If 蜀endアフター 第四話 |
If 蜀endアフター 第四話
と、いうわけでまずこの小説を見るに当たって注意事項↓
・結構ストーリーも時代設定も捻じ曲げちゃってるかもしれません。
・描写が多い
・もしかしたら一人称が間違ってる可能性が・・・あります
それでもいいという方、お進みクダサイ。
第四話、コレだけです。まだ・・・これだけです。
注意事項・・・必要あるのかなぁ・・・。
では四話、どうぞ。
管理者Side
「・・・ふぅ」
貂蝉はため息をついていた。
「お主も悪い漢女じゃのう」
貂蝉は後ろからかかる声に反応し、振り返った。
「あら、卑弥呼。いつからいたのかしらん?」
「何を言うか。わしのおる世界を選んで降り立ってきおったくせに」
そこには卑弥呼と呼ばれる女(?)が立っていた。
「うっふぅぅぅん!さぁっすが卑弥呼ね!そこまで分かっているなんて。
・・・ところで『悪い漢女』とはどういうことん?」
貂蝉は身をくねくねさせるのを止め、卑弥呼に聞いた。
「わかっておるだろう・・・。お主があの小僧に出した条件をわざと間違えて伝えておるのにわしが気づかんとでも思っておるのか?」
今度は卑弥呼が「ふぅー」っとため息をつくような表情で聞く。
「でも、ああ言うしかないじゃない・・・。お願い、卑弥呼。私の代わりに桃香ちゃんのもとへ行ってくれないかしら・・・」
「どうせ『応』と答えるまでどこへも行かせてくれないのじゃろう?ならばわしの答えは一つしかあるまい」
卑弥呼は満面の笑みで答える。
「ありがとう、卑弥呼。」
「ふむ。お主がそこまで惚れ込む小僧、少し見てみたくなったぞ?よほどイイオノコなのじゃろうなぁ」
「あらぁぁん?私のご主人様を狙う気ぃ?そうはさせないわよん?」
「久しぶりに稽古をつけてやろうか?」
「あら。いいわねぇん♪」
・・・どこかで筋肉と筋肉がぶつかり合う音がした気がした。
蜀Side
「桃香様ー!」
「はーい」
蜀の城には元気な声が響き渡っていた。
「りょーかい。ここからここを処理すればいいんだね?」
「はい。できますでしょうか」
声の主は桃香と愛紗。二人の声は以前となんら変わりのない、明るさである。
「うん♪任せて」
「・・・朱里あたりに助力を申し出てもよいのですよ?」
「大丈夫・・・。一人でできるから」
「そうですか。では、失礼いたします」
「うん♪愛紗ちゃんもお仕事がんばってね」
「ええ・・・。お心遣い感謝します」
そう言って愛紗は政務室を出た。
「桃香様も立派になられて・・・」
そう。最近の桃香はそんじょそこらの文官より仕事をしっかりとできる立派な君主となっていた。
「まぁそれが当たり前なのだが・・・、最近の桃香様は無理をされているようにも・・・」
「見える・・・か」
「なっ!?」
すばやく後ろを振り返るとそこには星が立っていた。
しかしいつものような茶化す態度ではなく、星自身もまた悩み深い表情であった。
「星・・・?」
「愛紗よ。桃香様は最近おかしくは無いか?」
「おかしい・・・とは、どういうことだ?」
愛紗は星に対し怒気を孕ませた口調で問う。ただ、星はそんな愛紗にも一歩も引かず答える。
「桃香様は・・・我らを頼らなくなってしまわれた」
「ッ・・・!!」
愛紗は星の言葉に反応した。確かにそうだ。最近彼女は我々に対し、何も望まなくなったし、
何も頼らなくなった。自身にできぬから、人を頼る。人を信頼しているからこその行動。
それが今の彼女にはない。なんでも自分ひとりでやり、苦しい問題は自分ひとりだけで背負い込もうとしているようだ。
「・・・ああ、確かにそうだ。最近、我々は口先でだけしか頼られない」
「やはり、原因は・・・」
『原因は・・・』 続きを言いかけた星を愛紗が制する。
「分かっている・・・何も・・・いうな。それ以上は・・・聞かせないでくれ」
皆、分かっている。原因は・・・そう。彼の・・・消失。彼はいつも彼女を良き方向へと導いた。
そして・・・きっと、彼女にとって彼は一番信頼し、頼りにしていた仲間だっただろうから。
「関将軍! 玄徳様に取り次ぎたいという者がおるのです・・・が?」
愛紗の姿を見た兵士の声は尻すぼみだった。
「っ・・・。わかった、まず私が取り次ごう」
そういうと愛紗は城門の方へと駆けていった。
「やれやれ、おかしいといえば愛紗もおかしくなっているようだ。たかがこの程度で涙ぐむとは・・・」
その時星は自らの異変にも気がついた。
「ははっ」
星は自身の目元をゆっくりぬぐい、自室へと帰っていった。
「だから何の用件なのかと聞いておるだろう!!」
城門からは愛紗の怒声が聞こえるが・・・
「おぬしたちの主にあわせよというておる!話はそこからじゃ!!」
目の前の筋肉ダルマはそういって譲らない。
「我らが主は今、政務中だ!!用件なら私を通せ!!」
「おぬしらにとって一刻を争う用件だということが分からんのか!!」
筋肉ダルマの正体は卑弥呼だった。
「どうしてもというのなら私を倒してからにするのだな!!」
「もういい・・・。おぬしと話しても埒があかぬ・・・。話の分かる者を連れて来い・・・」
「なっ・・・!貴様・・・我を愚弄するか・・・」
「あの〜・・・」
愛紗と卑弥呼の口論がひと段落終えた時、口を開いたものがいた。
「諸葛孔明か・・・。ちょうどよい。話の分からぬこやつの代わりに取り次いでくれ」
そういって卑弥呼に近寄られるは、諸葛孔明こと朱里であった。何度か声をかけようとしたが、その度に機会を逸していたらしい。
朱里はいまや面と向かっている卑弥呼の外見にビクビクしながらも必死でたずねた。
「それで・・・あなたの用件とは・・・一体なんですか?」
「だからそれはおぬしらの主と話をするといっておるではないか」
「・・・朱里、もういい。お主は仕事に戻っていろ。こやつの相手は私がしておく」
愛紗がそういうと朱里はちょっと困った顔をして言った。
「私の仕事は・・・全て桃香様がおやりになられましたよ・・・」
「なっ!?いくら桃香様といえど・・・あの量は・・・」
「くっ・・・。そこまで重症か・・・。もはや猶予はない・・・早くあわせるのだ・・・!」
その言葉に朱里が愛紗が反応する。
「・・・でしたら最後に一つだけ聞かせてください・・・。そのお話はなんのために・・・?」
「納得のいく答えならばおぬしらの主に会わせると誓うか」
「誓いましょう」
「しゅ、朱里ッ!?」
もはや朱里の瞳に物怖じは無かった。我が主のために。昔あの人に向いていた感情を思い出させるようだった。
「ならば答えよう。我はここへ・・・、蜀を・・・皆を救うべく参った」
最後の言葉を聞いた朱里は石火のごとく動いた。
「それで・・・、まずあなたは誰なんですか?」
そう聞くのは桃香。さっきまで政務中だったらしい。
「うむ。ただ・・・少々人払いを頼めぬか?」
「分かりました。愛紗ちゃん。そういうことだから」
「と、桃香様!!危険です!!」
愛紗は桃香の一言に猛反論する。
「大丈夫。それにこの人に殺気が無いことくらい、愛紗ちゃんの方がよく分かると思うけどなぁ」
「しかし・・・。いえ、分かりました。ただ何かあればただちに入りますので」
愛紗は桃香がため息をついたのを見て、折れた。そして何度か振り返りながらもついには扉から出て行った。
「・・・これで、お話ができますね。あなたは誰なんですか?」
「我が名は卑弥呼。外史の管理者をしておる」
「外・・・史?」
聞きなれない言葉に桃香の反応は少し遅れる。
「うむ、まぁその辺は気にせんでもよい」
「そうですか。それで、あなたは一体何の用件でここへこられたんですか?」
「『北郷一刀』・・・を知っておるな?」
「ッ・・・!!」
桃香は卑弥呼の発言に言葉を失った。
「お主は戻ってきて欲しいと思っておるか?」
「それは・・・」
戻ってきて欲しいのか。その問いに対する答えは桃香自身分からなかった。
あの日、彼のことは忘れたはずだった。だがそれでも忘れられなかった。何度会いたいと思ったことだろう。
しかし、その度に桃香は心が弱いと自らを戒めた。あの日にそう誓ったから。
彼に『振り向いて』とは言えない。
「・・・ダメですよ・・・」
「なぜなのだ・・・?」
桃香は下を向いている。心なしか声が震えているようにも聞こえる。
「だって・・・ご主人様は、私に『皆を頼む』って言ったんだもん・・・。
その私が・・・何もしてないのにご主人様に顔なんてあわせられない・・・」
「やれやれ・・・それでは言わせて貰うがな、あやつも大した業務はできんかったとか
誰に対しても優しかったなどとも聞いておるが?
そのようなものが『全て一人でやれ』というような無理難題を押し付けるものか。
たとえ押し付けられたとしてもその程度の者ならば鼻先で笑い無視してやれ。
それにおぬしらがついて行こうと思ったほどのオノコはその程度ではなかろう?」
「でも・・・」
「・・・あやつも『会いたい』と願っておるなら?」
「ッ・・・!?」
その言葉を聴いた瞬間桃香の心は静かに融けた。誰かが呪縛をかけていた心が、ゆっくりと融けていくのが分かった。
「・・・ご主人様が・・・」
最近、だれにもなにも頼ることが無くなった。・・・いや、頼ろうとしなくなった。
誰かと話をする時も本当の自分はどこかにおいていた。
人に頼るのが怖かった。またあんな思いはしたくない・・・。そんな気持ちで胸がいっぱいだった。
いつしか桃香は心に呪縛をかけていた。深く人と付き合わなければ深く傷つかないで済む。
楽しい日々に必ず終わりがやってくる。あの人との毎日がそうだったように。
そして桃香は『あいたい』と思わないようにした。
あいたくなるから悲しくなる。あいたくないと思えば悲しくならない。
でも・・・、あの人が『あいたい』と思っているのなら・・・。
「・・・あいたい」
その言葉は桃香の呪縛をいともたやすく拭い去ってしまった。
そのとき今まで押し込めていた感情が堰を切ったようにあふれ出す。
「私も・・・会いたい・・・。ご主人様に・・・会いたいよ・・・!!」
桃香は涙を流しながら机を叩き懇願するように叫ぶ。
その叫びはたしかに卑弥呼の耳へ届いた。
「会う方法なら・・・ある」
「っ!!」
桃香は卑弥呼の言葉にすばやく顔を上げる。
「・・・何をすればいいんですか?」
「願え。・・・世の果てまで届く願いをその心から放て。『逢いたい』と。
後は我々が何とかしておこう。漢女に二言は無い」
「・・・ありがとう・・・ございます・・・!!」
その言葉を聞いた卑弥呼は扉から出て行った。数秒後扉の外からは侍女の悲鳴が聞こえた。
「・・・桃香様・・・!!」
部屋の中に入った愛紗は桃香の顔が涙で濡れているのに気づいた。
「愛紗ちゃん・・・、話・・・聞こえてた?」
「・・・はい、申し訳ございません」
そして謝る愛紗の顔も涙で濡れ、でも笑顔だった。
「ご主人様・・・帰ってくるのかな?」
「さあ?もともと気まぐれな人ですから」
「ところで愛紗ちゃん・・・外から会話をそっと聞くってことがどう言うことか分かってる?」
「はい。どんな罰でもお受けいたしましょう!!」
「ん〜と。・・・じゃあね〜」
「――私の仕事、手伝って?」
「・・・はい!!」
その日も城には元気な声が響き渡る。
成都は久しぶりに晴れた。気がする。
「桃香様!!そこ間違っておられます!!」
「えッ!?うそっ!!・・・あっほんとだ。でも愛紗ちゃんも・・・」
「ん・・・?あっ・・・。わ、私としたことが・・・」
「「ど、どうしよう・・・しゅっ、朱里(ちゃん)〜〜〜ーー!!!」」
・・・四話・・・終わりました。
連載って・・・プロはすげぇなぁ・・・。
五話・・・どうしようか。書くか、それとも妄想のうちに済ませるか・・・。
書くとして、10話まで届くかなぁ。
30話超えてる作家様、僕は尊敬いたします。
続く・・・のか?
あとがきのあとがき
この前の疑問を皆様と共に解決してひと段落。
ここでまた、そこはかとない疑問を・・・二つほど。
小説で貂蝉たちを書いてて思ったんだけど・・・
『いや漢女ってなんだ!?』『いや貂蝉の踊りに需要はあるのか!?』
とか思い一人悶々とする夜を過ごしてました。
このままではとても気になり夜も眠れません。
・・・一体どうなんだろうなぁ。
説明 | ||
小説ってむずぃぃぃ!!プロってすげぇ・・・。 そんなこと思いながら書きました。 |
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コメント | ||
貂蝉の踊りに需要?あるでしょうw(ブックマン) この作者様の一刀は好感が持てます! いい一刀具合ですw あと、貂蝉のことはあまり深く考えないのが正解ですw(havokku) 漢女もたまにはいいことするなぁ(キラ・リョウ) 面白かったです!!www一刀と桃香達とどの様に成長し出会っていくのかが楽しみです!!(タナトス) せめて一刀帰還までは読みたいです。このままじゃ悲しすぎます。涙(kamara) 続きが気になりまするw(しらぬいくん) シリアスかと思ったら、侍女の悲鳴WWクソワロタWWW(ヒトヤ) 大丈夫 不思議な踊りだからw 基本戦闘用(^ω^)(nanashiの人) 少なくとも俺には無い!気にするな!(スターダスト) 『漢女』の意味は考えるんじゃない、感じるんだ!(何 とりあえず、蒸発無きよう……(伏宮真華) 貂蝉の踊り・・・、特殊な方々には需要があるかとw (相駿) |
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