夢現(ゆめうつつ) 〜番外短編〜
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「紫鳴様ーーー!! お話、聞いておられましたかぁ!? 聞いてるわけないですよね…」

自分の師である人物に泣きながら話しかけている男がいた。

 

 

「ZZZzzzzzz」

「お願いですから起きてくださぃーーー!!!」

 

お偉い方々が集まるその場所で師が堂々と眠りこけ、弟子が平謝り状態なのは。

 

「申し訳ございませんーー!! 創世(つくよ)様ーー!」

「いや、いつものことだろ? 紅鳴」

 

そう、いつもの事であった。

 

お偉い方々の中に、その紫鳴も入っているのだから問題になることはなく。

周りもまたか?くらいにしか思っていない。

 

「問題ないわけないじゃないですかぁーーー!」

こうも騒がしいこの中でも、紫鳴は眠っていた。

 

 

 

「手荒な事して起こしゃいーだろ?」

「炎焔(ほむら)様!? 僕にそんな事できるわけないじゃないですかーーー!!」

「あーー……、悪かった」

 

 

そう言って紫鳴の肩を引っつかんでグワングワンと揺すりだした。

 

((充分に手荒だ………))

 

 

 

 

パチッ。

 

「………………」

 

 

 

「うっ、変な体勢で背骨が……」

 

バキバキッッ、ポキッ。

やっと起きたと思ったら、こった体をほぐし始めていた。

 

「紫鳴様ーー!! やっと、起きましたかぁーー!!」

「うるさい」

 

ピシャリと言い放たれた師の言葉に固まった弟子であった。

説明
オリジナル小説「夢現」の短編小説。
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