スマブラ Stern des Lichts 第17話 〜 渓流にて
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 一行はシャドウのカオスコントロールで街を後にし、ルカリオが波導を感じた渓流に着いた。

 この渓流にも、キーラによってスピリッツ化した者達がたくさんいた。

 ここに、ポケモンのファイターが捕まっているらしいが……。

 

「ポケモンって、これ?」

 渓流の入り口では、大きな身体のポケモンが眠っていた。

 大きな、とはいっても、身長はミュウツーより少し大きい程度なのだが、体重が460kgもある重量級だ。

「いや、私が見つけたのはこれではない」

「一応、調べておくわ」

 ベルが目の前にいるポケモンを能力で調べる。

「こいつはゴンベが進化した、いねむりポケモンのカビゴンよ。確か、音楽で起こすんだったっけ」

「音楽? じゃあ僕が歌うねー!」

 カービィが歌おうとすると、急いでランスが彼の口を塞いだ。

「むぐむぐ〜!」

「カービィには絶対に歌わせないで。間違いなく大惨事が起こるよ」

 ランスが小声で皆に話す。

 実は、カービィはとんでもなく音痴で、その破壊力はぺんぺん草すら生えず、異なる世界の某ガキ大将や某桃髪の鳥人に匹敵する。

 その危険性を知っているランスは、カービィに歌わせないようにしたのだ。

「むぐむぐむぐ〜!」

「……ランスが押さえている間に、少し乱暴だが、私が戦おう」

 カビゴンはノーマルタイプなので、かくとうタイプの技が使えるルカリオがカビゴンと戦った。

 

「よし、終わったぞ」

 ルカリオは無事にカビゴンを倒した。

 カビゴンは相変わらず、ぐうぐう眠っていた。

「ごめんね〜、カビゴン。ちょっと寝てて……いや、こんな時にも寝てるのね」

 ベルはぐうぐう眠っているカビゴンのスピリッツをスピリッツボールの中に入れた。

 ランスは戦闘終了を確認した後、手を放し、カービィはようやく、ランスから解放される。

「な、何したんだよランス」

「だって、カービィが歌ったら大変な事になるから……」

「う〜ん、僕の歌ってそんなに危ないの? マイク使ったらすっきりするのに」

(((全然気付いてない……)))

 カービィは、自分が音痴である事を自覚していないのだった。

 

 一行が再び歩いていくと、白銀の色合いのハリネズミがいた。

 そのスピリッツは、シャドウには見覚えがあった。

「こいつは、シルバー・ザ・ヘッジホッグだ」

「知っているのか、シャドウ?」

「ああ、荒廃した未来からやって来たが、イブリース異変を解決した……というより、無かった事になったからこいつの未来は荒廃していないだろう」

 シャドウがイブリース異変について説明した。

 メタ発言になるが、ここでは、無かった事になったイブリース異変はソニック、シャドウ、シルバーのみ覚えているという設定である。

「よく知ってるな、俺も記憶にだけだがあるぜ。でも、今はそんな事はどうでもいい。身体が勝手に動くんだ。何とかしてくれ」

「僕が相手になろう」

「うお、危ねっ!」

 そう言って、シャドウは銃を抜いてシルバーに突き付けた。

 凶器を見たシルバーは驚いて飛び退くが、すぐにシャドウのところに戻った。

「……いいな」

「わ、分かったよ」

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「これにて一件落着ね」

『ありがとよ』

 ベルは、キーラの呪縛から解放したシルバーのスピリッツをスピリッツボールの中に入れた。

『で、シャドウと俺はここにいるけど、ソニックはどこにいるんだ?』

「魂を感知しているけど……それらしい魂は見つからないわ。もしかしたら、この世界にはいないのかも……」

『ちぇ、せっかく三人集まると思ったのに。じゃ、俺は大人しくしてるぜ』

 シルバーは残念がりながら、スピリッツボールの奥深くに入った。

 果たして、ソニックはどこにいるのだろうか。

 一行がそんな話をしながら橋を渡ると、赤いスカーフをつけた橙色の恐竜のスピリッツがいた。

「あ、私にそっくりですね〜。ボディも私ですね〜」

「これはプレッシー、背中に乗って川を下る恐竜よ。あんたとどういう関係があるのかは、まだ分かっていないわ」

 ベルが恐竜のスピリッツについて説明する。

 プレッシーは身体が大きいため、背中に乗る事ができる。

 しかし、スピリッツ化しているため、今はプレッシーには乗れない。

「それでは、プレッシーさんの相手は」

「私達がしますね」

 プレッシーには、ソレイユとリュンヌが挑む事にした。

 

「どうでしたか?」

「健康になりましたか?」

 ソレイユとリュンヌの活躍により、プレッシーはスピリッツボールの中に入った。

「ところでベル君、そんなにスピリッツを入れて大丈夫なのかい?」

「大丈夫よ、いくらでもスピリッツは入るから」

 ベルは、スピリッツボールは某猫型ロボットの某ポケットのように、異次元空間になっているので問題はないとドクターに説明した。

 こうして橋を渡り切って奥に進むと、行き止まりになった。

 川は水が激しく流れていて、このまま進むと流されそうだ。

 しかし、渓流の下にある小島には、台座に縛られたポケモンと、宙に浮くスピリッツがいる。

 ここに行くためには泳いでいかないといけないが、川の流れが激しいためにそれができない。

 どうするべきかとベルが考えていると、彼女の前にシャドウが立った。

「飛び込むぞ」

「え、シャドウ、大丈夫なの? あんた、水とか平気?」

「……僕をあいつと一緒にするな」

 シャドウがベルを鋭い目で睨みつける。

 彼は泳げないソニックと同一視されるのを嫌っているようだ。

「分かったわよ。じゃあシャドウ、あんたが最初に飛び込みなさい」

「ああ」

 シャドウは迷わず、激しい流れの川に飛び込んだ。

 そして、高い身体能力を生かし、すいすい川を泳いでいく。

 その速度は、走っている時のソニックと何ら変わりがなかった。

 

「着いたぞ」

 こうして、シャドウは無事に渓流の孤島に着いた。

「大丈夫かな?」

「じゃ、じゃあ、次はボクが行くよ!」

 そう言ってランスは槍を構え、ヘリコプターのように回転させた。

 しばらく空を移動できる技、ワドコプターだ。

「これなら川に落ちないでいけるよ」

 ランスはワドコプターで孤島を目指していく。

 ふらつきながらも、ランスは空を飛び続けていた。

 やがて、体力限界ギリギリのところで、ランスは孤島に着陸した。

「着いたぁ」

「ランスの次は、僕だ! ってうわぁ!」

 カービィもランスに続こうとしたが、足が滑って川に落ちてしまう。

「お〜ぼ〜れ〜る!」

 激しい流れに逆らえず、溺れて流されていくカービィ。

「はぁ、はぁ、疲れた〜」

 カービィは何とか孤島に辿り着いたが、体力をかなり消費していた。

 子供には、かなりの疲労だったようだ。

「……よし、次は俺だ」

 マリオはそう言って、川に飛び込んだ。

 自分の体力は良くも悪くも普通なので、疲れないように身体を動かした。

 結果、あまり体力を消耗しないで孤島に辿り着いた。

「では、次は私達ですね!」

「そうですね、ソレイユ!」

 続いて、ソレイユとリュンヌが川に飛び込む。

 二人は伊達にエクササイズをしていないため、スムーズに泳ぐ事に成功した。

 

 ちなみに、その他メンバーの結果は、こうなった。

 流された:ドクター、ベル、ヨッシー、アイシャ、ルカリオ、りょう

 泳いだ:ファルコン、フォックス、マルス、シーク

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「ふう……着いたぜ」

 最後にファルコンが孤島に着き、一行は全員、目的地に辿り着いた。

「ルカ兄、ここにポケモンがいるの?」

 カービィの質問に頷き肯定するルカリオ。

 その孤島に捕らえられていたのは、水の精霊イスナのスピリッツと……。

「「ピカチュウ!」」

 ねずみポケモン、ピカチュウだった。

 スマブラ四天王の一角であり、第一期からいる最古参のメンバーだ。

 ピカチュウをよく知っているマリオやカービィは、彼の姿を見て目を見開く。

「おい、大丈夫か!」

「ピカピカ! 目を開けて!」

 マリオとカービィは、ピカチュウに声を掛けるも、ピカチュウは目を閉じたまま何も反応しない。

 イスナのスピリッツも、うずくまっていた。

「……ちょっと離れて」

 そう言って、りょうは皆を下がらせて、パチンコを取り出して構え、ピカチュウの台座に弾を放った。

 すると、ピカチュウを拘束していた光の鎖が砕け、解放された。

 同時に、キーラに操られたイスナとピカチュウが襲いかかってくる。

「待ってろよ、ピカチュウ」

「必ず、僕達が助けるよ!」

 マリオ、カービィ、ファルコン、ヨッシー、フォックス、そしてりょうは、ピカチュウとイスナを迎え撃つ体勢に入った。

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 〜ベルのスピリッツ名鑑〜

 

 カビゴン

 出身世界:ゲフリアース

 性別:♂♀両方存在するが♀はかなり少ない

 ゴンベが進化した、いねむりポケモン。

 ノーマルタイプで、特性はあついしぼう、めんえき、隠れ特性はくいしんぼう。

 一日に400kg食べ、カビや毒も無害で消化する強靭な胃袋を持っている。

 寝ている時に誰かがお腹に乗っても気にしない。

 

 シルバー・ザ・ヘッジホッグ

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 200年後の未来から来た白銀のハリネズミ。14歳。

 正義感が強く、真っ直ぐで、シャドウとはまた違った純粋な性格。

 ソニック達より足は遅いが、代わりに超能力を使う事ができる。

 

 プレッシー

 出身世界:キノコワールド

 性別:♂♀両方存在する

 背中に乗って川を下る、橙色の恐竜。

 プレッシーは種族名でヨッシー族との関係は不明。

説明
キャラごとにどういう感じで渓流を渡るのかを表現しました。
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