主人様に殺されるはずだったその元暗殺者が生きて貴女達の元に戻る事になった上ディル=リフィーナの価値観がある私達がいながらご主人様の敵としてご主人様を襲って”返り討ち”に遭っていながら”あの程度で済んだこと”にむしろ感謝してほしいくらいよ♪」
怒りの表情を浮かべたアリサに睨まれたベルフェゴールは自分に向けられたアリサの怒りを軽く流した。
「か、”感謝”って………」
「しかも”ディル=リフィーナの価値観がある貴女達がいる状態で、灰色の騎士の敵として襲ってきて返り討ちに遭った彼女があの程度で済んだ事にも感謝してほしい”とも言っていたわよね?その口ぶりだと、まさかとは思うけどディル=リフィーナでは”敵対者が敗北すれば、勝者に強姦されて当然という考え方”があるとでも言うつもりなのかしら?」
ベルフェゴールの答えを聞いたアネラスが信じられない表情をしている中、シェラザードは真剣な表情でベルフェゴールに問いかけた。
「ええ、私達の世界(ディル=リフィーナ)では”その考えは当たり前よ。”実際、”戦争”等といった”互いの命をかけた戦い”に敗北した女騎士や女戦士が”勝者”である男達が満足するまで犯されてその後”惨殺”や”性奴隷”にされるなんて事はザラだし、敗北した相手が”魔物”の類だったら”苗床”にされて一生その魔物の子供達を産ませ続けられるっていう事もあるわよ。」
「な――――――」
「ヒッ……!?」
「どんだけ頭がイカレた世界なんだよ、そのディル=リフィーナって異世界は……」
「まさかリウイ陛下達の世界――――――ディル=リフィーナはそれ程までに殺伐かつ混沌とした世界であるとはな……俺達が知るディル=リフィーナの女性陣が強い理由は”自分達が敗北すればそのような目に遭ってしまう”という”恐怖”によるものがあるかもしれないな……」
ベルフェゴールが口にした驚愕の事実を知ったその場にいる全員が血相を変えている中オリヴァルト皇子は絶句し、ティータは悲鳴を上げ、アッシュは厳しい表情で呟き、ミュラーは重々しい様子を纏って呟いた。
「あの…………ベルフェゴールさんは先程、『サラさんがベルフェゴールさんがリィンさんを操ってシャロンさんを強姦させた事をリィンさんや連合に伝えても無駄』と仰っていましたけど、あれはどういう意味なのでしょうか?」
「そのままの意味よ。ご主人様もそうだけどエリゼ達にメンフィルの皇族達――――――プリネ皇女とレン皇女だったわね。後で問題になってご主人様達に迷惑をかけないように今名前を挙げた人達に私がご主人様を操ってそこの元暗殺者を犯させて2度と逆らえないように”使い魔”契約させた事は伝えた上、その件を私の話で知ったプリネ皇女とレン皇女は私の頼みでメンフィル軍の総大将をやっている自分達の父親に私の独断を伝えてくれたけど、その父親も事情を聞き終えた後”特に問題はない”って事で片づけたと聞いているわ♪」
「何だとっ!?どう考えても軍法会議にかけられて当然の犯罪行為なのに、何でそのその件を認めやがったんだ、”英雄王”は!?」
セドリックの質問に対して答えたベルフェゴールが口にした驚愕の答えを聞いたアガットは驚いた後厳しい表情で指摘した。
「認めて当然でしょう?だって、”メンフィル帝国にとっては犯罪行為にはならない行為だもの。”」
「メ、”メンフィル帝国にとっては犯罪行為にはならない行為”って……!」
アガットの指摘に対して答えたベルフェゴールの答えを聞いたエリオットは信じられない表情を浮かべた。
「ちなみにこれはレン皇女とプリネ皇女から聞いた話だけど、ご主人様達の祖国の軍――――――メンフィル帝国軍は戦争時に敵国の市民達に対して略奪や強姦は禁じてはいるけど、”メンフィルの敵として戦って勝った相手――――――要するに敵国の軍人や敵国が雇った傭兵等に関しては敵国の上層部やその関係者じゃなければ、何をしてもいい事”になっているそうよ♪だから、ご主人様の敵としてご主人様に襲い掛かって返り討ちに遭ったそこの元暗殺者がご主人様に強姦された所で、”メンフィル帝国にとっては何の問題もないのよ♪”だって、戦闘で敗北した女性が勝者である男性に強姦されるなんてメンフィルに限らずディル=リフィーナの国ならどこでもやっているような出来事だもの♪」
「何ですって!?」
「まさかメンフィル帝国軍――――――いや、異世界の国家間の戦争にそのような悪習があるとはな……」
「ハハ……という事は転生前のヴァイス達も似たような事をやっていたのかもしれないね。」
「ホント、大昔のゼムリア大陸のように混迷や暴虐に満ちた世界のようね、ディル=リフィーナって異世界は。」
「というかディル=リフィーナの方が、”巨イナル黄昏”が発動している今のゼムリア大陸よりも酷い状況の世界なんじゃないの〜?」
ベルフェゴールが口にした驚愕の事実に驚いたその場にいる全員が血相を変えている中サラは厳しい表情で声を上げ、ミュラーは重々しい様子を纏って呟き、オリヴァルト皇子は疲れた表情で溜息を吐き、セリーヌは呆れた表情で溜息を吐き、ミリアムは疲れた表情で指摘した。
「た、例え”メンフィル帝国にとっては問題にはならなくても、ゼムリア大陸にとっては大問題”なんじゃないのか!?君のやった事はどう考えても法律――――――いや、国際法に違反しているぞ!?」
「そうかもしれないわね。でもそこの元暗殺者は”本来は国際法に守られる対象”じゃないでしょう?――――――何せ、”結社”とかいう”国際犯罪組織”扱いされている組織に所属していた”暗殺者”で、連合からも”抹殺対象”にされていたんだから。」
「そ、それは………」
「………ッ!」
真剣な表情で反論したマキアスの指摘に対して答えたベルフェゴールの指摘を聞いたトワが答えを濁している中アリサは唇を噛みしめた。
「それに貴女達、忘れていないかしら?私も”魔神”なのよ?」
「ベルフェゴールが”魔神”である事と今までの話とどう関係するのだろうか?」
ベルフェゴールの問いかけの意味が理解できなかったガイウスは真剣な表情でベルフェゴールに訊ねた。
「”魔神”である私にとっては”虫けら”のようにひ弱な存在の”人間”達が作った”法”を守ってわざわざ”罰”を受けてあげる訳がないでしょう?だって、私達”魔神”は”絶対的強者だから弱者が決めた法を守る必要はない”もの。」
「その傲慢な考えはある意味”魔王”の一柱たるベルフェゴールさんらしい考えではありますね……」
「フン………世界は”力”ある者達を中心に回るのが当然だと思っている等あまりにも愚かな考えだ。」
不敵な笑みを浮かべたベルフェゴールの話を聞いたエマは複雑そうな表情で呟き、ユーシスは鼻を鳴らして厳しい表情でベルフェゴールを睨んだ。
「……ねぇ、ベルフェゴールがリィンを操ってシャロンに強姦させたことを教えたのは殲滅天使達だけじゃなく、リィン達にも教えたって言っていたよね?その様子だとリィン達も連合同様受け入れたようだけど、何で?」
「言われてみればそうだな………」
フィーの疑問を聞いたラウラは真剣な表情で考え込んだ。
「うふふ、経緯はともかく、ご主人様達にとっては今までは味方で親しい相手でもあったその女を殺さずにすんだのだから、私の独断を受け入れたのよ。ま、セレーネ達はともかく、メンフィル帝国軍の訓練兵として”戦場の覚悟”を学んでいたご主人様もそうだけど、仕えている主やご主人様の為に自ら”剣士”となったエリゼも”師匠”から”女性が戦いで敗北した時の末路”も教えられているだろうから、”比較的穏便な結果で手打ちとなった事によかった”と思っているんじゃないかしら?」
「それは………」
「確かにエクリアさんだったら知っているでしょうし、エクリアさんにとっての愛弟子のエリゼちゃんにもそういった”覚悟”とかも教えているでしょうね。」
「そうだな……彼女自身も元”将軍”だったとの事だからな。」
ベルフェゴールの答えを聞いたガイウスが複雑そうな表情で答えを濁している中、アネラスとミュラーはそれぞれ複雑そうな表情でエクリアを思い浮かべた。
「だ、だからと言ってそれで貴女がリィンとシャロンにした事が許されると――――――」
「―――いいのです、お嬢様。わたくしの件でベルフェゴール様をそれ以上責めないでくださいませ。」
「シャ、シャロン……?」
アリサが怒りの表情でベルフェゴールを睨んで反論を続けようとしたその時最大の被害者であるはずのシャロンに制されると戸惑いの表情でシャロンに視線を向けた。
「元々わたくしは”リィン様に殺されるつもりで、銅のゲオルグの要請(オーダー)を請けた”にも関わらず、『リィン様とベルフェゴール様が暗殺人形としてのわたくしの生き方を奪った事』で生きる事が許された所かお嬢様に再びお仕えする事までできたのですから、リィン様もそうですがベルフェゴール様にも”感謝”しておりますわ。」
「!!」
「ふえっ!?そ、それじゃあシャロンさんは自分が殺されるとわかっていながら、その要請(オーダー)を……!?」
「そういえばジョルジュがシャロンさんに命じた要請(オーダー)の”真の狙い”はリィン君にシャロンさんを殺させてその件で私達がリィン君達と完全に敵対するように仕向ける事だという話だったね……」
「ああ……話の途中でベルフェゴールが現れたせいで、ジョルジュが出したクソッタレな要請の目的を理解していながら、その要請を請けた”当事者”の考えはまだ聞いていなかったな……」
「何でアンタは自分が”捨て駒”にされるとわかっていながら、ジョルジュの要請(オーダー)を請けたのよ?」
シャロンが口にした驚愕の答えに驚いたその場にいる全員が血相を変えている中アリサは目を見開き、ティータは思わず驚きの声を上げた後信じられない表情でシャロンを見つめ、アンゼリカとクロウは重々しい様子を纏って呟き、サラは真剣な表情でシャロンに訊ねた。
「お嬢様やZ組の皆様方への”けじめ”の為ですわ。」
「ハ……?」
「わ、私達やアリサさんへの”けじめ”の為ですか?一体何に対する……」
シャロンの答えを聞いたセリーヌは困惑の表情を浮かべ、エマは戸惑いの表情でシャロンに訊ねた。
「結局は暗殺人形として任務を遂行する生き方しかできず、その生き方すらも”中途半端”になった虚ろな娘に”思い出”や”愛”を与えたお嬢様達を裏切ったのですから、お嬢様達を裏切った愚かで虚ろな娘を最後まで務め続ける事がわたくしに残された唯一の生き方であり、お嬢様達に対する”けじめ”だと思い、”最後”はお嬢様達の”愛”を無下にした愚かな暗殺人形として果てる事と決めていたのですわ。」
「シャロン………」
「ハア…………貴女の事をオリビエ達から教えてもらった時はヨシュアと結構似ているように思っていたけど、似ているどころかまさに”第二のヨシュア”と言ってもおかしくないわね……」
「ああ……特にその周りの連中の事や自分が犠牲になればいいみたいな自分勝手な部分はエステルと共に行方を探っていた頃のヨシュアと同じだぜ。」
シャロンの話を聞いたミリアムが辛そうな表情でシャロンを見つめている中、疲れた表情で溜息を吐いたシェラザードの言葉にアガットは呆れた表情で同意した。
「―――バカッ!!」
「ぁ――――――」
するとその時アリサは声を上げた後シャロンを強く抱きしめ、アリサに抱きしめられたシャロンは呆けた声を出した。
「過去がなんであろうと、今のシャロンは私の……ううん、母様やお祖父様にとっても大切な”家族”よ!その大切な家族の一人のシャロンが自分から死ぬなんて、家族として絶対に許さないわ!貴女がラインフォルト家に来てから私達はずっと一緒だったのに、どうしてそれがわからなかったのよ!?”星杯”の時に貴女は『シャロンの名前を返す』って言っていたけど、あれ以降も私達に対して申し訳ないと思っていた時点で”暗殺人形”なんかじゃなく、”シャロン”よ!」
「アリサ君…………」
「お嬢様………ええ……そのような簡単で肝心なことに気づけなかったなんて、わたくしは本当に大馬鹿者ですわ……………」
アリサのシャロンに対する言葉を聞いたアンゼリカは微笑ましそうに見守り、シャロンは呆けた後幸せそうな表情を浮かべてアリサを抱きしめ返した。
「うふふ、丸く収まったようだし、お邪魔虫の私は空気を読んで退散させてもらうわね〜。」
「ちょっ、君にはまだ聞きたいことが――――――」
一方その様子を見守っていたベルフェゴールは転位魔術を発動し、それを見たマキアスは驚いた後ベルフェゴールを呼び止めようとしたがベルフェゴールは無視して転位魔術でその場から去った。
「フン……場を引っ掻き回した挙句後始末を人任せにして去るとはどこまでも自分勝手な女だ。」
「空気を読めるんだったら、一言くらいアリサ達に謝りなさいよね。」
「つーか、結局何しに来たんだよ、あの痴女は。」
ベルフェゴールが去った後ユーシスとサラ、アッシュは呆れた表情で呟いた。
「それにしてもベルフェゴールさんの話にあった戦いで敗北した女性の末路等と言った異世界の”闇”の部分はショックでしたよね……」
「は、はい……それにあんなに誇り高く、3年前のリベールでのクーデターや異変も協力してくれたリウイ陛下達もそんな異世界の酷い所を受け入れているなんて……それに確かメンフィル帝国って”全ての種族との共存”を理想としている国でしたよね?そんな普通に考えたら夢のような国を目指しているのに、どうしてそんな酷い所を受け入れているんでしょうね……?」
複雑そうな表情で呟いたアネラスの意見に頷いたティータは疑問を口にした。
「いえ――――――”メンフィルだからこそ、そんな闇の部分も受け入れる必要がある”のだと思うわ。」
「それってどういう意味?」
静かな表情で呟いたシェラザードの指摘が気になったフィーは真剣な表情で訊ねた。
「師匠から聞いた話なんだけど、元々メンフィルはメンフィルが掲げている理想である”全ての種族との共存”はリウイ陛下達による”メンフィル王国”建国時より掲げたある”理想”が元となっている話を聞いた事があるのよ。」
「その”ある理想”とは一体どのような”理想”なのだろうか?」
シェラザードの話が気になったガイウスは新たなる質問をした。
「―――”光と闇の共存”。それがメンフィルが掲げている”全ての種族との共存”の根本となった”理想”よ。」
「”光と闇の共存”……そういえば以前レン皇女殿下から聞いた話によりますと異世界は宗教や神々もそうですが、人間や異種族もそれぞれ”光陣営”と”闇陣営”に分かれて争っている世界と仰っていましたが……」
「―――なるほどね。メンフィルはまさにその言葉通り、本来争い合うはずの関係だった”光陣営”と”闇陣営”が共に協力して生きていく国を目指しているからこそ、さっきのベルフェゴールの話のような”闇”の部分も受け入れているって事ね。」
「ま、メンフィルがそういう国だからこそ、クーデターや異変の件があるから本来だったら”裏”の世界でしか生きられず、”表”の世界に生きる事が厳しいレーヴェの野郎も”表”の世界で一国の姫の親衛隊の副長みたいなまともな職に就けて”表”の世界で堂々としていられるのも、”実力主義”かつ”光と闇の共存”のメンフィルに受け入れられた事もあるんだろうな。」
シェラザードの答えを聞いたエマはある事を思い出し、二人の話を聞いて事情を察したセリーヌは目を細めて呟き、アガットは疲れた表情で呟いた。
「あれ?でもそれって、なんだかZ組(ボクたち)と似てなくない?」
「うむ……我らZ組は”貴族派”と”革新派”に分かれて争っているエレボニアの”新たな風”を巻き起こす為に設立されたクラスだから、メンフィル帝国の場合は”光”と”闇”に争っている世界に”新たな風”を巻き起こしているから、そういう意味ではZ組(わたしたち)とメンフィル帝国は共通している部分があるな。」
「ハハ、メンフィルと比べればさすがに規模は違うけどね。」
「メンフィル帝国がそのような理想を掲げているからこそ、ベルフェゴールさん以外のリィンさんと”契約”している異種族の方々がベルフェゴールさんの独断を”黙認”したのかもしれませんね。」
「確かにメンフィル帝国に所属しているリィンと”契約”するという事はメンフィル帝国が掲げている”理想”にも同意しているという事にもなりますから、その可能性も考えられますね……」
ある事に気づいて呟いたミリアムの疑問に頷いたラウラは静かな表情で呟き、二人の話を聞いたオリヴァルト皇子は苦笑し、セドリックは静かな表情である推測を口にし、セドリックの推測に同意したミュラーは考え込んだ。
「その、シャロン……ベルフェゴールの件は本当によかったの?」
「はい。ただ、敢えて言うとすればお嬢様には申し訳ないことをしてしまった事ですわ。」
複雑そうな表情を浮かべたアリサに訊ねられたシャロンは頷いた後申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「へ……何でそこで私に申し訳ないって思うのよ。」
「それは勿論、お嬢様のメイドであるわたくしがお嬢様の”初恋”にして将来のお相手でもあられるリィン様とお嬢様を差し置いて先に結ばれてしまったからですわ♪」
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!シャロンッ!!」
アリサの質問に対して申し訳なさそう表情から、からかいの表情へと変えたシャロンの言葉にその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中顔を真っ赤にしたアリサは声を上げてシャロンを睨んだ。
「ふふっ、ですがご安心を。ちゃんとリィン様にはわたくしの純潔を奪った”責任”を取ってもらう為に”お嬢様と共にわたくしをリィン様に貰って頂く事”を書いた手紙が届く手配をしておきましたので♪」
「って、何とんでもない事を私に話も通さずに、しかも”セット販売”をするような感覚でしているのよ――――――ッ!!??」
シャロンが口にした更なるとんでもない事実を知ったアリサは顔を真っ赤にした状態で大声を上げ、その様子を見ていたその場にいる全員は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「くっ………よく考えてみればそうじゃないか……!まさかあのシャロンさんとまでうらやまけしからん事をしたなんて、リィン君、君のそのハーレム体質はどこまで進化し続けるんだい!?」
「全くもってその通りだぜ……つーか、冗談抜きで後何人ハーレム要員を増やすつもりなんだよ、あの超肉食シスコンリア充剣士はッ!!」
「”無限”の間違いじゃないの?」
「あ、あはは…………」
我に返ったアンゼリカとクロウはそれぞれ悔しそうな表情で声を上げ、クロウの言葉に対してフィーはジト目で指摘し、アンゼリカ達の様子を見たトワは苦笑した。
「フフ、まさに”英雄色を好む”という諺を体現しているようじゃの、”現代のゼムリア大陸が望んだ英雄”は。」
するとその時法衣姿の老騎士がロジーヌと共にブリッジに姿を現した――――――
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第123話 | ||
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