メイドと冥土と鳴動と 第二話
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弥栄 仮谷(いやさか かりや)。

メイドである。

メイドとは、仕えるものである。

メイドであるからして、メイドはメイドである。

仮谷と名付けられたのは、弥栄家の母にである。

谷とも呼べぬ谷で生まれたから、仮谷。

仮谷は、年少の頃、地獄へ行き、そこで育った。

キリスト教の洗礼を受けていない。それだけの理由でである。

だから、地獄というものを見て育ったのである。

彼女が冥土(、つまり、天国)を踏んだのは、ちょうど14歳に成ってからである。

メイドは或家鹿波という主人に出会ってメイドに成ったのである。

つまり、鹿波という人物に心惹かれたのである。

鹿波は、美少女であった。

栗色の髪のポニーテールに白い肌、白の制服の様な地味めな洋服に紺色のスカート。つまり、お嬢様っぽくなかった。

という事で、高ぶらないその格好に惹かれたのである。

目鼻立ちも良く、高貴な感じが出ていた。

その姿に仮谷は、惚れたのである。

その男も女も惹き付ける容姿にである。

逆に仮谷の容姿は、金髪のツインテールの白い肌、白を基調とするメイド服であった。

彼女らは、似た者同士で、語り合う事があった。

 

「この前の神様の事だけど、あれは妄想よね?」

 

「そうではありません。実際に鳴動が言っていた事です。

メイドは流行らずべきだと私も今も思っています。」

 

「そう。熱意は有るわね。」

 

「そうです。やはり、メイド服は栄えます。美少女ならなおの事、実用性のあるかわいいメイドを目指します。女の子に生まれたんですもの。」

 

分かっているのか、自分の事を美少女だと言う。

鹿波は、考えた。

(この子は良い子だけれども、やり過ぎな点があるわね。行き過ぎよ。)

そこで鹿波はこういう事をした。

対話形式で、こういうやり取りをしたのである。

実は、この鹿波、正式名はクリスティーお嬢様という名前である。

第三世界、つまり、冥土の主(あるじ)である。

天国とも呼ばれるそこは、この鹿波によって統べ治められていた。

その一端がこの主従関係にある。

 

「取り決めをしましょう。まず、自分の考えを述べる事、それから、影響を受けた事を筋道立てて述べる事。

他人の意見を尊ぶ事。それから、物の見方を考える事。それらは必要事項ね。」

 

「なるほど、まず・・・・・・、自分の考えを述べる事と。」

 

「それから?」

 

「・・・・・・・自分に影響を与えたものを述べる事と。」

 

「それから?」

 

「・・・・・・・・・・・・・他人の意見を尊ぶ事と。」

 

「それからそれから??」

 

「多分・・・・・・・・・・・・、物の見方を述べる事・・・かな。」

 

こういうやり取りをして、主従は、関係を深めていくのだ。

 

「万事良く出来ました。よしよし。

あなた方も参考になさってください。

オタクの皆様。」

 

画面に向かって、鹿波が話し掛ける。

これにて、2人の会談を終えるのだった。

 

「驚かないで下さいね。私は、神。画面の外に話し掛ける事ぐらい、容易いですから。

初めまして、或家 鹿波(あるや かな)です。よろしくお願いします。

幻想の神をしています。字を書いている人なら分かると思いますが、私が創作物の親です。

あなた方は、私からのテレパシーを受け取って、行動しているのです。

決して、この世の不思議が単体であると思ってはいけません。

常に、幻想の神によって、伝えられているのです。

この人は、これ。あの人は、それ。と私が決めているのです。

決して、自由気ままにやっている訳ではありません。

ですが、自由意志は時に、名作を生みます。

良作も生みます。

それが楽しいので、私は手助けをします。

あなたの後ろにも、幻想の神があります。

それは、中途半端な神ではなく、真(まこと)の神です。

私は神、あなた方は、人。それだけなのです。

神の恩恵に預かりたいなら、何かを犠牲にしなさい。

それでやっと、一人前なのです。

もう少し、上手く書けないかと、作者に問います。作者は、”本気出します。”と言います。

よろしいでしょうか?オタクの皆様???」

 

幻想の神とは、クリスティーお嬢様、つまり、鹿波である。

だからこそ、画面の中から話し掛けられたのだ。

そう、彼女は、神なのである。

だから、異性を好む。同性は同性で好む。

神と人間。

メイドと冥土と鳴動と。

こんな所に、不思議があるとは、思わなかったろう。

鹿波こそ、神。主(しゅ)である。

何か言いたい事があるだろうか?

コメント欄で受け付けているから、どんどん来なさい。

きっと、鹿波が答えてくれるはず。

廃人覚悟の字書きに転向したから、どんどん来なさい。

説明
メイド達が日常を堪能する話。
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