スマブラ Stern des Lichts 第3話 〜 灯火の星
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 さて、ここまでのあらすじといこう。

 

 無数のマスターハンドを従え、新たなる創世を狙うキーラ。

 反抗勢力であるファイター全軍との最終決戦は――

 

 圧倒的な光に包まれて、終焉を迎えた。

 

 かくして“この世界”――争いの世界は、キーラの手に落ちた。

 戦えるファイターは、全滅した。

 他のものは全て身体を失い、“スピリット”と化した。

 

 生き残ったのは、たった三人。

 

 星の戦士と呼ばれる少年(?)、カービィ。

 人の手により生まれた黒き究極生命体、シャドウ・ザ・ヘッジホッグ。

 現世と常世の秩序を守る死神、ベル・クリーブ。

 

 “希望の星”は、混沌の中で、か細く瞬いていた。

 

「ってなわけで、とりあえず魂を使って、情報をいくつか集めておいたわ」

 ベルは、キーラについての情報を、魂を操る力を使って探った。

「私達がキーラ……って呼んでる奴は、ファイターの母体を使ってボディを生成したわ。

 それで、支配下に置いたスピリットの力を使ってボディを操ったの。

 だから、キーラは圧倒的な数と力の軍勢を持つわ。

 私達はこの世界を覆うスピリット達を、キーラの手から解放し、力を借りて、ファイターの母体を救うのよ」

「なるほど……そういう事だったのか」

「というわけで、ありがとね、魂さん♪」

 そう言って、ベルは魂を解放した。

 ちなみに、彼女が呼び出した魂は、スピリッツではない事をここで記す。

「さぁ〜て、スピリッツをどんどん探すわよ!」

「はい!」

 ベルを先頭に、カービィ、シャドウ、アイシャは、スピリッツを探していた。

 魂の感知が得意なベルは、きょろきょろと辺りを見渡していく。

「う〜ん、この辺に魂はあるのかしら? あ!」

「どうした?」

「ベルベル〜?」

 突然、ベルが立ち止まり、目をキランと光らせる。

 カービィとシャドウも落ち着いて、彼女の目線の先を見た。

 すると、宙に黒い生き物が浮かび上がっていた。

「スピリッツみっけ!」

「おお、これで三体目だね!」

「よし、説明を見るわ!」

 ベルは、自身の能力を使って、スピリッツについての説明を見た。

 

 ドドロ

 出身世界:とある惑星

 性別:不明

 深緑と黒の身体と、気化した下半身を持つ不気味な原生生物。

 ピクミンを犠牲にしたくなければ、絶対に下半身にはピクミンを近づけさせない事。

 

「このスピリッツは、マリオのボディに入っているようね」

「マリオさんを攻撃するのは気が引けますけど……」

「だーめ! スピリッツを解放するのよ! ね?」

 ベルはやる気満々で大鎌を構える。

 シャドウも冷徹な表情で、戦闘態勢を取った。

「うん!」

 カービィも、満面の笑みを浮かべて、ドドロinマリオと戦う準備をした。

「あぁぁ〜もう! 皆さん、本当に好戦的なんですから!」

 アイシャはハラハラしながら、ドドロとの戦いに臨んだ。

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「カオススピア!」

 シャドウはドドロに混沌の矢を放ち、ドドロの急所を突いて大ダメージを与える。

「ナイトメア!」

「えーいっ!」

 ベルは闇を纏った鎌でドドロを斬りつけて怯ませた後、アイシャがビンタでドドロを攻撃する。

 病人のものとは思えないほど、威力は強烈だった。

「バーニング!」

 カービィは炎を纏った体当たりをドドロにぶちかました。

「その攻撃は、僕には届かない」

 ドドロはシャドウに衝撃波を放ったが、シャドウはワープして攻撃を回避した。

「すご〜い、シャド兄!」

「ふっ、これが究極の力だ。さらに……!」

 シャドウはドドロに狙いを定めて拳銃を撃った。

 銃弾は吸い込まれるようにドドロの急所を貫いた。

「シャドウさんは、射撃が得意なのですね」

「流石は究極生命体ね。私もあんたに追いつくんだから! ディバウアー! からの〜、ダウンリーパー!」

 シャドウの活躍で闘志に火がついたベルはドドロを鎌で引き寄せた後、鎌を大きく振り下ろして真っ二つにした。

 何度も攻撃を食らったドドロは逃げようとするが、カービィが目を光らせてドドロを追いかける。

「僕からは逃げられないよ〜。大人しく捕まれ!」

 そう言って、カービィはドドロに組み付いた。

 そして、ドドロにとどめを刺す準備に入る。

「零距離鬼殺し火炎ハンマー!!」

 カービィは零距離から炎を纏ったハンマーを振り下ろし、ドドロのスピリッツを解放した。

 それと同時に、マリオのボディが消滅した。

 

「わぁい! これで3つ目のスピリッツが解放されたぞ!」

「よかった……もう大丈夫よ」

「僕達の勝ちだな……」

「はい。う、ゴホッ、ゴホッ!」

 天に昇っていくスピリッツを晴れやかな表情で見上げるベルと、ぴょんぴょん跳ねて喜ぶカービィ。

 シャドウとアイシャも、この戦いに勝てた事に安心した。

「うぅ……勝てたには勝てたんですが、ちょっと、休ませてくださいませ……」

「ええ、分かったわ。ゆっくり休みましょ」

 身体の弱いアイシャは、少し戦っただけでも疲れてしまうようだ。

 ベルはアイシャのためにも、安全な場所で休む事にした。

 

「お腹空いた……むにゃむにゃ」

「Zzz……」

「Zzz……」

「……」

 

 果たして、カービィ、シャドウ、ベル、アイシャの四人は、キーラの手から世界を救えるのだろうか。

 この四人の冒険は、まだ始まったばかりである。

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