スマブラ Stern des Lichts 第10話 〜 再びレース場に |
ピコのスピリッツを解放した一行は、再びレース場に戻った。
「確か、ピコはワイルドグースを運転できるな。この先にいるファイターのところに連れて行ってくれないか?」
『ああ、それならお安い御用だぜ。とっととワイルドグースに乗りな』
一行はピコのスピリッツの力を使い、ワイルドグースに乗った。
「えっと、確か……」
「波導がこちら側に見えるぞ」
『おし、分かったぜ』
ピコはワイルドグースを運転しながら、捕まっている仲間がいる場所にマリオ達を案内する。
途中、ニコ・ファイアのスピリッツに遭遇し、一度ワイルドグースを降りた後にベルが一人で挑んで解放した。
「いちいちワイルドグースから降りてからスピリッツを解放するのは面倒だわ。シャドウ、あんたは外に出て、スピリッツをその銃で解放して」
「ほう? 僕が伊達に運転も銃撃もしてないからそう言ったのだな?」
「ええ、あんたの究極の力、見せてもらうわよ!」
激しく動くF-ZEROマシンに乗りながらの銃撃は非常に当てにくく、素人ではまず不可能だ。
だがシャドウは両方の経験があるため、ベルは彼にスピリッツ解放を頼んだのだ。
「ねえ、シャド兄、大丈夫なの?」
「F-ZEROは速いから酔っちゃうよ〜」
「お前達は僕の後ろにいるだけでいい」
シャドウはカービィとりょうの心配をものともしない正確さで拳銃を撃ち、スピリッツを次々と解放していく。
ワイルドグースはスピードはあまり出ないが頑丈で、激しい敵の攻撃にも耐える事ができるのだ。
といっても、「F-ZEROマシンにしては」なので、最高速度は400kmを超えるため、マルス達は乗り物酔いしないように気を保っていた。
ここまで一行が解放したスピリットは、バイクのマッハライダー、同じくバイクのモトクロッサー、
F-ZEROレーサーのマイティーガゼルとジャック・レビン、果ては偵察機のジャイロウィングなど、レース場に相応しいものばかりだった。
「フォッくんの乗り物もスピリッツになるなんて、すご〜い」
「まさに何でもありな世界だな……」
「そうですわね……」
カービィ、マリオ、アイシャは、生物ではないスピリッツもいる事に驚いていた。
この争いの世界は、彼らの言う通り、「ナンデモアリ」な世界なのだ。
「波導が……近い!」
しばらく運転していると、ルカリオが波導を感じ取って目が光る。
つまり、もうすぐファイターがいる場所に辿り着くのだ。
「ルカ兄! いるの!?」
「ああ……もう少しで辿り着く……!」
「一気に行きますわよ!」
『ああ!』
ピコがワイルドグースを全力で運転すると、やがてファイターがいる場所に着いた。
「キャプテン・ファルコン……!」
台座に縛られていたのは、F-ZEROレーサーにしてバウンティハンターの、キャプテン・ファルコンだった。
「今、出してあげるからね!」
そう言ってカービィが台座に触れてファルコンを縛る鎖を砕く。
ファルコンは、ゆっくりと台座から降りた。
カービィは今までの経験もあってか、すぐに彼に近付かずに身構える。
「そうですわ、カービィさん。油断大敵です」
「うん」
「キーラサマノタメニ……オマエタチヲ……ケス」
「来るよ!」
キャプテン・ファルコンとの戦いが始まった。
「えいっ!」
カービィはキックを繰り出してファルコンにギリギリで当てる。
次にベルはファルコンに鎌を振るが、ファルコンは素早く身をかわした。
「なっ!?」
ファルコンはルカリオの掌底を受け止めた後、シャドウに裏拳をかまそうとする。
「……見切った!」
しかし、ギリギリのところでシャドウは見切り、ファルコンの攻撃を回避した。
「ファルコン、目を覚ませ!」
「……」
マリオはファルコンに呼びかけるが、ファルコンは反応せずマリオに攻撃する。
「キーラに操られている奴はいくら呼びかけても無駄だ」
「それは分かってるけど……でも、ファルコンを傷つけたくないよ……」
「君は本当に優しいんだな。だけど、優しいと甘いは違うものだ。ファルコンをキーラの呪縛から解放するために、僕達は戦っているんだ」
「シーくん、ありがとう」
カービィの迷いを察したのか、シークはカービィに声をかけ、すぐに彼を立ち直らせた。
「待ってろよ、ファルコン。お前は必ず俺が助けるからな!」
そう言って、マリオはファルコンを投げ飛ばした。
ベルは、ファルコンが飛んでいった場所に行き、大鎌を振って斬りつけた。
「ボーンラッシュ!」
ルカリオは骨を棒のように巧みに扱ってファルコンを打ち据える。
ファルコンはシールドでそれを防御したため、大したダメージにはならなかった。
「うおりゃぁ!」
「えーい!」
マリオはボディブロー、カービィはバーニングでファルコンにダメージを与える。
ファルコンはカービィにキックで反撃するが、カービィはそれを上手くかわした。
「ふ、やるじゃないの」
「……?」
ベルがファルコンを挑発するように笑みを浮かべている。
ファルコンが少しだけ戸惑っていると、彼の背後にシャドウがワープして現れた。
「はぁぁぁっ!」
「グァァァァァァァ!」
シャドウが作った無数のカオススピアがファルコンの背を貫き、大ダメージを与えた。
「背後ががら空きだったぞ」
「ナニ……!」
シャドウに背後を取られ、驚愕するファルコン。
一時的に混乱した彼に、ルカリオ、ベル、マリオは一気に攻撃を仕掛けた。
「キーラなんかに負けるんじゃねぇ!」
「今、私達が解き放ってやる」
「あんたのボディを、これ以上スピリッツが使うのは嫌なのよ!」
「グ、グォ、ォォ……!」
何度も攻撃を食らい、ファルコンの動きが次第に鈍くなる。
それを見たカービィは、炎を纏ったハンマーを構えてファルコンに突っ込んでいった。
「今だ! 鬼殺し……火炎ハンマァァァァァァ!!」
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
そして、カービィの鬼殺し火炎ハンマーがファルコンにクリーンヒットすると、彼は大きく吹っ飛ばされ、気絶した。
「……う。俺は、何をしていたんだ……」
正気に戻ったファルコンはゆっくりと起き上がる。
激しい戦いではあったが、ファルコンはタフなのですぐに体力が全回復した。
「大丈夫か、ファルコン」
「あ、ああ、ちょっと痛いけど平気だぜ」
「あぁ〜よかったファルコンが無事で!」
マリオとカービィがすぐにファルコンに駆け寄る。
ファルコンは最古参のメンバーなので、彼らとの付き合いがとても長いのだ。
「あのキーラって奴、俺だけでなくお前らも操ったんだってよ」
「ああ……でも、カービィやシャドウ、ベルのおかげで助かったんだぜ」
「賑やかになりましたわね」
「この調子でみんなを助けて、もっと賑やかにしようね!」
最初はカービィ、シャドウ、ベルだけだったパーティーも、次々に仲間が増え、今や10人になっている。
だが、捕まっているファイターは、まだまだ多い。
しかも、彼女の力によって、スピリッツを操るための母体が生み出されている……。
このまま、キーラに好き勝手させるわけにはいかないのだ。
「で、もちろん、他のみんなも助けるよな?」
「当然だ! この俺を操ったキーラを許すわけがないし、今も母体を利用されてる奴だっている! だから、俺もお前達と一緒に行く!」
「心強いですわ、ファルコンさん」
ファルコンの頼もしさに、アイシャは少しだけ惹かれていた。
「じゃあ、そろそろレース場を出て、次のスピリッツを探しましょう。ピコ、お願いね」
『よし、しっかり掴まってな』
こうして、一行はレース場に捕まった全ての仲間を救出する事に成功した。
〜ベルのスピリッツ名鑑〜
ニコ・ファイア
出身世界:すれちがいの世界
性別:男性
すれちがいの世界にある、スロットカーショップの店長。
世界最速のスロットカーレーサー、ニコ・アイスマンの弟。
マッハライダー
出身世界:どこかの世界
性別:不明
四足ギアの戦闘バイクを駆る人物。
故郷が滅亡したため、新天地と生存者を求めて旅立っている。
モトクロッサー
出身世界:どこかの世界
性別:不明
高性能のモトクロッサー。
ターボを使うと強い加速を得る事ができるが、使いすぎるとオーバーヒートを起こす。
マイティーガゼル
出身世界:エフゼロワールド
性別:男性
4年前に大事故で重傷を負い、機械の身体になったF-ZEROレーサー。
ブースト性能が高い、レッドガゼルに乗る。
ジャック・レビン
出身世界:エフゼロワールド
性別:男性
元人気アイドルグループのF-ZEROレーサー。
リュウ・スザクのライバル兼親友である。
たくさんの内部カメラがある、アストロロビンに乗る。
ジャイロウィング
出身世界:スペースワールド
性別:なし
ハッキング機能を備えている偵察機。
空中で停止できるホバリング飛行が行え、敵基地への単独侵入などの隠密任務が得意。
説明 | ||
今度こそレーサーのファイターを解放します。 ネタキャラ扱いされるけど彼はむしろ謎多きキャラなのです。 |
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