新たなる外史の道 26 蒼天王、覇王と会談する 第一章完結 |
俺は朝から色々あり過ぎたが始まったばかりで今日1日分の体力を持っていかれた・・・
極め付けが覇王、曹操と会うだと・・・
この外史はよほど俺を過労死させたいらしい・・・
貂蝉・・・教えてくれ・・・俺は後どれだけ働けばいい・・・
桃香達に取り合えずは解散を提案し、俺はそれぞれに指揮を取る。
取り合えず、俺は食堂の改装を半日で完成させるよう命じ、魏との会談に臨むべく、ハウゼン、稟、風と会談の調整をする為、会議室へ向かう。
愛紗は会談に備えて会談のセッティングの為に女中長達を呼び、陣頭指揮を取る。
佑は、警察庁に連絡し交通整理を一般市民にバレない様に伝達した後、愛紗に近衛軍の統括権限の一時譲渡を貰い指揮を開始する。
それぞれ迅速に動き出す。
その素早さに朱里は目を見開いて見ていた。
≪朱里サイド≫
速い・・・
全ての行動に無駄が無く、全ての指示に間違いが無く、そして・・・
何もかも速すぎる・・・
優秀な人材・・・
優秀な統括者・・・
それが北郷 一刀と言う頭脳で全てが高速に行われている。
僅かな時間しかないこの状況でこれだけ迅速にかつ正確に行動できる国があるだろうか・・・
私達がどんなに頑張っても1週間は掛かる作業を僅か1日から2日でやってしまうなんて・・・
何故なら、国賓を迎えるとは並大抵ではない、国の威信が掛かっているこの状況で、やはり入念な準備が必要になってくる。
会談のための書類は? 会談で何を話題にし、相手がどの様な話題で来るのか? 晩餐会はどの料理を出せばよいのか? 部屋の装飾は? 会議中の警備態勢は?
考えただけでたくさんある・・・
それを1日や2日でやってしまえるなど聞いたことも見た事も無い・・・
ですが・・・私達の目の前ではそんな奇跡が起ころうとしている。
やはり、教育水準が高いとこの様な離れ業まで出来てしまうんでしょうか・・・
私はこの時、今更ながら蒼の超大国たる所以を垣間見た気がしました・・・
ひょっとしたら、桃香様もこの様な事を感じられたからこそ弟子入りを志願したのではないかと思ったんです・・・
どうにかこうにか1日で会談の準備が済み、とりあえず、会談の体裁は取り繕う事ができた。
俺達は残された時間を利用して、会談の最終調整に入る。
曹操との会談の焦点はやはり戦争状態のことについてだがこれは決まっていた。
戦争は出来る限り避ける。
蒼外資系企業の商業再開。
停戦協定ラインの構築。
蒼技術の一部解放(法制度、学校制度、経済制度など軍事技術及び、軍事技術に転用できるものは除く)
などが盛り込まれた。
さて・・・どうなる事やら・・・
≪曹操サイド≫
馬に揺られる事1週間・・・
ようやく国境線まで辿り着いた。
国境部隊が私と認識すると淀み無く私達を案内した。
私達が会談に臨むのは、私、桂花、霞、この三人だ。春蘭がどうしても付いていくといったが、相手は北郷・・・春蘭が切りかかったのを口実に戦争を申し込まれそうで怖い。
今は戦争は避けるべきだ。と判断した私は国の防衛に専念して欲しいと頼み、渋々ながら引き受けた。
そんな事を考えていると案内の兵士が到着を私達に知らせた。
するとそこには馬車と操縦士がいた。
「お待ちしておりました。曹操様、荀ケ様、張遼様ですね? お待ちしておりました、どうぞ」
そういい、優雅に私達を案内した。
私達は馬車に乗り込む。
馬車に揺られる事、一時、幽州に到着した。
幽州を囲む大きな水堀に架けられた大きな石作りの橋を渡り、門を潜る・・・
そこには私の知らない世界が広がっていた・・・
桂花は呆然としながら呟く。
「・・・すごい・・・」
霞も呆然としながら呟いた・・・
「・・・これまた・・・これが蒼の王都かいな・・・」
私も知らず知らず呟く。
「・・・これが蒼・・・」
操縦士の説明を聞きながら私達は理解せざるおえなかった・・・
蒼が私達など相手にならぬ超大国である事を・・・
そして、ココまで蒼を発展させたのは北郷 一刀と北郷 愛紗であることを・・・
桂花は否定しながら叫ぶ。
「あ、ありえない・・・ありえないわ!! あんな天の使いだけしか名前が無いような奴に、私が!! 私達が遅れを取るなんて!?!?!?」
霞はそんな桂花にこう言った。
「現状を受け入れぇ・・・解るやろ・・・ウチらと蒼の差が・・・これが現実や・・・」
そんなやり取りから暫くして、北郷の居城、蒼国王政殿幽州城に到着した。
俺達は曹操が到着した知らせを受け、直ちに曹操を応接室に案内するよう命じ、俺達は会議室に向かう。
俺達は会議室に到着し、書類を広げ、曹操が来るまでに最終確認を行う。
暫くして曹操が会場に姿を現す。
「ようこそ、曹操殿、お待ちしておりました。突然のご訪問と聞き、急いで会談のご用意をさせていただきました」
俺の言葉に曹操も社交辞令で答える。
「歓迎、嬉しく思うわ。また、突然の訪問申し訳ないと思っているわ。北郷・・・それでは早速会談に移りましょう」
お互い社交辞令をトットと済ませ。会談に臨んだ。
会議の方は俺等が提出した案で大筋合意した。
しかし、軍事転用可能な技術で荀ケと揉めたが、曹操の一声で一応の収拾をみた。
俺達は晩餐会の時に雪蓮達と桃香達と顔合わせを行い、全員で晩餐会をする事になった。
ちなみに・・・俺達は同盟の証として、曹操、華琳の真名を教えてもらう事が出来た。
≪華琳サイド≫
一刀との同盟締結が完了し、晩餐会の時、私は一刀に質問した。
「一刀、質問なんだけど、貴方はこの世界をどの様な方向に持って行きたいの?」
一刀は何処か遠くを見るように呟く。
「そうだな・・・中東、欧羅巴、阿弗利加、露西亜、印度亜大陸なんかと貿易を行い、世界的な安定を図りたい・・・この大陸だけでない、俺はこの大陸を超商業国家にしたいと考えている。
欧羅巴と阿弗利加北部、中東西側には羅馬帝国がいる。露西亜にはヴァリャーグの国がある。
印度にはサータヴァーハナ朝という王朝がある。
世界には様々な価値観、文化の違い、風習、国がひしめいている・・・
そんな世界が当たり前の様にこの世界にもあるはずだ・・・
俺は何れ、この大陸と欧羅巴や印度、露西亜や中東を結ぶ列車と鉄道を作り、貿易を盛んにしたい。
そんな夢物語を描いているんだ・・・」
それはまた・・・壮大だ・・・
「それじゃあこの大陸を一つにする必要があるわね」
私がそう言うと一刀は静かに首を横に振った。
「その必要は無い・・・これだけの国土だ・・・治めるだけで莫大な時間と動力が必要となる・・・自ずと貧富の格差が出てくる。それも途轍もない格差が・・・
それじゃあダメなんだ・・・俺達は一人一人違う・・・一人一人が違う価値観をもっている。
国とはそれぞれ違う価値観でも良く似た価値観を持つ者達が集まり、王と言う代表を決めて、国が成り立っていると、俺は考えている・・・
なら、価値観が違うだけでその国を負われる事になる人たちも出てくる。
なら俺達は、この大陸に住む人達にも選択の自由があってしかるべきだと考えている。
規律を重んじる魏、人徳を重んじる蜀、人との繋がりを重んじる呉、自由なる思想を重んじる蒼、それぞれに合った国を民に選び、そこで生きる。
この大陸に俺はそんな国家形態を構築したいと考えている」
一刀の考えは斬新過ぎて些か付いて行けないところがある。
それ故に解る・・・この男が・・・北郷 一刀が大きく見える・・・
私はこんな大きい男と・・・蒼天にも似た大きな男と戦っていたのか・・・
・・・だが私はまだ負けていない・・・今に見ているがいいわ・・・
いつか、必ず何時かは追い越す!!
必ず!!
お前を追い越し跪かせる!!
待っていなさい・・・蒼天王、北郷 一刀!!
「一刀、私を弟子にしなさい!」
俺は華琳の言葉にフリーズした・・・
「お前もか!? 華琳!?!?!?」
俺の叫びに華琳は問いかける。
「お前も? まさか!?」
「そのまさかだ・・・」
俺達の会話に桃香は苦笑いし、蓮華は憮然とした態度でいる。
「で? 何で俺に弟子入りしたいと・・・?」
俺の質問に華琳は胸を張りながら答えた。
「私は今、貴方の話を聞いて思ったわ、古い価値観のままでいる限り魏に未来は無い。その為に貴方から教わり、貴方が見ている世界がどんな物か知らなければならない。
だからこそ貴方に弟子入りするの、魏を再生させる為に!」
俺は華琳の言葉に考え込む。
「魏を再生し如何するつもりだ・・・」
華琳は更にその王気をかもし出しながら言う。
「魏を四ヵ国の中で一番にするわ。貴方達蒼を超えて国を豊かにし、四ヵ国の頂点に立ち我々魏が四カ国の頂点である事を示す。それだけよ!」
俺は華琳の言葉に考え込む・・・
このまま華琳を鍛えて良いものか・・・
華琳こそがこの大陸の火種ではあるまいか・・・
そう考える一方で俺は別の事も考えていた。
緩んでしまえば何れ国は悪政を布くかもしれない・・・
適度な緊張こそが世界に必要なのではないか・・・
内部的な緊張だけでは何れ漢王朝やその他の滅んだ王朝のようになりはしないか・・・
日本の江戸幕府も確かに黒舟が来るまでは、安定した統治が出来ていたが、いざ外敵の侵攻に曝された時、無力さを露呈してしまった・・・
そう考えると、外的圧力や緊張などのカンフル剤も必要ではないだろうか・・・
そう考えた俺は華琳を弟子入りする事を決めた。
「・・・いいだろう・・・その代わり、死ぬかもしれんぞ・・・それでもか・・・?」
華琳はニヤッとしながら挑発的な目で俺を見ながら宣言する。
「それでこそやりがいがあるわ」
暫く晩餐会の会場は混乱した。
特に桂花の混乱振りが酷く、魏の政は如何するのかを叫びながら聞いてきた。
その問いかけに華琳はシレッと答える。
「1年くらい持ちこたえて見せなさい。貴女達ならできるでしょ?」
そういい桂花を黙らせた。
桃香と同じ事言ってる・・・
桃香達、蜀は大丈夫だろう・・・優秀な文官多いし、文官の仕事こなせる武官もいるし・・・
しかし、魏は実質文官の仕事は華琳、桂花、夏侯淵、霞が回しているからかなりキツイと思うが・・・
「ちょうどいい頃合よ、武官達にも文官の仕事が出来るように訓練したいと思っていた所なの」
そう言った・・・
まあ・・・なんだ・・・魏の武官の方々・・・ご愁傷様です・・・
そんなこんなで俺は魏、蜀、呉の王達を訓練する事になった・・・・・・
第一章完結、第二章に続く・・・
To be continued
暗い世界に2人の男がいる。
「やはり貴方の想像通り、魏、蜀、呉はあの男に弟子入りしました・・・」
「やはりな・・・」
「これで、小娘3人が北郷達と同じ目線で国を動かしていくでしょう・・・」
「いよいよか・・・三国と蒼がぶつかる時が来る・・・加筆修正を余儀なくされたが、まあいい・・・予定通り事を進めよ・・・『天悟』達と北郷 一刀に注意せよ・・・」
「はい、解りました・・・『ゼロ』・・・いえ・・・『ホンゴウ カズト』様・・・」
説明 | ||
恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら? という妄想から生まれた駄文です。 読んでもらえれば幸いです。 第一章は完結です第2章に突入する予定です。 |
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コメント | ||
まさかの全員が北郷一刀だと(VVV計画の被験者) もう理解が追いつかないwwww(rikuto) え?コレどーゆー事?!ゼロが一刀、え!?(samuraizero) 23話での返信ありがとうございました。 いやっ!!「北郷一刀」じゃないんだきっと!!「本郷和人」という別人なんだっ!!というかこの期に及んで、三国vs蒼とかっ。さすが黒幕!(ちょいちょい) ど、ドッペルゲンガーか?!(キラ・リョウ) クローンか?(ブックマン) 否定側と肯定側が、とある外史を盤として、盤上の彼らが駒、というような感じの将棋的な話、といった感じな気がします。次回の更新を楽しみに待っています(敏腕アトム) そして一年後お腹を大きくさせた3王が帰国するんですね、分かりますW(ヒトヤ) ほほほW(ヒトヤ) なんかすごい勢いで現代化していきますね・・・・・・(明夏羽) ・・・・どういうことだ? 一刀が二人? しかも三国の王が弟子入りて・・・・おもしれえじゃねえかよwwww 次の更新も心待ちにしてるぜ〜(峠崎丈二) 外史を肯定する一刀、否定する一刀この二人にはそれぞれ何があったのかがものすごく気になります!(サイト) えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜マジっすかぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!(COMBAT02) 予感はしてましたがやはり華琳も弟子になりましたか。。さてこれからどうなるのやら。(Sirius) 「ゼロ」の正体がwww予想外の展開だわ しかも華淋まで弟子入りとはwこの中華大陸のレベルがwww(村主7) いつも楽しく読ませていただいてます。黒幕が…すごい展開になりそうな予感です…(Hydropsyche) 「お待ちしておりました。曹操様、荀ケ様、張遼様ですね? お待ちしておりました、どうぞ」ここはお待ちしておりました、は一回でいいのでは?素人目ですが。(556) 蜀と呉は大丈夫そうだけど、魏はさすがにやばくない!?桂花が過労死しそうな意味で。原作と違って稟と風いないから。しかし敵もまた北郷一刀か・・勝利の鍵は支えてくれる女性の有無か!!?次の更新がんばってください。(投影) |
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