スマブラ Stern des Lichts 第13話 〜 お医者さんを探して
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 ランスを仲間に加えたシャドウ一行は、残りのスピリッツを解放しに行こうとしていた。

「あ、シャド兄!」

「お待たせしました〜」

 そこに、カービィ、りょう、マリオ、ルカリオ、アイシャ、ファルコン、ヨッシーがシャドウ達と合流する。

「あら、そこにいるのはヨッシーね」

「マリオさん達が助けに来てくれました〜」

 ヨッシーはキーラに操られたが、マリオ達に助けられた事をシャドウ達に報告した。

「大事な俺の相棒だから頑張って助けたんだぜ」

「マリオさ〜ん、相棒だなんて照れますよ〜」

「……乗り捨てたりしないわよね?」

「今は、な」

 昔、マリオはヨッシー族を乗り捨てた事があるらしい。

 現在はそんな事はなくなっているが、念のためにベルはマリオにそう言った。

「まあ、これにて仲間は増えた事だし、スピリッツを解放しましょう」

「うん! 頑張るよ!」

 ランスはぶんぶんと槍を振るって気合を溜める。

 もちろん、槍は仲間達に当たらないように、だが。

「やる気満々だね〜、ランス」

「そうだよ! ボクは大王様のためならどこへでも行くから!」

「僕も、食べ物のためならどこへでも行くよ!」

 同じミルキーロードの出身者だけあって、カービィとランスは意気投合したようだ。

 その様子を見たアイシャは、ニッコリと微笑んだ。

「二人とも、動機が単純だなぁ。だがそれがいい」

「そうだな。子供らしくていいぜ」

 

 一行はヨッシーアイランドで、キーラにスピリッツ化された者達を次々に解放していった。

 キャプテン★レインボーに変身するニックや、剣法を指南する剣士・鷹丸、ニンテンの仲間のアナ、

 リンクが夢の島で出会ったマリン、スターウルフのパンサーなど……。

「綺麗なスピリッツがいっぱいいますわね〜」

「うん! 可愛かったよ!」

 カービィとアイシャがスピリッツに見惚れていると、ベルがあるスピリッツを見つけて立ち止まる。

「あれ? どうしたの、ベルベル?」

「ちょっとこれ、見て」

「……」

 ベルが見つけたスピリッツは、緑の全身タイツに身を包んだ、不細工な顔立ちの男だった。

「……これは?」

「チンクル。出身世界はハイラル。自分を妖精だと思い込んでいる男。35歳独身」

 ベルが何とも言えない顔でスピリッツを説明する。

「……醜悪だな」

「不細工だ」

「何これ〜」

 シャドウ、シーク、ランスは、全員同じ意見を言った。

 あまり意見が合わない三人だが、この時だけは意見が合っていた。

「……ま、とりあえず、こいつも解放しなくちゃね」

 ベルは大鎌を構え、チンクルに戦闘態勢を取った。

 カービィ、シャドウ、シーク、ランスも、彼女に続いて構えた。

「あ、私も入れてくださ〜い!」

 ヨッシーも遅れて、彼らと同じように構えた。

 

「あっけなかったわね」

 チンクルとの戦いは、あっさりと終わった。

 妖精だと思い込んでいるただの独身男に、本物の死神が負けるわけがなかった。

「さて、こういうのも一応スピリッツになるから、入れておくわ」

 ベルはチンクルのスピリッツをスピリッツボールの中に入れる。

 その後、スイッチを感知してシャドウのカオスコントロールでそれがある場所に連れて行ってもらい、スイッチを押して青いバリアを消した。

「これでとりあえず、スピリッツはみんな助けたかな?」

 カービィが辺りをきょろきょろと見渡す。

 散らばっているスピリッツはほとんどなく、ヨッシーアイランドのエリアはもう終わりかと思われていた。

「待て!」

 その時、ルカリオがヨッシーアイランドにある波導を察知したようで通知する。

「ルカルカ、どうしたの?」

「波導を……感じる……!」

「え、誰の波導!?」

「こっちだ、ついてこい!」

 そう言って、ルカリオは波導を察知した場所に皆を案内していった。

 カービィ、シャドウ、ベル、アイシャ、マリオ、ヨッシー、ファルコン、マルス、シーク、りょうは急いで彼についていった。

 

「ま、待って〜!」

 ランスも、遅れながらみんなについていった。

 

「フフフフフフ……」

 ルカリオが波導を察知した場所には、マリオの従兄弟・ドクターがいた。

 ドクターは含み笑いをしながら、倒れたプリムの身体をメスで解剖している。

 彼の瞳は、真っ赤に染まっていて、正気なようには見えなかった。

「まだこっちには気付いていないようだが……」

 突撃するか、おびき寄せるか、忍び寄るか……。

 見つからないようにドクターにダメージを与え、有利な状況にする必要があるようだ。

「よし、僕が忍び寄ろう」

「頼むぞ」

 シークはこっそりとドクターに忍び寄り、懐から仕込針を取り出した。

「ギャッ!?」

「……完璧だな」

 ドクターは背後にシークがいる事に気づかないまま、仕込針の攻撃を受けた。

「よし、一気に行くぞ!」

「うん!」

 マリオ、カービィ、シーク、シャドウ、ベル、ランスは、その隙にドクターに突っ込んでいった。

「ウ、ウグググ……!」

 怯んだドクターは何もできずに六人の攻撃を一方的に受ける。

 今、ドクターとの戦いが、始まった。

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「やぁーっ!」

 ベルはドクターに大鎌を振るが、ドクターはシールドで防御する。

 ドクターはカービィのフェイントをかわした後、シークを蹴って攻撃した。

「うわぁ!」

「目ぇ覚ませ、ドクター!」

「ボクの目を見てよ!」

 マリオの拳とランスの槍がドクターに当たるが、致命傷にはならなかった。

「そこだっ!」

 シャドウはドクターの腕に狙いを定め、拳銃でそこを撃った。

 ドクターは腕を押さえて一瞬だけ動きを止め、その隙にマリオがファイアボールでドクターを攻撃した。

「大事な従兄弟だからな……俺が助けてやるよ」

「グググ……カイボウシテヤル……」

「ドクター! 駄目だよー!」

 カービィがドクターを止めにかかるが、ドクターは歩みを止めずマリオに突っ込んで心臓マッサージをしようとした。

 しかし、その心臓マッサージをマリオはジャストシールドで完全に防いだ。

「セッカクナオソウトオモッタノニ……」

「治すのはお前の方だ」

 シャドウはそう言って、ドクターに拳銃を撃つ。

 ランスも槍を振り回しドクターを攻撃した。

「ボクは助けられたんだ。だから、ボクも助ける!」

「タスケルカ……タスケラレルナラコイ!」

「今、助けるよ! バーニング!」

「ウアーーーーッ!!」

 カービィは全身に炎を纏い、ドクターに体当たりした。

 先程の一斉攻撃が効いたのか、ドクターはその一撃で倒された。

 

「あ、もう終わっちゃったの?」

「ドクターはあまり戦闘は得意じゃないからね」

「わたしが治してあげますわ」

 アイシャは倒れたドクターに傷を癒す術を使い、ドクターを意識不明から回復した。

 

「う〜ん……あれ? ここはどこだろう……」

「おはよう、ドクター」

 マリオの声と共に起き上がるドクター。

 ドクターはキーラから解放されており、目は元の色に戻っていた。

「あ、ドクター! 元に戻ったんだね! よかった」

「わ、カービィ君、何するんだよ」

 カービィは正気に戻ったドクターに抱き着く。

「だってぇ〜、ドクターはアイシャちゃん以来のヒーラーだもん!」

「そ、そうかい……」

「それにマリおじちゃんの家族だもんね!」

「はは……僕の従兄弟のマリオ君とルイージ君の事かい? ルイージ君は、まだいないようだけど」

「実は……」

 マリオは、ドクターにこれまでの事情を話した。

 

「なるほどね。キーラという奴が僕達をこんな目に遭わせたのか」

「当分はキーラに捕まった人達を助けに行く事にしたんだ」

 今の彼らの目的は、キーラに奪われた者の奪還だ。

 ファイターだけでなく、肉体を失った住民、スピリッツも助けなければならない。

 それらを聞いたドクターは、凛々しい表情で頷く。

「じゃあ、僕も一緒に行くよ。戦うのは苦手だけど、だからといって逃げるわけにはいかないしね。それに、怪我したら僕が治してあげるからさ」

 ドクターは争いを好まない性格だが、いざという時の行動力はかなりのものだ。

 普段はあまり見せない従兄弟の表情を見たマリオも、同じ表情で頷き返した。

 そして、マリオとドクターは互いの手を取った。

 

「一緒に行こう、マリオ君!」

「ああ……ドクター!」

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 〜ベルのスピリッツ名鑑〜

 

 ニック

 出身世界:ミミン島があるどこか

 性別:男性

 自由の国マメルカのヒーロー、キャプテン★レインボーの変身前の姿。

 時代の流れで落ちぶれてしまった彼は、再び人気者になるため、ミミン島に向かい、困っている人を助けに行く。

 

 鷹丸

 出身世界:江戸

 性別:男性

 江戸で剣法指南を勤める剣士で、忍術も使える。

 ムラサメの噂を聞いた幕府から村雨城に送られる。

 

 アナ

 出身世界:アースボーンド

 性別:女性

 ニンテンの仲間の一人で、雪国出身の少女。

 明るく無邪気で、子供っぽい性格。

 戦闘ではフライパンと多彩なPSIを使う。

 

 マリン

 出身世界:ハイラル

 性別:女性

 リンクが夢の島で出会った、青い衣の少女。

 穏やかな性格だが、ある事をすると……。

 リンクが夢の島での冒険を終える時、彼女もまた、悲しい結末を迎える。

 

 パンサー・カルロッソ

 出身世界:スペースワールド

 性別:男性

 スターウルフのメンバーの一人。

 美女を見ると口説かずにはいられないほど女好き。

 しかし、パイロットとしての腕前は一流。

 

 チンクル

 出身世界:ハイラル

 性別:男性

 自分を妖精だと思い込んでいる35歳の独身男。

 緑の全身タイツを着ているのが特徴。

 風船で空を飛びながら地図を書いている。

説明
ドクターマリオ救出回。
彼に関しては私独自の解釈になってますのでご注意ください。
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