スマブラ Stern des Lichts 第32話 〜 霧の森の中で |
こうして、スマブラ四天王は全員戻ってきた。
マリオ達は改めて、仲間の大切さを理解した。
「みんなが戻ってきて、本当に良かった。マリおじちゃん、リン兄、ピカピカ、ずっと一緒にいようね」
「だが……こんな楽しい光景を、キーラはちゃんと見ているのか?」
「あいつは歯牙にも掛けていないだろうな。自分の都合しか考えない奴はいつもこうなる」
カービィは素直に喜んでいるが、マリオとピカチュウは神妙な面持ちでそう言った。
そう、こうしている間にも、キーラに利用されている者はこの世界にたくさんいる。
仲間が揃ったからといって、のんびりまったりしてはいられないのだ。
「……」
ルカリオは精神を集中し、捕まったファイターの波導を探知していた。
「……ルカ兄?」
「話しかけるな」
カービィとシャドウが小声で会話していると、精神集中が終わったのかルカリオは目を光らせた。
「ここから北西にある霧の森に、複数の波導を探知した」
「霧の森?」
「その名の通り、霧で辺りが見えにくい森ですわ。視界が悪いので、慎重に進む必要があります」
アイシャは霧の森について簡潔に説明した。
マスターハンドに仕えている関係で、彼女は色々なところを探索しているのだ。
「へ〜、よく知ってるんだねアイシャちゃん」
「この世界の事を色々と覚えておきたいですからね」
「それで、ここから霧の森には何分かかるんだ?」
ファルコンがアイシャに距離を問うと、アイシャは苦い顔でこう答えた。
「ここからだと、歩いて大体15分くらいですわ」
「15分!? ちょっと遠いな」
「だ、大丈夫ですわ。キーラさんの呪縛からすぐに解放すればいいですし」
「……不安だ……」
アイシャの慌てている態度に、ファルコンは不安になった。
しかし、霧の森に行かなければ話は進まない。
一行は北西にある霧の森を目指し、自らの足で歩みを進めていった。
もちろん、敵に見つからないように。
「隠密の基本、音は立てるな。そして、視界に入らないように進め」
「ああ……やっぱりスネークがいて助かるぜ」
そして、スネークのおかげで、この15分の間、一度も敵に見つからずに霧の森に到着した。
「ここが霧の森か……」
「ちゃんと右見て左も見なきゃ、迷っちゃうからね」
霧の森はアイシャの言う通り、薄暗く、霧が立ち込めていた。
魔力も乱れており、
ここではコンパスもあまり役に立たなさそうだ。
ここに入ったら、迷わないようにしっかりと辺りを見渡す必要がありそうだ。
その霧の森の入口には、頭に白い花がついた黄色い芋虫、ハナチャンのスピリッツがいた。
「花を踏んだら怒るからな、気を付けろよ」
「分かったわ! さぁ、かかってきなさい!」
そう言って、ベルは大鎌を振るってハナチャンのスピリッツと一騎打ちした。
「ざっとこんなもんよ」
ベルはノービス級スピリッツ、ハナチャンの解放に成功した。
カービィは波導についてルカリオに聞く。
「ねえルカ兄、波導ってどこにあるの?」
「ここから西にある」
「西か、分かったよ!」
「待て、霧には気を付けろ」
カービィはルカリオの案内で、霧に気を付けながら西に向かって歩いていく。
すると、鎖に縛られた茶色い犬と茶色い鴨がいた。
「ダックハント!」
犬のハントと鴨のダックだ。
台座の下からはダックハントの母体が次々と生まれており、
それがスピリッツに利用されていると理解するとカービィは少し震える。
しかも、ダックハントがいる西は、
リサイクルショップ「R・パーカーズ」の店長、アルパカ夫妻のカイゾーとリサが道を塞いでいた。
「……しかも、よりによってこの二頭はエース級。あんた達、勝てるのかしら?」
「勝てるよ! 絶対に勝てる! だから、僕を信じて! ベルベル!」
自信なさげに言うベルに、カービィは勇気を出してそう言った。
ベルは「なら、いいわ」と、カービィにカイゾーとリサの解放を任せた。
「やったぁ! 勝ったぁ!」
カービィは少しボロボロになりながらも、カイゾーとリサのスピリッツを解放した。
これで、ダックハントがいる場所に辿り着く事ができるようになった。
一行は西に向かって歩いていき、マリオはダックハントを縛っている光の鎖に触れてそれを打ち砕く。
「バァーーーウーーー!」
すると、ダックハントは大方の予想通り、赤い瞳を光らせてマリオ達に襲い掛かってきた。
「待っていろよ、ダック、ハント! 今、俺達がお前らを助ける!」
「僕は、キーラの卑劣な罠には負けない」
「貴方達は縛られる必要なんてありませんよ〜!」
ダックハントの母体をキーラの支配から救い出すため、
マリオ、リンク、ヨッシー、シーク、ファルコン、ベルはダックハントと戦った。
「はっ!」
シークは仕込針を投げつけて牽制し、ダックハントの様子を伺う。
「バウ!」
「うわぁ〜!」
ダックがヨッシーにフェイントをかけてヨッシーが転んだ隙にハントが噛みつく。
「大丈夫か、ヨッシー!」
「はい、私は大丈夫です〜」
「アイスボール!」
「そらっ!」
マリオがアイスボールでダックハントを凍らせ、リンクはマスターソードでハントに斬りかかる。
ヨッシーはダックハントに近付いてキックし、ダックハントを吹っ飛ばした。
「ダークマジック!」
「スラッシュ!」
ベルはダックハントが通る道に魔法陣を設置し、魔法陣を踏んだダックハントの動きを止める。
その隙にファルコンはダックハントをファルコンキックで吹っ飛ばし、シークが上空から百舌改で追撃する。
「よし、いけた」
「バウバウバウバウバウバウ!」
「うわああぁぁぁぁ!」
「きゃああぁぁぁぁ!」
ハントは暴れ回って六人に一斉に射撃を行った。
リンクは盾を上手く使って攻撃を防いだが、それが仇となり他の五人に流れ弾が飛んで大ダメージを受けてしまった。
「ああっ、すまない!」
「その分をカバーすればいいだけだ!」
「了解! 傷よ、なかった事になれ!」
ベルは自らの体力を削って傷ついた味方全員の体力を回復する。
シークはダックハントの背後に素早く回り込み、手刀で急所を突いて大ダメージを与える。
「バァウウウウウウ!」
「……ふっ」
「これでとどめだ! ファルコンパンチ!!」
「ワオーーーーーーーーン!!」
そして、ファルコンが炎を纏ったパンチを繰り出すと、ダックハントは場外に吹っ飛ばされた。
「ワォーン……」
ダックハントはしばらくの間気を失っていたが、数分後に意識を取り戻した。
すると、何故かダックハントはルカリオに懐いた。
「ワン! ワンワンワン!」
「な、何故私に懐いているのだ」
ルカリオは理由が分からず、困惑している。
しかも、誰もハントの言葉が分からないため、ルカリオ含め一行はますます困惑した。
りょうは頭を掻きながら苦笑してこう言った。
「……まあ、仲間が新しく増えたんだし、言葉が通じなくてもいいんじゃない?」
「それもそうだな。
意外にこいつら、息ぴったりだしな」
「ばうばうばーう!」
意外には余計だろ、という風に鳴くハント。
言葉は通じなかったが、一行にはそれだけで今のハントの機嫌が分かった。
「それじゃあ、ダックハントも仲間にしたし、もう一つの波導がある場所に行こう!」
「うむ!」
「わん!」
異色の共演、ダックハント。
犬と鴨のタッグという意外な参戦であったが、その実力は意外にも高いのだ。
〜ベルのスピリッツ名鑑〜
ハナチャン
出身世界:キノコワールド
性別:♂♀両方存在する
ハナチャンは種族名。
頭に花をつけ、多くの足に靴を履いた芋虫。
普段は黄色い身体だが、怒ると身体が赤くなる。
芋虫なので、成長すると蝶になる。
カイゾー&リサ
出身世界:どうぶつの森
性別:カイゾーは男性、リサは女性
リサイクルショップ「R・パーカーズ」の店長を勤めるアルパカ夫妻。
説明 | ||
光の世界のダンジョン探索回その2。 この中であいつが参戦します。 |
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