新たなる外史の道 16 |
大陸は大きく分けて4大勢力の四つ巴の様相を呈してきた・・・
誰かが少しでも触れれば何時、戦争が起こっても不思議じゃない、不安定な世界。
一体誰が、この硝子細工の世界に閉じ込められた混沌を解き放つのか・・・・・・
大陸に住むものは恐怖と期待で硝子細工の世界を見ていた・・・
蒼を建国してから1週間がたった。
俺、愛紗、佑は公務の合間の休憩で茶とみたらし団子を楽しんでいた。
俺がみたらし団子食べたかったから、国の菓子職人に作らせた。
あ〜〜〜〜落ち着く・・・・・・
仕事の休憩に食う甘いモンと少し渋めのお茶・・・・・・
癒される・・・・・・・・・
「この時が至福やな〜」
佑、お前、星に仕事押し付けて、こんな所で茶を飲むな・・・
「その意見に同意するが仕事しろ・・・」
俺の正しい苦言を奴は笑いながらかわしながら懐からマイルドセブンの10ミリを取り出し、100円ライターで火を着けた。
「・・・フー・・・まあ、堅い事言うなや」
「佑・・・あまり吸わないでいただきたい・・・」
愛紗が煙を迷惑そうに手で払い、窓を開けた。
「・・・肩身せまいな〜〜お前も苦労しとんな〜」
当たり前だ。喫煙はマナーを守り、吸わない人にも配慮して吸うのが喫煙者のマナーだ。
「おかげで本数が減った・・・1日一箱が1日10本に減った・・・」
「そいつはご愁傷様やな・・・」
同情的な目で俺を見る佑・・・
だって・・・愛紗や星、稟や風から煙たがられたもん・・・匂いも臭いって言われたし・・・
「そういや・・・星も煙たそうにしとったな・・・」
いつの時代でも喫煙者は禁煙者に嫌われる・・・
「・・・切ないな・・・」
「・・・それは言うたらあかん・・・」
「・・・肩身狭いな・・・」
「・・・それも言うたらあかん・・・」
そんな会話を切り止めて、お互い仕事に戻ろうとした時だった・・・
やけに荒いノックの音が室内に響いた。
「どうぞ」
俺が入室を促す。外務省職員が息を切らせながら慌てて入ってきた。
「失礼します!! 緊急事態です!! 魏が・・・魏が我々蒼に宣戦布告をしました!!!! 曹操の特使が宣戦布告文章を私達、外務省に叩きつけてきました!! 同時刻、情報省、諜報部、諜報課が許付近、我が領土10里付近に魏軍の集結を確認!! その数、凡そ50万!!」
・・・・・・やはり、というか・・・何というか・・・
しかも、曹操の手持ちの兵の3分の1か・・・
曹操め・・・試すつもりか? 俺達を・・・
いいだろう。その試しを、お前達の試練にしてやる。
「解った、各省庁に伝達、内容は、第一次戦備体制から第一次戦時体制へ移行。各自、戦闘準備を始めろ」
「御意!!」
外務省職員がそう言い退室する。
「聞いての通りだ、愛紗、佑、どうやら曹操が俺達に喧嘩を売って来た。高く買い取るぞ!!」
「御意!!」
「了〜解」
「愛紗、我が軍で即時対応可能な部隊はどこか?」
「はい、曹操の進軍ルートを予想するに、許経由なら第31国境警備軍、長安経由なら第21国境警備軍に当たります・・・漢中経由ですと、第25国境警備軍が当たります。許付近に軍が集結中とのことですから、防衛は第31国境警備軍が当たるかと」
「同時に三方向からの攻撃の可能性は無いんか?」
佑の質問に愛紗は首を横に振る。
「その可能性は低い、諜報部からの情報や報告書にも無かった。」
「どれくらい持ちこたえられる?」
俺の質問に愛紗が考えながら呟く。
「もって1週間です」
「とにかく、三国の国境に第一時戦時体制を発令する。伝令を各国境警備軍に伝達しろ」
「御意!!」
「了〜解」
「愛紗!! 後将達を全員集めろ、緊急軍議を行う!!」
「御意!!」
「佑!! 諜報部の定時連絡の時期を1日から半日に切り替えろ、ここからの戦いは情報が勝敗を分けると心得よ!!」
「了解や!!」
俺達は軍議を即決で決め、部隊編成も完了、僅か半日でそれを行い、進撃する。
留守に愛紗、鈴蘭、稟を残し、俺、佑、星、風は出撃という形だ。
≪曹操サイド≫
国境付近の要塞攻略戦が開始して三日・・・中々落とせない・・・
3分の1で攻めてみて北郷 一刀を試す為に派兵したが、国境を防御する要塞を中々おとせない。
予定が狂った・・・半日でココを落とし、ここを橋頭堡として北郷を試すつもりが・・・
我が兵を阻むのは鉄の網で作られた“鉄条網”なる物と大きな溝、絶え間なく撃ち続けられる銃弾が我が兵を阻んだ。
死者だけで約三千人に上った。
「堕ちないわね・・・」
私がつい自分の苛立ちを漏らした。
半日で抜けれると踏んでいたが、まさか国境にこれほどの兵がいようとは考えてなかった。
侮っていた・・・たかが国境の警備軍と・・・
「慢心は思わぬ被害をこうむるか・・・」
「左様です・・・まさか蒼軍の国境が之ほど頑強とは思いもいたしませんでした・・・天の使いしか名前が無い男にここまで梃子摺るとは・・・」
桂花が悔しそうに私にそう詫びる。
「気にしないで、私も慢心があったわ、仕方ないわね・・・攻略を断念、迂回して、蒼領内に進軍する! 各隊に伝達!」
「御意!!」
その時だった、空を切る、独特の音が戦場に響いた。
「砲撃隊!! 撃てや!!」
けたたましい轟音と共に敵兵が吹き飛ぶ。
佑の命により砲弾が敵兵目掛けて飛んでいく。
俺達は要塞に到着、即座に砲撃を開始した。
「佑、狙撃を頼む! 敵兵を追い返すくらいでいい!」
「まかせとき!!」
そう言い、佑が取り出したのは、バレット M82A1、アンチマテリアルライフルを取り出した。
コイツは対装甲車用に作られたライフルで、口径は12.7ミリ×99ミリ弾の50BMG弾を使用している。湾岸戦争ではイラク軍との戦闘の際には2,000m先の装甲車を撃破したとの伝説を持ち、またイラク戦争では、1,500m先のイラク兵を狙撃し、イラク兵の上半身と下半身を泣き別れにしてしまったというイカレたライフルである。
物騒だな・・・
佑は要塞城壁にバイポッドを立て、スコープを覗き込み狙撃を開始する。
俺は星に指示を出す。
「星!! 佑が後ろを固めてくれる! 安心して戦え!!」
「しかし、主! 距離があり過ぎるのでは?」
星の疑問は尤もなんだが・・・
「お前の上司を信じろ! たかがこの程度の距離ぐらいでアイツの狙撃は外れん!!」
「解りました!! 信じます!! 主と佑を!!」
城壁から50BMG弾の轟音が響く。
俺等に襲いかかろうとした敵兵は炸裂音をさせ、頭が消えた。
距離にして800メートルだった。
「な、言った通りだろ?」
「・・・頼もしいです・・・」
若干ヒキ気味に答えながら星も戦う。
後の展開はワンサイドゲームだった。
佑の狙撃で敵はある者は頭がこの世から消滅し、胴体を真っ二つにされ、足が吹き飛ぶ。
縦一列に並んだ兵士ごと撃つ抜かれて絶命する。
我が軍の兵士達も突撃を開始する。
俺もパトリオットを乱射し敵兵をなぎ払う。
戦場は敵兵の死骸で舗装された。
曹操軍は即時撤退を開始、追撃戦は行わなかった。
此方も強行軍だったし、窮鼠猫を噛むになってもつまらない。
しかし、凱旋した俺達を待っていたのは、呉の同盟廃棄と蜀の国交断絶だった・・・
どうやら、曹操の宣戦布告で世界のバランスが崩れたことを俺は理解した。
曹操の奴・・・真の狙いはこれか・・・
睨み合いからバランスを崩させ、蒼を叩く為に二国を戦いに引きずり込む・・・
あわよくば漁夫の利を狙う・・・
やられた・・・
建国して1週間の短い時間で攻めてきたのも、魏、蜀の二国と同盟関係を結ばせない為・・・
そして、同盟関係の不信感を煽り、この戦いを見た呉は我々蒼が曹操すら軽くあしらえる大軍を有している、同盟を結んでいては何れ飲み込まれると思わせる為か・・・
俺達は事実上、魏、蜀、呉の三国を相手にする事となった。
説明 | ||
恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら? という妄想から生まれた駄文です。 読んでもらえれば幸いです。 |
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コメント | ||
カノン砲は冶金技術が向上しないとできないから、この場合龍火砲(モノノケ姫に出たアレ)じゃないのですか?(thule) この三国ちゃんと連携できるかな?無理な感じがしますね。(ブックマン) って・・・ある意味完全包囲ですか?!(りばーす) 誤字報告 6p 撃つ抜かれて→撃ち抜かれて(カロン) 正直、鉄砲ある時点で結構有利のような・・・(キラ・リョウ) 今の所どこにも手を出す必要がないですねw兵数にさがあるから攻めれないし(サイト) 呉はズタボロに、濁は壊滅させてやってください、しかし濁が敵になる理由がいまいち分からない(ヒトヤ) 大砲って・・・カノン砲・・・?(Hydropsyche) んじゃ五胡とか南蛮とか山越とかに手を伸ばそう。それも内密にwwww(峠崎丈二) 魏呉蜀が敵でもパトリオットがあれば何でもできるZE☆(neoken) 正直余裕で勝てるんじゃないの???(tan) なら三国以外と協力体制をとればいいかも。南蛮が蜀の傘下になってるかどうかも気になります。もしまだなら面白くなりそう。いつのまにか蒼の同盟国が!みたいな。「気づかれない」がMGSの醍醐味です^^(投影) 魏、蜀の二国と同盟関係を結ばせない為の魏は呉の間違いではないでしょうか?(敏腕アトム) |
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