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2022年3月完成 人間は新しく何かに触れる時に、得てして初期に触れたものの印象が強く残る傾向がある思います 1998年ごろ、それまでガンプラとエヴァプラ目当てで読んでいた模型誌の中でだんだんミリタリー物が気になり始め、手始めに当時新製品として発売さればかりタミヤのM8装甲車を買ってきて作り始めます 戦車ではなく装甲車?とは自分でも不思議ですが戦車自体に詳しくなかったのとM8が新製品として掲載されていたのに加え、戦車や一般の装甲車とも異なる、直線状で構成された車体と丸い砲塔という見慣れないフォルムにひかれたのだと思います そのしばらくあと、たまたま手に取ったアーマーモデリング誌の第13号(1999年2月号)にM8の作例が2点、奥川泰弘氏と堀川哲生氏によるタミヤとイタレリのM8のジオラマ二点によりM8との再度の出会いを果たします このときショックを受けたのはタミヤ以外の模型会社が同じ車両を同時に模型化した点(ガンプラはバンダイしか出さない)と、両名によるジオラマの素晴らしい出来で、タミヤを作った堀川氏の作例は破壊された街並みが、イタレリを作った奥川氏は死体を模型として登場させ、さらに誰が誰を撃ったのかわからない構図というストーリーテリングを超えたミステリアスな雰囲気をまとっていたことが印象に強く残っています たまたまかもしれませんが、正統派な堀川氏のジオラマはタミヤ、ミステリアスな奥川氏はイタレリのM8を使用しており、その印象からイタレリ=ミステリアスなメーカーというイメージが刷り込まれていきました 評判によればイタレリのM8はディテールや組み立てやすさはタミヤに劣るものの、そのプロポーションはタミヤよりも正確であり荷物も専用品がついているというサービスがある、とのことでしたが同車種をラインアップしているタミヤとの関係上あまり見なかったと思い余計ミステリアスな存在となっていました それから約20年、たまたま入った模型店でイタレリのM8装甲車を発見し、機銃をアスカ、主砲をRBモデルに換装し韓国製(多分レジェンド)のレジン乗員を乗せいったん完成します(2019年) アンテナ線が暴れないように結んでいるのがポイントです 内容は前評判通りで、タミヤとのアプローチの一番の違いが現れているのが車体下部の6WDの再現で、タミヤは多くの部品を一体化し組みやすさに気を遣う一方、イタレリは駆動系を細かく分割しそれなりに組み立てを楽しませる仕様でした それからさらに3年、前作の地球防衛軍のジオラマを作る際ホームセンターで木材を切り出してもらった際に残った板切れを何かほかのネタに使おうと思いたち、模型棚にある完成品の中でちょうどいいサイズだったM8装甲車を使ってジオラマ化することに ベースは100均のスチレンボードに同じく100均の小石を撒いたり草を植え、南フランスの雰囲気を出すために道路を明るい色で塗装 レイアウト的にはM8装甲車の側をやや高くして米兵と農夫の力関係(米軍は武装しており2名いる)を強調 電柱を追加するのが定番ですがこの力関係が不明瞭になるのであえて付けず(これが「排除する勇気」?)、その代わり手前の紅白の杭を色味の調整がてら設置 M8装甲車を道に対して直角に近い角度で配置し軽く前輪で畝を踏ませることでフランスにおける米軍の異物感というか無遠慮さを表現 追加したフランスの農夫のフィギュアはウクライナはマスターボックス製で、毎度ながら原型師のパッションが伝わるような本当にエモい造形をしています ちなみにこのマスターボックス社、今年のウクライナ侵攻の中の心配の一つでどうなってしまうのかと思っていましたが、どうも「ロシア軍と戦うウクライナ兵」のフィギュアを出すようですげえやというのが正直な感想です 足元にはバーリンデンの芋袋を追加 米兵はすでに完成していたものの頭の向きを軽く農夫に目線を送るよう少し調整し、米兵が現地の農夫に道を尋ねている的なシチュエーションに 道を尋ねているんだけど、若いからなのかアメリカンだからかのか、現地人に対する(意図しない)威圧感と無遠慮さが出たかなと思います タイトルは一切の工夫なくそのまま車種名にして完成です さて今回お名前を出した二名ですが、両名とも現在でも精力的に活動されており興味のある方は一度検索されてみることをお勧めします |
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