スマブラ Stern des Lichts 第38話 〜 魔弾の射手
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 オリマー、バンジョー、カズーイを解放した一行はキノコの谷でゆっくりと身体を休ませていた。

 バンジョーは、カズーイが採取した安全なキノコを食べていた。

「このキノコ、美味しいでしょ?」

「うん、美味いね。でも、カズーイ、毒は無い?」

「ちゃんと安全なキノコを採ってきたわよ!」

 あたいを疑ってる気? と鳴くカズーイ。

「いや、念のため聞いただけだよ」

「お〜い、みんな、俺がキノコを使って料理を作ってやるからちょっと待ってよ〜!」

 リンクは既に調理道具を用意していた。

 どうやらキノコを使って料理を作るつもりらしい。

「リンクさん、また料理を作るんですか〜?」

「ああ、お前達には特にたくさん作ってやるからな。腹が減ったら戦はできないからな」

「「「は〜い!」」」

 ヨッシー、カービィ、パックマンの大食い組と、りょう、ランス、ピチューの子供組が喜ぶ顔を見てリンクも釣られて微笑むのだった。

 

「「「ごちそうさま」」」

 リンクのキノコ料理を食べ終わり、食器を洗って片付けた後、一行はキノコの谷を後にした。

 次に一行が行った場所は、山岳地帯だった。

 ここにもキーラに操られたスピリッツがたくさんいて、一行の行く手を阻んでいた。

 しかし、世界を救うためにも、歩みを止めない。

 

「ケケケケケ……」

「幽霊め、消え失せなさい!」

「ギャアー!」

 ベルはゲンガーを大鎌で切り伏せてスピリッツを解放する。

 

「ファイアボール!」

「カオススピア!」

 マリオとシャドウが飛び道具でみしらぬネコのスピリッツを解放する。

 

「ワドスピアスロー!」

「行けっ、赤ピクミン!」

 ランスが槍、オリマーがピクミンを巧みに操りもんばんさんのスピリッツを解放する。

 

「ドラゴンキラー!」

「くく……良い……良いぞ、実に良い!

 もっと……もっとだ……!

 この至上の時は、まだ……まだ……」

 マルスのファルシオンがアシュナードを貫き、彼のスピリッツを解放する。

 

「こんなものかな」

 マルスが辺りを見渡してみる。

 山岳地帯に、キーラに操られたスピリッツはほとんどいなくなった。

「ええ、粗方終わったわね……あら?」

「どーしたの、ベルベル?」

「ちょっとあれ、見て」

 ベルは山岳地帯の西側を指差す。

 カービィが彼女の指差した方を向くと、そこには弓を持った緑のバタモンが光の鎖で縛られていた。

 アリティア王子と共に戦った弓兵、フェレ公子の乳兄弟の弓兵、家族を探している弓を使う村娘と似た色合いだが、纏う雰囲気は彼らより荘厳だった。

「誰だろう? ねえ、聞こえる?」

 カービィが緑のバタモンに声をかけるが、バタモンは全く反応しない。

 それどころか、台座の下からバタモンの身体が次々と生成されていく。

「カービィ、このまま放っておいたらこのバタモンの身体でまたスピリッツが襲ってくるぜ? 助けないのか?」

「あ、そうだね! えいっ!」

 カービィが緑のバタモンに触れると、光の鎖は砕け散り、束縛から解放される。

 すると、バタモンは弓に矢を番え、いきなりカービィに向かって矢を放った。

「わっ! 何するんだよ!」

 カービィが驚いてその矢を避けるが、矢は地面に刺さり、しばらくすると光となって消滅した。

「キーラサマニサカラウモノ……コロス……」

 バタモンは弓を構え、今にも一行に射かけんとしていた。

「こいつもキーラに操られてるのか!」

「そうみたいだね」

 マルスは冷静に相手の様子を見ながら、ファルシオンを抜刀する構えに入る。

「ぼ、僕だって……やるんだから!」

 カービィはちょっと震えながらも、バタモンをキーラの呪縛から解放するべく、迎え撃つ。

「守るべきものを守るために、私も戦おう」

「健康第一、参ります!」

「悪い光はオレが叩き切ってやる!」

「いっくよー、みんな!」

 続いて、ソレイユとオリマーが彼らに続き戦闘態勢を取った。

 ダークリンクも魔剣を抜き、りょうも彼に続いてバタモンと戦う準備をした。

 そしてバタモンが赤い瞳を光らせて襲い掛かった。

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「えいっ!」

 カービィはバタモンを蹴ろうとするが、バタモンは攻撃をかわし、六本の矢を番えて天に向かって射る。

「な、何をしたの?」

「油断するな、攻撃はいつ来るか分からないぜ」

 ダークリンクはバタモンの矢をかわしつつ、魔剣を振って斬りつける。

 オリマーはピクミンをバタモンに投げつけてバタモンの動きを止めていく。

「シネ……」

「うわぁぁぁぁぁ!」

「きゃぁぁぁぁぁ!」

 ダークリンク、カービィ、りょう、マルス、ソレイユの身体に先程バタモンが放った矢が刺さる。

 オリマーは紫ピクミンが守ってくれたためダメージはなかったが、代わりにピクミンが全員死んでしまった。

「まったく……三匹のピクミンを一度に倒すとは、どんな原生生物だ? いや、そもそも原生生物でもないか」

「オリマー、感心してる場合じゃないよ!」

「そうだな!」

 オリマーは黄ピクミンを投げてバタモンを攻撃し、マルスがマーベラスコンビネーションで追撃する。

 ソレイユは飛びかかったがストームには当たらなかった。

「魔法の矢よ!」

 ダークリンクは指先より魔法の矢を発し、バタモンを攻撃する。

 この矢は決して的を外す事がないが、バタモンはシールドを張って魔法の矢を防いだ。

「元に戻ってよ!」

 カービィはバタモンに突っ込んで彼を掴み、スープレックスで投げ飛ばす。

 即座にダークリンクが斬りかかるが、バタモンはぎたいで彼の攻撃を防ぐ。

「ねえってば! ねえ! 僕の声が聞こえる!?」

「キーラサマノジャマヲスルキカ」

「うわぁ!!」

 バタモンを正気に戻すべく、カービィはバタモンに呼びかけるが、バタモンは全く反応しない。

 それどころか、バタモンはやぎりのスラッシュでカービィに斬りかかってきた。

 ダークリンクは歯ぎしりを立て、魔剣を構え直す。

「キーラに操られている以上、いくら呼びかけても無駄みたいだな!」

 ダークリンクは魔剣に闇の魔力を宿して、バタモンに至近距離から攻撃を仕掛ける。

 それはバタモンに対して絶大な威力を発揮し、彼の体力を大幅に削る事に成功した。

「よし!」

「これでとどめだ、行けっ!!」

「グアァァァァァァァァァァァァァ!!」

 そして、オリマーが紫ピクミンをぶつけると、バタモンは吹っ飛び、戦闘は終わった。

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「これで大丈夫だよ」

 ドクターが瀕死になっているバタモンの治療を終わらせると、彼はゆっくりと身体を起こした。

 バタモンの瞳は緑色で、カービィ達と戦っていた時の殺意は見られない。

「ん……ここはどこだ? 僕は何をしていたんだ?」

「実はかくかくしかじかで……」

 バタモンはカービィ達と戦った記憶は無いようだ。

 マルスは分かりやすいようにバタモンに説明する。

 

「なるほど……つまり、光の化身キーラとやらが僕をこんな目に遭わせたんだな」

 バタモンは自分が利用されたと知り、不快な表情になる。

 一行は彼の名前を知らなかったため、カービィはバタモンに名前を聞いてみた。

「ねえ、君は誰なの?」

「僕の名前はストーム。特A級のARTS使いだよ」

「と、特A級!!?」

 特A級――それは、一般的に最強と言われているA級をさらに上回る、世界最強のARTS使いだ。

 なるための条件は非常に厳しく、このランクのARTS使いは、公式にはストームの他にマリオとメタナイトしかいないのだ。

「俺と同じランクのARTS使いがここにいるなんて、信じられないぜ」

「もし敵が来たら、この矢と竜巻で吹き飛ばしてやるさ」

「は、ははは」

「いい仲間が手に入ったわね」

 不敵な笑みを浮かべるストームに、マリオは苦笑する。

 ベルも、心強い仲間が増えた事を喜んだ。

 

「じゃあ、スト君……これから一緒に、キーラから全部取り返そう!」

「……僕にはストームという名前があるがね」

 ストームはカービィに突っ込みを入れつつ、彼が差し出した手を握った。

 こうして、魔弾の射手・ストームが、スマッシュブラザーズの新たな仲間に加わるのだった。

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 〜ベルのスピリッツ名鑑〜

 

 ゲンガー

 出身世界:ゲフリアース

 性別:♂♀両方存在する

 ゴーストを通信交換すると進化する、シャドーポケモン。

 ゴースト・どくタイプで、特性はかつてはふゆうだったが、今はのろわれボディ。

 山で遭難した時に、命を奪いに暗闇から現れる事があるという。

 

 みしらぬネコ

 出身世界:どうぶつの森

 性別:男性

 あなたが汽車の中で出会う変わった猫。

 たぬきちの旧友で、好きな言葉は「猫に鰹節」。

 

 もんばんさん

 出身世界:どうぶつの森

 性別:男性

 一日中、村の門を見張っている犬の門番さん。

 頼りになる方と、ちょっと頼りない方がいる。

 

 アシュナード

 出身世界:戦記の世界

 性別:男性

 デイン王国の国王で「狂王」と呼ばれている。

 18年前に自身以外の王族を虐殺し、国王となった。

 力こそ全て、という実力主義者。

説明
ここは原作とは異なる展開になっております。
アシュリーは勝手にファイターにするには相応しくないので……。
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