スマブラ Stern des Lichts 84 〜ホントの最終決戦へ〜 |
ついに、スマッシュブラザーズはキーラとダーズに捕らえられた全てのファイターを救出した。
マスターハンドとクレイジーハンドも、キーラとダーズの支配から完全に解放された。
「みんな、よく私達を解放してくれた」
「私達のコピーも全員倒してくれて、ありがとう」
「正直、また操られるとは思わなかった。また不覚を取ってしまった……すまない」
「いいんだよ、結果オーライでしょ?」
マスターハンドは二度目の洗脳を受けた事を謝罪するが、カービィは笑みを浮かべて許す。
「ありがとう、スマッシュブラザーズの代表よ」
「このたびは本当に、感謝する」
「え、えへへへへ……」
二つの手袋はカービィに心を込めて感謝した。
カービィは嬉しくて照れてしまい、頭を掻いた。
「パルテナ様、本当に無事でよかった……!」
「ピット……心配してくれて、ありがとう」
「けっ、女神のフンめ」
ピットとパルテナは、互いに手を握り締めた。
ブラックピットは、冷めた目で二人を見ている。
だが、彼女の事を全く認めていないわけではなく、その証拠に、彼は目を離さなかった。
「お帰り、みんな」
マリオは改めて、スマブラメンバー全員を見返す。
キーラとダーズに囚われたファイターは、もう、どこにもいなかった。
後は、彼らを倒せば、この世界は救われる――
「とにかく、これでみんなをキーラとダーズの支配から解放できたわ」
「スピリッツも均等に解放できたみたいしね」
ドクターとベルが空を見上げる。
光と闇のオーラは、二人の言う通り、均等に広がっていた。
これでキーラとダーズを倒す事ができる。
スマッシュブラザーズは歩みを止めず、光と闇が混ざる空間の最も奥に辿り着いた。
すると、マスターハンドとクレイジーハンドが、交差するように飛んでいく。
互いに身体をすり合わせ、エネルギーが発生する。
エネルギーを纏ったマスターハンドとクレイジーハンドは勢いよく空間に体当たりした。
すると、空間に開いた亀裂が大きく広がり、大きな渦となって姿を現した。
「この先に、キーラとダーズがいる」
「だが、ここから先に行けば、決着がつかない限りこの空間には戻れなくなる」
「……それでも」
「行くのか?」
マスターハンドとクレイジーハンドが、後戻りはできない、と最終警告をする。
もし負けてしまえば、争いの世界の未来はない。
それでも、スマッシュブラザーズ全員の表情に、迷いは一切見られなかった。
「当然だ! 争いの世界を滅茶苦茶にしたキーラとダーズを、そのまま放っておくわけにはいかねぇ!」
「皆を利用したという罪を、その身に受けてもらうために……」
「たとえ何が起こっても、僕達は絶対に諦めない!」
「俺達の未来は俺達で決める……キーラとダーズなんかに、未来を決められてたまるか」
スマッシュブラザーズを代表して、マリオ、リンク、カービィ、ピカチュウは言う。
覚悟を決めた四人の目を見て、マスターハンドとクレイジーハンドは頷いた。
「私達が道を拓く、君達は先に進め!」
「ああ! 行ってくるぜ!」
「絶対に勝って、帰ってくるからね!」
スマッシュブラザーズは全員、空間の向こう側に飛び込んでいった。
「こうして全力で戦えるとはな」
「ああ、いつぶりなのだろうか」
「この世界が解放される事を、わたしは信じておりますわ」
「前だけ見なさい、背中はお守りいたします」
「ガギャアアアアアアアア!」
「勘違いするなよ、リドリー。私とアンタはあくまで、利害が一致しただけさ」
その場に残ったのは、マスターハンド、クレイジーハンド、アイシャ、ドリィ、リドリー、ダークサムスの六人だった。
アイシャとドリィは主のため、リドリーとダークサムスは利害の一致のため。
だが、この世界を救いたいという気持ちは、変わらなかった。
「……来たぞ!」
「ええ!」
「スマッシュブラザーズよ、世界はあなた達が救うのです」
「私達もこの戦いに勝つ!」
亀裂の中から、光と闇のファイターが現れる。
マスターハンド達は彼らを迎え撃つべく、戦闘態勢に入った。
「ゆくぞ!」
「せいやぁっ!」
マスターハンドが手を叩きつけて、光と闇のファイターを一掃する。
クレイジーハンドも暴れ回ってキーラとダーズの手下を攻撃した。
「流石ですわ、マスターハンド様!」
「クレイジーハンド様……」
アイシャとドリィは、この世界の神であるマスターハンドとクレイジーハンドに感心した。
だが、ただ立っているだけでは従者とは言えないため、アイシャとドリィも主を援護しに入った。
「キーラサマ、キーラサマ、キーラサマ!!」
「させません! ド・ゲイト・デ・テラ・マ・ギ!」
ドリィは光のファイターに魔法の矢を乱射する。
まともに食らった光のファイターは次々に光となって消滅した。
アイシャは闇のファイターに対し、防戦している。
「ゴガアアアアアアアアアアアア!!」
「フェイゾンに飲まれな!」
リドリーとダークサムスは全力で光と闇のファイターを攻撃した。
その攻撃は苛烈にして過激、全く容赦がなかった。
「くっ、まだ来るか!」
しかし、光と闇のファイターが消える気配はない。
それどころか、周りの力を吸収してさらにパワーアップして襲ってきた。
「ぎゃああああ!」
「危ない!」
ダークサムスは場外に吹っ飛ぼうとしたが、マスターハンドが彼女を受け止めた。
「アンタ、何するんだい!」
「文句を言っている場合じゃない。君もスマッシュブラザーズの一員なんだ。宿敵が消えるのは、困るだろう?」
「……当たり前さ!」
「だったら、私達と協力するんだ」
「分かったよ……」
今はいがみ合っている場合ではない。
ダークサムスは渋々ながらも、武器を構え直した。
「きゃぁぁぁっ!」
「ゴガアアアアアアアアアアアア!!」
アイシャに襲ってきた闇のファイターは、リドリーブレスにより燃え尽きた。
さらに、リドリーは油断した光のファイターに不意打ちをかけて体力を徐々に削り、まとめて掴んで動けなくする。
すぐに相手を倒すよりも、いたぶる方がリドリーは好きなのだ。
「皆様……」
アイシャは、キーラ襲撃の時に逃げてしまった。
だが、今は逃げずに敵に立ち向かっている。
全ては謝罪のために、そして、争いの世界に平和を取り戻すために。
「ふふふ、頑張っていますね」
「ドリィさん……」
そんなアイシャの隣で、ドリィは微笑んでいた。
彼女のその姿に、感心したからである。
最早敵味方の区別は無く、皆、一丸となって、キーラとダーズの脅威に立ち向かっていた。
これこそが、真のスマッシュブラザーズだろう。
「私達は必ず、光と闇に勝つ!」
「だから、信じてくれ!」
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今回と次回は激しい戦いになるでしょう。 バグなしでマスターハンドを操作できるなんて、感動しましたよ。 |
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