スマブラ Stern des Lichts 第5話 〜 マリオを救え!
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 キーラに操られたマリオとの戦いが始まった。

 

「叩き切る!」

「……」

 ベルは前方を鎌で叩き切ってマリオを攻撃する。

 マリオは鎌を受け止めて、キックで反撃する。

「ひゃあ! 何すんのよ」

「マリオさん、どうしましたの!? しっかりなさいませ!」

 アイシャがマリオに皿を投げるが、マリオはそれを緊急回避し、アイシャの背後に回り込んで投げ飛ばした。

「きゃあ!」

 勢いよく投げられたアイシャは転倒してしまう。

 手加減も何もない、本気の威力であり、アイシャの事など全く見えていなかった。

「操られてるから何も手加減してないみたいね」

「マリおじちゃん、正気に戻って!」

「倒してでもお前を連れ戻す!」

 カービィは勢いよくマリオを蹴って吹っ飛ばした。

 シャドウは吹っ飛んだマリオに向かってホーミングアタックを繰り出す。

「……」

 マリオはアイシャを思いっきりファイア掌底で攻撃し、アイシャを吹っ飛ばす。

 アイシャは転倒し、動けなくなった。

「マリオさん……わたし達の声、聞こえないのですか?」

「((キーラ|あいつ))が操ってるんだもの、あんたの声が聞こえるわけないでしょ? だから今、こうして戦っているのよ」

「それもそうでしたわね……」

「アップリーパー! ハーベスター! カタストロフィ! メテオブレイカー!」

 ベルは祈りを込めた鎌を振り上げてマリオを空中に浮かせ、飛び上がって鎌を連続で回して攻撃した。

 コンボのフィニッシュで鎌を下に振り、マリオを地面に叩きつけた。

「そこだ!」

 シャドウは身動きが取れないマリオに狙いを定め、銃を撃ってダメージを与える。

「……」

「くっ!」

 マリオは隙を突かれたため、反撃でシャドウにファイアボールを放った。

 ファイアボールはシャドウの目の前で爆発し、彼を吹き飛ばすが、すぐにワープで復帰する。

「マリおじちゃん、待ってて! バーニング!」

「……」

 カービィの炎を纏った体当たりを緊急回避でかわすマリオ。

「おっと!」

 しかし、かわした先にはベルが待ち構えていて、彼女の鎌がマリオを一閃した。

 だがマリオも意地を見せてベルを勢いよく投げ飛ばした。

「ひ〜。あなた本気なのね」

「だがこの攻撃は避けられまい。カオススピア!」

 シャドウは混沌の力を使ってたくさんの矢を放ち、マリオを串刺しにする。

 その隙にカービィがマリオに突っ込んでパンチとキックの乱舞で攻撃する。

「お願いです! 元に戻ってください、マリオさん! キーラさんなんかに負けないでください!」

 アイシャは、キーラに操られているマリオに必死で呼びかけた。

 戦わなければならないとは分かっていても、心の中では戦いたくないという気持ちが強く、呼びかけてマリオの心を取り戻そうとした。

 だが、いくらアイシャが呼びかけても、マリオが戦いの手を止める気配はなく、彼はアイシャにファイアボールを放った。

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「マリオ、さん……」

「……」

 アイシャは目にうっすら涙を浮かべる。

 マリオはスマッシュブラザーズのリーダー格で、どんな時でも仲間と戦い、困難を乗り越えてきた。

 しかし、キーラに操られているとはいえ、仲間を攻撃しているという事実を、アイシャは認めたくなかった。

 戦って元に戻したい、でもできるなら戦わずに元に戻したい。

 アイシャはその板挟みになっていた。

「……確かに、マリオは((彼女|キーラ))が支配しているわ。でも、カービィは戦う前に言ってたわよね? 『殴って』元に戻すって」

「殴って……?」

「そうよ。殴って元に戻せるのはカービィだけ。私達はそれに、参加しているに過ぎない」

「だから、お前が気に病む必要はないという事だ。カオススパーク!」

「ディバウアー!」

「えーいっ!」

 シャドウは指を鳴らし、マリオを時空の歪みに飲み込んだ。

 その後、ベルがマリオを鎌で斬りつけ、カービィがマリオをキックした。

「そうでしたのね。ありがとうございますわ、カービィさん、シャドウさん、ベルさん。わたしだけが背負う必要はありませんのね。

 では、わたしは皆さんをサポートいたします! マリオさん、あなたを必ず取り戻しますわ!」

 アイシャは、三人のおかげで肩の荷が下りた。

 そして彼女は、傷ついたカービィ達を薬や紅茶で回復しつつ、皆を応援して士気を高めた。

「……」

 マリオはファイア掌底をカービィにぶちかます。

 しかし、カービィは余裕で攻撃をかわし、ホバリングしてストーンでマリオを攻撃する。

 そして、元に戻すためにカービィはハンマーを構え、力を溜める。

「元に戻って! 鬼殺し……火炎ハンマーーーーーーーーーーーー!!」

 カービィの、炎を纏ったハンマーが、マリオの腹部にクリーンヒットした。

 そして、マリオは吹き飛ばされ、しばらくの間地面を滑っていたが、1分後に動きが止まった。

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「マリおじちゃん、マリおじちゃん!」

 カービィは、倒れているマリオを必死で揺すった。

「僕の声が聞こえるか?」

「しっかりしなさいよ、マリオ」

「起きてください、マリオさん……」

 シャドウ、ベル、アイシャも、倒れたマリオに声をかけていく。

「……う……」

 しばらくすると意識を取り戻したのか、マリオはゆっくりと起き上がった。

 彼の眼は、いつも通り、青色だった。

「マリおじちゃん! 元に戻ったんだね! やっぱり殴ってよかった〜〜〜!」

 正気に戻ったマリオに飛びかかるカービィ。

 何気に、言った言葉が酷かったのだが。

「本当によかったわね、元に戻って。やっぱり、カービィの言った事は正しかったわ」

 カービィが殴ったおかげで、マリオを正気に戻す事に成功した。

 仲間を取り戻したベルは、ニッコリと笑う。

 しばらくして、シャドウはマリオに話しかける。

「ああ、それと……どうしてお前は、いきなり僕に襲い掛かったんだ」

「シャドウさん、病み上がりですからそうするのはよくないですわ」

 アイシャがシャドウの行動を注意するが、マリオは「いいんだ」と首を横に振る。

 そして、マリオは四人に事情を話した。

「あの光がぶつかって、俺は死にそうになった。争いの世界なのに死ぬっておかしいよな。でも、確かにそんな感覚だった。

 気が付くと、俺は真っ白い光の中にいた。光の中には誰もいなかった。俺以外には誰もいないはずだった。でも、光の中で、女の声が聞こえてきた。

 『我が名は光の化身キーラ。我が軍に入れ』と。俺は必死で抵抗したが、何もできなくて……」

「大体、事情は分かったわ」

 マリオから事情を聞いたベルは、頷いた後、鎌を持ち上げる。

「要は、あんたを含めたファイターは、みんなキーラに捕まって利用されたんでしょ?」

「多分な」

「私と一緒に、みんなを助けましょう! 操られたのがあんたには屈辱でしょ?」

「……そうだな。俺を利用したキーラが許せないぜ……!」

 マリオはぎゅっと握り拳を作る。

 自分を光に閉じ込め、ボディを作る母体として利用したキーラを許さないという気持ちが生まれたのだ。

「スマブラメンバーが一人、わたし達の下に戻りましたね。この調子で、皆さんをキーラさんの手から解放しましょう!」

「「「「おーーーーーっ!!」」」」

「……」

 

 こうして、カービィ、シャドウ、ベル、アイシャの四人は、ミスタービデオゲーム、マリオを解放する事に成功した。

 まだキーラに捕まっている人達は多いが、一人解放できただけでも、良しとしよう。

説明
ミスタービデオゲーム、マリオを救出します。
最初の仲間はやっぱり彼ですよね。
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