「これさ、弟が欲しがってる奴なんだよね。」
説明
違うクラスのAさんは視線を俺に向けながら言う。

日頃通っているゲーセンで俺はちょっとした景品荒しで有名だった。

ゲーセン仲間の間で"HENTAI"という称号をもらっている。

曰くレバー操作がとてつもなくすごいらしい。

そんなこんなでたまに噂を聞きつけて俺にとってほしい景品を目当てに頼ってくる奴もいるんだが、今回も例にもれず新型ゲーム機を弟にプレゼントするためにAさんも俺に依頼をしてきたというわけだ。

「予算はいくら?」と聞くとAさんは「取れるまで。」と答えた。

高額になるかもよ?と俺はAさんに警告をするが、

「信頼してるよ!HENTAIさん!」

と、ニコッと笑って(厳密には真顔)Aさんは答えた。

なんだか異性に頼られていることがうれしくなって

「Aさんが勉強が得意なら、俺はゲーセンが得意なんだ。ってね☆」

とよくわからない返しをしながら目的の台に集中する。

「全集中っ!流れ…変わった…」

と俺が大声を出した瞬間、確かに店内の俺に向けられる視線は変わった。
Aさんはドン引きである。

「ここっ!はっ!」

俺は景品を取るために能力を駆使して新型ゲーム機を取った。

ガコンッ!と勢いよく取れた景品の音が鳴る。俺はそれを取るとAさんへ渡す。

「ゲーム機取ったよ(キリッ」

そういうと俺は渾身のキメ顔をAさんに見せた。するとAさんは一連の作業を後ろで見たせいか多少ひきつった顔で

「ありがとう」

とほほ笑む(厳密には涙目笑い顔)。

俺もまた貢献しちまったな。と思いつつ、何か不具合があったら悪いと思い連絡先を交換しようとしたが、

どうやらかのじょはすまほをもっていないらしい。(スマホをいじりながら言われた。)

何かあったらまた学校で連絡するようにAさんへ伝えると俺はゲーセンを後にした。

その後特に問題はなさそうだったが、偶然なことにメ〇カリで高額な値段で先日取ってあげた同じ新型ゲーム機が並んでいることに気付いた。

(・・・これを購入する奴かわいそうだな(笑)・・・)と思いながら出展者の説明を見ると

"弟にプレゼントしようとしましたが、既に買って持っていたので売ります。大切に使っていただけるのであれば値段交渉も可能です。"

と書いてあった。

その瞬間俺は思った。

「へぇ、偶然なことってあるんだな。(涙)」

ーーーー特殊な物語

俺はしばらくして立ち直るといつものようにゲーセンで技術を磨いていた。

するとAさんがきょろきょろと誰かを探すように周りを見ている。そして俺と目が合った。

Aさんは近寄ってくる。

俺は「なんすかマジで!」と威嚇するが、Aさんは動じない。

「前回のゲーム機の件ありがとう。
 弟はもうゲーム機持ってたらしいから売ったらいい感じのお金になったから返すよ。」

Aさんはそういうと俺に封筒を渡す。その封筒の中には前回費やした金額以上のJ〇Bで使えるお得な商品券が入っていた。

彼女はもごもごと何か口を動かしていたが、ゲーセンの音がうるさくて良く聞こえない。

俺は大きな声で

「え?なんだって?」

と聞き返すとAさんは俺の耳元でささやく

「好きに使っていいよ。」

その瞬間、俺はAさんに色違いコイキング。

ーーーー開閉器テンバイヤー物語

「え?なんだって?」って文章が書きたかっただけなのに長文になった
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