真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 今傍に行きます 第2話
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真・恋姫無双アナザーストーリー 

雪蓮√ 今傍に行きます 第2話

 

 

 

夢、夢を見ている……

そこは一面の荒野……

その荒野を赤と黒の兵が多い尽くす

戦場を兵が駆け抜けていく

怒り、哀しみ、憎しみを籠めた目で目前の敵兵を切りつけていく

敵を追い返し、私の仲間たちが戻ってくる、そこには私の愛する人も

私は立派に王としての役目を果たした、それを妹の蓮華にも託した。

 

(でも……)

 

でも、女としての役目は果たせていない、愛する人に告白をしていない。

 

「―― ……」

 

口を動かすが思うようにしゃべれない

 

「雪蓮!だめだ!」

 

(ああ、私は彼の顔を歪ませてしまったんだ、ごめんね、―――)

 

段々と目蓋が落ちてくる

 

(ダメよ、ちゃんと伝えないと私の思いを……)

 

「か、――……私は、あなたのことが――――」

 

 

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――ジリリリリ……

 

「……」

 

そこはベットの上、なぜか手を伸ばしていた。

 

顔に手を当てると濡れたあとが残っていた。

 

「はあ……またあの夢だ……ここ最近頻繁に見るのよね」

 

この街に父親の仕事の関係で最近引っ越してきた。

 

それ以来、頻繁にあの夢を見るようになっていた。

 

最初のうちはまだ夢を見ているだけであったが、

次第に感情までも流れ込んでくるようになっていた。

 

その結果……

 

「はあ〜、また目が赤くなってる……」

 

手鏡で顔を見てうなだれる雪蓮。

 

夢の内容にあてられ涙を流すようになっていた。

 

「それにしても、いつも思うけどあの男の子は誰なのかしら……」

 

「夢の中で雪蓮って呼ばれてた人はたぶんその彼のことが好きなのよね。

じゃなかったら、あんなに切なくなるわけないもの」

 

しかし、夢で見た少年の顔はぼやけ、名前を呼んでもノイズが走ったかのように聞き取れはしなかった。

 

「あの夢の中の雪蓮って子は私なのよね多分……これって前世の記憶ってやつかしら?」

 

夢の中では左肩に傷を受け大切な人たちに見守られている夢だった。

 

「もっと違う夢が見たいのにこんなのばっかりだと気がめいっちゃうわよ」

 

届かぬ思いを胸に秘め死んで行くのはどれほど切なく苦しいことなのだろうといつも思う。

 

「もっとハッピーエンドな夢を見せなさいって感じよね」

 

そんな愚痴を言っていると……

 

「雪蓮ー!もう起きないと遅刻するわよー」

 

下から母の声が聞こえてきたので時計に目を向けると……

 

「やば!もうこんな時間!急がなくちゃ!」

 

父の転勤で家族総出でこの街に引っ越してきたのが1週間前

 

私が通う学校は引越しした当初は春休み中だったので、

この1週間街をぶらぶら見て回っていた。

 

そして、今日が初登校になる。

 

「確か、学校の名前は聖フランチェスカ学校だったわね」

 

制服に着替え髪を整える。

 

「ここの制服って結構可愛いのよね♪〜」

 

制服に着替えひらりと一回転をする雪蓮。

 

「うん!ばっちり!」

 

部屋を出て階段を下り居間に向かう。

 

「雪蓮、転校初日に遅刻なんて見っとも無いから早く寝なさいって言ったでしょ」

 

この人が私の母さん、気立てのいい優しい母だ

 

「そんなこと言ったって、興奮して寝られなかったんだもんー」

 

「やれやれ、この子は……若い頃の父さんに似て」

 

母さんは苦笑いを浮かべながら新聞で顔を隠してる父さんを見る。

 

「……」

 

新聞で顔を隠しながらも私のほうを見てウィンクをして朝の挨拶をする父さん。

 

「ほら、雪蓮早く食べて学校に行きなさい」

 

「時間無いからトーストだけでいいわ」

 

テーブルに置いてあったトーストをひょいと掴みそのまま玄関へと向かっていった。

 

「あ!こら、雪蓮、パンを咥えて走らないの!お行儀の悪い!」

 

「ふぁ〜い!いっふぇきま〜ふ!」

 

「まったく……」

 

母さんはやれやれといった感じで雪蓮を見送った。

 

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「やっばー、このままだと本当に遅刻だ」

 

時間を見ると予鈴まであまり時間がなかった。

 

(全速力で走ればギリギリ間に合うかな?……)

 

高校1年2年と陸上で走っていた雪蓮にとっては走ることは苦ではなかった。

 

走りながら朝の清々しい空気をいっぱいに吸い込む。

 

「ん〜!気持ちいい〜ん?」

 

ふと、道路の脇で一人のお婆さんが困っているのに目が入った雪蓮。

 

「どうしたのお婆ちゃん?」

 

雪蓮はそのお婆さんに話しかけた。

 

「それがね〜すぐそこの郵便局に荷物を届けようと思ったんだけど重たくて歩道橋を登れなくてこまってったんだよ」

 

反対車線を見るとすぐ目の前に郵便局があったが道路が広いせいか横断歩道がなかった。

 

(こりゃ、遅刻かな〜あはは)

 

雪蓮は基本、困っている人が居たら助けずには居られない性格のため、

友達からはそんな性格といわれていた。

 

雪蓮は苦笑いしながらも

 

「お婆ちゃん、荷物持ってあげるから一緒に行きましょう」

 

「え?でもいいのかい?学校に遅れてしまうよ?」

 

「いいのいいの!困った時はお互い様ってね」

 

「そうかい?それじゃ、お願いしようかね」

 

「任せておいてよ!」

 

「よいしょっと、それじゃ、お婆ちゃん危ないから手につかまって」

 

片手で荷物を持ち空いた手でお婆さんの手を取り階段を上っていく。

 

「ありがとうね、お嬢ちゃん」

 

「気にしない気にしない」

 

「あれよ、ここまででいいんだよ」

 

「この際、郵便局まで持て行ってあげるわよ、そんなに距離もないしね」

 

「すまないね」

 

お婆さんはお礼を言いながら雪蓮に付いて行く。

 

「よっと、それじゃお婆ちゃん、私行くね」

 

「ありがとうね、お嬢ちゃん助かったよ」

 

手を振りながら走っていく雪蓮を見ながら

 

「ほんに、心優しい娘っこだな、孫の嫁にしたいくらいだ」

 

お婆さんに褒められていたことに雪蓮は知らないでいた。

 

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「やっばー!遅刻確定だよーーー!」

 

雪蓮はさっき以上の速さで駆け抜けていった。

 

学校に着いた時にはすでに校門はしまっていた。

 

「はぁ、転校初日に遅刻だなんて」「はぁ、始業式初日に遅刻かよ」

 

「「ん?」」

 

声がしたほうを振り向くと目の前の男の子と目が合ってしまった。

 

「こ、こんにちは」

 

「っ!?こんにちは……」

 

雪蓮はなぜか顔を背けてしまった。

 

(な、なんで顔背けてるのよ私!)

 

なぜ背を向けているのかわからず動揺する雪蓮

 

「えっと、遅刻しちゃったね」

 

「え、ええ、そういう貴方もでしょ」

 

「そうだね」

 

「参った参った」

 

彼は頭をかきながら笑っていた。

 

「それよりこれってどうなるの?」

 

「えっとね、遅刻者は反省文を原稿用紙に1枚分書いて提出だったかな」

 

「じょ、冗談じゃないわよ、そんなのパスよパス」

 

(転校初日に反省文なんてたまったもんじゃないわよ)

 

「何とかならないの!」

 

雪蓮はニコニコしている彼に少し苛立ち、八つ当たり気味に言い放っていた。

 

彼は少しびっくりして雪蓮を見ていた。

 

「ご、ごめん、言い過ぎたわ」

 

「別に気にしてないよ」

 

何事もなかったように微笑んだ。

 

「っ!?」

 

そんな顔に少しドキッとした雪蓮は顔を赤くして顔を背けた。

 

(なに照れてるのよ私……)

 

「俺も反省文書くのは嫌だからね」

 

「そ、そう、なら何とかなるの?」

 

「んー無理かな」

 

「はぁ?」

 

雪蓮は呆れた声を出した。

 

「ちょっと、それじゃどうするのよ、このままじゃ反省文書かなきゃいけなくなるじゃないの」

 

「大丈夫だよ」

 

「あんた、さっきから行ってることがちぐはぐよ」

 

(なんなのよこの子は……)

 

雪蓮は眉間にしわを寄せ始めた。

 

「まあ、僕に任せてよ」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

彼はそういうと校門に向かい歩き出し手前で左に曲がっていった。

 

「こっちに、学校に入れる道があるんだ」

 

そういうと、悪戯を成功させた子供のように満面の笑みで笑っていた。

 

「本当でしょうね」

 

雪蓮は疑りながらも彼のところまで歩いていった。

 

(まあ、このままあそこに居ても反省文書かされるだけだしね)

 

「うん、ほらこっち」

 

「っ!?」

 

「ここから少し暗くなるから気をつけてね」

 

「え、ええ……」

 

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彼は、危ないと思ったのだろうか雪蓮の手をとり歩き出した。

 

雪蓮は初対面の人、しかも男子に手を握られどうしたらいいのかわからず彼についていくしかなかった。

 

(え……なんで、手なんて握ってんの私、そ、それになんでこんなにドキドキしてるわけ!?)

 

雪蓮は一人混乱をしていると手が離れたことに気づき前を見た。

 

「ここは……」

 

そこは開けた広場になっていた。

 

「部活の練習の時に見つけたんだ、結構いいところでしょ」

 

「ええ、すごく静かな場所ね……」

 

「昼になってもここだけは静かなんだよね、たぶん知ってるのは俺と君だけだよ」

 

「え、そんな所おしえてもよかったの?」

 

「本当はどうしようか悩んだけど、ここからじゃないと学校は入れないからね、それに」

 

「それに?」

 

「君みたいな可愛い子ほっとけないしね」

 

「……」

 

雪蓮は顔を赤くして口をパクパクさせていた。

 

「な、なにいってんのよ!そんな恥ずかしいこと!それに、可愛くなんてないわよ……」

 

「そんな事ないよ、十分魅力的だよ」

 

「あ、ありがとう……」

 

さらに顔を赤くする雪蓮。

 

「っと早くしないと始業式始まっちゃうな、行こうか」

 

そういうと彼はまた手を伸ばしてきた。

 

「え?」

 

「危ないしね」

 

「あ、ありがとう……」

 

恥ずかしくなりながらも手を握り学校へと向かう。

 

「ふぅ、これでなんとか間に合いそうだな」

 

「そ、そうね……あ、あの」

 

「え?なに?」

 

「手……」

 

「手?……あ!ご、ごめん!」

 

慌てて手を離し彼は謝った。

 

「いいのよ、ここまで案内して貰ったし……それに、素敵な場所も教えてもらえたし」

 

「そう言って貰えると助かるよ」

 

(なんだか、喋りやすい子だな……)

 

雪蓮は少し変わったている彼に興味を持ち出していた。

 

「ところで君」

 

「え?なに」

 

「えっと、名前は……」

 

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「え、ああ!ごめん!俺、北郷一刀、ここの2年生だよ」

 

「そう、私は天音雪蓮、3年生ね」

 

「へー雪蓮っていい名前だね」

 

「ええ、ありがとう」

 

「……ん?」

 

一刀は首を捻った。

 

「?どうしたの?」

 

「3年生?」

 

「ええ」

 

「……じょ、上級生!?」

 

「そうなるわね」

 

「え、あ、ごめ、じゃない、すいません!ため口なんて!」

 

「いいのよ、畏まられるの私苦手だから」

 

「で、でも……」

 

「いいから、いいから」

 

「わ、わかりました」

 

「ほら、また敬語」

 

「あ、」

 

「うふふ♪」

 

おかしくなり二人で笑い出す。

 

(なんだが、彼とこうして話してるのが当たり前みたいな感じだな、初対面なのに)

 

「あ、転校生ってことは職員室に行かなきゃいけないんじゃないの?」

 

「そうなのよね、でも場所がわからないのよ」

 

「じゃ、教えてあげるよ、こっちだよ」

 

「ありがとう、でも始業式はいいの?」

 

「あ、そうだった!」

 

一刀は忘れていたのか慌てだした。

 

「それじゃ、行き方だけ教えてくれる?」

 

「わかった、それじゃ、まず玄関に行こう」

 

「ええ」

 

雪蓮と一刀は玄関に向かって歩き出した。

 

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(……)

 

それを上から見ている一人の人物が居た。

 

「第一接触完了……」

 

その一言は予定されていたかのようだった。

 

「予定通りね」

 

その人物は雪蓮を見て微笑んでいた。

 

「孫策様……」

 

呟く様に一言名を呼びその場から消えていった。

 

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葉月「どうも1週間ぶりになります」

 

雪蓮「ねぇちょっと」

 

葉月「なんとか第二話を書きあげることが出来ました」

 

雪蓮「ねぇったら!」

 

葉月「今回から学園物に突入です!」

 

雪蓮「聞きなさいよ!」

 

葉月「お話はいかがだったでしょうか?」

 

雪蓮「だから、き・き・な・さ・い・よ〜〜〜〜!」

 

葉月「ぎゃ〜〜〜〜っ!えびぞりやめて〜〜〜〜!」

 

雪蓮「だったら人の話聴きなさいよ〜〜〜!」

 

葉月「わ、わかったからやめて〜〜〜〜〜!」

 

雪蓮「よろしい♪」

 

葉月「いつつ、で、なんですか雪蓮さん」

 

雪蓮「ずばり!なんで私身長縮んでるの?」

 

葉月「そりゃ、学生ですから大人サイズはだめだと思いまして」

 

雪蓮「なら、それは許しましょう、それじゃ、なんで胸も小さいのよ」

 

葉月「学生であのけしからん胸は周りの目が怖いのでシャ……ごほん!それなりに小さくしました!」

 

雪蓮「今、シャオって言おうとしなかった?」

 

葉月「キノセイデスヨ?」

 

雪蓮「でも、胸がでかくないと一刀誘惑できない〜」

 

葉月「胸しかないみたいに言わないでください」

 

雪蓮「あら?それじゃ、それ以外になにがあるのかしら?」

 

葉月「え”」

 

雪蓮(ニコニコ)

 

葉月「えー……なんだろう?」

 

雪蓮「うふ♪」

 

葉月「えへ」

 

雪蓮「思春、南海覇王を」

 

(チリーン)

 

思春「ここに……」

 

葉月「なんでここに思春がいるの!?」

 

雪蓮「そんなこと今のあなたには関係ないのよ♪」

 

葉月「いやーーーーーーーー!」

 

雪蓮「あらら、居なくなっちゃった」

 

思春「ふん、だらしのないやつだ」

 

雪蓮「まあいいわ、跡でたっぷりとお仕置きしておきましょう♪」

 

思春「お供します」

 

雪蓮「ええ、ありがと、それじゃ、皆さんまたね〜〜〜♪」

 

思春「見たいやつは見ればいい……」

 

説明
一週間ぶりです。
色々な方からのコメントは励みになります。

今回から学園物?になります
それでは、ご覧ください。

2010/06/21:誤字修正
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コメント
PON様>もう、自分でも分けのわからなくなってる後書きです;;誤字報告もありがとうございます!(葉月)
相変わらず後書き会話がとんでもなく痛いwww誤字報告 後書き それ以外になりがあるのかしら?→なにがある(PON)
あれ?原作の姿じゃないんだ・・・。ばいんばいんなぼんっきゅっぼんっじゃないんだ・・・(まーくん)
なにやら暗躍している影がいますね。次回更新が楽しみです。(ブックマン)
最後の奴がエライ気になる・・・・。孫家臣の誰かが管理者になったとか? 次作期待(クォーツ)
おぉお?なんか面白そうな話に・・・続き、頑張ってください。期待しています。(MINATO)
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