女王の血族。
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昔々、才色兼備な女王がおりました。

 

 

彼女は、民、臣下を思い、自然を愛でました。

だからこそ。

 

 

「愚かな! 隣国を攻めようと得ることなどない!」

女王は、戦を善しとしません。

争いを好まない強かな女性でした。

 

 

「貴女の考えることは、古いのですよ」

黒い影が動き出していました。

 

 

「もう、貴女は必要ない。 美しいだけの徒花など」

信じていた臣下は、欲に駆られ闇に支配されていました。

 

 

「私を始末しようと……得られるものは、何一つありません」

女王は、静かに言いました。

 

 

「理想だけを歌う女王など消えてしまえばいいのです」

臣下の目には、闇しか映っていませんでした。

 

 

「闇に支配された哀れな者よ…。 そなたは、光に怯え続けることになる」

女王は、そのまま二度と目を覚ますことはありませんでした。

 

 

 

 

 

 

「……今、とっても平和よね?」

少女は、首をかしげながら問う。

 

「ほっほっほっほ! 当たり前じゃよ」

 

「??」

 

 

「その臣下は、すぐに女王の光に平伏したんじゃ」

少女は、目を丸くする。

 

 

「女王の息子にのう」

 

 

当時の王の年齢は、18歳。

まだ若く誰もが先に不安を感じた。

 

しかし、母の血を受け継ぎその才は母をも凌いだ。

多少、難ありではあったが。

 

 

「お前達の好きにさせるわけないだろう?」

その一言で隣国へ攻め入る、万を越える兵を自ら倒した。

 

文武両道のその男。

 

 

「それって、じい様の話?」

にっこりと笑うと。

 

 

「お前さんはのう、母上にそっくりじゃよ」

 

 

 

その娘、女王の血を受け継ぐ。

若き女王。

 

 

「まっ、そりゃ女王やってますからね〜」

 

 

 

その歴史は、平和を紡ぐ。

説明
思いつき短編小説。
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