スマブラ Stern des Lichts 第44話 〜 溶岩城へ |
光の神殿は崩壊したが、その中からシモンとピットを助ける事に成功した。
「これからどうしよう……」
「まずは、キーラをどうにかしないといけないわ」
スピリッツやファイターを掌握し、手駒にしている元凶、キーラ。
だが、今はバリアを張っているせいで、キーラに近付く事ができないでいる。
ガレオムを撃破した事でバリアは弱まったが、それでもまだ、キーラには近付けない。
「恐らく、ガレオム以外にも大きな敵は何人か存在するわ。
そいつらを全滅させれば、キーラを守るバリアがなくなるんじゃないかしら」
「そうかもね、ベルベル!」
「それで、ここから近い大きな敵はどこにいる」
「まだ、あそこに行ってなかったでしょ? ピーチが捕まっている……」
「……あそこ……あぁ〜〜〜〜〜〜!」
あそこ……それはフォックスを探す時にベルがピーチの魂を察知した、溶岩城。
一行はフォックスを助けるために後回しにしていたが、ようやく、溶岩城に行ける時が来たのだ。
「でも、溶岩城っていうと、熱くないですか? 寒いところから熱いところに行くと、体調を崩しちゃいますよ?」
「大丈夫ですわ、しずえさん。アレンさんが魔法で何とかしてくれます」
「術は万能な力ではないが……まぁいいだろう」
一行は、再び瑠璃の術で溶岩城の気温を和らげる作戦に出た。
「これで、熱さは和らぎますね!」
一行はシャドウのカオスコントロールで氷山を後にし、瑠璃の術で熱さを和らげた。
そして、溶岩城へ行くための山を歩いていく。
「キング・オブ・ザコの登場よ!」
「おうっ!」
山の入り口にはキノコから進化した種族、クリボーのスピリッツがいた……が、キング・オブ・ザコなのであっさりとマリオに撃破された。
その次に出会ったスピリッツは、竜の姿をした空の精霊、ヴァルー。
ホープ級なので少し苦戦したが、マルスとリンクが協力して解放した。
「結構、この山は高いね」
「そうね……溶岩城はあんなに高いところにあるからね」
ある程度歩くと、途中で道が自然的なものから人工的なものへと変わった。
溶岩城が近くなっている証だ。
そこに行くための道を守っているのは、せいれいポケモンのフライゴン、カンフー使いの俳優フェイロン、クッパの部下のブンブンだった。
いずれも百戦錬磨のスマブラメンバーには敵わず、あっさりと解放されてスピリッツはスピリッツボールの中に入った。
「ちょろいね!」
「甘いな」
「ちょろ甘ですわ」
カービィ、シャドウ、アイシャは、スピリッツを解放した後にこの決め台詞を言った。
そして、一行はついに溶岩城の入り口に立つ。
ここに、キーラのバリアを守っている大きな敵と、捕まったピーチがいる。
マリオはぐっと拳を握り締めた。
「ピーチ……」
「分かるわ。よっぽど彼女の事が大事なのね」
「ああ……。キーラの野郎、ピーチをこんな目に遭わせるなんて許さないぜ」
マリオのキーラに対する怒りは、傍からもはっきりと感じ取れていた。
アイシャは彼を心配しながらも溶岩城に入ろうとする。
「覚悟はよろしいですか?」
「ああ、できてるぜ……!」
「僕もだ」
「じゃあ、行くわよ!」
ベルはそう言って、溶岩城の扉を押した。
ギギィ、という鈍い音と共に、大きな扉が開き、一行は覚悟を決めて溶岩城の中に入った。
「うぅ……術をかけていても溶岩城の中は暑い……」
「そうね……なんという暑さなのかしら……」
ポポとナナが暑さからへばりかける。
彼らは寒さには強いものの、暑さには慣れていないのだ。
「だ、大丈夫よ。でも、溶岩に落ちないでね」
「分かってるよ」
ここから溶岩に落ちれば、即死は避けられない。
カービィは唾を飲み込みながら、慎重に歩いた。
「ここにもキーラに操られたスピリッツはいるのね」
溶岩城で最初に遭遇したスピリッツは、クッパ型のロボット、メカクッパだった。
このスピリッツはカービィが解放し、次に南に進むと、ジュスト・ベルモンドのスピリッツを発見した。
自身の孫という事でシモンは攻撃を躊躇うが、覚悟を決めて何とか彼を解放した。
「ジュスト……祖父を許してくれ」
「もう許しているから安心して。あ、スイッチ発見」
ベルは、向こう側に赤いスイッチを発見した。
しかし、床が透明になっているため、無理に進んだら溶岩に落ちそうだ。
一行は赤いスイッチを後にして、透明な床を作動させるためのスイッチがある場所に向かった。
「戦わなければ!」
「最後まで!」
その途中で、レンスター王子リーフのスピリッツと出会ったマルスは、共に剣を交え、勝利した。
だが、ここに行くための床も、透明になっていた。
「次はこっちだね」
一行は西に行って、ゲッコウガのボディに宿ったシャドーマンのスピリッツを解放した。
その後、横の土管を通ってワープし、その先の道にいるツインベロスのスピリッツを解放、ちくわブロックを渡っていくと黄色いスイッチを発見した。
「これで!」
カービィは黄色いスイッチを踏み、黄色いブロックを出した。
これで、赤いスイッチがある場所に行ける道が開いた。
「10まんボルト!」
一行はホウオウのスピリッツを解放した後、黄色いブロックを通って赤いスイッチを踏み、赤いブロックを出した。
「これで先に進めるわね」
赤い!ブロックを歩きながら、カメックとグラードンのスピリッツを解放していく。
しかし、その先の道も、ブロックが透明になっていて進めなかった。
「点線の色からして、次は紫のスイッチね」
一行は近くの土管に入ってワープし、紫のスイッチがある場所に行った。
ルキナのボディに宿っているアイシャのスピリッツが道を塞いでいたが、ノービス級なので楽々と解放した。
そして紫のスイッチを踏んで紫のブロックを出し、ついに大きな敵とピーチが待つ場所へ行くための二つの道が開かれた。
「まずは、ピーチ姫を解放しましょう」
「ああ。ちょっと遠いが、ピーチは必ず助ける」
マリオは拳を握り締め、元来た道を戻っていった。
他のスマブラメンバーも、彼の後を追いかけた。
そして、最後の紫のブロックを歩き終えると、台座に縛られたピーチを発見した。
「ピーチ姫……こんなところにいるなんて……」
「キーラの野郎……よくもピーチを……」
マリオは歯を食いしばった後、ピーチ目掛けてパンチし、彼女を縛る光の鎖を砕いた。
「……ピーチ」
「ダレナノ……? ソノコエハ……」
操られたピーチは、マリオの事が分からない。
だがマリオには、彼女の苦しみが分かっていた。
「ホ、ホントにピーチ姫なの……?」
「ああ、そうだ。だが今はキーラに操られていて、俺達の敵だ。だから助けてやるんだ」
「戦わなきゃいけないの?」
「ちょっと、こわいでしゅ」
戦いを好まないリュカとプリンは震え出す。
しかし、ここで立ち止まっては、ピーチを助け出す事はできない。
リュカとプリンは覚悟を決めてピーチに戦いを挑む体勢に入った。
「……悪いけど、許さないのはキーラだけだからね」
「罪を憎んで人を憎まず」
「仲間は一人でも多い方がいいだろ?」
「今、其方を光の呪縛から解放してやろう!」
ベルは武器を構え、ドンキーも腕を振る。
そして、マリオも涙を流しながら、ピーチを救出するために身構えた。
「はぁっ!」
マリオはピーチに近づいて彼女を投げ飛ばし、ドンキーがパンチで追撃する。
「PKフラッシュ!」
「えいっ!」
リュカはPKフラッシュでピーチを怯ませ、その隙にプリンはピーチをはたいた。
ピーチは瑠璃の攻撃をかわした後、野菜を引っこ抜いてマリオに投げつけた。
「いてっ!」
「ウフフ……アナタノシニガオガミタイワ……」
ピーチは邪悪な笑みを浮かべている。
操られているとはいえマリオは信じたくなかった。
「俺は、ピーチを助けるまでは、死なない!」
マリオはそう言って、ピーチに正拳突きをぶちかます。
リュカはマリオにライフアップをかけつつ、ぼうっきれやPKファイアーで攻撃する。
ベルは後方から魔法で牽制しつつ大鎌で攻撃した。
「霊剣!」
瑠璃は光の剣を作り出して斬りかかる。
ピーチはヒステリックボムで反撃したが、瑠璃は結界を張って上手く攻撃を防いだ。
「アナタタチ、イガイトヤルノネ」
「当然じゃ……其方を助けるまでは死なぬ……!」
瑠璃の闘志を見たピーチはにやりと口角を上げ、
ゴルフクラブを構えて瑠璃に突っ込み、殴った。
瑠璃は怯みながらもすぐに立ち上がり、ピーチに向けて聖弾を飛ばして攻撃する。
「うおりゃあぁぁぁ!」
ドンキーコングのジャイアントパンチがピーチに命中し、彼女は場外に吹っ飛ぶ。
しかし、ピーチは空中浮遊した後、ピーチパラソルを開いて復帰した。
「しぶとい奴め」
「オンナハシブトイノヨ」
「ならば私もしぶとくいかせてもらうわ!」
ベルは闇を纏った大鎌をピーチに振り下ろす。
ピーチは緊急回避でかわすが、ベルは高く飛び上がって大鎌を叩きつける。
「PKフリーズ!」
リュカは落下したピーチをPKフリーズで凍らせ、ドンキーコングは連続してパンチを繰り出す。
「♪〜♪♪♪〜」
「Zzzzz……」
プリンはその隙にうたうを発動、ピーチを眠らせる事に成功する。
マリオは頷くと、自らの手に炎を最大まで溜めた。
「ピーチ……目を覚ませぇぇぇぇぇぇぇ!!」
そして、マリオが渾身の力を込めたファイア掌底を放つと、ピーチは場外に吹っ飛ばされた。
この瞬間、マリオ達の勝利が決まったのだった。
「……あらら? 私は一体、何をしてたのかしら?」
マリオ達の活躍により、ピーチは正気に戻った。
もう、彼女のボディは二度と生成される事はない。
「大丈夫だったか? ピーチ姫」
「その声は……マリオじゃない……! あぁ……また会えるなんて……!」
ピーチはマリオの声を聴いて涙を流した。
マリオも嬉しくて思わずピーチを抱きしめる。
「こんな城に閉じ込められて、怖くなかったか?」
「当たり前でしょ? 私はマリオが助けてくれる事をずっと信じてたんだから」
「ピーチ……! その言葉を待ってたんだ……!」
操られている間は、ピーチの意識は奥底に封じ込められていた。
それでも、ピーチはマリオの事を信じていた。
その事実にマリオはさらに感動する。
「ピーチ……これからも、俺の傍から離れないでくれ……」
「あったり前じゃない……マリオも私から離れないでよ……!」
マリオとピーチは、再会の喜びからお互いに強く抱き合った。
「……よし」
「残るは大きな敵だけね」
ピーチを助けたため、溶岩城でやるべき事はあと1つ、大きな敵を倒す事だ。
それを倒し、キーラを守るバリアをさらに弱めようと一行は決意した。
「みんな! 用意はできてるかしら? 溶岩城のボスは目の前にいるんだからね。さあ……イッツ、ショータイムよ!」
「「「「おーーーーーーっ!」」」」
〜ベルのスピリッツ名鑑〜
クリボー
出身世界:キノコワールド
性別:♂♀両方存在する
キノコから進化した種族。
腕はないが、発達した頭脳を持っており、頭突きで攻撃する事ができる。
キノコ王国を裏切り、クッパ軍団についたと言われている。
ヴァルー
出身世界:ハイラル
性別:不明
竜の島に住む、竜の姿をした空の精霊。
リト族にとっては、守り神のような存在である。
フライゴン
出身世界:ゲフリアース
性別:♂♀両方存在する
ビブラーバが進化した、せいれいポケモン。
じめん・ドラゴンタイプで、特性はふゆう。
羽ばたいて砂漠の砂を巻き上げる事で姿を隠す。
その音が歌声のようなので、砂漠の精霊と呼ばれている。
フェイロン
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性
香港の映画で活躍する若手俳優。
カンフーの名手で、幼い頃から修行を重ねてきた。
ブンブン
出身世界:キノコワールド
性別:♂
クッパの部下。腕を回しながら突進攻撃をする亀。
メカクッパ
出身世界:キノコワールド
性別:なし
クッパの形をしたロボット。
ゼンマイ仕掛けの簡素な造りになっており、量産をするのが容易になっている。
踏むと一時的に動きが止まって持ち運べるようになる。
ジュスト・ベルモンド
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性
シモン・ベルモンドの孫で、18世紀に活躍したヴァンパイアハンター。
ヴェルナンデス家の血も引き、魔力が高い。
リーフ・ファリス・クラウス
出身世界:戦記の世界
性別:男性
キュアンとエスリンの息子で、ノヴァとバルド、両方の血を引く。
両親が戦死した後は、従騎士フィンに育てられる。
ちなみに、母エスリンはシグルドの妹なので、シグルドの息子セリスとは従兄弟。
シャドーマン
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性型
忍者の姿をしたロボット。人を驚かせるのが好き。
変わり身が早いが、考えが浅い。
武装は手裏剣型の飛び道具シャドーブレード。
ツインベロス
出身世界:冥府
性別:不明
2つの頭を持つ、炎を纏った冥府の番犬。
素早い動きと炎のブレスで侵入者を排除していく。
ホウオウ
出身世界:ゲフリアース
性別:不明
ジョウトの伝説のポケモンで、にじいろポケモン。
ほのお・ひこうタイプで、特性はプレッシャー、隠れ特性はさいせいりょく。
七色に輝く翼と身体を持ち、その姿を見た者は永遠の幸せが約束されるという。
カメック
出身世界:キノコワールド
性別:♂♀両方存在するが♀はとても少ない
眼鏡をかけた亀族の魔法使い。杖で魔法を操る。
知識が深いため、クッパの側近を務める事もある。
グラードン
出身世界:ゲフリアース
性別:不明
ホウエンの伝説のポケモンで、たいりくポケモン。
じめんタイプで、特性はひでり。
雨雲を吹き払い光と熱で水を蒸発させる力がある。
カイオーガと激しく戦った……というのはただの神話だとか。
アイシャ
出身世界:霧を歩く世界
性別:女性
火炎蛇の襲撃で生き残った、ミリニア王国の王女。
仲間が灰の体で蘇ったため、その謎を解くために彼らと共に戦う。
説明 | ||
溶岩城突入回です。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
337 | 337 | 0 |
タグ | ||
スマブラ 長編 オリキャラ | ||
Nobuさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |