スマブラ Stern des Lichts 第48話 〜 穏やかじゃない冒険 |
「俺を助けてくれてありがとう、みんな」
「どういたしまして」
ジョーカーを救出した一行は、楽しく会話しながら火山を下山していった。
アイスクライマーは、もう、こんなに暑いところはもうたくさんだという表情をしていた。
「大変だったな、アイスクライマー」
「だって、僕達は寒いところに住んでるもん」
「火山を歩くのは初めてだったわ。あ〜、疲れた」
ポポとナナは汗をびっしょりとかいていた。
ジョーカーは彼らを「お疲れ様」と労った。
「さて、次の目的地は……」
下山しながら、ベルは次の目的地を探していく。
しばらく歩くと、いかにも近未来的なエリアに辿り着いた。
「あ、ここ見た事あるヨ!」
「知ってるの? パックマン」
「うん! ボクについてきて!」
一行はパックマンの案内で、そのエリアに入った。
まず道中でオービュロンのスピリッツを解放する。
「この丸い場所に乗ると、ワープするヨ。ワープ先は全部決まってるヨ」
「それで、この場所にファイターは捕まってます?」
「ちょっと待っててね……」
ベルはファイターの居場所を察知する体勢に入る。
「いるわ。場所は……あっちね。パックマン、行き方を教えて」
「オッケー!」
一行はパックマンの導きで、次々とワープ床を乗り継いでいく。
カービィはわいわいとはしゃぎながら、あちこちを見ていった。
そしてパックマンの導き通り、着いた場所にはファイターが光の鎖で縛られ、
サイドステッパー(カニさん)とニッキーのスピリッツが取り巻きになっていた。
「このファイターはMr.ゲーム&ウォッチ、通称ウォッチだネ」
「あら、ご存知なのね」
「ボクと同期だから知ってるヨ。でも、茶番はまたあとで。まずは助けてからネ!」
パックマンがパンチを繰り出し、ウォッチを縛っている鎖を破壊する。
鎖から解放されたウォッチは、いきなり一行に襲いかかってきた。
「みんな、来るヨ!」
「……来い!」
パックマン、シャドウ、ジュカイン、しずえ、オリマー、アイスクライマーは、操られたウォッチを迎え撃った。
「いあいぎり!」
ジュカインは素早い斬撃をサイドステッパーとニッキーに放つ。
「えいっ!」
しずえはサイドステッパーをピコハンで叩き、サイドステッパーのスピリッツを解放した。
「元に戻って!」
パックマンはウォッチにフルーツターゲットを投げるが、ウォッチにはギリギリで当たらなかった。
しかし、オリマーがピクミンに指示を出し、数の暴力でウォッチに大ダメージを与えた。
「「アイスショット!」」
アイスクライマーはハンマーから同時に氷の塊を飛ばしてニッキーを攻撃する。
「はっ!」
シャドウはウォッチに体当たりを繰り出す。
ウォッチは反撃を繰り出すが、シャドウが空間をずらしてしずえにターゲットを変えた。
「きゃっ、何するんですかシャドウさん!」
「問題はない」
「問題はない、じゃないですよ……うぅぅ……」
シャドウの無遠慮な発言にしずえが泣きかける。
アイスクライマーはあららと呆れながらニッキーにハンマーを振り下ろし、彼女のスピリッツを解放した。
「むっ、私のピクミンをかわすか」
オリマーはウォッチがピクミンをかわして驚く。
「だったらオレがカバーする! エナジーボール!」
ジュカインは口からエネルギー弾を放ち、ウォッチを遠距離から攻撃する。
「シャドウさん、冷たくしないでくださいね」
「……」
しずえは果物を取り出して食べ、体力を回復する。
シャドウはウォッチに拳銃を撃って攻撃した。
「えーい!」
「カオススピア!」
アイスクライマーはウォッチにハンマーを振り、怯んだところにシャドウのカオススピアが命中。
「元に戻って、ウォッチ!」
そして、パックマンが変身して体当たりすると、ウォッチは場外に吹っ飛ばされた。
今ここに、ウォッチとの戦闘が終わった。
「モウシワケアリマセン。ワタシノセイデアナタタチヲキズツケテシマッテ」
パックマン達の活躍で正気に戻ったウォッチは、ファイター達を攻撃した事を謝る。
「いいんだヨ、ウォッチ。終わりよければ全てよし」
「アリガトウゴザイマス、パックマンサン。オヤ? アナタタチノカオハハジメテミマスネ。ワタシハ、ウォッチトモウシマス」
「私はインクリングのマールだよ」
「わたしは、シーズーのしずえと申します」
「私はシモン・ベルモンドだ」
「ボクはバンジョー」
「あたいはカズーイよ」
ウォッチと第五期のスマブラメンバーは、お互いに自己紹介をした。
「僕はシャドウ・ザ・ヘッジホッグだ」
「ボクはバンダナワドルディ、ランスって呼んでね」
「オレはジュカインだ」
「私はベル・クリーブよ」
「わたしはアイシャ・クルースニクですわ」
「ヨロシクオネガイシマス」
シャドウ、ランス、ジュカインも、非公認の身ながら自己紹介をする。
そしてベルとアイシャも、自己紹介をした。
「ソレデハ、イキマショウ」
「そうだネ。みんな、ボクについてきて」
「ハイ」
一行はワープゾーンを移動しながら、リドリーに宿ったデビル、ピチューのボディに宿ったロトムを解放する。
次に右のワープゾーンに乗り、ドンキーコングJR.、グルッピー、スプラッシュを解放する。
最後のスプラッシュを解放すると、東の雲が晴れ、山と滝が見えるようになった。
「今度は山を登るみたいね」
「山登りなら僕達に任せて!」
「伊達に氷山、登ってないんだからね!」
アイスクライマーは火山のへばり具合が嘘のようにやる気満々だった。
ジョーカーは「ははは」と笑いながら、滝がある山に登る準備をするのだった。
一行は仲間を探すため、滝がある山を登っていく。
「エイハ!」
ジョーカーは呪怨属性の魔界魔法を操り、リップと幼少アルム&セリカのスピリッツを解放する。
「すごいねー、ジョーカー!」
「はは、褒めてくれてありがとう。……おや?」
山を登っている途中で、ジョーカーは壊れた橋を発見した。
「困ったな……俺のペルソナに橋を直す力はないな」
「それじゃ、私に任せて! ((樵三人組|サジマジバーツ))!」
ベルはスピリッツボールの中からサジ&マジ&バーツのスピリッツを取り出す。
『何をすればいいんだ?』
「壊れた橋を直して。このままじゃ先に進めないの」
『分かったぜ、サジ、バーツ!』
『俺達の底力、見せてやる!』
サジ&マジ&バーツは、三人で力を合わせて壊れた橋の修理にかかった。
ノービス級だったが流石は木こり、手早く橋の修理作業が終わった。
「ご苦労様、はい、戻って」
『ありがとなー!』
橋の修理が終わった後、ベルはサジ&マジ&バーツのスピリッツをスピリッツボールの中に戻した。
「さ、行くわよ」
「ああ」
橋が直ったため、一行は先に進めるようになった。
ジョーカーとシャドウは前に立ち、とうさんぞう、ウイルスのスピリッツを解放する。
山は相変わらず高かったが、魔法と食糧で何とかへばらずに登る。
その道中で、一行はノポン族のリキを発見する。
「あ、キミは誰?」
「リキっていうも」
「……子供?」
「リキは子供じゃないも! これでも結婚して子供が11人いる40歳のノポンだも!」
「……えっ、ボクと同じ!?」
リキは、こう見えても妻子持ちの地球で言う中年男性である。
(一応)同じ妻子持ちであるパックマンは、その真実に驚く。
「ご、ごめんなさい」
「初めて見る人は割と間違えるも。それで、リキに何の用だも?」
「今は無いヨ。でも、応援はしてほしいヨ」
「やるも! 頑張れ、頑張れ、だも!」
リキはカムカムを振って、冒険しているスマブラメンバーを応援した。
彼の応援に、スマブラメンバーの士気が上がる。
「ありがとう、リキ。元気になれたよ」
「どういたしましてだも! じゃ、いってらっしゃいだも!」
「いってきます」
「綺麗な滝だね」
リキに別れを告げた一行は、滝を見つつ山を登る。
流れる滝の音が、疲れを癒していく。
「うーん、癒される。リキも応援してくれたし、がんばリーリエましょう!」
「おーーーっ!」
5分後、一行はようやく滝がある山の頂上に辿り着く。
すると、左目が隠れた紫の長髪の、妖艶な容姿をした女性が黒竜に乗っていた。
「カムイ……ああ、カムイはどこ……?」
女性はカムイの名前を呟きながら、ふらふらと空を飛んでいた。
「あれもスピリッツみたいね。解析してみましょう」
そう言って、ベルはそのスピリッツを能力を使って解析した。
「この人は暗夜王国の第一王女、カミラよ」
「うわぁ〜、綺麗ですわ」
「でも、この身体は、ちょっと胸がきついわ」
アイシャは、カミラのスピリッツが宿っているカムイのボディを見て感心する。
カミラはカムイと体格差が大きいため、やや苦しそうな様子だった。
「そこのあなた、カムイを知らない?」
「知らないぞ」
カミラはマリオにカムイがどこにいるかを聞いた。
もちろん、マリオは彼女の行方を知らないため首を横に振る。
「ふうん、知らないのね。なら、あなたはどうでもいい……と言いたいところだけど、あなた達は今、私と対峙してるんでしょ?」
「そうだな」
「あなた、こういう言葉を知らない? 『悪魔は身内には優しい』。でも、『飽くまで』身内だけ。だから……あなた達を殺してあげるわ」
カミラは駄洒落を言いながら微笑む。
しかし、その目は笑っておらず、カミラは斧を構えてマリオ達に襲い掛かってきた。
「これでとどめだ!」
「いやああああああああっ!」
マリオ達は何とか、エース級のカミラを撃破する事に成功した。
ボロボロになったカミラは、ボディのせいでさらに苦しそうな顔をしている。
「私はカムイを見つけられないまま……ここで事切れるの……? ああ、カムイ、カムイ……」
「そんな事はどうでもいい。それよりも……さっさと、カムイから出ていってもらおうかッ!」
ダークリンクは、カムイのボディに宿ったカミラに、激しい言葉を投げつけた。
すると、カミラが頭を抱えて蹲った。
「………………う………………あ………………カム…………イ……………………」
カムイの中から、カミラのスピリッツが抜け出る。
ベルはそれを逃さないように、鎌を構えて彼女を捕まえる態勢に入る。
「捕まえ……たっ!」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ベルの鎌がカミラを一閃すると、彼女のスピリッツはスピリッツボールの中に吸い込まれていった。
そして、カミラのスピリッツが抜け出たカムイのボディは、塵となってこの世から消えた。
「なんか、色々めんどくさい奴だったな、カミラは」
ダークリンクはカミラについて簡素な感想を述べた。
「……うーん、でも、カムカムはどこにいるのかな」
カムイは、あの光を浴びた後、一体どこに消えたのだろうか。
カービィが彼女を心配していると、突然、光の鎖で縛られた金髪碧眼のファイターが姿を現した。
モナド使いの青年、シュルクだ。
台座の下からは、シュルクのボディが次々と生成されていく。
「! どうやら、カミラを倒したためにファイターが現れたみたいだな。彼の母体を解放すれば、また一つ世界は変わる。みんな、覚悟はいいか?」
「うん!」
「いくぞ……はあっ!」
シモンがヴァンパイアキラーを振り、光の鎖を切り裂くと、シュルクの母体が解放され、彼はモナドを構えて戦闘態勢に入る。
シモンと共に前に立っているのは、シーク、ファルコン、ルカリオ、ダックハント、マック。
「……シモン、キミモボクトキーラサマニハムカウノカイ?」
「私はお前を解放しただけだ。だが、キーラには刃向かう」
「フン。ソレト、チョットキノドクナンダケド、キミタチニハ、ヤクソクシテモラワナキャナラナイコトガアルンダ。
エターナル・サイレンス……エイエンノチンモク、ヲネ」
「来るぞッ!」
シモン達は、操られたシュルクを解放するために、彼と戦った。
「モナドアーツ『疾』」
シュルクはモナドアーツを発動し、自身の回避率を上げる。
「「いくぞ!」」
「アタラナイヨ」
シモンとファルコンはシュルクに渾身の一撃をぶつけるが、モナドアーツの効果でひらりとかわす。
「はどうだん」
ルカリオはシュルクに波導の力を溜めた弾を放つ。
シュルクはそれもかわそうとするが、はどうだんはシュルクを狙い、攻撃は命中した。
「ヒッチュウワザダト!?」
「ばうわう!」
「くっ!」
シュルクはダックハントの狙撃をかわした後、モナドでシモンに斬りかかる。
シークはシュルクの行動に合わせて仕込針を投げ、マックが追撃する。
「はっけい!」
「ばうっ!」
ルカリオはシュルクの急所にはっけいを当て、ダックハントはシュルクに早撃ちを仕掛ける。
「ファルコンパンチ!」
そして、ファルコンが炎のパンチをシュルクにぶちかまし、彼を吹っ飛ばして戦闘を終えた。
「はぁ、はぁ……僕は一体、何をしていたんだろう……しかも、見慣れない場所だな……」
シュルクは、自分が違う場所に飛ばされ、しかも母体を利用された事を忘れていた。
「かくしかで捕まったファイターを探している」
シャドウがシュルクに事情を話すと、シュルクはがっくりと項垂れる。
そして自分の警告が間に合わなかった、と謝った。
「未来視《ビジョン》が間に合わなくて、ホントにごめん」
「いや、間に合っていた。だが、相手の方が一枚上手《うわて》だったようだ」
「シャドウ……」
シュルクの未来視による危機回避も、「あの時」はキーラの速さの前に通用しなかった。
フィオルンの事件もあってか、あの時、仲間を守れなかったシュルクの心は傷ついていた。
『シュルク、落ち込まないで』
「フィオルン……!」
そんなシュルクの前に姿を現したのは、フィオルンのスピリッツだった。
『シャドウの言う通り、シュルクの予知は間に合っていた。あなたの行動は決して無駄じゃなかった。
だって、あなたのおかげで、カービィと、シャドウと、ベルを逃がせたじゃない』
「ホントだ!」
微力ながらもシュルクの行動は希望を繋いでいた。
どうして気がつかなかったんだ、とシュルクは思い出す。
『自分を責めないで。シュルクが悲しいと、私も悲しくなるよ。だから、ほら! 笑って!』
「……フィオルン……ごめん、ホントにごめん。そして、絶望の底から引きずり出してくれて、ありがとう」
フィオルンの慰めにシュルクは涙を流した。
そして、シュルクは満面の笑みをフィオルンに浮かべた。
『私、シュルクが勝つ事を信じてるからね』
そう言って、フィオルンはスピリッツボールの中に戻った。
一段落した後、シャドウは立ち上がる。
「……感動の再会といったところで、そろそろ戻るとしよう」
「そうだね、まだ捕まってるファイターがいるしね。じゃあ、どうやって帰ろうか?」
「……滝を降りるか」
「えー? また潜るのー? カオスなんとかを使えばいいのにー」
シャドウの「滝を降りる」という提案に、カービィは少しだけ文句を言う。
「何度もカオスコントロールは使えないと言っただろう。それとも、お前だけここに残すか?」
「……分かったよ」
カービィは渋々滝に飛び込んだ。
そして、他のメンバーも次々と滝に飛び込み、山を脱出するのだった。
〜ベルのスピリッツ名鑑〜
オービュロン
出身世界:ダイヤモンドシティがある世界
性別:男性?
地球侵略(?)にやって来た宇宙人。IQ300。
紀元前1年生まれなので年齢は西暦と同じ。
宇宙船に隕石が落ちる、ロケットに入る、ブラックホールに飲み込まれかける、
見習い魔女に薬の材料にされかかる、など、なかなかのハードラックである。
サイドステッパー
出身世界:キノコワールド
性別:なし
通称カニさん。突き上げると怒って素早くなる蟹。
ニッキー
出身世界:電脳世界
性別:女性
交換日記を趣味としている女性。
デビル
出身世界:どこかの小世界
性別:♂?
デビルワールドの主で、青い身体に赤いパンツ・マント・翼が特徴。
方向を指示して画面をスクロールさせる。
ロトム
出身世界:ゲフリアース
性別:不明
シンオウ地方で発見された、プラズマポケモン。
でんき・ゴーストタイプで、特性はふゆう。
電化製品の中に入って悪戯をし、特殊な機械に入る事で形態も変える事ができる。
ドンキーコングJR.
出身世界:DKアイランド
性別:♂
初代ドンキーコングの息子(ただし、現ドンキーコングの父親かは不明)。
マリオに捕まった父親を助けるため、冒険した。
グルッピー
出身世界:クルクルランド
性別:不明
クルクルランドに隠された金塊を探す謎の生き物。
常に前に進んでおり、棒に掴まって方向を変える。
スプラッシュ
出身世界:どこかの小世界
性別:なし
固体の氷・液体の水・気体の雲に形態を変える事ができる水のセイレイ(精霊)。
絵本の世界に閉じ込められた七姉妹を助けるため、様々な世界を冒険する事になる。
リップ
出身世界:ポップルス
性別:女性
妖精界ポップルスに住む花の妖精(親世代)。
他の妖精よりも魔法の力が弱いため、ステッキの力を借りて魔法を使う。
ポップルスの女王となる運命を背負っている。
アルム&セリカ
出身世界:戦記の世界
性別:アルムは男性、セリカは女性
ソフィア騎士マイセンに育てられたアルムと、ミラを信仰するソフィア王国の王女セリカ。
二人は幼い頃を共に過ごしてきた幼馴染である。
とうさんぞう
出身世界:ヨッシーアイランド
性別:不明
上半身が象で、下半身が卵の生物。
手が描かれた看板を持ち、通せんぼしているが、ヒップドロップでひっくり返る。
ウイルス
出身世界:キノコワールド
性別:なし
赤・青・黄の身体を持っている病原菌。
同じ色のカプセルを繋げると治る、つまり消える。
カミラ
出身世界:戦記の世界
性別:女性
暗夜王国の第一王女。
妖艶な容姿ながらも包容力に溢れる大人の女性で、特に義弟(義妹)のカムイを溺愛している。
しかし、敵に対しては一変し、残酷な性格になる。
戦闘では魔竜に乗り、斧と魔法を使って戦う。
軍の中で一番、お風呂好き。
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