CLANNAD SS03:傘(サイトより引用) |
放課後、今にも大粒の涙をこぼしそうな梅雨空を見た俺は速攻で帰ろうと昇降口へ急ぐ
靴を履き替えて外に出ようとすると−
− ザァァー
「間に合わなかったか」
「しょうがねぇな…」
といいながら傘を取りに行く。正確には拝借に行くだが…
「忘れ物か?岡崎」
春原が声をかける
「お、春原いいところにいるな。これからお前の家にいくから傘持って行ってやるよ」
「そうかそうか、悪いな…って、お前もしかして持っていないのか?」
春原はビニール傘を俺に見せる
「そんなことはないぞ、そこにあるじゃないか」
まるで俺の傘であるかのように春原の傘を指さす
「そうかそうか、ってコレ俺の傘だよ!」
(うーん残念…)
心の中であと一息と思っていたのところで春原が救いの手を差しのばす
「今日のところは一緒に入れてやるよ」
「一緒に帰るからといっても何もねぇぞ」
「お前には何も期待してないよ。ましてやフラグなんて論外だ」
「変わったヤツだなお前、そんなに死亡フラグが欲しいのか?」
「そんなフラグよけいいらねぇよ!」
昇降口−
そこには一人の少女がポツンと立っていた
−渚だ
春原は素早く声をかける
「渚ちゃん、今帰り?」
「あ、はいそうです」
「どうしたのさっさと帰ろうよ」
さっさと帰ろうとする春原
しかし、春原の声とは裏腹にその場で立ちつくす渚
「どうした?渚」
「私、傘忘れちゃって…」
渚は照れくさそうにいう
「ですから、お二人先に帰ってください。私、雨止むの待ちますので」
空を見上げるとどう見ても止みそうにない
どうするか…と悩む俺。しかし悩み始めた瞬間に下駄箱の裏から誰かの気配を感じる
そうだ、春原には悪いが…
「おい、春原あそこにお前を探している美少女がいるぞ!」
「まぢか!岡崎、どこにいるんだよ」
「そこだよそこ、下駄箱の裏側。お前には見えないのか?何なら俺が荷物を預かってやるから見に行ってこいよ」
「渚ちゃん、ごめんよー」
そういいながらすべてを投げ出し、下駄箱の裏へ急ぐ春原
「待たせてごめんね」
「誰があんたを待っているのよ〜」
「げっ!杏」
春原から傘を受け取った俺は渚を連れて帰ろうとする
「さぁてと、帰ろうぜ。渚」
「あの…、春原さんはおいていってよろしいのでしょうか?」
「いいよ、春原は長そうだからそっとしておいてやろうぜ」
春原から受け取った?傘を開き、俺と渚は肩を寄せ合いながら雨の中、帰って行く
「あはは、こうやって肩を寄せ合いながら帰るのはものすごく照れくさいですね」
渚の何気ない言葉に、つられて頬を赤くする
「ギャー…」
後ろで断末魔が聞こえたような気がするが気にしないでおこう
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サイトで公開している作品です 雨の中、ぽつんとやむのを待つ渚 そこに現れる春原・・・ 短いですが、ちょこっとほのぼのしていただけたらいいな。と思って書き上げた作品です |
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