アオシマ 1/72 紫
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説明
2022年1月完成

「フロートを捨ててでも帰還せよ」

紫雲は1943年に制式採用された日本海軍の単発複座水上偵察機で、大馬力エンジンを搭載して高速性を発揮する洗練された機体形状、二重反転プロペラや引き込み式フロートといったメカニカルなギミック、そして何より緊急時は主フロートを捨ててダッシュして逃げる(当然最後は胴体着水で全損)という男らしい割り切りっぷりが自分的には魅力です

キットは10年ほど前横浜の某中古模型店でテスターのXF-92といっしょに買ったら「お若いのにすごいキット買うなあ」と店主に言われたとおり初版は青島文化教材より昭和38年に発売された古代のキットで、それを90年代にリパッケージして再販したものです
その再販パッケージには「この製品は、昭和30年代の金型により復刻・再生産されたものです。」との注意書きがあり、乗員は二人乗りのはずなのになぜか三人描かれているイラストとともに楽しませてくれます
内容は注意書きの通り全身凸モールドと凸リベット、試作型と量産型を混同した形状、突き出しピン跡が大きく使用に耐えないキャノピー、なにもない胴体と内以前作ったレベルのCR.42(1965年)と比べても一段劣る内容です(CR.42は座席はあった)

そこで量産型にフォーカスし
・全身スジ彫り
・コクピット自作(床、隔壁と座席だけだけど…)
・キャノピーとエンジンカウリングを3Dプリントで自作
・台車をプラ棒やジャンクパーツで自作
・デカール自作
をしてそれなりに見れるように改造
他にも実機とプロポーションも異なるようだけど今回はスルー

この中でいちばん重要なのがキャノピーの自作で、透明レジンで整形して磨き倒してクリアー吹いたら結構透明になったので今後同様の手法でこれまで困難だった透明部品の自作に使えそうです
カウリングはきっとそのままだと左右パーツを合わせた断面が楕円形というかレモンの縦断面みたいになり、修正を試みたものの(カウリングが緑の写真)断念して3Dプリントに置換
塗装・マーキングは実機にこういうものがあるわけではなさそうなアオシマのパッケージデザインからの引用
尾翼のE15Kとか紫雲の略符号だけどそんなもの大きく書くとは考えにくいけどアオシマ準拠
とにかく全体的に模型力を鍛えられる製作でした
紫雲がほしい方は今ならRSモデルから新キットが出ているのでそちらを強くお勧めします

最後に紫雲部隊の指揮官としてパラオに派遣された相川清中尉の所見から一言
「『紫雲』の如き飛行機、今後製作せざること」
実機もひどい評価と言う他ないです
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コメント
コメントありがとうございます。おっしゃる通り雪風のオマージュでわかってくれる人がいてよかったです(branz01)
「フロートを捨ててでも帰還せよ」←戦闘妖精雪風の「味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情なもの」みたいです(thule)
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