真・恋姫†無双 金属の歯車 第十三話 |
「なあ、朱里」
「なんですか?ご主人様」
「私の苦労・・・なんだったんだ?」
「知りません」
「なんでそんなに機嫌悪いんだ?」
「知りません!」
「機嫌治してよ、朱里」
「知りません!!」
第十三話 蜀呉同盟 〜Operation Otherworld〜
一刀が呂布・・・もう既に恋と呼ぶべきか・・・を説得もとい懐柔した後、袁術軍は離散した。そう離散したのだ。
地雷に畏れを抱き、一刀が説得した恋の横やりに数を減らし、極めつけは後ろから孫策軍が挟撃に来たことか。
袁術侵攻の知らせを受け、まず最初に孫策軍に密書を出したのだ。
あちらの言語で書いているので読めるのは玲二だけ。内容は至って単純に・・・独立の好機。孫策軍の勢いはすさまじいものだった。
あっという間に戦争は終わったが、戦後処理が大変だった。
特にいつの間にか仲間になっている恋と音々音の事だった。二人の加入に一刀は随分と攻められた。
そして彭城は恋たちの歓迎と孫策の独立を祝った酒宴が開かれた。
「初めまして、劉備」
「は、はい。初めまして、孫策さん」
「しかし不思議よねぇ。私たちは大した面識もないのに同盟だなんて・・・」
「そうですね」
二人が視線を合わせた先には二人の天の御遣いがなにやら話し込んでいた。
今は孫策軍を迎え入れての酒宴の真っ直中だ。
「けど、同盟を組んでいたおかげで私たちは独立出来たんだし」
「けど酷いんですよ。私たちに詳しいこと何も言わないし・・・いきなり呂布さんが仲間になったとか・・・そろそろ孫策さんがくるとか・・・孫策さん?」
「劉備・・・貴方、かわいいわね」
「え?」
孫策の魔の手が桃香を捕らえたらしい。そんな様子を見ながら玲二がため息をついた。
「一刀・・・お前巨乳好きか?」
「さあな」
「一刀・・・俺は大きくても小さくてもいけるぜ?」
「さあな」
「一刀・・・お前天然たらしか?」
「そんな馬鹿な」
今は新加入の恋のあまりにもかわいらしい食べ方に全員が骨抜きになっている。
そんな中二人の御遣いは、ある意味危険な掛け合いをしながら外を眺めながら酒を愉しんでいた。
「しかしあれだな、呂布ってもっと狂犬みたいな感じだと思ったけど・・・」
「いや、良い子だよ」
「たらし!この天然たらしめ!!」
「やかましい」
そういって肘が出る。まさかの攻撃に思わず玲二がひっくり返る。
「まさか肘が出るとは・・・」
「まさか気絶せんとは・・・」
あまりのタフさに驚きを隠せない。すぐに起きあがり顔の高さが一緒になる。
「お前・・・話したのか?俺たちの目的を」
一刀は外を眺めるのを止め、柵に背中を預ける。
玲二は指を口に持って行く仕草をしきりに繰り返している。
「煙草の癖が抜けないな。玲二」
「正史での癖だな。何せ十五で不良と呼ばれたからな」
「・・・お前、ホントにアメリカ在住の日系六世か?」
「?・・・いや、そんなことはどうでもいい。お前はどうなんだよ」
「この戦後処理が終わったら言うつもりだ」
再び一刀が景色を眺める。
後ろでうめき声なら喘ぎ声やら叫び声が聞こえるが外は静かだった。
「で、何の密談をすればいいんだ?」
「おいおい、この席でそんな話するか?」
そう言って彼に酒杯を手渡す。もっと飲め、ということか。
「・・・曹操と袁紹が戦っているらしい」
「まあ曹操が勝つな。んで次曹操の進路は・・・涼州かってことか」
「・・・知ってるか、玲二?」
「なんだ?悪い情報か、いい情報か?」
「・・・曹操のところにも天の御遣いって奴がいるらしい」
場所は変わり官渡。
そこは曹操と袁術が戦いを繰り広げていた。俗に言う官渡の戦いだ。
「はぁ・・・」
「らしくないな・・・華琳」
珍しいとも言える曹操のため息。暗闇から発せられる声は随分意外そうだ。
「こんなに数がいると・・・低脳相手でもため息が出るわよ」
「らしくないな・・・愛しの華琳」
「誰も喜ばないわよ」
暗闇からの声に曹操が少し頬を赤らめる。
「おやおや、君は喜んでくれると思ったのだがね」
「もう、何なのよ!」
照れ隠しに、近くにあった竹簡を投げつけるが、暗闇に当たるはずもない。
「袁紹軍の兵糧を美味しく頂けと三羽烏に指示したいのだがよろしいかね?」
帰ってきた内容は至極真面目だったが、言葉遣いは遠回しすぎて華琳しかわからないだろう。
「よく場所がわかったわね。けど、お腹壊しても知らないわよ」
「それともう一つ・・・劉備軍が袁術、呂布連合を撃破した」
「あら・・・孫策軍の介入はあったの?」
曹操は決して声が発せられる暗闇を見ようとはしない。
しかし会話自体はとても愉しんでいた。
「それは俺の読み通りだった。やはり秘密裏に同盟を組んでいたようだな」
そう話した後、影は笑いを漏らした。
「何?随分楽しそうね」
「楽しい・・・そうだろうな」
この日の内に袁紹軍は崩壊した。兵糧庫である鳥巣を楽進率いる部隊に墜とされたのだ。
官渡の戦いは終結し、袁術と袁紹が表舞台から去っていった。
* *
こうして大陸各地で諸侯が飢虎のように勢力を拡大し・・・または乱世に飲み込まれていく。
局面はいよいよ三国時代に突入しようとしていた。
魏の御遣いが表舞台にたつ日は・・・もう・・・まもなく。
おまけ
一刀「で、いつまで!マークを増やし続けるんだ?」
朱里「知りません!!!」
一刀「・・・朱里が反抗期か。雛里は・・・」
雛里「・・・知りません(うるうる)」
一刀「・・・こいつは両極端だな」
説明 | ||
・真・恋姫†無双をベースにとある作品の設定を使用しています。クロスオーバーが苦手な方には本当におすすめできない。 ・俺の◯GSを汚すんじゃねぇって方もリアルにお勧めできない。 ・ちなみにその設定はそろそろ話の本筋に関係が出てきます。 ・オリジナル主人公は三人いますが、蜀ルートが元になっています。 ・オリジナル主人公はそれなりに厨性能です。 ・っていうかこの作品自体厨作品です ・過度な期待どころか、普通の期待もしないでください。 執筆について。 ・書き溜めをしています。第二十一話まで完成しています。そこから一話書き終えるごとに一話投稿します。 ・ただし執筆スピードが尋常じゃなく遅いので、ねばり強い忍耐が必要です。 ・要するに何も変わらないって事です。 |
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コメント | ||
>All、16話まで焦らされてください。(しがない書き手) だれだ?(ブックマン) 魏にも御使いか、これは今後の展開が楽しみだ!(キラ・リョウ) |
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