SHUFFLE&リリカルストーリー 14 |
第十四話 伝えたい思い、そして伝わる思い
「うん。筆記用具は大体買い終わったかな?」
ユーノは先ほど言っていた通りフェイトと二人で買い物に来ていた。なんでユーノが筆記用具を持ってなかったかというと基本的に無限書庫で使うのは万年筆であったためシャーペンなんていらなかったからである。
「うん、大丈夫だと思うよ?」
「じゃ夕飯の材料をかいにいこうか?」
そして二人はくる途中に見かけたスーパーに向かった
二人で食材を見ながらスーパーの中を回る。楽しそうに話ながらたまに頬を赤らめる。
まわりから見るとその様子は年若く初々しい新婚夫婦のように見えた。
しかも二人ともかなりの美形である。
当然まわりからも視線が集まっていた。
まぁ当人たちは全然気にしていないのだが
「これで全部かな?」
「うん、メモに書いてあるのはこれで終わり…………あっ!!」
「どうかした?」
「エリオとキャロの分の歯ブラシが無いんだった。ちょっと探してくる」
そういうとすぐさま置いてある区画に行ってしまった
「ふぅ」
ユーノはそこで一息付く。フェイトと二人で歩くのは……楽しい。
だが自分の気持ちに気が付いてからは心臓がバクバクしっぱなしで隣のフェイトに気付かれないかと、ドキドキしていたのだ。
なにせフェイトが少し笑ってくれただけで鼓動が高鳴るのだから……まぁ、けして嫌ではないのだが
そんなことを考えてる間にフェイトも帰ってきて清算をしてスーパーをでる。
しかしまだ時間があったので来る途中に見つけていた公園によっていくことにした。
「静かだね……」
「うん」
公園に着き、二人はとりあえずベンチに座ることにした。
公園内にはすごしやすい陽気だというのに人は見当たらなかった。ふたりは知らないがここは縁公園、稟と楓、そして桜の思い出の場所である
「ふう、こんなにゆっくりすごすのいつ以来だろう?」
「わたしもひと月くらいゆっくりするひまなかったから久しぶりかな」
まぁユーノのゆっくりしたことがあるは一年くらい前の話なのだが
フェイトはタイミングを見計らっていた。
フェイトは今日のうちにユーノに自分の気持ちを伝えると決めたのだ。
ということで話しだすチャンスを見計らっていたのだが………
(タ、タイミングがつかめない)
と、フェイトが困っていると
「ねぇ、フェイトって好きな人いるの?」
ユーノが話し掛けてきた。それもフェイトが望んでいる方向への話へだ
「え、どうしたの急に」
無難なこたえを返しておく
「ほら、フェイトって局の中でも美人だって評判じゃない?無限書庫の人たちも言ってたしね。
ところが、フェイトには浮いた噂の一つも無いじゃないか?しまいにはフェイトとなのはが付き合ってるっていう噂まで出てたしね(苦笑)。
それでちょっと気になったんだよ」
フェイトは「フェイトとなのはが付き合ってる」というのをきいていったん固まると再起動して
「な、なんでわたしがなのはと付き合ってるっていうような噂が立ってるの!?わ、わたしはレズじゃなくていたってノーマルだよ!!!………それにそんなに美人じゃないし」
ユーノはフェイトの様子に苦笑すると
「フェイトに浮いた噂が一つもなくて、なのはといる時間が多かったからじゃないの?だけどフェイトが美人だっていうのは本当だよ」
ユーノはくすくす笑いながらいう
「あ、ありがとう……まぁなのはと一緒にいることが多かったのは否定しないけど………でも同じくらいユーノといる時間も長かったと思うよ?」
フェイトはユーノの美人だと思う発言で真っ赤になっていたがさりげなくヂャブを入れてみる
「ボクと一緒に居たのは無限書庫でだからあんまり目立たなかったんじゃないの?司書の人たちは外部にはあまり話さないらしいしね」
「そ、そうなのかな?」
が、ふつーに流されたが
実際フェイトは一時期無限書庫に入り浸っていた時があった(執務官試験前)。
ただユーノに迷惑をかけないようにと勤務時間が終わってから行って勉強を教えてもらっていたため目にするものは稀だったが………
余談だが今でもユーノが無理してないか確認するためにときどき(正確にはしょっちゅう)仕事が終わってから様子を確認しにいくようにしている
「そうだよ?で、最初の話に戻るってわけなんだ」
平静を装っているがユーノはかなり緊張している
「ねぇ、そういう人いないの?」
実はユーノ、なにげなく振った話題なのだが自分が知りたかった話題だと気付き緊張しているのだ
フェイトはくちを開くのを一瞬、躊躇したようだったが
「………えっとね。いるよ」
「!!!そうなんだ」
そう答えた。
ユーノはその答えに衝撃を受けたが、それならば自分は身を引いてフェイトの恋を応援するべきだと思い声をかけようとすると
フェイトは重ねるようにいう
「わたしの目の前に………」
「………え?」
「だから……ユーノ、わたしの恋人になってくれませんか?」
ユーノが予想外の言葉に顔を向けるとそこには顔を真っ赤にしながらもユーノを真っすぐに見つめるフェイトの姿があったその瞳には『ユーノに拒絶されるかもしれない不安』が見て取れた。
ただ同時に強い意志を秘めた瞳でもあった
「っつ!!」
ユーノは意識したわけではないが体が動いていた。
無意識の内にフェイトを抱き締めていたのだ。
ただ自然と気持ちは落ち着いていた。
ユーノはフェイトの顎をあげると自分の顔を近付けていく
そして二人は引き合わさるようにキスをした………
「・・・これがぼくの答えだよ。だけどぼくにも言わせてね、フェイト……君のことが好きです、ぼくの恋人になってくれませんか?」
フェイトは惚けていたが我に返って
「………はい」
そこに浮かぶのは『歓喜』そしてフェイトは確認するようにいう
「………ホントに?ホントにわたしでいいの?」
「ぼくのこと信じられない?」
「ちがうよ!でもね……なんだか不安になっちゃって。
……わたしはクローンで人と違うし、時空犯罪者の娘だし………とかね、ユーノが絶対に気にしないようなことでも気になって不安になっちゃうんだもん………。
………ユーノがわるいんだからね、こんなに………どうしようもないくらいわたしを好きにさせてしまうユーノが悪いの………ねぇ、ホントに、ホントにわたしなんかでいいの?」
「うん。というか、フェイトじゃなきゃダメだよ。
だってぼくが一番護りたくて、一番、愛おしくて、一番大切なのはフェイト………君なんだから」
ユーノは胸のなかのフェイトをよりいっそうつよく抱き締める、フェイトも抱き返してくる
ユーノは思う。
(この娘はぼくが護る)
それは誓い。未来永劫絶対に変わらない永遠の誓い。少年の胸に刻まれた尊い誓い………
その日、通じあった思いがあった。
少年の胸のなかの少女の頬をアタタカナ喜びの涙が流れていった………
(ユーノ・・・大好きだからね!!!)
余談ではあるがそろそろ戻らないと夕食が遅くなってしまうのだが、気付かない二人だった
20分ほどして自分達のデバイスである生とバルディッシュに
『主様、大変申し上げにくいのですがそろそろ戻らなければならないのではないでしょうか?』
『サー、そろそろ戻られるべきかと………』
とそれぞれ声をかけられなかったらいつまでもそうしていただろうことは想像に難くない
あとがき
こんにちはグリムです。とりあえず第十四話おおくりしました。とりあえず今回は伝える思いをテーマに描きました。
うまくはないかもしれませんがこれが自分の精一杯です。
これからも精進していくので見ていただけると嬉しいです。
それでは今回はここで失礼します。
説明 | ||
買い物に行ったユーノくんとフェイトさんの話です。 | ||
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