スマブラ Stern des Lichts 第24話 〜 基地への潜入
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「……う……ぅ……」

 ロックマンは、カービィ達の活躍により正気に戻った。

 今、こうして安全な場所で体力が戻るまでゆっくり休んでいるところだ。

「ロックマン君が元気になったら、基地に行くためにはどうすればいいか教えてもらおうか」

「そうだな」

「それに、あの基地の中からスピリッツの気配を感じるしね……」

 ベルは、扉で入り口を塞がれている工場を見てそう言った。

 扉を開けるための方法が分かればいいのに、とりょうが呟くと、全快したロックマンが起き上がった。

「あ、起きたんだな、ロックマン」

「あれ……ここはどこ……? ボクは一体……?」

「大丈夫? 痛くなかった?」

 正気に戻ったロックマンに、ランスが優しく声をかける。

「うーん、言われてみれば、ちょっと身体のあちこちが痛いような。……それで、ボクに何か用?」

「基地を塞いでいる扉を開けるための方法が分からないんだ。ロックマン君、分かるかい?」

「あ、じゃあ、ちょっと案内して」

「うん」

 そう言って、ドクターはロックマンを扉と装置がある場所に案内した。

 

「この扉を開けてほしいんだね」

「うん。マリオ君と僕が試したけど、うんともすんとも言わないんだ。この装置が怪しいんだけど……」

「……」

 ロックマンは顎に指を置いて、頭を捻った。

 この装置と扉の繋がりはあるのだろうか……そう考えていると、

 スピリッツボールの中からハル・エメリッヒとDr.ストレンジラブのスピリッツが飛び出してきた。

『ハル……この装置、動かせるのでは?』

「あ、オコタンだ!」

『オ・タ・コ・ン。間違えないでくれるかな。……とにかく、やってみるよ。誰か、手を貸してくれ』

「私がやりましょうか」

 リュンヌが挙手すると、オタコンは一時的に彼の身体に宿り、器用に機械を操作した。

 すると、扉は音と共にロックが解除され、一行は基地に行けるようになった。

「やりましたね! 扉が開きました!」

「いや、それほどでもありませんよ、ソレイユ」

「……一体、基地にはどんなスピリッツがいるのだろうか。気を引き締めなければ」

 シークは真っ直ぐに基地の入り口を見つめている。

 彼(?)は、始まる前から本番といった様子だ。

「うむ、油断大敵だな。では、基地に入るぞ」

「うん!」

 一行はルカリオを先頭に、スピリッツが囚われている基地の中に入った。

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「……無機質だな」

「ちょっと怖いよ……」

 基地の中は、冷え切った床や壁が広がっていて、生活感のない無機質な雰囲気だった。

 あまりこういうものとの接触がなかったカービィとりょうは震え、ドンキーは訳が分からず頭にハテナマークを浮かべている。

 一方で、機械に慣れているシャドウとロックマンは平然とした顔で歩いていた。

 シークとルカリオは音を立てないように忍び足で歩いている。

「シャ、シャドウ……平気なのか? ここ……」

「僕自身が人工だからな、気にはならない」

「すげえ……」

 ドンキーが感心していると、目の前に文字が書かれているプレートがあった。

 しかし、プレートの前には、亜空軍の一般兵、プリムのスピリッツが立ち塞がっている。

「これは……亜空軍のプリムか」

「第一次亜空軍異変でも第二次亜空軍異変でもたくさんいたわね」

「だが、相手に不足はない。来い!」

 ルカリオは構えを取り、プリムと戦った。

 

「所詮は一般兵だったようだな」

 プリムの数は多かったが、所詮一般兵であるプリムはあっさりと負けてスピリッツボールの中に入った。

 そして、ベルはプレートの文字を確認する。

 

 この基地には 五つの鍵があり

 扉に入れるは 女王が治めし島国の言葉なり

 五つの鍵を手にせよ さすれば道は開く

 

「女王が治めし島国の言葉……つまり、英語でパスワードを入れればいいのね」

 プレートの左右の道には、「2」と書かれたバリアが張られてある。

 試しにドンキーが触ると、彼の手に衝撃が走った。

「いってぇ!」

「ロックを解除しないとバリアは消えないわよ。まずは、そこから始めましょう」

「ああ……いててて」

 

 一行はプレートがある場所から真っ直ぐ北に進み、横に広がっている部屋に着く。

 部屋の右側の機械には「1」と書かれてあった。

「このスイッチを押せばいいのですね」

 ソレイユが赤く光ったキーボードを押すと、赤いモニターにこの文章が浮かんだ。

 

 それは二組の音と一つの音でできている

 それは多くの服を着る

 それは切れば涙が出る

 

「あら? これはなんでしょうか」

「この問題に答えないとバリアは解除されないみたいよ。じっくり解きなさい」

「え、ええと……」

 ソレイユはモニターに映った文字を読んでいた。

 二組の音と一つの音というのは分からなかったが、「多くの服」と「涙が出る」という文章でソレイユは閃いた。

「あ、分かりました! 答えは玉葱ですね!」

「それを英語にすると?」

「玉葱は英語で……ONIONです!」

 ソレイユがキーボードでそう入力すると、ブン、という音と共にモニターが青く光り、

 さらにファンファーレが鳴って映った文字が大きな○に変わった。

 すると、左側の「1」と書かれたバリアと、北にある左右に分かれた道の「1」と書かれたバリアが消えた。

「あ、正解みたいですね!」

「二組の音はOとN、一つの音はIを指すんだネ。ま、これは二番目と三番目のヒントがあったから簡単だったネ」

「そーなのかー」

 あまり頭が良くないドンキーコングは、とりあえず納得するのだった。

 

「じゃ、次はこっちを通りましょう」

 一行は、次のスイッチを押すため、「1」のバリアが消えた西の道を通っていった。

 すると、上に「2」と書かれた装置と、2つの大型の機械と2つの小型の機械があった。

「ねえ、どれを調べればいいの?」

「えっと……これですわ」

 アイシャは、一番右にある大型の機械を調べた。

 すると、赤いモニターに白字でこの文章が現れた。

 

 それは母なる音がない

 それは崩す事ができる

 それは乗る事ができる

 

「母なる音がない……つまり、その英語には母音が存在しないわ」

「崩したり乗ったりできるものといえばリズムだな」

「へー、ドンキー知ってるんだ!」

「コンガをやってたからな、それくらい知ってるさ」

「それ『だけ』の間違いでしょ」

「うぐっ」

 ベルに茶化されたドンキーは胸を抑えた後、がっくりと項垂れる。

 アイシャはやれやれと言いながら、キーボードで「RHYTHM」と入力し、2のバリアを解除した。

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「1、2と来たら、次は3だね。3はこっちだよ!」

 一行はロックマンの導きで南東に歩き、「1」のバリアがあった道のうち、左側の道を進んだ。

 だが、機械へ行くための道を、キーラに操られたスピリッツが塞いでいた。

 全員、瞳は赤く染まっていて、説得には応じなさそうだ。

「こりゃ、戦うしかなさそうね。ポリゴンには誰が挑む?」

「ボクがやるよ!」

 ランスは槍を構え、マックのボディに宿ったポリゴンのスピリッツと戦った。

 ポリゴンとマックではあまりにも体格が違うため、マックはデフォルメされていた。

「な、なんかポリゴンがきつそうだね……。でも大丈夫、助けてあげるね!」

 

「よし、勝ったよ!」

 ポリゴンのスピリッツは無事に解放された。

 リトルマックのボディは元に戻った後、無理が祟ってバラバラになってしまった。

「ポリゴンはポリゴンでも、こんなポリゴンにしなくてもよかったぞ」

 マリオはポリゴンのスピリッツにそう突っ込んだ。

 妥当なボディが無かったとはいえ、「ポリゴン」に入るとは……と苦笑した。

「次は……きゃ、爆弾を持ったロボット!? こんなのと戦うなんて……」

「邪魔だ」

 アイシャはボンバーマンのスピリッツを見て驚く。

 しかし、シャドウはアイシャを払いのけ、彼と戦うために戦闘態勢を取った。

「僕がこいつと戦う」

「ちょ、なんでいきなり前に出るんですの!?」

「今はこいつでその爆弾を撃ちたくてな……!」

 シャドウはアイシャの突っ込みを流し、こどもリンクのボディに宿ったボンバーマンに拳銃を向けた。

 ちなみに言い忘れたが、ボンバーマンはロックマンの世界のスピリッツである。

「はぁ……機械がたくさんあるからといって、気分が高揚しなくてもよろしいのでは?」

「うむ……確かにシャドウの波導は高ぶっているな」

 アイシャが呆れながらルカリオに愚痴を吐く。

 ルカリオは、シャドウから感じる波導が、ジェフと戦った時のそれと似ていると感じた。

 つまり今、シャドウは「はしゃいでいる」状態になっているのだ。

「50年前に生まれたのに子供っぽいのね」

「シャド兄って、僕より年上なの?」

「シーッ、本人には内緒よ」

 カービィとベルは、今のシャドウを生暖かい目で見守っていた。

 

「これで終わりだ!」

 シャドウの拳銃が火を吹くと、ボンバーマンは光の球となって敗れ、彼のスピリッツはスピリッツボールの中に入った。

「……シャドウさん、満足しまして?」

「ああ」

「あまりはしゃぐのは良くありませんわ。普段はこんな態度ではありませんわよ?」

 アイシャは今のシャドウにはぁ、と溜息をついた。

 普段は落ち着いているシャドウがこんなに気分が高ぶるなんて、と呆れている。

 彼女の態度を見たシャドウは、流石にバツが悪いと感じたのか、銃をしまう。

「……こんな姿を見せてしまってすまん。少し自重するべきだったな」

「分かればよろしいですわ」

 ようやくシャドウを落ち着かせたアイシャは、機械を目指し前に進んでいった。

 一行も彼女についていき、しばらくするとアイスクライマーのボディに宿ったデュオンのスピリッツに遭遇した。

 以前、第一次亜空軍異変で遭遇した強敵だが、ボディがアイスクライマーなので大幅に弱体化していた。

「デュオン……かなり強かったね」

「だが、こうも落ちぶれてしまうとはな……」

 第一次亜空軍異変に関わっていたルカリオとマルスは、落ちぶれたデュオンを見て呆れていた。

 ピカチュウも、デュオンを冷たい目で見ている。

 デュオンは「そんな目で哀れむな」とアイスクライマーのボディで言っているように見えた。

「だが、手加減はしない。行くぞっ!」

「キーラに操られているからね」

 マルスはファルシオンを抜き、ルカリオは構えを取り、デュオンに戦いを挑んだ。

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「……終わったみたいだね」

「ああ……」

 デュオンのスピリッツを解放したルカリオとマルスだったが、彼らの表情は空しかった。

 強敵が弱体化しているため、戦った実感が湧かなかったからだ。

 何はともあれ、これで機械に繋がる道を塞ぐスピリッツを全て解放し、ようやくバリアを解除できる機械を操作できる。

 ファルコンがキーボードに触れると、モニターにこんな文章が浮かんだ。

 

 それは短くも長くもなる

 それはあなたから離れない

 それは闇の中で消える

 

「ええっと……短くも長くもなるし、離れなくて闇の中で消えるのって……分からないな」

 ファルコンは答えが分からず、頭を捻っている。

 そこで、仲間にヒントを聞こうとした。

「おい、シャドウ、答え分か……シャドウ? ……そうか! 答えは『影』だ!」

 ファルコンがキーボードで「SHADOW」と入力すると、モニターが青くなって「○」の文字が現れ、3のバリアが消える音がした。

「まさかお前の名前が正解だったとはな。助かったぜ、シャドウ」

「……別に、礼を言われるような事はしていない」

 ファルコンはシャドウにお礼を言うが、シャドウは素っ気なく返事した。

 アイシャに忠告されたのか、彼はいつものように冷静だった。

 

 一行は3のバリアを解除した後、引き返して今度は右の道へ進む。

 すると、「4」と書かれた機械を塞ぐようにリボルバー・オセロットのスピリッツがいた。

 マリオが彼のスピリッツを解放した後、機械のキーボードを触り、モニターに文字を出す。

 

 それは緑のものは未熟である

 それは決して返せない

 それは一年に一つのみ

 

「一年に一つで決して返せないもの……年齢だな。もっとも、この世界ではそんなの気にしなくていいのだが……。

 でも、年齢って英語でなんて言うんだ?」

「……おい、お前、英語も分からないのか?」

「すまんすまん、ちょっとボケただけだ。年齢は英語でこう言うんだろ?」

 そう言って、マリオはキーボードで「AGE」と入力し、4のバリアを解除した。

「なんか、頭が痛くなって来たわ……」

 ベルは頭を押さえながらそう言った。

 彼女はこんな調子で大丈夫なのか、という気持ちでいっぱいであった。

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 4のバリアを解除した後、一行は南に行って、最後のバリア――5のバリアを解除できる機械がある場所に行った。

 この機械の前にはスピリッツがなかったが……。

 

 それは右が増えると銃になる

 それは全ての動物が持つ

 それは落ちれば二度と拾えない

 

「右が増えると銃、か。右は確か、英語でRIGHTだったな。つまり、Rがつくと銃になるのか。

 それを踏まえて、落ちれば二度と拾えない、全ての動物が持つものは……」

 この問題は、シャドウが解く事にした。

 シャドウが考えに考え抜いた末、キーボードで「LIFE」と入力すると、モニターが青く光って画面に「○」と出た。

「なんでLIFEなの?」

「LIFEにRを入れて並べ替えると、RIFLEとなるわけだ。命が落ちれば、二度と拾う事はできない……」

「へ〜、勉強になるね〜」

「これで全てのバリアは解除された。5のバリアがあった場所に行くか」

「ええ」

 

 こうして、1〜5までの全てのバリアを解除し、一行は基地の奥まで進んでいった。

 奥の部屋は非常に広く、床に落ちたサブマシンガンと、台座に縛られている男を除いて何もなかった。

 シャドウはそのサブマシンガンを拾い、手に持つ。

「ああ、この銃は手に馴染むな」

「シャドウ、また興奮してるの?」

「さぁな。……それよりあいつを解放しないのか?」

「あいつ? あぁ、この人の事だね! えいっ!」

 そう言って、ランスは男を縛っている光の鎖を槍で貫き、打ち砕いた。

 すると、鎖から解放された男が、赤い瞳を光らせて襲い掛かった。

 その男は、伝説の傭兵で潜入のスペシャリスト、ソリッド・スネークだった。

 さらに、彼と同じように操られたロボット、メタルギアREXが襲い掛かる。

「来たな、スネーク! 俺達が相手をしてやるぜ!」

「待ってくださいねぇ〜。私達が助けますから〜」

「言っておくが、バウンティハンターの身体能力を舐めるんじゃないぞ」

「大丈夫、ボクは負けないよ!」

「覚悟はよろしいですの!?」

「スネくん、キーラに負けないで!」

 ヨッシー、カービィ、ピカチュウ、ファルコン、ランス、アイシャは、操られたスネークとメタルギアREXを救うため、戦いを挑んだ。

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 〜ベルのスピリッツ名鑑〜

 

 プリム

 出身世界:争いの世界

 性別:不明

 亜空軍の一般兵で、影虫から生まれた。

 個体の力は弱いが、数が多いのが特徴。

 ブーメランを使うブーメランプリムや、剣を使うソードプリム、火器を使うバズーカプリムなどが存在する。

 

 ポリゴン

 出身世界:ゲフリアース

 性別:不明

 シルフカンパニーが人工的に生み出したポケモン。

 かつてはシージーポケモンだったが、今はバーチャルポケモン。

 ノーマルタイプで、特性はトレース、ダウンロード、隠れ特性はアナライズ。

 進化にはアップグレードとあやしいパッチが必要。

 

 ボンバーマン(ロックマン)

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性型

 岩盤破壊用にライト博士が造ったロボット。

 ハデ好きだが、モノを大事にしない。

 ハイパーボムという強力な爆弾を持っている。

 

 デュオン

 出身世界:争いの世界

 性別:なし

 一組の車輪と前後に青と桃色の上半身を持つ機械。

 青い上半身の方は剣術が得意で、桃色の上半身の方は腕と頭からレーザー砲を放つ。

 誘導弾や、青い方の頭についているブレードでも攻撃してくる。

 

 リボルバー・オセロット

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 本名、アダムスカ。特技は射撃と拷問。

 ソ連のアフガン侵攻に参加した際、敵対するムジャーヒディーンに「シャラシャーシカ」と呼ばれ、恐れられていた。

説明
基地に潜入し、仲間を助けに行きます。
スイッチ解除の仕掛けは、私が勝手に決めました。
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