魔神達の幻想入り 第19話 |
レミリアに夜の散歩でもしてくるという前に彼女は即答で許可を出し、俺は早速森に入る。
さて、森といったらまず現れるのは妖怪だ。し俺にはどんな妖怪がいるのか見等がつかないが、サイを襲った妖怪は間違いなくこの森にいるはず・・・。
そんな中で歩いているうちに湖にやってくる向こうが闇に包まれて良く見えないが、森のほうの影にはチルノが寝ているのが見えた。あいつがどれだけ強くなるかは楽しみだと俺は優しく見守りながらその場を去る。
殺風景もあるが、夜空が綺麗だ。フランがこれを見せたらきっと気分が晴れるだろうに・・・とその時、俺の体に突如異変が起きる。フランの体から元の体へと戻ったのだ。よかった、やっぱり元の体が一番だな・・・と喜んでいると、見たことない洋館が目の前に現れる。
ジュウゴロウ「森の洋館にしては古すぎるな・・・」
こういう場所には幽霊がいるって話なので、俺は幽霊と相手することに決定して、洋館へ突入した。
ジュウゴロウ「サチコー?いるかー?・・・って、いるわけないか」
因みにサチコとは、森の洋館で知り合った幽霊少女である。たとえるなら俺の妹分というべきか・・・。と、目の前にあったドアを開けようとしたその時・・・
ガチャッ
ジュウゴロウ「おっと・・・ん?」
「・・・誰?」
扉が急に開いたので避けると、そこにはここの館の住人が出てくる。薄い水色の髪をした少女と茶髪の髪をした少女である。
ジュウゴロウ「俺は通りすがりのトレーナーだが・・・ここの住人か?」
「悪いけど、今それどころじゃないのよ」
「早く私のトランペットを返してもらわないと・・・」
ジュウゴロウ「? それって何のことなのか聞かせてくれるか?」
「・・・ルサナ姉さ〜ん、ちょっと来てくれる〜?」
まだ誰かいるようだ。呼んですぐ、今度は金髪の少女がやってくる。
ジュウゴロウ「さっきその子に聞いたが、トランペットがどうかしたのか?」
ルサナ「ん〜とね、メルランのトランペットが変な幽霊に盗まれたんだって・・・」
話を簡単にまとめると、最初にルサナ、メルラン、リリカは姉妹で、メルランの愛用するトランペットが赤い目をした幽霊に盗まれたらしい。
まさかと思って俺は図鑑を取り出し、あるポケモンを姉妹に見せた。
リリカ「それだよ!その幽霊がメルラン姉さんのトランペットを盗んだんだって!」
ジュウゴロウ「ゲンガーか・・・」
シャドーポケモン、ゲンガー。このポケモンを持つトレーナーに心当たりがあったが、そんなことはあり得ない。そのトレーナーとは俺の親友であるサイだが、今は慧音の家で生活しているゆえに彼の容疑は省かれてしまう。
だがそこに疑問が浮かぶことになる。では、あのゲンガーは野性なのか・・・?それとも俺達以外の他のトレーナーがいるのか・・・?
とにかく迷うわけにはいかない。まずは盗まれた場所へ急行し、その時の状況を聞くことに。
メルラン「ここで練習してたら急に襲ってきちゃって、トランペットを素早く盗むとあっちの方へ飛んで行っちゃったの」
東の方向に指をさしてメルランは言う。俺がポケギアで調べたその方向は、妖怪の山と表示される。
妖怪の山といえば、バルト、エビス、ベンケイが住んでいる山なのだがほんとにそれ以外のトレーナーがいるのか?それだけで何かやな予感がしそうだった。
しかし跡を追跡できる方法が俺にはあった。ゲンガーの周りにいる物質は冷えた感じとなり、俺はその温度を頼りにしているのだ。
メルラン「本当に見つかるの?」
ジュウゴロウ「大丈夫だ。大分近くまで来たからもうすぐ見つかるぜ」
反応はどんどんと強くなっている。このまま歩けば付近にたどり着くと思っていたその時、6時の方向から何かが猛スピードで近づいてくる。
何かと思い後ろを向けば、なんと2本の角を生やした少女と1本の角を生やした女が現れたのだ。
ジュウゴロウ「何者だ!!」
俺はカードを構えて問い詰めた。
「技の萃香!!」
「力の勇儀!!」
萃香・勇儀「山の四天王、参上!!」
・・・・・・・・・・
ジュウゴロウ「・・・二人足りないぞ?」
勇儀「んなことは気にしないほうがいいぜ」
萃香「とりあえずさぁ、酒飲むか?」
ジュウゴロウ「断る。俺達は急いでるんでな・・・・・・一つ聞くが、変な幽霊を見た覚えはないよな?」
萃香「ん〜・・・どうだったかな勇儀?」
勇儀「そういえば見てたな。黒い影をした幽霊が・・・」
やっぱり!
ジュウゴロウ「何処へいったかは教えてくれるか?」
萃香「それがただではいかないんだよなぁ〜・・・」
勇儀「そうそう。条件ってのがあるんだしさ・・・」
ジュウゴロウ「弾幕勝負か?」
2人は頷く。
それもいいかもな。なにせ、練習相手にはいい感じなのだから・・・。
ジュウゴロウ「お前らは先に行け。あとで追いかける」
メルラン「でも、一人でいいの・・・?」
ジュウゴロウ「一人で戦うのが俺の主義さ。さぁ、早く行け」
メルランは俺の言うとおりにしながらルサナ、リリカと一緒に奥へ走っていった。
勇儀「へぇ・・・ヒーローみたいな奴だな、お前」
ジュウゴロウ「むしろ俺は悪さ。もう一つ聞くが、お前らの生えている角は自然か?」
萃香「そりゃ鬼だから」
意外な事実に俺は納得した。この世界にはどうやら鬼もいるらしい・・・。
ジュウゴロウ「いいだろう・・・俺の名はジュウゴロウ。別の名では萃香と同じように技の鬼と呼ばれてる男だ・・・」
勇儀「鬼合戦ってわけか。悪くないな」
指鳴らしをする勇儀。
萃香「やるぞ〜!」
腕を回す萃香。
そしてカードを前に出す俺の3人だけの激闘が、今始まった。
ジュウゴロウ「皇符「皇帝ペンギンシュート」!」
勇儀「鬼符「怪力乱神」!」
目の前にあった小石を蹴ると、炎を包んだペンギンの姿となって勇儀へ飛んでいき、対する勇儀はキックではじき返す。
ジュウゴロウ(うおっ!戻ってきやがった・・・!)
こっちへ飛んできた弾幕を俺は体を90度仰向けに体を曲げて回避。弾幕は木に激突した直後に大爆発を起こす。と、そこへ萃香が紐で吊るした瓢箪を振り回す。
萃香「当たると痛いぞ〜」
ヤバい、この体勢から立て直せれないと思った俺はやむを得ずに体をわざと地面へ倒れるようにしてバランスを崩す。間一髪で飛んできた瓢箪を免れると、すぐにカードを取り出す。
ジュウゴロウ「鏡符「デメンショントリック」!俺のスピードについてこれるか!?」
目の前に鏡が出現し、俺はその中へ吸い込まれる。
勇儀「!? 何処へ行きやがった!」
ジュウゴロウ「俺はここだ」
勇儀の後ろを捉え、右ストレートをかました後にまた鏡の中へ消える。ヒットアンドアウェイである。
萃香「今度は何処だ〜?」
ジュウゴロウ「正面からだ」
お次は萃香の目の前に出現して角を掴む。俺の考えでは彼女が案外使えそうに見えていた。つまり・・・
ジュウゴロウ「必殺鬼バット!!」
萃香「ほわぁぁぁぁ〜〜っ!!??」
萃香は悲鳴を上げながら引きずられる。それは人間をバット代わりにするという荒技であるのだ。
これなら勇儀からは抵抗できないと思い、また鏡の中へ消える。
勇儀は覚悟を決め、出てきたところを振り回す前にカウンターで反撃にすることにした。その瞬間、目の前に鏡が出現する。
隙だらけだと勇儀は見切ってパンチをかます・・・しかし彼女はそれをやめ、すぐにキャッチした。その正体はなんと萃香だったのだ。
勇儀「囮!?じゃああいつは何処へ・・・!?」
ジュウゴロウ「上さ」
勇儀が声のした方向に向くと、俺は真上から降下してくる。
ジュウゴロウ「チェェェェストォォォォォォォッ!!」
踵落としが直撃した直後に衝撃波が発生し、二人は力負けするように吹っ飛ばされてしまう。
勇儀「な、なんて無茶苦茶な奴だ・・・だか!」
萃香「まだまだぁ!!」
萃香が力をためると、今度は巨大化を始める。全長10メートルといったところの大きさだ。
ジュウゴロウ(なんて野郎・・・!)
萃香「ぺちゃんこにしてやる〜〜!!」
本気になったのか、萃香は足を上げると俺の頭上に向けて踏み潰しにかかった。
グシャッ
地面は凄い勢いでヘコんでしまう・・・と思いきや、萃香の足がじりじりと押し返される。
萃香「いっ!?」
ジュウゴロウ「おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!!!」
なんと俺が両手で受け止めていたのだ。お返しとして一発パンチをかますと、萃香はバランスが崩れそうになりな掛けながら後ろへ立ち下がる。
勇儀(萃香の足を受け止めやがった!!なんて馬鹿力だこいつ・・・!!)
萃香はまた俺のほうへ走り出してきたと思いきや、今度は小さくなり、小さい萃香が多数に分裂して俺の体に引っ付く。
萃香(A)「かかれーっ!!」
萃香(一同)「オ〜〜ッ!!」
チビ萃香達は俺を数で押しつぶそうかとしてるように圧し掛かってくる。この状態ではスペルカードが使えない!っていうか、ポケモンも出せない!大ピンチだ!!
勇儀「よしいいぞ!このままいけば私達の勝ち・・・」
ジュウゴロウ「くそったれぇぇ〜〜〜っ!!」
やけくそとなったのか、また俺の馬鹿力でチビ萃香達が吹っ飛んでいく。しかし体力の消耗が激しすぎる。短期決戦といくしかない!
ジュウゴロウ「こうなればこれだ!!いくぞチルノ!!」
俺は1枚のカードを握ると、光った直後にチルノが出現して俺の横へ並び、二人同時にポーズをとる。
ジュウゴロウ「氷皇「スターチルノハリケーン」!!」
手から強烈な猛吹雪が竜巻状で発生。この威力に驚く二人は一か八かで最後の手段を行う。
萃香「四天王奥義「三歩壊廃」!!」
勇儀「四天王奥義「三歩必殺」!!」
・・・・・・・・
萃香「おーい、大丈夫か〜?」
ジュウゴロウ「う・・・あれ?俺は・・・」
勇儀「自分からカード使って気絶なんかしたから驚いたぜ。しかしこの威力はなんなんだ?」
そう言われて勇儀の後ろを見てみると、目の前が氷の世界のような風景となっていた。でもなんでこの二人は凍ってないんだ?食らってるならそうなはずだが・・・
勇儀「私達の弾幕のおかげでギリギリガードできたからヒヤッとしたよ。氷だけにな」
萃香「まっ、寒いときゃ酒飲めば暖まるっしょ!」
ジュウゴロウ「・・・俺の負けか」
勇儀「何言うか、この威力に驚かされたんだからお前の勝ちだよ!」
萃香「酒飲むか〜?終わったあとの酒ってうまいぞ」
ジュウゴロウ「いや、結構だ・・・姉妹の元に行かなきゃ」
俺はメルランのトランペットを探すのを手伝うためにここまで来たんだ。先に行かせたんだから早く追いつかなくてはならないのである。と、その時
「あの男ッスか?ここまで連れてきてくれたのは」
ルサナ「そうでーす」
ジュウゴロウ「! お前ら!」
姉妹が怪しげなおっさんと一緒でやってきた。しかもメルランの手には愛用のトランペットがある。
メルラン「あの幽霊はこのおじさんが飼っていたものなんだけど、そこの鬼を見たときに驚いて逃げちゃったみたいだって!」
ジュウゴロウ「飼っているって・・・まさかお前、ポケモントレーナー!?」
「いかにもさ。私はロウダイだ」
ロウダイ・・・って、もしかして!
ジュウゴロウ「お前、幻のポケモントレーナーって言われてたあの・・・」
ロウダイ「いい質問だねぇ。実は幻となった理由は紫って言ういい女に捕まっちゃったせいでここへ連れてこられたわけさ。だが今でもいい女がここにいるじゃないか!」
と言いながら勇儀に近づき手を握る。
ロウダイ「どうかな?私と一緒に酒でも・・・んがっ!!」
ジュウゴロウ「ふざけんじゃないぞこの変態オヤジが・・・(怒)」
俺はすぐに勇儀から振り払う。しかし勇儀はというと・・・
勇儀(あいつ、めっちゃタイプかも・・・///)
一同はロウダイのいる小屋に移動した。
ロウダイ「へぇ、君は現役のポケモントレーナーってわけかぁ・・・」
ジュウゴロウ「まさかあんたも紫に連れ去られるとはな・・・しかし何故狙われたんだ?」
萃香「ジュウゴロウは神隠しって知ってるか?その一人が紫なわけで、何度も紫によって外来人がここへ来るみたいなんだって」
神隠しとは突然と姿を消すという奇妙なことである。要するに俺達は神隠しにあってしまったとうわけらしい。するとロウダイは、
ロウダイ「実はこの幻想卿で最近からポケモンが出現しているらしいんだが、お前は何か知らないか?」
ジュウゴロウ「ああ。ジラーチとロトムを見つけて、今はこっちが預かっている。なぜそんなことが?」
ロウダイ「異常な現象が起きているからさ。証拠にほら、あそこにある木の板を見ろよ」
みんなはそれを見て驚いた。木の板が芸術みたいな形でねじり曲がっているのだ。
リリカ「なんなのこれ?」
メルラン「曲がってる・・・」
ルサナ「なんかすごいね・・・」
ジュウゴロウ「いや待て!!まさかこれは・・・」
ロウダイ「パルキアの仕業さ」
勇儀「それってウマいんか?」
ジュウゴロウ「空間ポケモンだ。またの名を、空間の神っていうが・・・そいつがポケモンをこちらへ転送しているというのか?」
ロウダイ「あり得ない話でもないさ。パルキアならそのことは可能だが、独自でやっているようなに思えないんだよなぁ・・・」
ジラーチやロトムがここへ来た理由がパルキアの仕業とは信じられない。もしこのままだと、この世界とあっちの世界が融合してしまうようなことになりかねないが、止める方法はただ一つある。パルキアを捕まえることだ。
ジュウゴロウ「よし、パルキアを捕まえるぞ!・・・といいたいが、そう簡単に現れるポケモンじゃない。出現した空間に入るしかない」
ロウダイ「ふむ・・・今日はもう遅いから、ここで泊まっていかないか?」
姉妹「賛成!」
萃香「おう、少し休むぜ!」
勇儀(隣に寝ようかな・・・?)
ジュウゴロウ「じゃあ俺も寝るか・・・ふぅ」
こうして幻想卿生活3日目が終わった。しかし突然と現れた危機はいまだに続いているのは、俺自身でも分かっている。
なんとしてでも、パルキアを止めなければ・・・
そして、真犯人は誰なのかを突き止めなければ・・・
第19話でした。
新トレーナー、ロウダイ登場です。モデルはブリーチの浦原キスケとされています。つーか、あの人めっちゃ好きなキャラなんです。ですからこんな感じの新キャラを出しました。
ジュウゴロウが初めて戦った弾幕戦はいかがでしたでしょうか?実際に言えばどんな弾を出すのかってことも知りません。ごめんなさい。因みにジュウゴロウの弾幕は殆どが接近系の弾幕とされていますので、格闘アクションも見所ですよ。
あと他に言うとすれば、ジュウゴロウは凄い力持ちです。カイリキーが20人分いるような感じにしてます。(気持ち悪いと思われた方は申し訳ない)
次回もお楽しみに!
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