メイドと冥土と鳴動と 第一話 |
冥土の土産とは、良く言ったものだ。
実に、メイドとは?
良心を司る女性、メイド服を着たつまりは、かわいいという特徴が魅力の女の子である。
実に、メイドとは、西洋の最先端であった。萌えというものに興味があるなら、メイドをやるのもアリだ。男には、出来ないからこそ、魅力的なのだ。萌えというものは、そういうものである。
男には、出来ない職業それが、メイドである。
だからこそ、神秘に満ち溢(あふ)れている。それら全てをメイドと言う。
鳴動とは、雷の事である。
天の鳴動が叫ぶのだ。
「メイドを流行らせろ」と。仮谷に。弥栄 仮谷(いやさか かりや)、彼女こそ、メイドの中のメイドである。冥土中のメイドの中で最も、メイドなのである。
冥土とメイドと鳴動と。
苦労せずして、文を書くのは、案外楽しい事である。
時に良作を創ったり、駄作を積み重ねたりして、傑作が出来ていくものである。
今作で出て来るのは、メイド達による冥土の中での出来事である。
冥土を踏んだ事があるか?
このメイドにはあるのである。
主人公・弥栄 仮谷。
本当は借宿と付けたかったのだが、女性名っぽいのでやめた。
そんなこんなで、主人公の名前が決まった。
だが、早速問題が生じた。
彼女の家はどこか?
普通(と言っても、メイドの中の普通であるが、オタク界隈の人なら、思い付く普通である。)、メイドは主人の家に仮暮らしするものである。
主人の名前は、或家 鹿波(あるや かな)。
15歳ぐらいに見える、成人である。ただし、神だが。
彼女が若々しいのは、冥土の住民だからではなく、神固有の若々しさである。幻想の神ゆえ、致し方ない。
メイド・仮谷は、従者ではある。
年齢は年相応に13歳である。
しかし、この冥土では、年を取らないばかりか、永遠に死なない。
天国そのものが冥土なのである。
物語を始めるのは、天の鳴動が「メイドを流行らせろ。」と言った場面からである。
雷が喋るとは、不思議な現象だがともかく、喋るのである。
流行り廃りは数知れず、けれども成就した願いは、案外少ないものである。
その流行りを見てみよう。
「はい。」
仮谷は願いを承諾した。
仮谷は勘違い(必ずしも勘違いだとは限らないが。)をしていた。
その鳴動が神の声と信じていたのである。
実は、これがイエス・キリストなのだが、ともかく、雷様として、神だと思っていたのである。
焦燥に駆られながら、仮谷は仕事を休み、布教活動をしていた。
平日の真昼間に仕事をしていない彼女は浮いていた。
メイド教の勧誘である。
メモ書きで書き上げた文章を読み上げる。
メイド教の基礎的な教理である。
「まず、第一に、主人を敬う事、それに、他のメイドを愛する事。これが基礎的なメイド教の教理です。次に・・・・・・。」
そこへ、メイドを従えて現れたるは、彼の主人・鹿波である。
仮谷の主神(しゅじん)である。
往来には、お使いらしきメイド達と虫も殺さない様な雰囲気の人達、いわば、聖徒らが闊歩していた。
その往来は、普通の往来であったから、それが普通の冥土の風景なのだろう。
しかし、他の風景が懐かしく成る程、聖徒とメイドしかいないのである。
聖徒は同郷であるこの冥土を好んでいたが、メイドには普通の風景であった。
罪悪感に対して、敏感な人達であり、しかも、メイドの方は良心の体現であった。
「どうして、あなたはメイド教などとのたまうのか?」
「神様がそうおっしゃるからです。」
「誰の事か?」
「雷様です。」
ふーむ。鹿波は考え込んだ。
(彼女は何がしたいのだろう。
神様に従いたいのか?
自己主張をしたいのか?
それとも、宗教心があるのか?
それに、仕事をやすんでまで、熱意あふれているのはなぜなのか?
何故、私に反応しないのか?顔を覚えられていないのか?
そもそも、何故メイドなのか?)
「あなたはなぜここにいるのだ。」
威厳あふれる声で、と言っても少女の声だが、鹿波は、仮谷に尋ねた。
「布教の為です。それ以外に理由はありません。」
「それでその「神様」は一体どなたなのか?」
「それは分かりかねます。」
「あなたはなぜここにいるのか?」
冥土とは言え、道端。
それに用事もないのに、メイド服を着ている。
明らかに(冥土にしても)「異常」である。
それに気付いたのか、仮谷はあたふたし出す。
「これは・・・・・失礼しました。」
メイド教は流行らず、収束するのだった。
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メイド達が日常を堪能する話。 | ||
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冥土 メイド 主神(しゅじん) | ||
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