ときメモ4を期待する会 第7話
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「好きとか、嫌いとか、最初に言い出したのは〜〜……」

「あの、もしもし……」

「誰なのかしら、駆け抜けていく〜〜……」

「お〜〜い!」

「わ・た・しのメモリアル〜〜〜!」

「すみません、俺の声、聞いてください!」

「はい、なんですか?」

 歌い疲れて、汗が出たのか、額をハンカチでぬぐうと少女は不思議そうに彼を見た。

 彼もようやく、話が出来ると、ホッとし、彼女を指差した。

「あんた、誰ですか?」

「私?」

 自分を指差す彼女に、彼はコクリと頷いた。

「私の名前は藤崎詩織。今回、病欠した陽ノ下さんの代わりに、このコーナーに呼ばれました。よろしくね?」

「よ、よろしく……」

 ニコッと可愛く微笑まれ、彼は恥ずかしそうに頭を下げた。

「ところ、なんで光は病欠なんだ?」

「今回の題材で前日練習が過ぎて、喉を痛めてしまったらしいの」

「今回の題材で喉を痛めた?」

「はい。今回の題材は、ズバリ、これ!」

 バンッと、光に負けず劣らず、ハイテンションにホワイトボードに書かれたタイトルを見て、彼は頷いた。

「ときメモテーマソングですか?」

「そぅ。元祖ときめきメモリアルのオープニング曲、『ときめき』はなんと、オリコンチャートにも載った、名曲なのは、ファンなら、みんな知ってる!」

「……そ、そぅ?」

 若干、彼女の勢いに引き気味に、彼は頷きながら、距離を置いた。

「今回、4の新曲も、まさに名曲になるのは間違いなし!」

「お、珍しく、相手を褒める人が現れた?」

 散々、自分褒めしていた光を思い出し、彼はようやく、まともな人が現れたと、感嘆した。

「ふふっ……まぁ、それでも、1の人間には敵わないでしょうけど?」

「……」

 やっぱり、同類だと落胆し、彼は、言いたくないが、相槌を打った。

「あの、どこら辺が、優れてるんですか?」

「あら、わかりません?」

 余裕綽々に後ろ髪をなびかせ微笑む彼女に彼は若干、ムカッと来たが、あえて黙った。

 反論しても、いつもと変わらないと、彼なりの気遣いでもあった。

「1はゲーム曲だけじゃなく、キャラソンも豊富だし、CDドラマだけのキャラクターの歌もあるのよ。世界中探したって、ゲーム外のキャラクターソングを出してるゲームは、ときメモ1くらいよ?」

「……くやしいけど、正論だ。ゲームソングでサブが歌うだけでも難しいけど、ゲームに登場すらしていないキャラが歌ったのは、後にも先にも、ときメモ1だけだしな……」

「そぅそぅ。やはり、ときメは1が最強でしょう?」

 やっぱり、自分をべた褒めする詩織に、彼はウンザリした顔で、背を向けた。

「俺、帰っていいッスか? なんだかんだで、結局、今回も内容変わらないし?」

「そぅはいかないわ!」

 ガシッと右肩を捕まれ、彼はいやいや振り返った。

「聞く話だと、私をパクったキャラが、4にいるそうね?」

「その文句は、前の話で散々使い果たしたから、もぅいいよ」

「パクられた本人は良くないわよ!」

「電脳アイドルにまでデビューしたんだから、今更、パクられたくらいでギャーギャー……」

「ギャルゲー界で私の存在はデフォルトなのよ! それをそのまんまパクられて……」

 そこまでいって、詩織の顔がトロンッと緩み、ドサッと倒れこんだ。

「ど、どぅした!?」

 慌てて、彼女を抱き起こすと、彼は数回強く、頬をパンパンッと叩いた。

「寝てる……?」

 背中に、ぶすっと刺さった注射器を抜くと、部屋の外から、怪しいものを持った光が現れた。

「危なかったね、君?」

「ひ、光……なんだ、その猟銃みたいなの?」

「さすが1だけあって、鍛え方が違うからね。象も一眠りだよ?」

「答えになってない」

「まぁ、いいから……ここから先は私が司会をします。その前に一曲」

 コホンッと、咳払いし、

「ときめきメモリアル2オープニング曲、『勇気の神様』、歌います!」

「あ、時間切れ……」

 パッと電源が落ち、部屋全体が暗くなった。

 当然、彼女の手にもたれたマイクから、彼女の歌声など聞こえるはずもなく、彼は、ご愁傷様と、相手の見えない光に手を合わせた。

 

 

説明
今回は、歌を題材にしますが、4と何の関係もありません。
ただの豆知識程度です。
ちなみに、詩織ちゃんがいっていることは一応、真実です。
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コメント
私も個人的にはエロゲ曲ではこみっくパーティーの「君のままで」が好きなんです。PSPでは、オプションで収録されてますよ?(スーサン)
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